サンダー後編~ドノバンは動くのか~

サンダーを語る後編です。
2回に分けたのは異なるテーマにしておくためです。
プレーオフに向けて現状を語ります。

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まずは前編を10秒で振り返りましょう。

「豪華メンバーだからパッシング&全員アタックにするぞ!」
→「ヤバい、いまいち勝てない。全部を解決するには問題が多くて対処しきれない」
→「理不尽生物のウエストブルックに任せようぜ!」

困ったことはウエストブルックの理不尽戦法で誤魔化していったので、戦術がどんどん消え去っていったのでした。以上です。

 

「ウエストブルックがもっとパッシングゲームをすべきだ」
ある意味、それに対する回答が前編でした。今更戦術は変わりません。変えたら4連敗して今季終了です。だから現状の中でどんな点が課題で、プレーオフでどうなるのかを考えるのが後編です。

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◉とはいえスターターは強い

 

前回あんな事を書いておいて何ですが、ウエストブルック頼みの部分が強くなったとはいえ、サンダーのスターターは強いです。問題があるのはベンチメンバーです。リーグ最低の得点力。でも実はベンチメンバーは結構良いメンバーが揃っています。

 

では何が問題なのか?
答えはウエストブルックがいないことです。ウエストブルックを中核に置いたシステムになっているため、いないことで苦しくなります。フェルトンも頑張っているけどね。

そしてウエストブルックを中核に置いたスターターは非常に強力かつ効率的に出来ています。

 

〇ウエストブルック、ロバーソン、ポール・ジョージ、カーメロ、アダムスのレーティング
オフェンス 110.1
ディフェンス 95.9

オフェンスでもディフェンスでも十分に優勝が狙える数字です。レーティング差異は+14.6となります。まぁロバーソンがいなくなりブリュワーでは僅かに+0.4。ブリュワーとの関係性が上がってくれば改善するかもしれません。実はヒューステスでも+10.4なので十分に強いです。

 

ちなみにベストメンバーだけで比較するなら、イグダラをいれたバージョンのウィーリア-ズで+8.4、タッカーをいれたバージョンのロケッツで+5.7です。スターターのみで戦えるならサンダーは十分に強く、スターターだけでは戦えないと理解している両チームは他のユニットでも高い数字です。

 

パッシングゲームは上手くいかなかったものの、何の問題もないシステムだからこそ継続しているわけです。ウエストブルックの突破力と高いパス能力を活かして、シューター達とアダムスがフィニッシュしていく形は非常に強力であるし、実は効率的です。

忘れてはいけないのは、ウエストブルックシステムは強力だということ。でもウエストブルックは1人しかいない。こういうチームは割とあるわけです。でもここまで強いチームは珍しい。

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◉ディフェンスの良いチーム

 

しかし、目立つのはオフェンスよりもディフェンス面です。そのディフェンスは数字以上に強力なものです。ロバーソンは1人だけ96.4と圧倒的なレーティングなのですが、スターターのみの時間に出ていることが多いことも関係します。
そんなロバーソンが抜けて一気にディフェンス力が落ちましたが、ファーガソンやアブリーネス、ヒューステスもかなりチェイスして守れるのに、どうしても劣ってしまうのはヘルプディフェンスの質の違いだったりします。

ロバーソンほどではないにしろ、高いチームディフェンスの中で個人を守るだけでなく、ヘルプとパスカットがどれだけ出来るかはプレーオフでの課題となります。

 

サンダーのディフェンスの特徴は大きく2つ。
1つはディフェンスのスイッチを躊躇わないことです。アダムスはビックマンですがスピードのミスマッチでもそうそう負けないし、ウエストブルックはセンター相手でもパワー負けしません。穴が少ないのが特徴です。

唯一の穴だったのはカーメロですが、シーズン終盤になりかなり守れるようになってきました。パスも上手くなったし、実は成長しています。

 

もうひとつはリーグで最もスティールが多いこと。ウエストブルック、ポール・ジョージ、ブリュワーだけで5.1という高い数字を誇り、そこからリーグ3位の速攻につなげます。

ここで重要になってくるのが相性問題です。サンダーはウルブスとブレイザーズが苦手です。その理由の1つはパスを殆どしないチームなのでスティールする機会が少ないから。ターンオーバーが少ないチームに対してどう戦うのかは課題になります。

