19年WCに向けた日本代表#AkatsukiFiveの予選第2クール「ウィンドウ2」が開催され、テレビ放送されました。
2/22の台湾戦ホーム
2/25のフィリピン戦アウェー
この2試合についてまとめておきましょう。
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珍しく日本代表について書きますが、このブログを知らない新規ユーザーの方もいそうなので前提を触れておきます。
本ブログはNBAブログです。管理人はNBAのヘビーウォッチャーですが、BリーグはBSで時折観る程度です。だから選手の事をよく知りません。正しくは大学時代等を知ってはいるのですが、今季がどうなのか、何が現時点の特徴なのかを知りません。
だから例えば「金丸を呼べ」「並里を呼べ」みたいな意見がありますが、金丸も並里もどんな選手なのかのイメージはありますし、呼ばない理由も想像できますが、『今季の』という部分を知りません。だからコメントし難かったりします。
逆に2試合の内容から戦術的に野本や晴山呼ばないのかな?とも思いますが、Bリーグで活躍していないのでしょう。
この辺がなんとも言えないというのが1つ目の前提です。
2つ目としてまだウィンドウ3のオーストラリア戦ホームと台湾戦アウェーが残っているので、大きな意味での振り返りはそこでしましょう。あくまでもこの2試合で感じた事をメモ的な意味合いで書くだけです。メモねメモ。
ちなみに昨年のU19で感じた事を長々と書いていたのですがアップしていません。彼らの成功理由と今の代表が苦労している部分は似ているので、そこも1つのポイントなのでしょうが、書き出したらキリがないよ。
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◉敗戦の責任があるのは日本バスケ協会
本ブログは選手の活躍度とかにはあまり触れません。チームには戦術があって、その戦術の中で何をしたのかが重要としていく考え方です。
台湾戦は酷い内容でした。ハイパー辻の存在が1点差に導き、忘れさせてくれただけで、戦術が意味をなさない内容でした。逆に言えば戦術的に良くても負けるし、ダメでも勝つことだってあるわけです。
そのため、フィリピン戦はかなり悲観していたのですが内容は改善していました。その間に準備する時間はなかったはずなので理由を考えると苦しい側面があります。
結局のところ、Bリーグが17日まであって22日に予選を迎える日程が苦しかったといえます。数年前にジョージ・ワシントンにボコボコにされた時にも準備期間の話がありましたが、重要な台湾戦なのに何故こんな日程なのか?
ちなみにウィンドウ3が6/29と7/2にありますが、ファイナルは5/26です。準備期間は十分な反面、今度は間隔があまりにも開いています。
台湾戦の内容が悪く、フィリピン戦は修正した。それは準備期間があれば改善できた内容である事を示しています。
「日程は初めから分かっていたのだから言い訳には出来ない」
それは選手やHCの話に過ぎません。そもそも日程を組んだ日本協会こそが最も責められるべきである事を先に書いておきます。
そして振り返るにあたり、台湾戦の内容からフィリピン戦の内容に移行していくのが今回のテーマです。
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◉全てはフリオ・ラマスの会見に集約
https://sports.yahoo.co.jp/m/column/detail/201802220007-spnavi
台湾戦後の会見です。リンク先が消えるかもしれないのでインタビューで答えた順にポイントだけ書き出すと
①国際レベルの試合で1人の選手が20分続けてプレーするのは難しい
②アシスト数は「17」を記録
③一度のアタックの中で2、3回ペイントタッチができて、それをレイアップにつなげるようなプレーがもっとうまくできるように、チームの練習を積んで向上しなければならない。
④現時点では勝利につなぐ、3ポイントシュートをもっとチームとして効果的に使わないといけない。
⑤もっとオプションを増やさないといけない
個人的に感じた事とラマスの会見内容が同じという事は、適切かつコンセプトある内容でラマスが進めていて、その初期段階で引っかかっているという事です。ラマスの悩みとも言えます。
