ゲーム7
すべてアウェイが勝つ変なシリーズ。遂にゲーム7まで到達しましたが、ゲーム5からはマブスのゾーンがキーになっており、効いたゲーム5とゾーン以外になったらレナードに1on1をぶちかまされたゲーム6でした。
本日もポル&マルのツービッグでゾーンから始まります。ゲーム5で効いた高さとスピードのコントラストはゲーム6でクリッパーズのスーパースモールにかき消された感じもありますので、お互いの先制パンチは10分後に効いているかどうかがわかるっていうライブ配信泣かせの戦いかもしれません。
◎効かなかった作戦
クリッパーズのファーストオフェンスがファンキーでした。ボールを動かしてコーナーのモリスに渡るのですが、モリスがなんかボールコネコネして時間使ってしまったら、他の4人は自軍に撤退(笑)。見事に3Pを外したモリスですが、それだけトランジションディフェンス重視って事です。ゲーム5はゾーンからの速攻を食らったので警戒しているクリッパーズ。なお、ツービッグの時間はそんなに速攻されていないけど、まぁ使い分けは難しいわな。
そしてゲーム6でレジー・ジャクソンの3Pが爆発したので、ゾーンの前2人はちょっと広めにポジショニング。そこをレナードがハイポストからジャンプシュート。ゲーム5で止めきっていたミドルエリアであり、ゲーム6でレナードが爆発したミドルエリアは、今日もレナードから制していきました。
続いてエンドラインを移動したバトゥームがミドルショット。ゾーン攻略が出来ているクリッパーズなので、早々にマブスの作戦は危険信号ですが、このメンバーでは他に守り方がないので続けるしかなく。しかもオフェンスでマリヤノビッチのパスアウトから3Pが決まれば、ポルのダンク、そしてオフェンスリバウンドと対抗できているので、本当に続けるしかない。
守るためのマブスのゾーンも、守るためのクリッパーズのスモールラインナップも、どっちに無効化されているのでゲーム7っぽいっちゃあゲーム7っぽいです。クリッパーズはともかく、マブスはこんなに攻略されているのはゲーム7としては正しくない気がしますが。
クリッパーズはやはりゲーム6のレジー・ジャクソンが効いていて、アウトサイドを任せることが出来るから、ハイポストにレナードやポール・ジョージが入り込むことで機能させています。なので初めの交代はモリス→マン。アウトサイド担当としての交代にしていました。マル&ポルがいるのに、さらに小さくするっていう勇気ある決断であり、守れないことはそこそこ許容しているってことです。
狙い通りアウトサイドで繋ぐマンがドライブダンクも決めれば、レジーと交代したロンドもコーナー3P、そしてマンも3Pでオフェンスは良い感じ。そしてディフェンスはハーダウェイが軽く足を痛めてロッカーに下がったのでチャンス到来。でもドンチッチにステップバック2本食らってしまった。
そんなこんなですが、所詮はドンチッチにやられているだけ。そんなのゲーム1から同じだし、出来る策は講じているし、考えすぎても仕方がないのがクリッパーズ。それに比べたらディフェンスで失敗しているマブスの方が痛い。ってことでクリッパーズペースです。内容は3Pが決まっているチームが優勢ってだけですが、なんで3P打てているかの差はデカい。
流れを失ったマブスの交代はマル→パウエル。さすがカーライル。謎の交代策です。なんせゲーム4まではクリバーが長時間起用され、ゲーム6ではコーリーステインだったのに、ゲーム7はパウエルなんだもん。ただ「誰が良くて、誰がダメ」ってのはないのがマブスのビッグマンなので、むしろパウエルが良いくらいだ。
そして後はドンチッチで逆転に成功して1Qが終わります。クリッパーズもドンチッチにはあまり複数人でいかないので、許容範囲だけど、マジで1Qのドンチッチって止められない。まぁ複数で行って周囲にボール回された方が苦しかったので、これでOKって感じです。
38-35はクリッパーズの作戦が成功したけど、マブスがオフェンスで取り返したって形。19点がドンチッチ。それもまた想像通りな気もします。レナードの18点の方がマブスの想定通りには進まなかったって事だな。
◎大胆なカーライル
今日もケナードが出てくるクリッパーズ。そのケナードのパスアウトからロンドの3Pになりますが、これは決まらず。全部決まるわけないしさ。でも良い感じに打てている。逆に今度はハイポストのポール・ジョージからコーナーのケナードへ。こっちは3Pが決まった。良い感じで打てている。