 

ウエストブルックはターンオーバーが多いって?
でも相手のターンオーバーも増やすよ。

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今季はウォーリアーズにも勝ちカンターを喜ばせたサンダーですが、ディフェンスが効いたのが大きいわけです。流行のプリストンオフェンスだけどオールスイッチでも対抗出来てしまうチームにはあまり有効ではありません。それはロケッツも同じ方向性でディフェンスを構築しています。共にウォーリアーズを見据えた対応です。

 

ポール・ジョージ、カーメロ、ヒューステス、グラント、パターソン

ウエストブルックとロバーソンも含めてサンダーが揃えたのはどんな相手でも守れるタイプの選手達。この機動力ディフェンスは大きな効果を発揮します。

 

スパーズの負けない戦術は多くのタイプの選手を揃えてミスマッチを作らない采配ですが、サンダーやロケッツは誰もがどこでも守れる事を重視しています。

スイッチを促してミスマッチを作るチームが多い中での有利性を保ったといえるサンダーは、カーメロが守れる事で1つの完成形になります。サードオプションになった代わりにディフェンス力を向上させた部分をどれだけ発揮出来るかは、プレーオフでの見所のひとつです。

単に強力なだけでなく問題が発生しにくいディフェンスは、おそらくアンソニー・デイビス以外は対応を考えなくて良い一面があります。それはどのチームも苦労する問題に過ぎないし。

 

一方で弱点は3Pへの対応が悪いこと。

不思議なくらいに決められることが多くありますが、ドライブへのヘルプが早すぎてキックアウトされると決められてしまいます。つまりパスカット出来るか、通されるかみたいなギャンブル的な一面もあります。
特にロバーソン離脱後は3Pを決められまくっています。個人のディフェンスを信じてヘルプに行かない勇気が求められます。

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◉オフェンスの基本設計

 

サンダーのオフェンスは大きく2つのパターンです。
1つはオフボールのスクリーンからシューター達が動いていき、ボールムーブとポジションチェンジでフリーの3Pに繋げます。でも正直、機能しているのをみた記憶がありません。ドライブが減りすぎて3P縛りになってしまいます。

 

もうひとつがウエストブルックの突破力を基軸に置いた形で、ポール・ジョージのオフボールムーブを狙いながら、アダムスとウエストブルックのコンビでドライブし、インサイドを破壊しながらキックアウトします。

 

ここで1つ挙げられるのが、ウエストブルックを個人で止められるディフェンダーは少なく、マッチアップデータではウエストで唯一リラードがFG38%に抑えています。あとはスパーズのマレーくらいでした。

FG%が低く、抑えやすいイメージのあるウエストブルックですが、昨季「最もディフェンスするのが困難な選手」に選ばれたように、個人勝負ではほぼ負けません。ちなみに最も止めて尚且つ得点もとっているのはペイサーズのダレン・コリソン。大学時代の正PGがコリソンで控えがウエストブルックでした。

 

屈強なアダムスのスクリーンも使いながらインサイドへと進入していくウエストブルックを止めるのは難しく、広い視野でキックアウトしていきます。とはいえそれなりにミスもしてくれるわけです。

理論上はそんなキックアウトから3Pが高確率で決まれば、止めようがないのがサンダーのオフェンスです。

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◉カーメロとポール・ジョージ

 

ウエストブルック中心のオフェンスでは重要なディフェンスを広げる役割をもつ2人。ちょっとした問題を抱えています。

〇ウエストブルックのパスからの3P
カーメロ 1.2/3.5 37.0%
ジョージ 1.5/3.8 40.3%

共に高確率で決めているだけでなく、意外とバランス良く打っています。ともに確率も良くシステムの中で機能してきています。ただ、チームの質を考えると共にあと5%くらい欲しいところです。この辺りはウエストブルックへの慣れも求められます。あと出来ればウエストブルック本人が打たないで欲しいです。

 

〇オールスター以降の3P
カーメロ 40.4%
ジョージ 28.6%

そんなわけで気がついたら信頼できるシューターはカーメロになっていました。チームが好調だった頃のウエストブルックはあまり打ちませんでした。それが再び打つようになってきた理由の1つにポール・ジョージの不調があります。

 