観ている側からは判断し難い細かな部分が問題ではなく、大きなコンセプトで引っかかるのですから戦術理解が足りないとも言えるし、普段のクラブと違いすぎるのかもしれません。
それでは会見の内容順に触れてみましょう。台湾戦の反省からフィリピン戦へと繋がっています。
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◉ユニット問題と個人の不安定さ
台湾戦で辻直人が大爆発しました。
◯辻直人 26点 3P8/13
しかしフィリピン戦ではあまりプレータイムが与えられませんでした。その理由は相方ガードの宇都の調子に左右された面があります。宇都の特徴はサイズの大きなPGである事です。辻は184cmと気にするほど小さくはないのですが、180cmに満たないPGとのコンビになると高さへの不安があります。加えてドライブからの得点力に優れています。
意外と高さ以上にドライブ力が大切だったりします。ドライブで得点し、ディフェンスを崩して動きをつけていくのが宇都の役割です。台湾戦は宇都がドライブしてディフェンスを崩し、だからこそ辻が3Pを決めた事が重要です。
フィリピン戦では宇都のドライブ&パスが激しいディフェンスに潰されるシーンが目立ちました。辻は厳しくマークされているので、ディフェンスが分散しており、宇都がドライブでインサイドを攻略していれば辻のプレータイムは伸びたはずです。
篠山or橋本と辻のコンビになると、高さ問題だけでなく、突破口がなくなり、竹内やブラウンのポストアップというラマスの設計にはない攻め方をチョイスし始めました。それはBリーグが外国人センターを集めてインサイドアタックをメインにしている弊害です。
宇都と今回欠場した富樫はBリーグでは珍しい自分で切り崩してプレーメイクするPGです。インサイドで強みを作れない大前提の代表チームなので、シューターを活かすにはこのタイプのPGが必要です。小さ過ぎる富樫よりも大きい宇都への期待は大きくなります。それは辻にとっては特に重要です。
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宇都がフィリピンに止められただけでなく、橋本はプレーメイク出来ませんでした。
篠山はフィリピン戦では良かったものの、台湾戦では何をすべきなのか、自分が積極的に行くべきかどうかを悩んだプレーメイクになりました。
ラマスの会見で「国際試合では1人の選手が20分続けてプレーするのは難しい」としているように、交代でやりくりするわけですが、単にシュートの調子ではなく、試合によってパフォーマンスが違う事をその場その場で判断しなければいけないのは、ラマスの頭を悩ませたはずです。PGを例に挙げましたが、他のポジションも同様でした。
◯ポジティブ
宇都&辻の活躍で台湾戦では得点出来た。
篠山&田中の積極性でフィリピン戦では得点出来た。
◯ネガティヴ
篠山&田中が消極的で台湾戦で停滞した。
宇都&辻がブレーキでフィリピン戦で停滞した。
ユニットとしての強さを考えなければならず、誰か1人のパフォーマンスが不十分となると、総合力で戦わなければいけない国際試合では苦しいものがありました。
ちなみにフィリピンのベンチメンバーは帰化選手がいない中で、ディフェンスの激しさと速攻、パッシングとスターターとは違う特徴を押し出してきて日本は逆転されました。
◯◯を呼べ!という意見はあるかもしれませんが、その選手が「ユニットとして」力を発揮し、かつ自分の特徴を「安定して」発揮出来ますか?そこまで含めて選ばなければいけません。
ラマスを悩ませているのは、特徴を組合わせてユニットとして機能させなければならず、それでいて試合によって個人の調子のバラつきが大きい事です。
万能型で様々なタイプに対応出来るガードか、相手によらず特徴あるパフォーマンスを出来る選手が欲しいでしょう。
ちなみに篠山と田中は万能型の部類になっているはず。2人よりも万能か、宇都&辻よりも効果的な特徴をもっている、そんな条件に当てはまる選手がいるのかは知りません。
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◉アシストすべきとは何なのか?
