アジアカップ 日本vsイラン

◎偶然ではないこと

この試合で最大のポイントはイランのディフェンスでした。シリア戦で3P決めまくった日本だったので、当然のように3P対策をしてきました。

フリーの選手を生み出さないため、基本的にスイッチ対応にしておき、シュートチャンスを作らせないことを第一に考えたシステムでした。同時にドライブが目立った日本がキックアウト3Pにならなかったのも「カバーよりも3Pチェック」を優先した守り方だったからです。

外まで追いかけてるから当然、ある程度のスペースが生じるので渡邊のアタックで打開してはいましたが、渡邊しかいなかった。頼みの西田は1人目は突破するけど、イランのヘルプに潰されており、激しいローテの中で適切なジャッジが出来ませんでした。PGやらせた方が良さげ。

本来であればスイッチされるのだから、頻繁にミスマッチを作ってアタックできるはずなのですが、マジでアタックできなかったな。アタックする選手自体が足りていないわけだ。はーやーく、こいこい比江島さんと馬場さん。

また15番が出ていると、必然的にスピードのミスマッチが生まれますが、イランはここだけは徹底して「3Pは打っていいよ」にしてきました。これをしっかり決めていれば展開は全く違うものだったはずですが、渡邊が外しまくりました。おいおい。

あるいは守れないなら15番に対して井上をぶつけてしまうのも一手でした。実際、4Qは井上の3Pが効いておりテーブスのアタックと共に追い上げています。ただ、それは点差があるから起きた状況で、相手のユニット構成に応じた選手交代をしているとはいいがたいホーバスなので、細かく交代してくるイランの方が上手でした。

特にワンポゼッションを守りたいときは15番を下げており、明確なオフェンス要員という扱いでした。スピード重視の日本への対応として15番がいると守りにくいことを理解していたわけです。これはもうスカウティングで完敗って感じ。

逆にイランのオフェンスは徹底して日本のガード陣を狙いました。それはイランのガード陣がポストアップするという事なので、カザフ戦でも見せていた日本の弱みをハッキリと活用しています。

それがイランの日常なのかどうかは知りませんが、少なくとも8番のエースは西田やテーブスにマッチアップされていると、ギブ&ゴーはあってもポストアップはないので、状況を見てプレーをチョイスしていました。

なお、1年前に8番は田中がマッチアップして完封した相手です。何故か1年経ってから田中の良さが認識されるというバスケ協会マジック。がんばろうテーブス。

また、15番はハイポストに上がってきて見事にパスを捌いています。このパス能力にやられた感もあり、それでいてルークはポストアップにも押し込まれているので、こちらもプレーを使い分けられました。ワンパターンな日本に比べると、マッチアップに応じてオフェンスを変えていたイランのゲームメイクが2枚くらい上手でした。

イランは日本対策をしっかりと練っていたが、日本にはイラン対策がなかった

こんな事を強く感じる試合でした。ちなみにゲームレポートが長くなったのもイランが細かく様々な対応をしてきたため語る要素が多くなったからです。日本について書いているのにアクションしているのは常にイランでした。後半になると語る内容が減ったもんね。

日本からするとイラン対策がないのか、対策したくても武器が足りないのかはわかりませんが、ディフェンスで負けるたびに思い付きのような選手交代をしていたホーバスを見ると、これが最大の敗因としか思えませんでした。

偶然の要素としては、西田のファールトラブルで日本が守りにくくなったことが響いています。あとは1Qに8番以外もプルアップミドルを正確に決めていたのは、さすがに「入りすぎ」って感じでした。最後まで続いたわけではないのですが、序盤にこれでビハインドになったのが日本のリズムにならなかった要因です。

さて、いろいろあれど、この試合の采配で最大の疑問は冨永の起用法です。まず西田と交代で出場しながら、守れな過ぎて即座に下げられると前半はベンチに座り続けました。

これはシチュエーションとしては理解できつつも、そこまで須田とディフェンスの差があるなら、そもそも何故そこで富永を選んだんだとね。冨樫と並べるリスクは理解していたはずだ。何よりも、ある程度は守れなくても、取り返してもらうための冨永のはずが、欠点の方を嫌がりすぎました。それも起用してから嫌がった。

それは3Qの突き放される時間帯にも言えることで、20点差へと広がって行く過程の中で、守り切れないと判断したならば、オフェンス優先に切り替えても良かったです。井上の件も含めて、ホーバスがいうほど「トランジションと3P」に振り切れていないのでした。

リスクを取るか、ゲインを取るか。両方を追い求めてチグハグな采配になったことは否めません。

いずれにしても、イランがしっかりと対策してきたことで日本の課題があちこちに出てきた試合でした。特にPGに関しては3試合目にして一番良かったのがテーブスへと戻りました。

ディフェンス力を考えると圧倒的にテーブスとなり、オフェンスでの周囲との連動性を考えると河村かテーブスって感じです。シューターとの相性はテーブスも良いけど、その他のプレー&トランジション発動は河村が上回る。