なぜ、確率がここまで落ちてしまったのか。1つには疲労が考えられます。ロバーソン不在によりディフェンスでの役割が増え、プレータイムも増してきました。実は負荷が大きいポール・ジョージ。

シーズン前半にカーメロが酷く、終盤になってポール・ジョージが酷い。2人のシュート力の安定こそがサンダーがオフェンスチームに生まれ変わる道だったりします。

 

前回、当初の設計図は「セカンドユニットにカーメロのアイソレーション」が含まれていたと書きましたが、現状ではポール・ジョージを休ませて当初の形に戻した方がお互いに合っているといえます。

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サンダーは速攻にも走り、オフェンスリバウンドも強く、シュートさえ決まれば問題がありません。しかし、それは安定的に決めるのは難しい。だからチームとしても不安定なわけです。

ある意味、どうやって安定させるかの視点が欠けているのも事実です。現代的にはポール・ジョージ&カーメロの3Pアテンプトは少ない方かもしれません。2人で13.6本打ちますが、それを得点にすると30%で12.2点、40%で16.3点なので4点しか変わりません。

プレーオフでバランスが大きく変わることはないでしょうが、ブリュワーも含めてどこまで効率的に決められるかは重要です。

 

そしてこのシステムの問題は設計としては非常に良く出来ている事です。リーグで最もインサイドを破壊するコンビがいて、シューターとしてオールスタークラスが待っている。それの何が問題なのかというと、それだけで突破出来すぎてしまい、変化に乏しくなってしまうことです。

サンダーがプレーオフでやらなければいけないことは、「相手の対策を如何に上回るか」ということであり、即ち「ウエストブルック対策へどうやって対抗するのか」という事です。

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◉ウエストブルック対策はあるのか

 

ウォーリアーズは昨季のサンダーに対して「ウエストブルックを止めるのは簡単」と発言しています。スパーズは先日の試合でマレーの手の長さを使って、ウエストブルック対策が構築されていることを示しました。

こうやってウエストの上位チームは「チームとしてどうするか」を考えてあります。それが成功するかどうかは7戦もあるシリーズの中で試していけば良いだけです。

 

理不尽な生物と評したウエストブルックですが止め方は様々ですが、メジャーなポイントはこの2つです。

① ウエストブルックは諦めて他を何とかする。
② ウエストブルックは諦めて運を天に任す。

基本はどちらも諦めるですが、こんな方法論で割と何とかなるから批判を集めてしまいます。

 

スパーズが採用したのは①のパターンで、スペーシングされた中で周囲のマークを外さずにパスコースを遮断しました。マークのマレーは簡単に抜かれてしまうのですが、オルドリッジがヘルプで待ち構えているのでウエストブルックはパスを出します。ところがチェイスしてきたマレーはこのパスをカットしてしまいます。なんせ絶対にアダムスに出てくるのがわかっているから狙い所はハッキリしています。

ただし、これは見た目よりも遙かに難易度が高い。ウエストブルックのパスは変態的と評しますが、タイミングは読みやすいけど人ではなく空間に出してくるのでカットするのは至難の業です。なお、アダムスとロバーソン以外は受け手も取れません。

簡単なようでいて難しいので、スパーズコーチ陣の分析力とマレーの驚異的なカット能力があって初めて成立する方法でした。ウォーリアーズもこれに近いパターンがメインです。

 

上位チームの他に明確な答えを用意出来ているのはウルブスです。②のパターンですがウルブスの場合は大した作戦ではありません。ただ単にバトラーがいるというだけです。言わずとしれたリーグ屈指のディフェンダーをウエストブルックに当てるだけ。

バトラーといえどもウエストブルックを止めるのは至難の業です。しかし、ウエストブルックには致命的な弱点があります。シュート力不足。だから「最悪は抜かれること、シュートは諦める」という対策でバトラークラスならば計算が成り立つわけです。

 

ただし、ウエストブルックの理不尽な部分は直近の3Pが20%を下回っているくせに逆転3Pだけは決めたりすることです。

でもそれが7戦中4試合も発揮される可能性は低い。別に1対1で戦っているわけではないので、チームで上回れるならば4試合もウエストブルックが好調とは考えにくいです。だからオフェンスの強いロケッツにこの対策をやられたらサンダーは確実に負けます。

 