17アシストを評価したラマス。しかしディフェンスの良さの後に口にしているので、及第点レベルの褒め方です。という事は目標は20アシストくらいでしょう。NBAに直すと20〜25アシストが基準という事です。
それは『しっかりとパスをするけど、パッシング&シューティングのチームではない』くらいのイメージです。ウォーリアーズやナゲッツではない。
次項にドライブが出てきますが、ドライブで決めてしまうのが最良だけど、そんなに甘くはないという事です。ドライブをして崩してアシストする。いわゆる欧州系の『スペースを埋めて合わせるイメージ』ならば、それくらいのアシスト数になるのでしょう。(ラマスはアルゼンチンだけど)
この辺はサッカーとアメフトの違いの気もします。ゴール前のディフェンスを動かしてそこに選手が飛び込むサッカーと、空いた選手に渡してゴールラインに飛び込むアメフト。
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台湾戦ではドライブ出来ずに苦しみましたが、シューターに合わせる事が出来ていたと言えます。フィリピン戦はそれが進化して、キックアウトだけではなく空けたインサイドへの合わせも決まりました。
◯FGとアシスト数
台湾戦 FG26/70 17アシスト
フィリピン戦 FG26/53 16アシスト
ほぼ同じに思えて、FGアテンプトが17も少なくなっています。これはフリースローが増えたからですが、アシストで決定機を作ったのをファールで止められました。
53のアテンプトで16アシストと考えればシュートの30%にアシストが記録された事になり、これはリーグ2番目にアシストが多いペリカンズ並です。
それはとてもポジティブです。フィリピン戦で進化していた部分です。
パッシングオフェンスではないので、ドライブを交えてディフェンスを動かし、空いたスペースを埋めていくオフェンスにおいて、アシストが効果的になってきたということは、パスの出し手と受け手が頭の中で同じスペースを意識していた事になります。
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篠山&辻もしくは橋本&辻の時間に問題があったのは、ポストにボールを預けて外で待つシューターパターンになったからです。それは川崎らしいバスケです。浜松は知らない。
クラブと大きく発想が違うオフェンスをしている中でも辻はよく頑張りましたが、もっとガードがプレーメイクするチームに行けば自分の活かし方の選択肢が増える気がします。
一方でSF古川にはそんなバスケへの適応が期待されたはずです。琉球は知らないけどウィスマン栃木ではそんな役割。
だから古川がシュートを外したのは計算外だし、古川個人なのか、パサーなのか、チームのセットと合わないのかわかりません。ただ、許されるならばバックアップは橋本より田臥の方が好ましかったでしょう。
個人能力ではなくユニットの問題
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インサイド陣に話を移すと、アイラ・ブラウンが外で待って合わせていた台湾戦から中でも合わせたフィリピン戦は印象的でした。フリースローは・・・。小さいブラウンだからこそ、外から飛び込むイメージを共有していたのは大きな収穫です。
他には竹内がボールをもらうシーンが目立ち、時には「何故、竹内は打たないのか」という批判もあったでしょう。それは逆に「竹内はそんなポジションに居た」という事実も重要です。自分のマークマンがヘルプに動いて空くスペースを知っていました。打つべきかどうかは、その次の話です。
インサイドを空ける動きとスクリーン、そしてパスの出口。スタッツ以外の部分で貢献度が大きいわけです。スタッツで稼げないのは悩ましいのも事実です。
竹内は単に大きいから優れている選手ではありません。
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詳細スタッツがないのでイメージですが、竹内のポジショニングはディフェンス面でも大きかったです。フィリピンのガードがドライブして、太田のヘルプ直前にユーロステップからフローターを決めたシーンがありました。
高さがあればプレッシャーをかけられた場面でもありましたが、これが竹内がいる時間はステップ前に止めに行くポジショニングになります。簡単に言えばヘルプポジションを恐れずにリングから離れた位置を取ります。代償として裏をとられもしましたが。