この試合はイランに対策されたとはいえ「対策されたら3Pを打つパターンがない」ような状況でもありました。だから、もっと組み立てるPGが必要って感じになったよ。まぁPGだけじゃなくてチームとしてどう崩すかの問題なので、個人技任せのホーバスらしさが出ていた。連動のラマスとは違う。

テーブスが4Qに見せたように、アタックからのフィニッシュで違いを見せられれば、フィニッシュに課題がある河村との闘いは更に白熱しそうです。どっちも3Pは期待しないので、そこだけは富樫が圧倒。

そんな感じですね。良かったことと、悪かったことよりも、何をしたいのかの迷いが大きかったように見えました。選手以上にホーバスにね。

少なくともラマスはディフェンス優先の姿勢がハッキリしており、金丸なんかもディフェンスの重要性を口に出してました。8番が気になるならば西田かテーブスをマッチアップさせ続けるべきだったし、冨樫と河村にマークさせた事で点差をつけられてしまったのでした。

これで日本はフィリピンとの対戦になりました。勝ったらオーストラリアです。オーストラリアにすら辿り着けなかったらどうしよう。。。

アジアカップ 日本vsイラン” への8件のフィードバック

  1. 西田のファールトラブルからゲームプランが崩れた感。
    それにしても富永の起用法が極端すぎますよね。
    調子悪いとはいえ後半渡邊あまり使いませんでしたし。
    というかホントシェーファーいないのキツイです。
    ゴール下蹂躙され放題。

    PGのサイズがないってのはホントキツイですね。
    ラマスの田中PGコンバートが痛いほど気持ちわかりました。
    というかPGじゃなくても、田中がいればディフェンスで困らなかったであろうシーンが散見されました。
    オフェンスでも比江島がいれば何らかの突破口にはなったと思います。
    馬場がいれば……(キリがない)
    比江島と言いギャビンと言い東京五輪組って使い勝手のいい選手が多かったんですねぇ。

    1. こうやってホーバスになって理解されるラマスってのは面白いですね。
      ラマスは平均的な選手を好みました。だから金丸を呼んだのはビックリ。

      ホーバスは自分の戦術に適した選手を選びながら
      ディフェンスの崩壊で、戦術も狂うっていう謎の試合でした。

      立て直そうにも、相手に応じたプレーチョイスはないので、気合と根性でした。
      意外とそれでも頑張ったけど。

  2. なにもしてないと言われた田中ですが、なにも起こされない大量得点させないだけでも日本で希少なんだよなと思いました

    1. 実際、Bリーグにいながらも、ワールドレベルで戦えるディフェンス力を発揮した田中って、かなり脅威なんですよね。
      テクニカルレポートでも、ピック&ロールからパスの判断が良いデータがありましたし、なんでBリーグにいながらも、田中だけそれを出来るのかは、見えにくい長所です。

  3. 噂レベルですが、日本代表レベルの選手の相当な人々がホーバスを嫌がっているとか・・・?
    女子の時も渡嘉敷が嫌がってたみたいですし、オリンピック決勝終わってロッカールームでの選手たちの第一声が「自由だー!」だそうでw
    なので、ホーバスがヘッドコーチのままだと、そもそも日本代表が、八村などの(ホーバスのイメージする)ベストメンバーを組めないとか・・・?

    1. 練習量が多いって聞きますが、女子はそもそも個人レベルでも練習量が多いらしいです。
      それが男子だと、短いトレーニングが増えているから微妙ってのもありますね。
      今回の代表は揺れ動いているので、よくわかりません。合う・合わないが強く出すぎかも

  4. 東京オリンピックのラマスがやっていたことは間違いないけど、現代の世界のバスケの主流は、ラマス時代のサイズと能力の日本代表がホーバス時代の女子代表のスピード&3Pをやってる〜みたいな状態だから、日本が世界で勝とうと思ったら確かにホーバスのバスケを突き詰めていくのは間違いではないと思います。

    これから重要なのは3Pもそうだけど、効果的なペイントアタックがどれだけできるかと、リムプロテクトと相手の3P潰しをできるかですね。
    タイムシェアしてたのもあるかもしれないけど、イラン戦で富永のプレイタイムが減ったのは残念。富永はドライブもできるから出してもよかったと思うけど。
    ガードはもう富樫諦めて河村とテーブスに任せていいかもですね。それか田中力かタイレルに期待。富樫じゃリバウンドとルーズで負けすぎる。河村とテーブス、西田にもガードやってもらうって形で。

    渡邊とかルークを生かすなら、やはりシェーファーがいた方が良かったと思いますね。シェーファーの能力ならイランの15番削れたと思うし、リバウンドももう少しまともだったかと。

    イラン戦はテーブス、西田、富永、渡邊、ルークのスタメンでも良かったかもな〜と後から自分で考察しました。

    1. スピードといいながら、サイズ負けのディフェンスをどうにかしようとし過ぎている采配なので、何がしたいのか・・・
      意外と世界のサイズはそこまで大きくないので、ラマスのように対抗することも可能です。
      もちろん、トップレベルになるには難しいですが、それはホーバスでも難しいので気にしても仕方がないし。

      富樫は・・・あってないんですけどね。そこに拘っているのは、なんなんでしょうね。

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