ボレゴとクリフォード

◎ケンバ任せ

クリフォードのオフェンスは大部分がケンバ任せでした。オフボールでの仕掛けに乏しく、ケンバによるアタックが中心で、華麗なる連携ではなく、ドライブアタックのバスケです。

〇ドライブ数
ボレゴ 54.3回(2位)
クリフォード 51.4回(5位)

しかし、実はドライブはボレゴになって増えました。違いがあるのはクリフォード時代は10回以上のドライブをしていたのがケンバだけで、2番目に多かったラムでも5.6回だったこと。

逆にボレゴはラメロ、ブリッジス、ロジアーと3人が二桁で、続くヘイワードも8.3回とバランスの良いドライブアタックを繰り広げました。フルアタッキングモード。

〇ドライブからのパス数
ボレゴ 21.9回
クリフォード 9.8回

何よりドライブからのパス数が全く違います。クリフォードのドライブは「フィニッシュするためのドライブ」だったのに対して、ボレゴのドライブは「ディフェンスを崩すためのドライブ」でした。連携を重視しているボレゴはドライブの出口を複数用意しています。

こうやって書くと明らかにボレゴの方が良いわけだし、実際問題としてボレゴの方がずっと良いのですが、それは外から見た感想であり、時に選手はクリフォードの方が好きなこともあります。

連携重視のボレゴでは、ドライブした選手は「正しい判断」でプレーを選択しなければいけません。周囲も正しいポジショニングでパスを待つ必要があり、常にチームとして何をするかを頭にいれてプレーしなければいけません。タフショットはダメよ。

一方でクリフォードは「個人で決めきってくれ」というスタイルで、タフショットを打っても問題にされません。特にラメロのような選手だと自分で自由にプレーを決めれる状況の方が好きそうです。あるいはロジアーなんかも積極的にハンドラーになれて喜ぶかも。

この傾向はクリフォードがマジックにいっても続いており、テレンス・ロスのタフショットだらけながらも、決まりだしたら止まらない爆発力に頼ったオフェンスを展開しました。ただ、マジックにはフォーニエ&ブーチェビッチというユーロ系の両エースがいたので、自分たちで連携を生み出していました。フォーニエはタフショット多いけどさ。

ひょっとするとクリフォードになったらハンドラーは気持ちよくプレーするかもしれません。でも、そうなればせっかく揃えたウイングは死んでしまいます。っていうか、多過ぎるウイング陣はマジでどうするんだろうか。ブリッジス問題が霞んでしまうぜ。

〇3Pアテンプト
ボレゴ 38.2本(6位)
クリフォード 27.2本(21位)

5年間でリーグ全体の3Pが増えたとはいえ、その差は歴然なわけですが、面白いのは3Pの内容です。

〇プルアップ3PA
ボレゴ 10.4本
クリフォード 8.6本

10本増えた3Pですが、プルアップは2本も差がありません。当時はケンバが打っていたため、プルアップの割合が高く、今はチームオフェンスが前提のため、キャッチ&3Pが大前提です。ドライブキックアウトが多いけど、そのドライブに行く時にディフェンスが下がっていたらプルアップを打って行きます。

〇コーナー3P
ボレゴ 11.3本(1位)
クリフォード 4.4本(30位)

そして遂に30位と1位という両極端なスタッツが登場します。フロアをワイドに使うボレゴはコーナー3Pがリーグで最も多く、ロジアーを含めたウイング陣がコーナーにポジショニングします。

逆にクリフォードはリーグ最少のコーナー3Pとなっており、コーナーシューターを置かないし、シュート力を重視しないので、マービン・ウィリアムス以外が打っているイメージはありません。これは両HCの好む選手像にも関係してきます。

ちなみにミドルは18.9本⇒7.8本と激減しています。クリフォードの場合はミドルの選択が多い上に、確率が37.5%と非常に悪く、狙いそのものが苦しかったってのもあります。まぁクリフォード関係なく、シンプルにシュートが下手な選手が多かったよね。

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