ディフェンスでも「リバウンドをもっと取れ」という批判はあるものの、その前段階の上手さは抜群だった気がします。だから竹内公も呼べればインサイドはかなり違う気がします。
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オフェンスリバウンドを取られ過ぎ
そんな事実から『高さが足りない』『気持ちが弱い』なんて意味のない指摘をする人がいますが、ブログの趣旨に合いません。
フィリピンのショットチャートを見てみましょう。
フィリピンは「3Pかゴール下か」のチームです。3Pならはロングリバウンドが増え、高さよりも反応速度です。
問題はゴール下になります。それは高さ負けするわけで、そもそも『ゴール下に侵入させるな』というディフェンスが重要です。
どうせゴール下で負けるならば早めのヘルプで侵入させず、裏に合わせられたら負け!くらいのディフェンスでも良いわけです。だから竹内のディフェンスは重要です。
とはいえ、いつまで竹内兄弟なのか、太田なのか、という議論は継続です。八村で解決はしますが、こんな脇役までこなせるほど器用じゃないよ。
張本は違う形で貢献出来そうであり、フットワークも良い事から今後も継続して使われるでしょう。もう1人欲しい所ですが、冒頭に野本と晴山の名前を出したのはそんな部分もあります。ザックならなお良し。
他には誰かいるのでしょうか?杉浦?
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アシストの話に戻すとガード陣やシューターを誰にするか論争は続くとしても、インサイドにもそのための戦術理解があり、適切なポジションをとれ、高さのある相手を守れる選手が必要です。合わせのインサイドでフィニッシュ出来るならなお好ましい。
U19はここに増田という動きまくるシューター系PFを使いオフェンスでの高さのハンデを消しました。だからこそ活きた八村。
竹内みたいな高さがあれば最高ですが、そんなタレントが都合よく現れるわけではありません。少なくとも高さ以外の面で優位性のある選手を育成出来ているのか?
あるいはBリーグで戦力として出番があるのか?
ここには日本的な問題があります。
「インサイド陣のその役割って特別な事なの?」
このブログの読者の皆さんならそう思うはずです。NBAには対応力のあるPFばかりだし、センターにも増えています。
それは『センターと戦術』で触れたように、現代バスケでは極々当たり前の話。アウトサイドから打てるとか、そんな表面的な問題ではありません。
だからラマスは頭が痛いはず。個人能力ではなく日本が世界から遅れているんだ。竹内兄弟は進んだ存在だったのに。
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◉ドライブは出来るのか?出来ないのか?
一度のアタックの中で2、3回ペイントタッチができて、それをレイアップにつなげるようなプレーがもっとうまくできるように、チームの練習を積んで向上しなければならない。
「日本には高さがない。強力なセンタープレーが必要だ」という人がいますが違います。そんなのは遠い昔のバスケです。日本が出来ないのはドライブとそこからのフィニッシュです。これが最大の課題です。
台湾は日本と同じような身体的特徴ですが、明らかに日本よりパワフルにドライブ&フィニッシュに来ました。U19準優勝のイタリアも同じでした。
いくつかの世代を経て、いつの間にかドライブはハンドラーだけになり、ウイングはシューターになっている日本。でも世界は普通にウイングがドライブ&フィニッシュしています。
「馬場をPGにする」
それは本人には良いかもしれませんが、日本にとってはウイングからドライブ&フィニッシュ出来る貴重な人材です。渡邊雄太は基本はシューター系ですが、必要に応じてしっかりとドライブ&フィニッシュしています。
それは出来て普通。プラスして特徴が必要になります。
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竹内の項目で触れたように、ラマスはしっかりとスペースを作ってドライブコースを構築させています。台湾戦はそこでレイアップに行かずにジャンプシュートの選択肢が多くありました。
それは短期間では改善されないと考えていたら、フィリピン戦では篠山と田中、そして張本までもしっかりとレイアップまで持って行ったので得点が伸びました。問題はその後にパスを受けたブラウンがファールで止められフリースローを外した事。