そんなわけで①はポピュラーだけど難しく、②は簡単で有名だけど自分達に自信がないと採用出来ない作戦です。

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ここまでの内容を逆に読めばサンダーの問題は簡単に解決しそうです。ウエストブルックに頼らないパターンがあれば相手はどうしようもありません。それは戦術レブロンだけど勝負すべき場面で個人勝負するのはアーヴィングだったキャブスに似ています。

サンダーの場合は逆に他の戦術で戦い、困ったらウエストブルックにしておけば、全てのチームが血眼になってサンダーの弱点を探ったはずです。それをやろうとしたけど困りすぎて常にウエストブルックになってしまったのが今シーズンのサンダーです。

 

ならばせめて、最低限は『対策への対処』が出来ないと話になりません。それがサンダーが勝つための第一条件です。

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◉せめてマッチアップは変えてくれ

 

スパーズは非常に難しいことをマレーにやらせました。ウルブスはストロングポイントのバトラーを使ってきます。

・・・スクリーンでスイッチさせるだけで解決するのでは?

 

〇1試合あたりのピック&ロールのロールマン回数とEFG%
ポール・ジョージ 0.5回 63.8%
カーメロ 1.2回 43.2%

見てのとおりポール・ジョージはスクリナーとして非常に効果的です。カーメロには頑張ってもらうしかないとはいえ、2つのスクリーンを経由してからウエストブルックになると、相手からすると対策の難易度が著しく上がります。

 

ちなみにアダムスではダメな理由は、単にウエストブルックに3Pを打たせるような守り方をされるからです。そこは相手だって想定にいれています。決まらない3Pを諦めれば済む話なのです。

ある時期のサンダーはこの作戦を徹底して実行しましたが、いつからか辞めてしまいました。カーメロでマークを変えてから、アダムスのピックを使ったウエストブルックのドライブで終盤に得点を稼いで勝利を積み上げていました。

 

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しつこいくらいにスイッチを促してくるのがロケッツです。その多くはハーデンのアイソレーションになるため数字には残らないのですが、代わりにハーデンの得点率は昨季よりもグッと伸びています。単に3Pの確率を上げただけでなくチームとして成熟し、『対策への対処』が明確に現れているからです。

シリーズは7戦の中で4勝を上げれば勝てます。正直この方法を採用するだけでロケッツ以外との戦術レベル差はかなり縮まります。ロケッツはカペラまで守ってくるから非常に厄介。ウエストブルックvsハーデンにして髭を虐めるくらいしか有効な対処法がありません。というか、それはものすごく有効なのですが。

 

ビック3を揃えたサンダー、ウエストブルックシステムは継続されているとはいえ、やっぱりポール・ジョージとカーメロの働きが大切です。

そしてミスマッチになるならば躊躇わずにカーメロを使うべきです。ここが1つ重要なのですが、「ポール・ジョージのミスマッチ」という状態は殆ど想像できません。敢えて言えばビックマンとのスピード差くらい。

カーメロの場合は相手ガードとポスト勝負というオプションがあります。だからやっぱりPFとしてのカーメロもとても大切です。

 

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ウエストブルック対策への対処としてスイッチを促して、ディフェンスの狙いをずらす。

まぁ本当にこれだけです。たったこれだけ。でもこれだけのことすらしていないサンダー。
結局の所、ウエストブルックにはマレーはもちろん、バトラー相手でもあまり困らない理不尽さがあります。だけど、どうみても効率が悪い。それはウエストブルック自身以上にチームとしての効率の悪さ。

 

普通は「あいつのディフェンスが穴だから狙え」とやるのですが、とりあえずストロングポイントだけは避けておけばなんとかなります。だからサンダーが戦術的に弱いとわかっていても、どこのチームも気が抜けないわけです。

 

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◉時折やってくる謎のサンダー

 

さて、スパーズに敗れ、ナゲッツに敗れ、大事な試合を落としているサンダー。
その前に大逆転されたセルティックス戦も含めフリースローを外して負けるという大失態を何度も繰り返しています。ビック3全員がやらかしているので最早何も言えません。

プレーオフでサンダーが勝つ可能性は結構ありますが、それを自らフリースローでふいにする可能性は高いです。いや、もう正直ファイナルに進んでセルティックスと対戦になったら勝てないと思います。あちらは最後まで諦めないし残り10秒10点差でも逆転されるかもしれない恐怖があります。