マブスとクリッパーズの違いは結局はレナード&ポール・ジョージとドンチッチの違いです。インサイドに侵入していくのが怖いからパスアウトが効くクリッパーズと、ドンチッチしかいないし、そのドンチッチもステップバックが多いから、チームとしては良い感じになるとは限らない。
ここでマブスは1年前を思い出すユニットに変更。出番のなかったトレイ・バークを投入し、マリヤノビッチも使ってオフェンスユニットに変えてしました。守り切れていないから取り返すしかない。ところがドンチッチが凡ミスを連発。気が付いたらバークは下がっていた。意味わからん。
しかし、これまでの展開がウソのようにお互いにシュートが決まらなくなります。ウケる。試合は思いどおいにはいかないよね。クリッパーズのオフェンスは悪くないけどシュートが決まらない。マブスもポルジンギスがスティール速攻で3P打って外すし、チャンスはあるのに決まらない。オフェンス志向に動いたと思ったら点が止まる。
劣勢のマブスなのですが、シュートが決まらない展開になるとリバウンドキープの差が出てアドバンテージがあります。日本のHCが喜びそうな形だよね。ノービッグでオフェンスリバウンド要員がいないクリッパーズに対して、必ずマリヤノビッチが絡み、またもフィニースミスが飛び込みで奪うマブス。この差でセカンドチャンスを得ているマブスが追い上げていきます。
ところでリバウンド重視って自分たちのシュートが決まらないことを前提にしているよね。国際ルールだとリバウンドの重要性はあがるんだけど、WCでもFG60%とか普通にあった気がするから、もっと「良いシュートは決まるもの」という前提に立たないと戦術は進化しない気がするよ。
そしてタフなフェイダウェイを決めるポール・ジョージと、変態ステップバックを決めるドンチッチ。フィニースミスのダンクに、バトゥームのダンク(ファールドロー)なんかもあって、段々とオフェンスが戻り始めた頃に、今度はマリヤノビッチが3ファールで下がります。今日は長時間起用されておりそれだけ重視されていたのですが、またもパウエルと交代。
そのパウエルもファールしちゃって9点差に広がると、バークを再登場させるカーライル。いやー、面白いね。大胆だよね。突如としてスピード勝負に移行だよ。良いディフェンスしたんだけど、ファールコールされちゃって守れていないけどさ。
前半はクリッパーズが逆転して70-62。サポートメンバーがしっかりとアウトサイドを決めたのが大きかったけど、それは中央を攻略するレナードとポール・ジョージがいてこそ。そんなに決めていなかったからマブスの過剰反応でもあったけどさ。
両チームの差がなにかっていうと、やっぱりポルジンギスかな。「それ決めてくれれば」を外してしまったし、ドライブがないからボールムーブしてから違いを作れるセカンドエースが足りなかったマブス。その代わりフィニースミスがオフェンスリバウンドで頑張りまくり。シュートは50%は外れるんだからオフェンスリバウンドは大事だよね。フィニースミスに助けられたけど、内容的にはクリッパーズが15点はリードしていて然るべきかな。
◎レナードの意味
後半は失速するドンチッチなのでビハインドが苦しいマブスですが、マリヤノビッチが2人に囲まれながらのローポストを決め切れば、トランジションでハーダウェイがクイック3Pで早々に2点差にします。クリッパーズがタイムアウト。
そしてタイムアウト明けにコーナー3Pが外れると、またもハーダウェイがドライブして同点に。ちょっとビックリ。先制攻撃が効いたというか、ゾーンが効いたというか。ポルジンギスだけが決めてくれない困ったちゃん。
クリッパーズはモリスが決めるも、レナードとポール・ジョージが外し、一方のマブスはドンチッチは決まらないんだけど、とにかくマリヤノビッチ。オフェンスリバウンドもマリヤノビッチとフィニースミス。そしてドンチッチにダブルチームがいったらフィニースミスが3P。
〇フィニースミス
18点
FG7/13
6オフェンスリバウンド
結局のところ「ドンチッチの相棒」はフィニースミス。あと3人フィニースミスを連れてこよう。ミカルとアミヌとハークレスとクレイグとクラウダーとTLCとカム・ジョンソンと・・・・ほぼサンズじゃねーか。Jリッチを取ったのは正しかったよね。でも機能していないから人数いても意味ないのかな。ポルジンギスを放出してウエストブルックとアブディヤとギャフォードとればいいんじゃない?