つまり予想よりもポジティブでした。馬場も含めて意外とドライブはやれそうな気がします。このレベルならば、という前提ありきですが。
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そもそもペイント内までドライブしなかった台湾戦は論外として、フィリピン戦では次の課題が出てきました。それはフィニッシュの部分です。スカウティングになかった日本のドライブにより20点を先行されたフィリピンはディフェンスを変更して、インサイドヘルプを早く寄せました。
それを攻略出来なかった日本
攻略の方法は2つです。1つは合わせる事。竹内はしっかりとボールをもらいましたが、もう少し打つべきでした。打って決まらなければどうにもなりませんが。そして前述のブラウンです。まぁ、この辺は何とでもするでしょう。
問題はもう1つの攻略方法で、フィニッシュパターンの変更です。またも大活躍した比江島ですが、印象的なフローターを決めています。それはドライブのスピードはそのままにヘルプが来る前に打って決めるパターンです。ステップワークでタイミングを外すのも得意技です。
田中と宇都はそれが出来ませんでした。なんで出来ないのかは知りません。複数の理由でBリーグでは不要なのかもしれません。
ドライブ&フィニッシュのフィニッシュについては全般的に課題です。運動能力も含めた高さ不足の面もありますが、小さくても富樫の上手さは良い例です。史上最高クラスのアイザイア・トーマスやスーパースキルのカイリー・アーヴィングとまではいかなくても、ヘルプディフェンスを前にしても決めるパターンを増やす事は可能なはずです。
というか別にNBAだってガードの選手はブロックされます。それをステップワークやシュートスキルで対抗しているわけです。
日本は高さが足りない?アジアはNBAクラスに高いとでも言うのかい?
幸いに田中も宇都もクラブでそれを取り入れるチャンスはあるはずなので、ウィンドウ3まで時間は短いですが、レベルアップしてくるかもしれません。チャンスがないチームにいる選手は頭が痛いです。
ドライブからのフィニッシュパターンが多彩で確率の高い選手がいるならば、すぐにでも代表に呼んで試す価値はあるはずです。伊藤達哉の変態フローターくらいしか知らないけど、確率が高いとは言えない気が。
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◉3Pを決めるしかないのか
-日本はもっと3Pを決めるべきだ
それもよく聞く話ですが、そんな都合よく決まるならば、決めさせるコーチがいるならば、日本代表のHCではなくNBAで活躍しているはずです。
お馴染みの超有能HCケニー・アトキンソンは、インサイド専任だったブルック・ロペスに3Pを植え付けたり、ネッツをスペースを埋めるイメージの3Pを打つチームに変えました。その反面、確率は低いし、アレン・クラブなんて有能シューターすらも確率を落としています。
見事な3P活用チームにするHCは確かにいます。しかし、高確率で決めるかは違う問題です。あくまでも活用しているのです。
それはダントーニも同じです。両チームにはハーデンとラッセルという驚異的なコートビジョンを持つPGがいて、クリス・ポールとディンウィディーというアシスト/ターンオーバー率が高い確実なPGがいます。
どちらもロケッツコンビが得点力、アシスト力、ディフェンス力で上回っているから、成績も遥かに上を行っています。
その2人がいながらもロケッツだってカペラがいなければ勝率を落とすのに、日本代表にそれだけのガードやセンターやウイングがいるのかい?
ダントーニやアトキンソンをやるならばクラブでやるのが先決です。シュート不調の時に負けて良いリーグ戦と負けられない国際試合は意味が違うし。
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話を戻すと、そんなことを言っても3Pは重要です。それは日本代表だけでなく台湾だって、フィリピンだって、アメリカ代表にだってどんなチームにも重要です。戦術が未成熟な現状で勝つためには3Pが外れては勝てません。
古川や田中が外したので「金丸や川村を呼ぶべき」という話は議論になりますが、シュートだけをフィーチャーしてはいけないというのは、ここまでの内容でも理解出来ると思います。田中くらいディフェンス、パス、ドライブが出来てシュートを決められる選手がいるのかどうか?