 

4位の座をスパーズに明け渡し、苦しくなってきた中で迎えたペリカンズ戦で謎のサンダーが出始めます。

ウエストブルック&アダムスやスティールからの速攻でスタートしながら、次第にカーメロとポール・ジョージで攻めるパターンが中心になっていきます。それは終盤になってもバランス良く攻めていき、最後をウエストブルックで締めるという理想的な展開。

スクリナーからポップして3Pを決めるカーメロ、ポストアップするポール・ジョージと複数のパターンを使っていました。パッシングゲームではありませんが、3人がバランス良くアタックする形が出ていました。

 

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『サンダーは相手の強さに合わせてくる』

そんな風に評していましたが、その理由は相手が強い方がバランスよくなる傾向があるからです。それは弱点を攻めていく傾向が強くなるからなのかもしれません。割と謎。

 

思い出すのはウォーリアーズとの2戦目です。開始早々にカーメロがアクシデントでロッカーに戻りました。そんな中でウエストブルックを中心にリードしていったサンダー。
しかし3Qにウィーリア-ズに捕まります。アタックが止められ始めるとアダムスのポストアタックを使って見事にリードを守り切りました。ウィーリア-ズの最も弱い部分を効果的に攻めたと言えます。

 

相手が強くなると自分達も強くなるサンダー
それはバランスアタックをし始める姿でもあります。

そもそもプレーオフになるとアイソレーションが増えるのが通常のチームです。
サンダーにはそのオプションが4つもあると考えるならば、悪い話ではありません。

 

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◉ドノバンは策を用いるのか

 

ドノバンHCは相手に合わせた戦略を使ってきません。それで負けるときがよくあります。ワンパターンな終盤のサンダー。

 

しかし、2年前はウォーリアーズのスモールラインナップに対しビックラインナップで対抗し打ち合いを挑む姿勢を示しました。それは滅多に観ないラインナップでもありました。バーンズ曰く「あの年のベストチーム」だったサンダー。

昨季はカンターをベンチに座らせ続け、サボニスを控えセンターとして起用しました。ロケッツへの対抗策に選んだ形です。

 

そもそも大学で連覇なんてとんでもない事をしているHCです。

シーズン中同様に動かないなんて事があるのでしょうか。

 

 

サンダーが勝つのは難しい。

その理由はウエストブルックシステムが強力である反面ワンパターンに陥りがちだからです。しかし、プレーオフでもワンパターンになると考えるのは時期尚早です。サンダーが時折みせる謎のバランスアタック。そしてプレーオフでドノバンが用いてくる戦略。

 

プレーオフのサンダーを予想するのは難しい。

それは強力なウエストブルックシステムに変化をもたらすパターンを挟んでくる可能性が高いからです。

 

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前回の記事には反響も大きくウエストブルックについて、こんな意見をよく見かけました。
「盛大にやらかし自分で取り返す」
「超人的な事もバカな事もする」

やらかすってのは良く分かるのですが、「バカ」なのかどうか。若いときはバカでした。今のウエストブルックで感じるのは、むしろHCがいったい何を指示しているのかということ。オフェンスのエントリーが毎回同じだったり、コールするセットも同じだったり。

 

セルティックスはゲームメイクするのがスマートしかいませんが、どう見てもHCが指示してオフェンスをセットしているのでそこの拙さを感じません。

だから思うのです。ドノバンHCは交代させるべきだと。
だけど思うのです。ドノバンHCはプレーオフで変えてくるのではないかと。

 

サンダーには強力なオプションとなるパターンは熟成出来ませんでしたが、選手は多くいます。そしてシーズン中も時折だけど、その片鱗をみせています。

実はウエストブルックよりも読めないのはビリー・ドノバンなのです。

 

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◉プレーオフを占う

 

結論:よくわからん。普通にやったら負けるけど、多分普通にはやってこない。
安定して勝てないから4連勝はしないけど、7戦シリーズで4勝する可能性は結構ある。

 

まぁそれくらいです。当たりそうなのはブレイザーズ、スパーズ、ジャズ。
頭が痛いのはウエストブルックが苦手にしているディフェンダーの存在です。ブレイザーズにはリラードが、スパーズにはマレーがいます。ジャズはやりやすいけれどゴベールを引き出せないアダムスです。