さて、逆転されたクリッパーズですが、久しぶりにレナードが決めたら一気にオンファイヤーで再逆転です。モリスの3Pが続いたのもパスアウトが機能し始めたから。飛び込んでファールドローのレナードにMVPコール。それは正しいコールだ。自分で決めなくてもキーになっているレナード。
ドンチッチがフリースローを2本ともミスし、モリスが3Pを決めて残り2分半で8点差に。バークが良いスクリーンをはってもドンチッチの判断が悪くシュートチャンスが生まれなかったのに対して、マンの3Pが外れたのをレナードがオフェンスリバウンドで救い取って&ワン。ついでにフィニースミスが5つ目。相棒が消えたドンチッチだけど、ドンチッチが失ったリズムからだぞ。
最後にケナードが3P連発して24-4のランで一気に15点リードで終わらせたクリッパーズ。ドンチッチも悪いけど、セカンドエース不足が響いたマブス。マリヤノビッチがセカンドエース代役をしてくれて耐え抜いていたけど、やっぱり無理でした。追い上げるにもハーダウェイの爆発くらいしか道がなく、その前にドンチッチがパスを出せていないしな。
◎さようならマブス
この時点でスタッツを見た管理人。やっぱり逆転できなかったマブス。試合内容的に無理なので、これ以上見ても仕方がない気がするよ。あとは「よし!レナードが外したぞ。ここからだ」的なことしか解説出来ないので、シリーズ通しての話をしていきましょう。
マブスはハイスコアには耐えられませんでした。ゲーム2こそ127点を奪いましたが、その試合はドンチッチとハーダウェイが決めまくったからです。ついでにいうと
〇ゲーム2のポルジンギス
20点
2P5/8
3P3/4
これね。シーズン平均20.2点のポルジンギスですが、プレーオフの7試合で20点を超えたのはゲーム2のみ。去年は34点の試合もあったのですが、今年は見事に止められてしまいました。ただ、その差ってクリッパーズ側の事情もあるから一概には評価しにくい。ルーよりリバースの方が策がないからね。
ちなみにゲーム7でクリッパーズはマンは26分もプレーし、次に多いベンチメンバーがケナードでした。結局のところ、ロンドでゲームメイクさせる事よりも、レナードとポール・ジョージに合わせる選手の方が重要だったことを示している気もします。これは余談。
ポルジンギスがセカンドエースの働きが出来なかったことがマブスが敗退する要因ですが、そこはちょっとこれ以上触れても仕方がないので。ボールムーブしてからドライブがないのは厳しいよね。でも、「ボールムーブしてから」が前提で、そもそもドンチッチが持ち過ぎちゃうからセカンドエースって何なんだって話でもあります。
〇7試合のドンチッチ
35.7点
FG49%
3P41%
7.9リバウンド
10.3アシスト
4.6ターンオーバー
すさまじかったんだよ。間違いなく。間違いなくね。ターンオーバーもこのスタッツの選手としては合格ライン。でも、ドンチッチの判断過ぎてさ。要するに「さようならブレイザーズ’21」のリラードをドンチッチに置き換えれば良い。それだけでほぼ話は終わります。
〇ゲーム7のマリヤノビッチ
14点
FG7/11
6オフェンスリバウンド
3アシスト
ただストッツとカーライルの違いはあって、マリヤノビッチを起用したことで強引にセカンドエース(仮)を作り上げました。それはマカラムしかいないブレイザーズにはないオプションだったので変化はついた。そしてマブスのGMの方がディフェンスの良い選手を揃えて、オールラウンドに振舞わせた。
終わってみれば、オフェンスで対抗するしか何もできなかった1年前に比べればかなり良かったと思います。あのシリーズもドンチッチがいない試合で勝ったじゃん。凄い話だよね。Jリッチ加えた意味は直接は出なかったけどチーム全体では出ていた。
〇ポルジンギスのディフェンスレーティング
オンコート 121.0
オフコート 112.2
ちなみにスターターでこんな差が出るのはポルジンギスだけ。他の選手は差がなかったり、オンコートの方が良かったり。代わりにポルジンギスがいたらオフェンスは良くなっていましたが、それは全員一緒でした。スターターの時間が長いからそこは同じように上下動して、ポルジンギスがいないときだけディフェンスが良くなっている構図かな。
いずれにしても攻守にセカンドエースのところと、リムプロテクトに困っていました。ポルジンギスが悪いっていうか、リムプロテクターになれないからマリヤノビッチを出すしかなかったって事ね。
ゲーム7まで行きましたが、マジでゲーム5はカーライルが強引に勝たせただけです。クリッパーズが一番苦戦したのは最後3試合のカーライルのハチャメチャな大作戦に、戦術的柔軟性がないから対応しきれなかったこと。でもさすがにゲーム7は違ったね。今日は完璧にゾーン攻略していましたし、レナードとポール・ジョージで崩して周囲がフィニッシュしていきました。
〇アシスト
レナード 9
ポール・ジョージ 10
ほか 11
〇3P
レナード 1/3
ポール・ジョージ 2/8
ほか 17/32
きれいなスコアです。2人のアシストから周囲が3Pを沈める。バトゥームも5アシストですが、それとマンのカッティングも効きました。「ゲームメイカーが欲しい」と反省点をあげた1年前ですが、実際に必要なのはそこじゃなかったってね。レジー、ケナード、マン、バトゥームが動いてポジションを変えながらワイドオープンになって3P決める方が大事だった。ついでにいえばレナードとポール・ジョージのプレータイムを減らしてロンドを出せ。
そのポール・ジョージは今日もFG33%です。だから批判されそうなんだけど、仕事としては今日の内容が正しいんだよね。同じポジションにエースをかぶせる意味は、似たような「難しい」仕事をする選手が2人いるってことだ。
そんなわけでドンチッチもダントーニでも呼んでダブルポイントガードでもするかいな。お互いの戦略は大してぶつかり合わなかったけど、お互いのロスターの違いはぶつかりあったゲーム7でした。おしまい。
そういやジャズは、基本的に1on1対応だから、ドンチッチには活躍しまくるチャンスがあったんだよ。そして若者たちが勝ちまくったファーストラウンドで唯一負けてしまった。個人の責任じゃないけど、ちょっと置いて行かれたね。来シーズンはモラントとの闘いだ。
マブス(ドンチッチ)よりホークス(ヤング)が上にいくなんて、去年のプレイオフのときには想像できなかった・・・
(まぁイーストとウエストだからか?)
