カイリーのトレードが決まらない

アーヴィングの移籍話を書いたら閲覧数が過去最大になりました。それだけ注目度が高い事件という事なのでしょう。
そのトレードには20チームが興味を示したとされますが、キャブスが満足するオファーはなかったそうです。多くのチームが興味を示したようにアーヴィングの価値は高いのですが、キャブスはそれ以上の過大評価をしています。
管理人がアーヴィングの価値はどの程度と考えているのか私見を述べていきます。データとかありません。印象の話です。





答えは簡単
それはこの夏にバトラーとポール・ジョージがトレードされた事で示されました。この2人はアーヴィングに勝る価値があり、それは多くのメディアで論じられています。
◯バトラーのケース 若手有望株×3
バトラー + 13位指名権
ラビーン + クリス・ダン + 7位指名権
このトレードは割と公平だったと以前の記事で書きました。ブルズからするとエースと引き換えに若手有望株×3です。指名権も手放していますが、これ以上若手を増やしてもプレイタイム割けないので不要です。
◯ポール・ジョージのケース
不足ポジションのセカンドエース+有望株
ポール・ジョージ
オラディポ + サボニス
こちらは価値交換としてはペイサーズが損しています。しかし、契約が残り1年しかなかったので、ある程度の損は覚悟の上でした。チームに必要なポジションの選手を獲得しているので、チーム構成に合わせた妥協点です。
キャブス&ナゲッツとほぼ合意していたトレードでペイサーズはゲーリー・ハリス&数人を得る話だったらしいですが、サンダーとのトレードの方が魅力的です。噂ではブレイザーズから指名権×3を打診があったそうですが、結果論ではこのトレードが最も対価が大きかった気がします。今年のドラフト事情でしかありませんが。



そんなわけで、この2人から考えるとアーヴィングの対価としては若手有望株×2+ドラフト2巡目くらいか、セカンドエース+1人くらいが妥当です。
補足するとアーヴィングの価値を高めるのはサラリーが高くない事です。年2000万ドル程度で2年+プレイヤーオプション1年なので、コーンリーが年3000万ドル平均と比べれば割安です。ちなみに安いのは契約延長時期の問題なのでバトラーとジョージも同じです。ジョージが1年短いだけ。



カーメロと同じわけがない。
キャブスはカーメロがナゲッツからニックスに移籍した時と同様の対価を求めているとされます。過大評価も甚だしいです。
カーメロ・アンソニー(26歳)
放出 カーメロ+ビラップス+3人
獲得 ガリナリ他4人 +1巡目×1、2巡目×2
ナゲッツはカンファレンスファイナルまで進み、そのエースが若きカーメロでした。ナゲッツが得た5人はその後スタータークラスにはなれた選手達です。そこにドラフト指名権もあるのでビックトレードでした。
そんなカーメロの価値をニックスは少しずつ確実に落としていき、ナゲッツは微妙に良い選手ばかりを抱え、核不足で微妙にしか勝てませんでした。今になればルーズ・ルーズのトレードでした。



キャブスが求めるのは、即戦力ベテラン+若手有望株+ドラフト1巡目指名権らしいです。ただおそらくシャンパートもつけての話だとは思います。シャンパートは年1000万ドルサラリーなので、邪魔扱いされています。
カーメロはニックスがどうしても欲しかったので成立したトレードです。バトラーはフラットな案件、ジョージは放出前提の案件です。アーヴィングはバトラーとジョージの間くらいです。
他のチームからすると「トレード希望のアーヴィングを安く獲得するチャンス」なのですが、キャブスからすると「チームに残したいスターをトレードする案件」となり、この意識の差も大きく響いてそうです。



オファーしてないであろうチーム
アーヴィングは優秀な選手ですが、ボール持たせてナンボの選手です。ディフェンスも怪しくて動画検索するとリラードやウエストブルックにボッコボコにされるハイライトがあり、それもオフボールで振り回されマークを見失うシーンが非常に多く出てきます。ディフェンスビジョンの悪いタイプです。
そのためPG2人体制にしてまで欲しくなる選手ではありません。つまりアーヴィングより優秀なPGを嬢するチームからすると興味持てません。
ウエストブルック、ハーデン、カリー、ウォール、リラード、CP3にコンリーの6チームは要らないでしょう。
ここに若手に託す事が決まっているシクサーズ、レイカーズ、キングスも加わります。これは全部ルーキーなので近年ドラフトのPG不作状況がわかります。
マーケティングや将来設計なんかも関わるラプターズやホーネッツは微妙ですが、いずれにしてもSF・PF両面で考えられるカーメロと違って、多くのチームがPGのアップグレードとしては欲しがる事はあってもチーム構成のリスクを負ってまで欲しくはないタイプです。



実際のウワサ話に触れてみます。
サンズの場合
最も可能性がありそうなのがサンズです。ブレッドソーがレブロンと同じ代理人なのに加え、有望株とドラフト指名権を保持しています。
ブレッドソー、ジョシュ・ジャクソン、ドラフト指名権
ブッカー、ジョシュ・ジャクソン
キャブスの要求と言われていますが、どんなGMでも断る内容です。アーヴィングを過大評価するにも程があるだろ、という内容です。
ブッカーは問題外として、ジョシュ・ジャクソンはキーポイントです。サンズは何処まで残したいか、のケースでドラフト指名権を減らしたら受けるかどうかです。
アメリカ代表クラスPGのアーヴィングなので、PG&ドラフト4位ルーキーとのトレードは普通なら成立するのですが、それでもサンズは渋りそうな雰囲気。

ブレッドソー、若手有望株(ドラフト指名権)
サンズ側の提示はこの程度とみられています。ブランドン・ナイトがケガで提示出来ないのは痛そうです。有望株にジョシュ・ジャクソンは除きます。
つまりジョシュ・ジャクソン分だけアーヴィングの評価に差があります。ドラフト4位の価値は相当大きいです。