 

だからウエストブルックが盛大にやらかして負けることも、戦略で上回って勝つことも十分にあり得ます。そしてドノバンHCが何をしてくるかを確認してから2回戦以降を予想しましょう。

 

 

考えすぎるのはムダなのがサンダー

どんな相手でもウエストブルックは破壊します。しかしだからこそ相手は十分に対策を練ってきます。サンダーはその対策をどうやって上回っていくのか。見た目の雰囲気とは違い、それぞれのチームがみせる戦略面が重要になってきます。

 

そして最終的にはお互いが描いた戦略を理不尽に壊していく生物が出てくるはずです。

 

 

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気の早い話をすると、来季に向けて良い部分はディフェンスのチームである事です。

もしも優勝できなければHC交代の可能性が高いですが、よく走り守る文化を作ったドノバンは偉大です。

 

ディフェンスの良いチームがオフェンス力も身につけるケースは割とありますが、逆は少ない印象があります。それこそウォーリアーズはパスは回さないけどディフェンスを強化したマーク・ジャクソンの功績により、スティーブ・カーになってオフェンス力も上げました。オフェンスが良くてもディフェンスをしっかりやるのはチームに染み付いている文化です。

 

サンダーの内容についてウォーリアーズファンがバカにしそうだけど、そもそも優勝する前年のウォーリアーズはメンバーは同じだけれど、リーグで最もパスをしないチームで、ゲームメイカーなのに何しているのかわからないカリーがコントロールしていました。それでもディフェンス力でプレーオフ2回戦へ進んでいます。

それをスティーブ・カーにより突如としてパッシングが加わり今のチームが出来上がっています。

 

選手個人は関係なく、ほんの些細なきっかけとそこに結果がついてくる事でチームは大きく変わるし、選手も大きく変わります。

今季はパッシングに失敗したサンダーですが、それは結果が伴わなかっただけの事。それが続くと考えるのは浅はかだし、プレーオフも結果が出ればバランスアタックを増やす可能性も十分にあります。

 

サンダー後編~ドノバンは動くのか~” への7件のフィードバック

  1. 自分も今年の開幕戦を見て今年は!と思いました!
    whynotさんが開幕前に言ってたジョージが得点王で、ウエストブルックが歴代最多のアシスト王でになるのがいいと書かれておられたので開幕戦をみてそんなシーズンになるのではと自分も思いましたが。。。。なかなかうまくいかないですね〜。
    グラントとアブリネスがいて、フェルトン、パターソンも来て、ベンチもいい感じだなと思ってたんですが。
    自分もカーメロは1Qの半分くらいで交代してセカンドユニットの基点で使った方が得点力落ちないんじゃないのかなと思いました。
    ウォリアーズのトンプソンみたいなタイムにしたらいいのにって思いました。
    しかし、はまればサンダーは相手の強さに合わせてくるでプレーオフをおもしろくして欲しいです。
    その前にプレーオフ出れるのか。今の感じだとそれも危ない気が。
    このBLOGでロバーソンの重要性が非常にわかりました。
    最後にBLOGかツイッターでメイノアの名前が出てて上がりました!
    ウエストブルックの代わりにマブス戦の試合終盤に出てたのが懐かしいです!

    1. 15アシストは来季にお預けですね。
      ファーガソンやグラントが台頭してきたので、HCの考え方次第であり得ると思います。一方でポール・ジョージ得点王は難しそうだというのが、今季のドノバンの最大の誤算だったかもしれませんね。

      カーメロも最近はパスが上手くなってきたので、かなりやるのではと思いますが、そこに合わせるタイプの選手を作らないと意味がないですからね。ウォーリアーズもウエストがいないセカンドユニットは苦しそうでした。

      メイノアーはサイトを調べたら写真すらなく、ケガした後は何をしているのでしょうかね?今まさにチームに必要な選手の気がします。

  2. 毎回素晴らしい分析で楽しませて頂いております。
    今回の記事を見てウエストブルック(サンダーというチーム)の見方が変わりました。
    可能であれば色々なチームのシステム戦術を解説して下さるとありがたいです。
    貴重な記事をありがとうございました。