だからシューターを変更するのはアリですが、シューターを増やすべきかは違う問題です。
◯フィリピン戦の3P 8/16
何よりもフィリピン戦ではしっかりと決めました。バランスが必要なチームオフェンスの中で確率良く決められたのだから及第点だし、台湾戦の辻の大爆発により、警戒度が高まっているのを利用しない手はありません。
課題になるのは確率ではなくアテンプト16です。辻を除き、しっかりとプレーメイクしてからのアシストがあり3Pが高確率で決まったわけですから16から増やすのはシューターとは違う判断を働かせる必要があります。
1つは前述のPFに打たせるかどうかです。これは永吉を呼んだ事からも考えているはずです。京都も外国人ポストアップが多いので、永吉には難しかったのか。
もう1つはガード陣のプルアップ3Pです。
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ハーデンのドライブ&フィニッシュの確率が高すぎるので、相手は引いて守りたいのですが、そこに40%近いプルアップ3Pがあるものだから困ってしまいます。
フィリピン戦ではドライブにヘルプを用意されている中で安易にインサイドへ詰めすぎた側面もあります。特にピック&ロールの形でフィリピンはロールマンをほぼ無視していました。理由は単にロールマンが怖くないというよりは、ボールマンがインサイド側にドリブルで詰めるので、スペースが狭くなりローテーションが間に合うからです。
そんな意味でも日本は一本調子でした。どこかでピックからのプルアップ3Pを混ぜていれば、ディフェンスはボールマンのドライブばかりを警戒出来ず、ロールマンが活きたはずです。
それをすべきなのは、篠山と田中になるでしょう。富樫は打つので人を変えれば解決はしますが、スカウティングに負けない事も大切です。田中はセレクションが良すぎるので、ベストな選択ばかりを目指すのではなく、相手が警戒していないプレーを混ぜて欲しいです。
単にシュートが上手い選手を並べる事にあまり意味はありません。ディフェンスの対応の中で効果的に混ぜていく事が3Pで勝つために必要な事です。
ロケッツはハーデン任せのようで、インサイドディフェンスの位置をみてカペラをどう利用するのかを細かく構築しています。ハーデンがドライブする、ステップバック3Pを打つ、カペラに間を通すパスを出す、ロブパスを出す、ピックからプルアップ3Pを打つ。多様な選択肢の中で、相手を攻略するための3Pこそが真骨頂です。
辻が決めまくった台湾戦、全体で高確率になったフィリピン戦。アシストからシューターによる3Pは形になってきました。足りないのはシューターではなくプレーメイカーがプルアップで打つことです。
U19には杉本と三上という優秀なシューターがいましたが、それよりもハンドラーの西田が効果的に3Pを決めました。国際試合でスピードも高さもない西田ですが、駆け引きの上手さでオフェンスを牽引しました。八村の得点力に注目が集まりましたが、もう1人西田という存在が成功の理由でした。ロング3Pやプルアップ3Pを扱い駈け引きで相手を制すPGは模範的な存在でした。
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◉オプションを増やす
そんなわけで台湾戦よりも形になったフィリピン戦を反省すると、ラマスが台湾戦後に言った「オプションを増やす」という言葉に具体性が出てきます。この言葉が最後に出てきている事もポイントかもしれません。
台湾戦後に3つの反省ポイントを修正してきましたが、さすがにオプションを増やすには時間不足でしたし、それに見合った選手は足りなかったかもしれません。
・PFのシュートセレクションと積極性
・ウイングのタイプ選択とドライブ力
・ドライブ&フィニッシュのパターン増
・プルアップ3P
並べるとこんな部分でしょうか。今回選んだ選手が持ち帰って改善すべき事項もあれば、選手交代しないと解決しない問題もあります。2つのフォワードポジションの役割は特に課題です。役割として何を求めるのか?
