20180428 ウィザーズvsラプターズ

お互いがホームコートをとり続けている対戦です。

 

基本的にはウィザーズの対応次第で左右する1試合の展開ですが、結果を確認するとラプターズ事情で左右されています。今季のラプターズの特徴はアシストが増えてラウリー&デローザンに頼らなくなったことです。そのアシスト数が20以下に抑えられた2試合で負けています。その2試合はともにラウリー&デローザンにアテンプトが集中しています。

面白いのは勝った試合もデローザンのアテンプトは多いので、エースが多いのが悪いのではなく集中しているのが悪いと言うことです。

ウィザーズは追い上げの質次第となっており、どうしても先手が取れない形が続きます。ここまで徹底して追いかけているのもまた凄いですが、そこはウォール&ビールの方が優れているからであり、それでいてチームとしては劣っているというイメージです。ここでも組織のラプターズと個人のウィザーズみたいな。

 

・・・・・・・・

〇先手をとったウィザーズ

ケガのポーターではなくウーブレイがスタートです。

連続でモリスのポストアップ を使い、さらにゴータットの合わせと良さげなウィザーズ。ミスから速攻に持っていかれても、しっかりと戻っています。プレーオフモード。ウォールのミドル、ビールの3Pも決まり出だし好調で3分で12-4とします。その間のラプターズはデローザンとラウリーのミスだよ。

好調なウィザーズはウーブレイも続くし、オフェンスリバウンドも押さえます。かつてない勢いのあるスタート。ディフェンスも割とイケイケになってくると、逆をとるラウリーが有効に機能していきます。なので明確にウィザーズペースだけど、ラプターズもそれなりについていきます。ただし、デローザンは止めるウーブレイ。

 

ベンチメンバーが増えるとウォール、ローソン、サトランスキーを並べるので苦しいのがわかるウィザーズです。それでも逆にインサイドが広くなったので、ギャプをスコットが使っていき、さらに速攻でも見事なダブルクラッチで得点していくので、流れが止まりません。5分で8点奪ったスコットの活躍もあり1Q30点に到達したウィザーズ

変わらずデローザンが止まるラプターズはそんなに悪くないのですが、フィニッシュでのミスが響いて20点止まりとなり、二桁リードとなりました。

 

・・・・・・・・・

 

〇最強の所以

セカンドユニットになっても流れは変わらず決まらないラプターズ。何とかバランチューナスが押し込むくらい。ならばディフェンスからリズムを生み出すのが最強の所以です。こぼれたリバウンド争いを制すると一気に走り出し、速攻を決めて点差を縮めます。

さらにビジョンが良いヴァンフリートがディフェンスプレッシャーの逆をついてシアカムへアリウープ。速攻も続いてラプターズが最強セカンドユニットで追いつきます。バランチューナスでもいけるのね。そんなにオフェンスが良いわけではなくて、ルーズボールへの反応の良さと冷静にディフェンスをみてリアクションしているような感じでした。好調じゃなくてもしっかりとプレー出来るのが強み。

 

〇ウィザーズらしさ

しかし、スターターが戻ってくるとウィザーズのオフェンスが機能し始め盛り返します。ビールの3P、ウォールのミドルで10点差に戻します。

ほんのすこしの差ではありますが、やっぱりセカンドユニットの方がルーズボールへの反応が早くて、その差で速攻に持っていけるかどうかになっています。ラプターズはスターターだとリバウンドを確保しきれないという微妙な差異。

ただ、ハーフコートの構成はスターターの方が良いので、お互いが得点するようになります。お互いが得点するならウィザーズの方が上という関係性。

 

残り2分からアヌノビーとラウリーの3Pで点差を詰めたラプターズに対し、ビールが外したウィザーズ。ウィザーズのシュートミスに助けられた感じで53-50と3点差になって前半が終わります。

なんとなく奇妙な前半です。ウィザーズらしいというか。
内容はセカンドユニットを除けばウィザーズの方がかなり良かったですが、内容が良いとシュートが決まらないので点差は僅かに3点のみ。二桁リードで終わると思いきや追いつかれてしまうから今季の成績があります。しっかりとコントロールもしているのにダメなんだよね。この特徴はどうやったら直るのか。

 

・・・・・・・・

点差を除けばしっかりと出来たのですが、ウォールとビールのプレータイムが長い。休ませる前にセカンドユニットにやられてしまいました。ラプターズはデローザン問題があるけど、周囲がしっかりと出来ているから後半どこかで爆発してくれれば良いのかな。途中からはパスの方で貢献しているので、向きにならなければという感じ。

 

・・・・・・・・

 

〇仲良し両チーム

バランチューナス、アヌノビーと合わせで得点するラプターズ。ウォールとビールのコンビで得点するウィザーズ。それでほぼ互角なので判断が難しいです。チームとしてはラプターズが上でエースとしてはウィザーズが上。