    1. ありがとうございます。プレーオフまでに可能な限り他のチームにも触れていきます。

      ウエストブルックはわかりやすいようでいて、意外とそうでもない部分がチームに存在します。そんな事を考えながら試合をみて頂くと違う楽しみも出てくるかと。

      ハイライトの映像も交えると楽しいのですが、ちょうど良い動画はなかなか見つかりません。

  3. OKCに関する貴重なご意見ありがとうございます。

    ウエストブルックのドライブが相手に認識されている以上、defenceはペイント内を5人でがちがちに固めるため、突破するのは当のウエストブルック以外には困難となり、catch & releaseタイプのpure shooterの色彩が強い選手が必要になると思われますが、サンダーにはK.D.,ウエイター以降は残念ながら存在しません。

    P.G. & メロも内外とバランスよく攻めてFG %を上げていくタイプですし、アブリネスはdefenceがもう一歩です。

    従って昨regular seasonの最終戦のように、極端にいえば、ウエストブルックはバックコートでリバウンドに専念し、P.G.がpoint foewardとしてメロも含めて組み立てるのを一つの攻撃パターンにしたい(ウエストブルック、P.G., メロ、グラント、アダムス)。

    もう1つの攻撃パターンは従来のウエストブルックの無双にご指摘のピックアンドロールのバリュエーションを加えたもの(ウエストブルック、ロバーソン、P.G., グラント、アダムス)。

    ロバーソンは攻撃時は存在感が極端に薄くなり、ウエストブルックと同居すれば容易に相手の視界外にでれるし、ウエストブルックの空間をめがけてののパスはロバーソンとアダムス以外は捕れないため。

    また最近6sersのエンピードや今ドラフトに代表されるように、ウオリアーズの弱点を意識してか、センター強化の動きが感じられ、対抗するため、アダムスにグラントを加えたローポスト対策が必要と考えました。

    同時にP.G.のdefence面の負担を軽減するため、上記一番目の攻撃パターンと二番目の時間比率を約1:2にしたいです。

    今のところのベンチはフェルトン、ファーガソン、アブリネス、ブリューワ、ヒューステイ、パターソンが適切かと思いますし、ウエストブルックのプレータイムも従来の30-35分程度がベターと考えます。

    いずれにしても、P.G.が残留してくれ、ウエストブルックも来シーズンには30歳になるため、2018-2019 seasonはOKCにとって本当の勝負になると思います。

    以上私の拙い私見にご返事いただければ幸いです!

    1. 個人的にはオフェンスパターンを2つにわけて、ウエストブルックにPGやらせないというのは同感です。
      ポール・ジョージよりも適任な選手を連れてくるのが最大の補強になる気がします。
      本当はロバーソンにやって欲しいのですが、視野が広くないんですよね。
      サンダーはウィリー・リードに興味あるらしいですが、そんなプレーが出来るタイプです。

      キャッチ&リリースはアブリーネスとファーガソン君を育てる方がベターかなと。
      あとはとにかくポール・ジョージもカーメロも積極的に打たないとウエストブルックの価値も死んでしまいます。
      2人ともボールを一回止めて判断しすぎなので、多少決まらなくても打っていくことでディフェンスを広げるべきかと。

      結局は問題があるのはHCなんですよね。
      ちょっと固定化しすぎているオフェンスパターンなので、メンバーよりもコーチングスタッフの変革が欲しいです。

  4. ご多忙の中早速のご返信方大変ありがとうございます。

    1.ご紹介いただいたウィリー・リード選手については今後モニターいたします。

    2.アブリーネス選手とファーガソン選手の将来性に関しては私も大いに期待しています。

    3.現H.C.の就任以来3年間の勝率が6割強という実績はG.M.及びロースターの能力に負うところ大であるという点は痛感しております。
     一方ビッグマーケットでないOKCというCommunityに対しビリー・ドノバン氏の人柄がフィットしているという点は否定できない部分もあり、プレシテイ氏の来シーズンもう一度チャンスを与えるという判断には私としては納得できる部分もあります。
     来シーズン自分自身の全てをかけてNBAのH.C.の器であることを証明する彼の活躍(コーチングスタッフのマネージメントも含めた)を期待しています、カップケーキの様に甘いかもしれませんが。

     重ねまして貴重なアドバイス方大変ありがとうございました!

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