琉球vsA東京
島根vs千葉
富山vs信州
NBAに先立ちBリーグが開幕しました。3試合を見たので感想を書いてみましょう。なお、各チーム・選手については1試合観ただけだし、まだまだ開幕戦なので個人の評価がどうということはないよ。日本代表選手ならば、ある程度の下情報もあるけど、それ以外はわかんないしね。
ですので、一部個人の話は出てきますが気にしないでください。話の流れで出しているだけです。またチームについても、いろいろとあるけど、出来るだけかっ飛ばしてしまい
NBAしか見ないブロガーがBリーグを3試合観て感じたこと
というBリーグの全体像について触れていきます。ある意味でイメージにある日本バスケが、どのように変化しているのか。そして代表にどうつながっていくのかを考える時間です。個人でもチームでもなくBリーグの全体像。
◎ポストアップ連発
Bリーグというか日本バスケのあるあるはコレ。外国人ビッグマンばかりが加入するから、殆どのオフェンスがポストアップだらけになっていきます。それはものすごくネガティブなわけで、理由としては「世界の流れと違う」「外国人頼みが酷い」「プレーメイクがない」なんてことになります。
開幕戦の開幕戦である琉球の1Qはまさにそんな感じ。もうやべーな。退屈だなー。なんて思いましたが、2Q早々にダブルチームで潰されるとポストアップ頼みではなくなっていきました。
6チーム通じて似たような現象が起きており、かつてのようなポストアップ頼みではなくなり、様々な形でプレーメイクがされるようになっていました。富山のジョシュ・スミスが20キロ減量してきたそうですが、それだけゴリゴリタイムはBリーグでも減っていくという事だ。
ということで、スペーシングの良かった島根に代表されるように、管理人のイメージとは違うオフェンスが展開されていました。もちろん「外国人任せ」という傾向はみられましたが、どちらかというと「この外国人選手は個人技暴走しているな」と感じる事もあったので、プレーメイクは複数人が絡むことが基本のチームが殆どでした。全部ではない。
◎エバンスとビュフォード
とはいえ、ビッグマンを外国人頼みにしていることは変わらず、各チームがゴリゴリフィジカルな戦いを外国人にさせていました。これは何も変わらないわけで、フィジカル強い系の選手を多く集める傾向は変わりません。
ところが、チームオフェンスそのものはアウトサイドから作っていくことが増えた事もあってか、以前のようなインサイドファイト全盛期ではなくなってきた印象も。そして特に目立ったのは琉球のエバンスと島根のビューフォードでした。
エバンス 201センチ 104キロ
ビュフォード 198センチ 100キロ
どっちもサイズに対して少し重たいのは事実だけど、高さとフィジカルで勝負するのではなく、NBAでいえば渡邊雄太みたいなハードワーカーです。フィジカルはもっと強いけど、トランジションマックスの戦いをするNBAでは不要なことも多いもんな。
結局のところ、試合のテンポが上がってきたので、ただただデカくて強いビッグマンタイプは後半になると存在感を薄めていき、SFタイプながらビッグマンをしている運動量とスピードを持った外国人の方が目立ってきました。
彼らは時に大したスタッツを残さないけど、そのハードワークがチームを救いまくることが多いです。A東京は同じタイプ(のはず)がロシターですが、明らかにエバンスに圧倒されてしまいました。速攻に走っているのもエバンス、ディフェンスカバーに来るのもエバンス、エバンスだらけにすらみえる後半の琉球だったので、トータルゲームでの活躍度は圧巻です。
ビュフォードは普通にSFなので1on1担当もしていましたが、やっぱり走るもんな。千葉はクリストファー・スミスがハンドラータイプの外国人なので1on1でやりあえるんだけど、運動量とスピードでビュフォードに負けていた。あと島根はセンターのトラビスにニック・ケイも運動量タイプだから、スペーシングオフェンスという点も含めて「ゴリゴリフィジカルなビッグマンは不要」ということを明確にしています。
あっ島根は戦力強化に動いたわけだけど、それ以上にHCポール・ヘナレが最大の補強っぽい。19年WCでニュージーランドを率いていたんだね。
ということで、プレーメイクの変化と共に必要となるビッグマンも「サイズよりも運動量とスピード」な空気が出ていました。これはワールドスタンダードを考えればポジティブな話です。Bリーグも健全な方向に変化しているという事だ。
◎ノー・ジャパニーズ
サイズやフィジカルよりも、運動量とスピード、そしてハードワークが制するんだ!