ゴータット相手に3回アタックし直して何とか決めるデローザン。また3Pばかり打ってるイバカ。今度はウォール&ビール以外が苦しくなってきたウィザーズに付き合っている雰囲気のラプターズ。逆転するチャンスを見逃して上げているみたいです。仲良いな。

 

タイムアウト明けにデローザンが連続で得点したことでラプターズがこの試合初めてリードを奪います。するとウォールがミドルを返します。ラプターズが速攻を出すもパスが長すぎてミスになれば、ウィザーズは3人の中にウォールが突っ込みます。仲良いな。

 

〇点差以外のこと

タイムアウト明けをモリスの3Pにするも外れると、マイルズもフリーの3Pを外します。この展開でウィザーズにとってありがたいのは、ウォールを休ませる時間が作れたことです。ラプターズが連続で決めてくる雰囲気が全くありません。デローザンは相変わらず決まらないので、リバウンドさえ抑えられれば。

延々と3点差で推移していった3Qは最後にビールのフローターをサトランスキーが押し込んでウィザーズ5点リードで終わります。ウォールとビールしか得点していないくらいのイメージですが、そこをフォローしてくれると強くなります。

いつも通りのラプターズに対して、ウォールを休ませられたから良かったウィザーズ。一方で3Qの時点でエース頼みになっているウィザーズと全体で得点出来ているけどエース待ちのラプターズ。違う意味でエーズ次第になりそうな両チームです。

 

・・・・・・・・・・

〇セカンドユニットで追いつく

ディフェンスリバウンドから速いラプターズ。5人が走るから最後にやってくるポエルトがフリーになります。その次のプレーでは先にボールプッシュを止めたローソン。渋いね。

ポエルトが目立ちます。それはお互いにディフェンスが強くなっているので、一番空きやすいから。3ガードのウィザーズに対し、ウォールのマッチアップをシアカムにするラプターズ。抜かれる部分は織り込み済みでシュートチェックで止めようとしています。お互いに得点していき、3分経過したところでシアカムのフックで同点、リバウンドからポエルトのフリースローでラプターズが逆転します。

あまりにもデータ通りな最強セカンドユニット。でもここで同点止まりだと勝てないラプターズ。

 

〇強すぎるセカンドユニット

シアカムとヘルプのポエルトの2人でウォールを止め、マイルズの3Pに繋げますが、ビールも3Pを返します。ゴータットがムダなロングパスを出してカットされると、ゴータットとの勝負をスピンムーブで決めるライト。ビールを追いかけてブロックすれば、プットバックダンクを決めるシアカム。スターターより強いセカンドユニット。4Q6分もベンチメンバーだけで戦ってしまい、リードを得てしまうのでプレーオフのセオリーが通じないラプターズ。

苦しくなってきたウィザーズはウォールがスピードで振りきって行きます。こちらは完全にスターターに。

 

3点差でラウリーとバランチューナスだけ戻します。珍しいバランチューナス。その2人が決めて7点差になります。珍しく当たりまくる采配。ヴァンフリートの3Pが落ちてもライトがひろうのだから難しいチームです。ビールが3Pを返しますが、ラウリーがフローターを決めればルーズボールに食らいついて速攻に繋げ、最後は走ったシアカムがレイアップ&ワン。強すぎるセカンドユニット。

エースコンビが不安?

セカンドユニットがいるじゃないか!

 

 

〇クラッチ勝負

まあでもどこまで引っ張るかだよね。ウォールからモリスへアリウープが決まり、残り3分半6点差となりタイムアウトでデローザンも戻ります。ライトとシアカムを残した形。

ウィザーズはゴータットをローソンにしたスモールラインナップにします。少し難しいのはウォールにシアカムになっているのでローソンというのは効果的なのですが、かといってそんなにPG仕事にはならないので意味がない時間も。なによりラウリーがオフェンスで自由になっていきます。

結局はウォールの個人技になってドライブで抜いていきますが、レイアップが外れ残り1分39秒10点差となり、タイムアウトコールと同時に観客が帰り始めます。いくら何でも諦めるの早すぎないか!?

 

時間を消費して打つデローザン。決まらないけどシアカムが拾ってくれ、もう一度時間を使ってデローザンが3Pを打ちますが外れます。でもバランチューナスが拾ってくれます。

さすがに観客がブーイング。帰ったファンが正しかったみたいな。最後もウォールとビールだけがプレッシャーディフェンスに出て行ったウィザーズと、最後まで外し続けたデローザンでした。デローザンFG6/18なんですけど。

 

・・・・・・・・・・

◉シーズン通りだった両チーム

 

この試合だけで言うと勝ちきれなかったウィザーズのシーズンそのものでした。リードを得られる時間にラッシュしないで満足してしまった感じの前半です。試合を優勢に進めても結局は4Q勝負になってしまう形です。書いていたとおり、その兆候は3Qの時点でエース頼みになっていったのが原因なので、ローテーションをどうするか固まりきらなかったし、台頭できなかったベンチメンバーという感じ。