ヒートの場合
ドラジッチ 、ウィンスロー
ヒートは難題を吹っかけると思っていたら、現実的でした。なお、ヒートはオファーのウワサを否定しています。
個人的にはこれで決めてしまえ、というくらいキャブスに有利なトレードと考えます。しかしレブロンにウィンスローは潰されるというキャブス予想から実質ドラジッチしか得られない可能性があります。
ウィンスローは2年前のドラフト10位
10.9得点、5.2リバウンド、3.7アシストとレブロンの控えとして即戦力ながら、21歳で将来性もあります。問題は40%に満たないFG%で、レブロンが嫌うヤツです。



事情があってリスクを負ってくれた案件
20チームが声を掛けたとされますが、現実的には2つしか話題に上がっていません。つまり、どのチームもアーヴィング獲得にリスクは負いたくないスタンスです。
そんな中、真偽は怪しいですがリスクを負って獲得オファーのウワサとしては、
◯セルティックス
アイザイア・トーマスとトレード
エース放出はリスクですが、トーマスの年齢とマックス契約延長要求から考えるとセルティックスからは有りな話です。
どうせディフェンス出来ないなら、サイズのあるアーヴィングの方がかなりマシで、役割もチームオフェンスの中で単独突破する事なのでアーヴィング向きです。
なので、ウソみたいだけどアリなトレードです。



◯ウルブズ
ウィギンズとトレード
これもキャブスが得するトレードなのですが、ウィギンズとウルブズがマックス契約での契約延長に合意した事で事情は少し変わります。将来のサラリーを圧迫する事になります。
3年後のウルブズの中心はタウンズです。バトラー獲得した以上、ウィギンズをとるかアーヴィングをとるか、どちらでも良い気もしてきます。3年後にティーグの後釜を安いサラリーで探す事を考えたら、アーヴィングにかえてしまう。それはGMの好み次第です。



トーマスもウィギンズも将来のリスクがあるので、アーヴィングで清算する考えです。両者とも今のサラリーは安いので、キャブスにも悪い話ではありません。
でも、どちらもファンからエース放出にブーイングがあるでしょう。
なお、両者ともディフェンスに難ありでもあります。これもアーヴィングと交換出来る要因です。



ニックスの場合
ニックスは具体的なウワサがないです。カーメロくらいしか交換要員がいないためです。
ESPN記者の提案だと、
キャブス:カーメロ、ブレッドソー
サンズ:ニーナキーナ(ドラフト8位)、ドラフト指名権
ニックス:アーヴィング
サンズにとって何の旨味もない三角トレード。ないです。
しかし、意味合いとしてはニックスはアーヴィングの対価にかなり放出する考えと予想されています。カーメロ+指名権×2くらいの価値です。ここまで出すのはニックスだけ。
ドラフトでニーナキーナを指名しなければ、もっと言えばフィル・ジャクソンをクビにしておけば、成立した可能性があります。



ニックスが大きな犠牲を払うとして考えてみます。
ニックス:アーヴィング
ロケッツ:カーメロ、アレックス・リン
キャブス:ブレッドソー、ドラフト指名権(ニックス、ロケッツ)
サンズ:ローズ、ニーナキーナ、ゴードン
ローズがトレード出来るのか不明ですが、ブレッドソーきたらプレータイム減るのでサンズ行きです。サンズはローズにニーナキーナなら、どちらかのブレークに賭けられてゴードンのシュート力も得られます。ナイトがシーズン絶望なのでガードが必要です。



他にも本気で欲しそうなナゲッツとクリッパーズを考えてみます。
ナゲッツ
アーヴィングはナゲッツを嫌がっているみたいですが、人気面だけでなく、リバウンドを拾ってくれる点やパスが出てくるインサイドを考えればフィットして活躍出来る気がします。
キャブスは望んでいないでしょうが、インサイド陣をナゲッツから補強出来るのは大きいです。
クリッパーズ
デアンドレ・ジョーダン
チーム再建だからジョーダン放出してアーヴィング&グリフィンにすれば良い。人気もフィーバー!
キャブスはある意味レブロンの代役確保。
お互いに自チームの選手に過大評価してそうなので、成立しなそうなチーム同士。



結局のところキャブスの理想はアーヴィング残留なので、話が進まない面もあります。
バトラーとジョージが早く決まった要因として、チーム構成をハッキリと決めた事にあります。ブルズはバックコートの若返りと再建に、ペイサーズは全ポジションのバランス重視に決めました。
キャブスは今のオフェンスシステムだとアーヴィングは理想的な選手になっていて、そのシステムの改造話が全くありません。ファイナルの反省を活かして方針転換するならアーヴィング放出はチャンスでもあるのですが、ティロン・ルーHCには期待出来ません。
新GMが初仕事に自分の有能性を示したいのかもしれません。
他のチームもどうしてもアーヴィングが欲しい理由もないから平行線を辿っているのでしょう。



というわけで、あまりにも話が進まないから書いてみました。多くのチームが編成もひと段落し、7月中は不要ロスターのカット作業がメインになっています。その後は夏のバカンスもあるでしょうから、大きな話は減りました。C級の話題ばかりで退屈になってきました。
合わせてこのブログもあまり書く事ないので、希望があればコメント下さい。

カイリーのトレードが決まらない” への2件のフィードバック

  1. いつも更新楽しみにしてます。
    ヒートファンなのでこれからのヒートについての記事を見てみたいです。

  2. いつも楽しみに拝見しています。
    テーマに対するリクエストをさせていただきます。
    ぜひNBA各チームのコーチについての記事も読んでみたいです!
    ご検討よろしくお願いします。

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