結果を無視すれば良い方向性できているので、大きな選手入替は避けるはずです。富樫&馬場が復帰し、八村が参加してくれるならばそれだけで3人入替です。渡邊雄太はサマーリーグ優先してくれないと違う意味で困ります。
そうなると橋本、永吉、古川or太田が抜けるのかな。
つまりは他の選手はBリーグでそれ以上のインパクトを残さないと新たに選ばれるのは苦しくなります。それだけの新しいオプションになり得る選手がいるのかどうか。安藤誓也と篠山を交代とかあり得るのか?
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◉ラマスがやっている事
さて、好意的にみているラマスですが『ジャパンウェイ』という視点で考えると現時点では何の特徴もありません。それは「世界で戦うための日本独自の強さ」という部分に辿り着く前に「世界のスタンダードを知らない」という部分に苦労している印象です。
フィリピンは分かりやすかったです。特にベンチメンバーはあれがフィリピンスタイルなのだろうと。世界のスタンダードにランニングゲームを加えています。それが優位性をもたらす強さになっているかは怪しいけれど。
NBAでも各チームやっている事はバラバラだけど、流行系を取り入れたり対策したりと変化していくスタンダードは意識しなければいけません。稀に無視するHCもいるけど。
当然、選手個人の能力もスタンダードに合わせていくわけなのですが、ラマスが捉えているスタンダードに日本の選手が対応しているとは言い難いように見えました。
次回は準備期間があるけれど、選手によってはシーズン終わって1ヶ月半くらい空くというコンディションの難しさがあります。
それは新たな選手にはチャンスを与えられる時間的猶予でもあるので、幸か不幸かどちらに転ぶのでしょうか?
そしてラマスがBリーグ側に寄せてくるのか、この路線を継続するのか、もう一歩進むのかも注目です。それは2試合では判断し難いのですが、継続して観てみたいとは思いました。
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残るはオーストラリア戦と台湾戦です。台湾に2点差で勝てばよいわけですが、2次リーグが決まったフィリピンが選手を切り替えてきて、台湾に負ければゲームオーバーです。
だから日本は同じく2次リーグが決まっているオーストラリアにも勝つ前提で臨むでしょう。
しかし、オフだからと試しにベン・シモンズ呼ばれたらどうにもならないしなぁ。2次リーグをいつやるのか知りませんが、NBAシーズン中は呼べないので、このタイミングで1度合流させたいと考えるのは自然な気がします。シクサーズがファイナルにでも進まない限りは。
「ベン・シモンズが観たい」
それがNBAウォッチャーとしての希望だったりします。
初コメント失礼します。NBAを中心にかれこれバスケファン歴30年ほどになります。
いつも楽しく拝見させていただいています。
Bリーグが始まり、日本のバスケットも変わるのかと期待をしていたのですが、やはりまだまだ時間がかかりそうですね。
whynotさんは日本女子代表の試合は見られますか?
私としてはリオ五輪のときの女子代表の戦い方が非常に印象的でして、「日本人の世界との戦い方」みたいなのを感じました。(といっても渡嘉敷という特別な存在は大きかったですが・・・)
スモールラインナップのNBAを見てから日本代表を見ると、日本人でもなんとかならないのかなぁと、夢をみてしまいます。
ストレッチ4やストレッチ5も普通になってきた現代バスケにおいて、「このリバウンドは気持ちで奪い取ってますね~」とか平気で言ってる解説者さんなどに違和感を持ちます。あくまで私の主観です。
1バスケファンとして、ずっと日本のバスケットを応援したいと思います。
ありがとうございます。
女子はほぼ見ないです。
ただ外国人選手のいない国内リーグなのでインサイド頼みではない形がいち早く出来ましたね。Bリーグはインサイドが足りなければ外国人連れてくるスタイルなので移行されない傾向があります。
一方で女子だから鎖国スタイルが通用しているので、男子で同じ事をやったらもっと弱くなるでしょう。
『気持ち』なんてバカな解説が嫌いで書いているのが、このブログなのでいろんなテーマを使って理由を解き明かしていきたいと思います。