ってことで渡邊雄太がラプターズでプレータイムを得ることが出来た今日この頃。ほぼビッグマンとして起用されているんだぜ。そして日本で活躍する外国人も、こっちのタイプが増えてきそうな傾向がみられたわけだ。
でも、日本人ビッグマンは1人もいなかった。6チームで1人もいないんだぜ。ヤバくないか。プレーメイクに関してもスクリナーとなるビッグは外国人だから、そりゃあ代表でスクリナー不足に困るよ。NBAで日本人がビッグマンやっていて、Bリーグではやっていないってどんな状況だろ。
そんなことはみんな知っているか。でも言っとかないとね。
この状況でもウインガーがインサイドでもファイトしていれば良いのですが、ディフェンスリバウンドに絡めない。オンザコート2なのに絡めない。高さだけでなく反応で負けすぎています。田中大貴なんて0本だったしさ。
千葉は島根にオフェンスリバウンドを21本も取られましたが、その半分くらいがゴール下ではなく、ロングリバウンドになったのを回収できなかったイメージでした。それはゴール下の外国人ではなく、アウトサイドの日本人が回収すべきでしょ。
〇千葉のディフェンスリバウンド
富樫 1
佐藤 1
原 2
4本しか取れなかった日本人。千葉は特にひどかったな。他にも稀に見る凡戦になった信州(31%)と富山(23%)の試合はお互いにFGが酷く、それだけリバウンドが多く出てきたのですが、日本人のディフェンスリバウンドは松井・岡田・前田の3つずつが最高だぞ。
唯一、琉球の田代だけは6本と健闘しましたが、ゲーム2は0本になっているな。ってことで、日本人ビッグマンがいなくて困るわけですが、ウイングやガードについても考えなければいけません。いろいろトータルで考えていくと、リバウンドの回収も出来そうな岡田侑大は代表に適しているかもね。ディフェンスも頑張っていたし。
◎フェイクが多過ぎる
最も気になったのはコレ。スペーシングしてドライブとパスアウトが組み合わさったチームが増えてきたのは良い傾向でしたが、とにかく
キャッチ&3Pの場面でフェイクが多過ぎる
あまりにも気になる現象でした。スポルストラはダンカン・ロビンソンに対して「フェイクしないで打て」という指示を出しているくらいですが、パスアウト待ちで構えていたにもかかわらず、ワンフェイクする案件が多過ぎて、せっかくディフェンスを収縮させたのに意味がなくなるケースが多過ぎました。
「フェイクをする」ということは「ディフェンスが間に合っている」ということなので、これを打ち切らないなら「ディフェンスは適切な距離で守れていた」となります。だから次のディフェンス時もしっかりとインサイドにカバーに行ってからシューターを追いかければ良く、オフェンスに拡張性がありませんでした。
もちろん「フェイクは絶対ダメ」なんてことはありません。琉球の岸本はフェイクからサイドステップして3Pを打っているし、先に飛んだディフェンスを避けるためならOKさ。ちなみにNBAだとディフェンスとの距離別の区分では
6フィート(183センチ)以上 ・・・ワイドオープン
4~6フィート(122センチ~)・・・オープン
こんな位置づけでトラッキングされますが、Bリーグを見ていた思うのは「ワイドオープンじゃなければフェイク」になっている気がしました。いうなればNBAではオープンショットと言われ確率良く決めることが求められるシュートですらも、Bリーグはフェイクしている感じです。
明らかに3Pが少ないのは、こういう理由も大きかったなぁ。そんな印象が強く残った3試合でした。信州は富山のゾーンを攻略できず、1試合通してゾーンやられていたしなぁ。
安東、富樫、金丸と代表クラスの選手は打ち切るタイプだったこともあり、日本代表で感じる以上にBリーグは打てませんでした。代表の場合は純粋に打たせてもらえていなかったのもあるんだけど、それはディフェンスの距離感がBリーグと違うからかもね。
なので「3Pを打たない」ということ以上に「ディフェンスが楽をしている」ように見えました。ディフェンスが収縮して中を固める作戦でもOKな理由は、プルアップ3Pがないからかと思いきや、キャッチ&3Pも少ないことが大きいのかもね。
◎金丸と個性