一方でスコットだけでなく、多くの選手を使ってもいたシーズンなのでHCが悪いのか、選手が悪いのかは微妙です。そして最終的に信用しなかったブルックスHCというのも全く振り切れてないよね。特にサトランスキーを信じないでローソンを信じていたら、そりゃあチーム内の空気は悪くなるよ。

ウォールがケガで離脱していたことを考えれば十分に検討したプレーオフでした。でもさすがにこれで勝ってしまったら、辻褄が合わなすぎるので致し方なかったかなと。それでもラプターズ相手に互角の印象なので、来季はしっかりとシーズンを過ごして欲しいです。

 

・・・・・・・・・・

そしてウィザーズの敗因はデローザンをスターにしなかったことかもしれません。しっかり止めたから出番が後ろにずれていったデローザンとプレータイムが長くなっても強すぎたセカンドユニット。サンダーが走ることにして大逆転した話じゃないけど、結局セカンドユニットにあるのもそんな部分です。ルーズボールやオフェンスリバウンドがとにかく徹底してきます。

ある意味、ウィザーズに足りない点差関係なく全力疾走してくるようなセカンドユニット。ウィザーズに足りない部分がセカンドユニットの強みなのだから、こんな結果になるのも納得です。

 

そしてラプターズはデローザンがやっぱり苦しい結果に。別にそれでも周囲を活かしてくれるなら問題ないのですが、時折、それを忘れてしまうよね。なんとなく「7試合の内3試合はデローザンが多くなって、それを1勝2敗で切り抜ければ勝てる」というイメージです。

この試合は上手くいきましたが、セカンドユニットとスターターの切り替え時次第という感じです。それはケーシーHCの手腕にかかっていますが、観ていてもベストのタイミングってわからないので、かなり大変な判断だと思います。

 

このシリーズではウォールに対してかなり無力だったので、そこも相変わらず。これを書いている時点でペイサーズとキャブスの結果はわかりませんが、ドライブのフィニッシュが課題のウォールだから助かったけど、レブロンだと苦しいよね。オラディポだとどうかな微妙だな。

一方でアヌノビーとシアカムがウォール担当というのは面白い試みではありました。アヌノビーは予想の範疇ですが、シアカムが成功するとはね。

 

攻守にエースコンビだけでは勝てないラプターズというのをハッキリ示してくれたので、HCとしても判断はしやすそうです。

 

 

 

20180428 ウィザーズvsラプターズ” への5件のフィードバック

  1. ウィザーズファンですが、この試合は納得の完敗でした。とにかくラプターズのセカンドユニットが強力で、ウォール&ビールが全然休めず、早々に両エースのアイソレーションに頼るオフェンスを見ていると、点差自体は終盤まで大きく離れなかったものの残念ながら勝てる気配は皆無でした・・・。
    サトランスキー、スコット、ウーブレイと、昨季に比べれば多少上積みがあったとはいえ、やっぱりトップシードのセカンドユニットには程遠かったですね。完敗です。
    HCの処遇、MAXポーターに迫るウーブレイの成長、スコットとの再契約、オフの動きに期待です。

    今シーズンのイースト、もしかしたらトラストザプロセスの達成なりますかね。引き続き、管理人さんの分析と共に、残りのプレーオフを楽しみます。

    1. 1Qの入りは良かったのですが、3Qでエース頼みになりすぎましたね。十分にタレント力があるベンチですが、チームとして機能する形を定められませんでした。HCはさすがに継続するのは苦しいですが、短期政権を繰り返して失敗している傾向もありますからね。

      トラストザプロセスだけど、大してプロセスしてないですけどね。シモンズがいるだけみたいな。

  2. ビールとウォールを酷使して息切れさせて負けた感じですかね。
    いつものパターンです。
    今日のゴータットとウーブレイの出来なら後半マヒンミとスコットで行って欲しかったですが
    弱気なブルックスは変えれないですからね
    ウィザーズのシーズン終了したので来シーズンに期待しつつリーパス解約してBリーグでも見ます

  3. ラプターズのセカンドユニットには脱帽です。やっぱりヴァンフリート帰って来ると安定しますね。終盤のオフェンスリバウンドラッシュには痺れました。
    デローザンの使い方など今年のラプターズは期待できそうに思えてきました。
    ペイサーズとの運動量対決も見ものですが、キャブズに積み上げたものの違いを見せ付けてほしい気もします。
    いずれにしても、昨シーズンとは違うイーストを楽しみたいと思います。

    1. ちょっと強すぎますよね。そしてやっぱりハードワークが重要で、その中にヴァンフリートみたいなタイプがいるとしっかりと状況判断してくれるから安定もでてきますね。

      デローザンのステップアップ頼みではないチームを作ってきたラプターズには脱帽です。あとはそれを結果に繋げられるかだけです。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA