ゲーム7
オレの名はグラント・ウィリアムス。超人気チームであるボストン・セルティックスにおいて、3年目ながらスターターを務めるスーパースター候補だ。今日はオレ様の大活躍によってセルツがカンファレンスファイナルへと駒を進めることになったバックスとのゲーム7について振り返ってやろう。
当然、この試合もオレ様の3Pが決まって先制してやったぜ。さすがオレ様。鮮やかな先制プレーだったな。
オレ様を避けたヤニス
このシリーズはオレ様がヤニス・アンテトクンポというモンスターを対処するシリーズだ。さすがのオレ様も怪物相手にバスケをするのは簡単じゃないぜ。たまにはやられることもあるが、オレ様じゃなければ60点取られていただろう。
しかし、このゲーム7にきてヤニスのやつは、強引なアタックをせずにチームメイトに合わせていくプレーをしやがった。これはもう完全にオレ様のことを避けたんだろうな。
スマートの兄貴が裏を取られてマシューズにカットプレーを決められたり、バカでかいブルック・ロペスの3Pやペイント内のフェイダウェイへとパスを出していくヤニスには正直ビビったね。ここまでオレ様を避けて来るとは、うちのチームも予想していなかったぜ。
これまで無警戒だったバックスのオフボールに、ちょっとばかり振り回されちまったことは事実だ。ヤニスのやつは1Qだけで6アシストもしやがった。
なに?6アシストだけじゃなくて、10点、8アシストもしていたって?
いや、まぁそうだな。オレ様もヘルプに忙しくて、なかなかヤニスの野郎と対峙するのが難しくてだな。
なに?オレ様じゃなくてホーフォード先輩が止めていただと。そんな細かいことは格別に美味い勝利のビールを飲んだから忘れたぜ。まぁ確かに、この時点ではヤニスの野郎が40点、20アシスト、30リバウンドのペースだったことは事実だ。そんなモンスター相手に立ち向かう3年目のオレ様に、チームはどんな契約を提示するんだろうな?
でしゃばりテイタム
試合前のウドカさんの作戦はな。スーパースターのオレ様を頼ったものだったんだ。
「グラントの3Pこそが、私たちの最大の武器だ。とにかく徹底してグラントに3Pを打たせろ」
まぁそうだよな。オレ様に頼るしかないよな。だからチームメイトはオレ様にパスを回すわけだ。なんせオレ様の秘儀「フリーで打たせろバリアー」によって、バックスのマークマンはゴール下に留まっているからな。1回、バリアーを発動し損ねて、ブルックが追いかけてきたときは、ちょっと迷ってしまったが、バックスのやつらはオレ様の偉大さに恐れをなして、3Pラインの外では空けておくからな。
ところが、ちょっとばっかし決まらなかったんだ。弘法にも筆の誤りってヤツだな。まぁそういうこともあるさ。だが、ちょっとばかり決まらないからって、テイタムのやつが作戦を無視して自分で打ち始めやがったんだ。
あいつ2年ばかり先にセルツにきたからといって生意気なんだよな。同じ1998年生まれなのに、先輩風吹かせやがって。
オレ様が3Pを打って決める。ビビったバックスがオレ様に人数をかけたところで、テイタムとブラウンさんがドライブするのが仕事だったのによ。ブラウンさんはちゃんとドライブしていたのに、テイタムのやつは次々に3P打ちやがった。それもちゃんとフリーにならずに、プルアップ打ちまくるだろ。少しばかり人気があるからって調子に乗りやがって。
なに。そのテイタムが3P4/4だから逆転したんだろって?
いや、まぁ、あれだな。あいつも普段からオレ様の美しい3Pを見ているから参考にしたんだろ。寛大な心を持つオレ様だからな。決まっている限りは打たせてやったんだ。
それにあれだ。前半残り1分でバックスに再逆転され1点負けていただろ。そこでスマートの兄貴がパスをくれて、オレ様の3Pで逆転したんだ。
そして、このオレ様にビビったんだろうな。ホリデーが残り27秒という意味のない時間で2for1のディープ3Pを打って外したろ。そして残り5秒でボールを持ったヤニスがドリブルミスしたところでスマートの兄貴がすかさずスティールだ。しかもスマートの兄貴はムリヤリ3Pにいってヤニスから3Pファールドローしたんだぜ。さすがスマートの兄貴は強かだな。
オレ様にボールを預ける作戦が機能しなかったが、それでも48-43でリードしたんだ。
頼みの綱はオレ様!