1Qにいきなり3P3本決めた金丸をみたら「島根は金丸中心で構築してくるのか」という空気でしたが、試合を通してみると金丸はオプション的に使われていたのが面白く、結局その後は3Pは1本もなく、ゲーム2も8本打って1本しか決まらなかったみたいです。
当然、千葉は金丸対策をしていたし、原がチェイスしている時間帯はタフショットしか打てなかったのでした。オリンピックを思い出すぜ。ゲーム1の1Qも3本のうち2本がオフェンスリバウンドからだったしな。
ということでオフボールムーブからの3Pを決めることが出来ず、タフショットも多かった金丸の判断はイマイチでした。マークを振り切れれば3Pと見せかけてインサイドに良いパスを出していたのは良かったけどね。まぁここに関しては開幕戦なので、連携問題もあったので時間が解決してくれるかもしれません。
この「あー金丸はタフショットおおいなー」というのは1試合を観た感想でネガティブなものですが、3試合観ると逆にポジティブな感想も出てきます。
決まりはしなかったけど、自分の個性を存分に出した金丸
ダンカン・ロビンソンじゃないけど、あれを打つのが金丸の仕事だよね。タフショットの確率は知らんけどさ。島根はインサイドのプレーメイカーが足りなかった事情もあるし、タフになりがちなのは承知の上で「打ち切っていた」といえます。島根はチームとしても4割以上が3Pアテンプトだしさ。
で、6チームみてシューターが金丸しかいなかった。それが苦しいよね。3Pのためにオフボールムーブするウイングは皆無。まぁ仕事は色々だし、アルバルクみたいにシューターを使わないチームもあるので、別にそれ自体は構わないけど、あまりにも個性という色味がないのでした。
トランジションでも迷うことなく3Pを打っている金丸に比べ、「シュートフェイクが多過ぎる」と感じてしまうくらいなので、全体的に個性が足りなかった。原なんて大学時代は3P王だったのに、狙わずにインサイドに詰めてミスしていたしな。
ポジション問わず「個性」を感じさせる選手が少なかったです。もちろん、みんな頑張っているよ。悪いプレーをしているわけじゃないよ。でも、ここで何か書きたくなるくらいに個性を出しているウイングは金丸くらいだったよね。田代とか、もっと自分で攻めていけばいいのにさ。
そんなわけでビッグに日本人はいない、ウイングは個性を出していない。
何か1つ明確な武器を持てば日本代表は近くにあるんじゃないかって思うウイング陣でした。
◎代表の話
これも触れようかと思いましたが、長くなったし、個人の話だから辞めよう。おそらくファンの中で一番揉めるのはハンドラーの人選でしょう。それはウイングに比べてハンドラーは個性を出せていたからでもあります。
安藤、岡田、田中、富樫、岸本、小島、藤永(印象が良かった順)と、それぞれがそれぞれの持ち味ってやつを出しており、弱点も出ていたけど、取り返すだけのメリットも生み出すのでした。
バランスの良い選手を選ぶのか、個性の強い選手を選ぶのか、判断力の高い選手を選ぶのか。ホーバスが求める要素に応じて、誰が選ばれるかは変わってきそうですね。そしてこれだけウイングに個性が足りないならば、ハンドラータイプを多く並べるかもしれません。マスコミは「スピードで高さを制す」と喜ぶでしょうが、実際には選べないだけかもね。
ということでBリーグ開幕戦の感想でした。個人もチームも、シーズンを通して成長していくので、ここで書いたことは大して重要ではないよ。だけど、全体の印象って意味では特に「フェイクが多い」を何とかしないとダメだなぁ。とにもかくにも、そんな感想があったのでした。
思ったことを言ってくれました。
ガードはもちろんウイングがリバウンドに絡まないんですよね。
そら代表戦でのリバウンドがボロボロになるはずですわ。
シュートも打てよ!って場面で打たない。
打つのは金丸か辻ぐらいで、他の選手は打てる場面でフェイク入れて攻める気のないカットインするか外国籍にパス。
そら3P入んないですわ。
ドライブも全然やんないからキックアウトも生まれにくく、せっかくあってもシュートを打たねえ。
国内リーグぐらい攻め気みせろよと。
ラベナ兄弟、コービーパラス見てると、八村渡邊抜きじゃ逆立ちしても勝てないと思っちゃいますね。
八村とは言わないから、ラベナ兄弟みたいな選手をコンスタント生み出せるようにすべき。