マブスはドンチッチのサラリーもありますし、補強がどんどん難しくなりますねー
ホルジンギスは良くも悪くも目立つので、トレード!トレード!になってますね
トレードってのは意見としてはわかるけど、かなり上手く振舞わないと、何も変わらないでしょうしね。
ドンチッチが目立ちまくっているのをどう考えるかって、かなり難しい問題だと思っています。
お疲れ様です。
この試合に関して1番悲しかったのは、3QにOR取られまくってしまったところです。
ゾーンだし仕方なかったのかもしれないのですが、クリッパーズのウイング、ガード達に掠め取られていくのが余りにも見てられなくて。
機動力のないボバンと組んでる時点でKPには高さを生かしてDRを確保して欲しかったのですが、結局スピードとフィジカルでボロ負けしてORを取られた(ように自分には見えた)のがとても残念でした。
ゲーム7だけでも見返してほしかったです。
あと余りにも結果論的な話ではありますが、ペリカンズとのトレードは完全に裏目りましたね。
レディックがPO直前に怪我してしまったのが全てではありますが、クリッパーズと当たるのであれば、イワンドゥがレナードを守っているところを見てみたかったです。
来年以降のマブスはどうしていくべきなんでしょうね?
自分はトレードやFAなどチーム編成のルールに疎いので雰囲気しかわかりませんが、もうKPは不良債権扱いでしょうし、ドラフト指名権も全然ないはずなので、意外と未来は明るくないんですかね?
ダブルポイントガードするにも出せる対価が何もない気がするという…
お金関係ないところだとHCの交代ですが、自分にはカーライルが問題だったとは思えないんですよね。
オフシーズンにでもいいので、今後のマブスについて管理人さんの意見を聞いてみたいです。
そうなんですよね。交代の説明が多くて書かなかったけど、ポル1人にしたらリバウンドが全く取れず。。。
マブスは錬金術得意ですし、インターナショナルから連れてくるのも上手いですし、補強はそこそこ何かしら生み出すと思いますが、その前にカーライルのままでいいから、ドンチッチの次の一手を考えないと、誰を連れて来ても同じようになってしまう。
フィニースミスを3人ってのは、ドンチッチが今のプレーをするなら、その方が効果的に見えるのでした。
ポルジンギスをトレード!という話で持ちきりですが、契約は重たいですし、今回のシリーズで選手としての価値もさらに落ちたように思います。
果たして今のポルジンギスを欲しい球団はあるのかと思うと、?です。
トレードするにしても、マブスとしてはセカンドエースが欲しいわけなので、相当な錬金術ですよね。
個人的には、下手なトレードをするぐらいならもう少しポルジンギスを信じたいんですが…
難しくて、個人的には「サラリー問題がなければ、もう少し信じよう」という実に微妙な立場です。
地道に育てればいいじゃん。なのですが、
ポルがいなくなれば補強が出来る。そっちも捨てがたいっていうね。
POR、BOS、MIAあたりが解体・再建期だとすると、そこにDAL混ぜれば良い感じのトレードが出来るんじゃないですか?
真っ先に思い浮かぶのはポルとケンバの交換なんですけど、どうでしょう?
うーん、ケンバならマカラムの方が。それだとブレイザーズもなんかそれっぽい補強で見栄えも良いですし。
ケンバはダブルPGという点でも、プレーメイカーを増やす点でもいいのですが、ちょっと読めない部分が大きくってリスキーですよね。
マカラムの方が共存も出来るし、わかりやすいかなー。