さようならキャブス’23

◎減らしていったオプション

似たような話ではありますが、シーズンが進むほどにオプションすらも減らしていったのは実に奇妙なチームでした。シーズン開幕時と終了時にこれといった違いを感じることはなく、シーズンのどこでプレーオフをやっても同じ内容、同じ結果が出ていた気がします。

10月から早速38.9分のプレータイムを記録したドノバン・ミッチェルはシーズン最後の4試合が40分オーバーでした。一応、プレーオフ前に出ていない試合があるのと、プレーイン期間があるので休養は取っていますが、開幕から長かったプレータイムは、終盤でさらに長くなるっていうね。

さて、もう少しチームとしての動きをみていきましょう。

開幕戦こそ負けたものの、そこから8連勝と快調なスタートを切りました。ただ、負けた開幕戦ではガーランドの乱調が響いたうえ、目のケガで戦線離脱しました。ルバートとミッチェルのガードコンビになってオフェンスでは個人突破、ディフェンスでもマンマークが効くようになり、機能していきました。

ガーランドが戻ってくると2勝5敗と調子を落とすことになり、早くもガードコンビに暗雲が立ち込めました。そんな中、ルバートがベンチスタートになることでバランスを改善しに行ったのです。

しかし、ルバートのベンチスタート問題は、最後までHCと選手の意図があっているのか不明な案件となりました。なんせ負けそうになるとルバートを長く起用するだけなので、バランスも何もあったもんじゃない。プレーオフでもゲーム2にスターターだったオコロが開始3分で交代すると以降は忘れさられて出番がありませんでした。ゲーム3からはルバートがスターターになり、何故かオコロのプレータイムは増えました。何言ってんのか、意味わかんないでしょ?

基本的に得点は個人技突破と個人の判断任せなので、困れば困るほどミッチェル・ガーランド・ルバートを並べて解決しようとしました。シューター役を準備するとか、コーナーでスペーシングするとか、そういったポジションごとの役割分担ではなく、プレーシェアという発想です。ザ・足し算。

1月にルビオが復帰すると、さらに4ガードになりました。意味は不明でしたが、ポジティブに捉えればオプションとしてのパターン増ですが、なんとルビオにもハンドラープレーを求めていたそうで、スペイン代表みたいにやって欲しかったとか。

ルビオは5試合で7アシスト以上を記録しましたが、17試合が3アシスト以下。33試合で平均3.5アシストとなりましたが、これは時間換算するとキャリアで2番目に低い数字でした。ルビオを起用してアシストを期待していないような形です。

なお、FG34%はキャリア最低でしたが、時間換算の3Pはキャリアで最も多く、しかしシュートが決まらないので、同じく時間換算の得点はキャリアで2番目に少なかったです。いったい、ルビオという選手をどんな選手だと思っていたのか。ルビオとミッチェルのガードコンビを期待していたんだけどね。

ラマー・スティーブンスとウェイドは長かったり、短かったり、よくわからないローテながら、ある程度は1年間通して起用されていきましたが、プレーオフはローテ外でした。スティーブンスのフィジカルなディフェンスも、ウェイドのシューティングもニックス相手には必要なオプションだったように見えますが、1勝4敗の結果に見合わない起用法でした。

これらの選手は「起用されたか・されていないか」ということではなく、それぞれ明確な武器を持っているけれど、「武器をいつ、どの場面で使うのか」という点でプレーオフになっても決まっていませんでした。

困ったらオフェンスでもディフェンスでもルバートを投入する

オスマンはちゃんと必要に応じて起用されましたが、あとは大抵ルバートで解決しようとしていたよね。プレーオフはランドル対応で急にダニー・グリーンになったのは、いいことなのかなんなのかも不明。ロビンをミッチェル・ロビンソンにはぶつけないしさ。

シーズンはプレーオフの準備であり、起こりえる様々なシチュエーションに応じて使っていく戦術や選手のオプションを増やしていく期間です。バランスの悪いロスターではありましたが、それぞれ特徴の異なるベンチメンバーがいたけれど、使いたいのは特徴よりも個人能力って感じです。オプションが削り取られていったシーズン。

さようならキャブス’23” への3件のフィードバック

  1. だからHCを変えろとあれほど・・・。HCを変えれば大きく変われるぞ!!!

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