八村、レイカーズへ

デッドラインの幕開けは、まさかの日本人でした。あれもこれも動かないのに、八村だけはうわさが出てから即座に動いたのだから不思議なものです。本当は今日の朝(7:00くらい)に4チームを候補に挙げた記事がアップされるはずだったのですが、その直前にトレードが決まってしまったので「ボツになりました」と連絡があったぜ。

まずは、その記事を貼っておきましょう。なんせレイカーズは有力候補だったので。

ウィザーズが八村塁のトレードを検討しており、西カンファレンスの数チームが興味を持っていると報じられました。オフに制限付きフリーエージェントになる八村は、トレード相手からすれば契約リスクが低く手を出しやすい選手のため、様々な可能性が考えられますが戦力としてフィットするかは簡単な問題ではありません。

八村の特徴は得点力にあり、身体能力とシュート力は大きな武器です。チームメイトのカイル・クーズマと比較しても、ワイドオープンの3ポイントシュートの確率は八村が10%近く上回っており、安定したシュート能力を誇っています。しかし、「ショートを打ち切る」能力には大きな差があり、ワイドオープン以外のアテンプト数はクーズマの5.2本に対し八村は1.2本に留まっているだけでなく、成功率も15%近く下回っています。3ポイントシュートよりもミドルを好み、オフボールでのポジショニングに課題がある八村は、どんな戦術にもフィットするタイプではないだけに、獲得に動くチームがどれだけあるのは未知数です。

例えばマブスはルカ・ドンチッチに続く得点源を増やしたい要望があり、トレードの噂が多いチームですが、ウイング陣に求められるのはオフボールでの質の高さと判断の早さ、そして何よりも3ポイントシュートを打ち切る能力のため、八村がハマりにくい戦術です。また、リムプロテクトを期待されたはずのジャベール・マギーがベンチウォーマーになっているように、ディフェンスでは平面を追いかけることが求められますが、次々とローテーションしていくディフェンスシステムを経験したことがない八村を加えることはリスクが高いように思えます。ウイング陣にケガが多くて困っていましたが、順次戦列に復帰し始めており、ウイングよりもハンドラータイプの得点力が欲しい事情も含めて、八村は優先度の高いターゲットではないでしょう。

噂に上がっているサンズは、デビン・ブッカーやクリス・ポールなど、離脱者が多く深刻な得点力不足に悩み、勝率も5割を下回ってしまいました。八村に興味を示すのは当然の流れで緊急補強として動く可能性は十分にあります。ただし、戦術的にはウイングの役割はオフボールで動き回ることで、八村の特徴には合わない上、直近の試合で復帰したキャメロン・ジョンソンが22分で19点を奪って勝利に貢献しており、ウイングの得点力は一息ついた印象があります。

試合に出る気のないジョー・クラウダーとのトレードで、同じポジションの八村を獲得するのは悪くない選択ではありますが、開幕から様々な噂があるにも関わらず未だにトレードが実行されておらず、サンズのフロントが求める対価が大きすぎる気もします。サンズが八村を欲しいかどうかよりも、ウィザーズと交換条件で合意するのか疑問のあるチームです。

同じく噂に上がっているジャズは、ラウリ・マルカネンなどシュート力のあるパワーフォワードタイプの選手を多く集めており、八村に興味を持っているのも理解できます。オフボールが重要になる点ではサンズと同じですが、新しいチームを作り始めたシーズンのため、即戦力ではなく成長も含めた八村のポテンシャルに期待してのトレードもあり得ます。

ジャズはガード陣に余剰戦力が多く、コリン・セクストンらの若手もいれば、ジョーダン・クラークソンのようなベテランもいて、ウィザーズがガードを求めるならば成立しやすそうな相手です。ただ、ジャズのフロントもトレードの収支を重視しているように見え、ドラフト指名権を求めるトレードを優先しそうです。急いで補強する必要もないことからトレード交渉は簡単には進まないでしょう。

同じくガードが多すぎるレイカーズにとってはポジションバランス的に八村を獲得するのは良い判断に見えます。レブロン・ジェームスとラッセル・ウエストブルックによるプレーメイキングがあれば、八村も走力とシュート力を生かせそうで、またアンソニー・デイビスが復帰しても同時起用も可能なため悪くないトレードです。しかし、昨シーズンの失敗にもめげずレブロンとウエストブルックの周囲にガードを並べたがる現状を考えると、今更ウイングとのトレードに動く気もしません。癖のあるフロントが八村にどのような評価をしているのかわからず、非常に読みにくいチームです。

八村が完璧にフィットすると思えるチームは少ないですが、そもそもシーズン中のトレードはチーム事情に問題があるからこそ発生するものであり、最適な選手を獲得するのは難しく、何かしらを妥協する必要があります。また、育成に難のあるウィザーズと違って、八村にオフボールを教え込む自信があるチームならば、ポテンシャルを高く評価する可能性もあります。八村のトレードについて報道が出たのは、ウィザーズが各チームに検討を促すためだったようにも思えるだけに、予想外のチームが手を挙げてくるかもしれません。

まずはトレードの収支を考えよう ⇒

八村、レイカーズへ” への5件のフィードバック

  1. 八村自身の成長という観点からはレイカーズ入りをどう見ますか?前進するのか後退するのか。良いか悪いかは別としてレイカーズではロールプレイヤーの仕事に専念することになりますよね。

    1. ビッグ3のチームで求められる役割は減るので、主役としての成長は難しく、ロールプレイヤーとして成長出来るのかどうかになります。

      その点では選手寿命を伸ばすことにもなり、良さげですが、ハムのチームで成長するとは思えません

  2. 戦術そっちのけで、ハリウッドセレブと八村のハイライトプレーの映像が繰り返し放送される未来が見える見える…

  3. 確かに、ユウタワタナベの方が合ってる気はしますね。
    ディフェンスを頑張り、重力持ちのプレイヤーが相手を引きつけるまでコーナーで待ち、3Pの確率も落とさない。オフボールでのスクリーンもきれいに決めちゃったり。
    今のレイカーズ、ベンチとか練習場の雰囲気、どうなんですかねえ。

    1. 今のレイカーズはスターに意見する選手よりも、従順な選手で回したいですね。
      船頭多くて、わけわからないのが、やっと落ち着いてきた感じなので。

      仲が良い悪いよりも、ボスと家来にしておきたい。

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