ハーフタイムのロッカールームでホーフォード先輩が声をかけてきてくれたんだ。
「グラント!あの3Pは素晴らしかったぜ。後半も打ち続けて決めるんだ。お前を信じているぞ」
いやー、本当にホーフォード先輩が帰ってきてくれてよかったぜ。スマートの兄貴やテイタム、ブラウンさんだと話がまとまらないもんな。ホーフォード先輩がちゃんとオレ様にパスを出すことを全員にわからせてくれるんだ。わからずやが多い中で、ホーフォード先輩がいるからロッカーの空気が良くなったし、オレ様が主役であることを明確にしてくれたもんな。
そこからはもうオレ様の「3Pショータイム」だったな。3Qだけで7本も打って、そのうち3本を決めてやったぜ。オレ様さすがだな。オレ様が決めるから、チームメイトも楽にプレーしていただろ?
逆にバックスのやつらは、オレ様の念力ディフェンスによって3Pが入らなくなったな。試合を通して33本も打ったのに4本しか決まらないんだぜ。
えっ?いやいやダメだよ、敗者を責めたら。ミドルトンもいない中でバックスは本当に頑張ったと思うぜ。ただ、このゲーム7という緊張感あふれる中で、これだけの3Pを決められるのはオレ様のようなスーパースターだけってことだ。決めたオレ様がスゴイのであってだな。
えっ?プリチャードも決めたって?
ま、まぁオレ様の3Pによりリードを広げたからな。あいつも気持ちが楽になって打てたんだろ。後輩のためにオレ様が道を切り開いてやったんだ。
「必殺:ビッグマンカウンター」
オレ様が3Pを決めて76-60と試合がほぼ決まったところで、バックスはタイムアウトをとったんだ。そしたらバックスはヤニス、ポーティス、ブルックの3人を並べてきたんだ。何考えてんだと思ったね。もう諦めて思い出作りって感じだったな。
オレ様がヤニスかわして3Pを打ったら、ヤニスはリバウンドに行かなかったんだ。まぁわかるよな。オレ様が打ったら決まる確率の方が高いんだから、リバウンドに行く気もなくすよな。ところがオレ様のシュートが惜しくも外れた瞬間に、むこうのベンチからブーデンフォルツァーさんが大声で叫んだんだ
ブーデン「必殺:ビッグマンカウンター」
そしたらリバウンドにもいかずにヤニスが速攻に走り出したんだ。オレ様はすかさず戻ったんだ。さすがオレ様だよな。的確な判断で、速攻のパスコースを塞ぎに行ったんだ。だからホリデーのパスはオレ様の遥か上を通っていったぜ。その瞬間思ったね「どこ投げてんだよ。客席へのホームランパスだぜ」ってな。
ところが、ヤニスがジャンプして信じらんねーアリウープを決めやがった。何だアレ。
そういやオレ様がバカンスしている間に行われた去年のプレーオフでは、この形で速攻を決めていたんだったな。すっかり忘れていたぜ。どうしようもない状況になって最後に繰り出してきたのが、1年前の必殺技だったか。
マジであれは脅威だったぜ。常識外れにも程がある。これでバックスに盛り返されたのは事実だ。
だが、ビッグマンを3人も並べて、しかも控えがいないのだから、走力で限界がくるよな。4Qもオレ様の3Pから始まり、点差を付けていき、そして残り2分26秒、オレ様がスマートの兄貴とギブ&ゴーのフローターを決めて、遂にバックスも諦めたんだ。オレ様にトドメの一撃を食らっては、さすがに諦めるしかなかったんだろうな。
こうして、オレ様を中心としたセルティックスは2年ぶりにカンファレンスファイナルへ進んだんだ。相手はまたもヒートだ。2年前にはまだルーキーだったオレ様の力が足りないばかりに負けてしまったが、今度はそうはいかないぜ。みんな、応援してくれよな!
リクエストした者です!!ありがとうございます!!!バックス側の視点も聞きたかったなとか思ってないですよ!!!!
お疲れ様です。
グラント君草。
このブログでかなり前にグラント特集ありましたよね。
記事を見た当時は名前も知らなかったですが、滅茶苦茶キープレイヤーになっていて流石だなーと思います。当時の懸念だったスリーもがっちり身に着けて。
そこにホーフォードも帰ってきて兄弟みたいなプレーしてるのは笑ってしまいますが。
まさかあのスーパースター、グラント様がこれほど日本語に通じていらしたとは!あの超人気チーム、ボストン・セルティックスのロッカー裏を、キープレイヤー中のキープレイヤー自身の臨場感あふれる筆致で知ることができるとは何という僥倖でしょうか!
グラントさん!!結構チームメイトみんなで決めましたねー、これもグラントさんのおかげっすね!!ヒート戦では、簡単なシュートは減りそうだし、ディフェンスでもガード相手に奮闘が必要になるかもですが、活躍を期待しています!!