連覇が観たかった。レナード抜きでの連覇が観たかった。
さようならシリーズは気が付いたら、プレーオフの感想になっています。それはそれでいいか。セルティックスとの7試合は非常に面白いものでした。ディフェンス力を武器に戦うラプターズの術中にハマりそうだったセルティックスが、シアカムを止めきって勝ったシリーズとも言えます。考えることはいろいろあるけど、まずはみなさんご存知のことから触れましょう。
◎ノー・シアカム
ジェイレン・ブラウンに完膚なきまでに止められたシアカム。グラント・ウィアムス相手だと決めていたけど、ブラウンが相手だとワイドオープンの3Pすら決められなかった。ここまで完封されておきながら勝機を見出せるラプターズすげー、とも言えます。
「やっぱりシアカムはまだまだだな」と言いたくなるわけですが、ちょっとその前に待ってくれ。この動画を観ようじゃないか。
昨シーズンはエースではなかったとはいえ、ファイナルでも活躍していたシアカム。ウォリアーズが止められなかった選手を完封したブラウンの凄さが際立ちます。ドレイモンド・グリーン、クレイ・トンプソン、イグダラと次々にエースディフェンダー相手に得点しているハイライトです。
そういう意味ではブラウンを褒めたたえるしかない。まぁ他の選手もスピード負けしなければ止めていたのでスカウティングの勝利ではありますが、ここまでシアカムを無効化するとは恐れ入ります。
さて、違う問題もあってハイライトを見てわかるようにシアカムって
速攻に走って得点できるスピードと運動量
これも兼ね備えていました。だから、ここまで止められるってのは違和感もあるわけです。1on1はわかるけど、それ以外も止まってしまったイメージあるよね。なので、ハーフコート以外の得点を見てみましょう。7試合合計です。
〇シアカムの得点
速攻 4点
2ndチャンス 10
つまりね。速攻の4点のみってのがデカいわけです。シーズンで1試合平均4.1点のシアカムが、7試合で4点でした。ちなみに昨シーズンのファイナルは24点です。シアカムを止めたブラウン、シアカムの速攻を消したセルティックス。ここにラプターズの誤算がありました。
〇ラプターズの速攻
シーズン 18.8(1位)
シリーズ 11.4
リーグ最強の速攻チームは、その良さをもぎ取られたわけです。7.4点少ないうち、シアカムが4点近く少ない・・・止められたエースには、更なる秘密があった様子。次に各選手が出場している時間にチームがどれだけ速攻があったかを並べてみます。プレータイム順です。
〇オンコートでのチームの速攻
ヴァンブリード 10.0
ラウリー 9.7
シアカム 7.4
アヌノビー 8.6
ラウリーとシアカムのプレータイムの差は2分程度です。プレータイムが短いアヌノビーよりも少なくなっている通り、ラプターズは
シアカムがいると速攻が減る
という状況に陥っていました。セルティックスのシュートを見ると、シアカム相手に3Pを増やしている感じでしたが、オフェンスによって引き起こされているとは言えないくらいのレベルでした。
主にスマート、ブラウンを守っていたシアカムが速攻に走れなかった理由にも乏しく、純粋に攻守の切り替えが遅れたと考える方が自然です。ショットクロック6秒以内に打ったシュートは4本、うち2本が決まっており、これが速攻の4点でした。
ブラウンに止められたシアカム。それは攻守の切り替えというラプターズらしい部分を欠く事にも繋がっていたわけです。ひょっとしたら速攻を決めていれば、あそこまでブラウンにビビることもなかったのかもね。
◎ヴァンブリード?
そしてシアカムと同様に物足りなかったのがヴァンブリード。ただそれは非常に説明しにくいものでもあります。まずはシアカムが速攻を出せなかったことも踏まえ、「お触りヴァンブリード」を見てみましょう。
〇ディフレクション 4.1 → 2.7
〇スティール 1.9 → 1.9
シーズン中に圧倒的だった4.1というディフレクションは「普通にすごい」2.7まで落ちました。でもスティール数は変わっておらず、一定の結果は残しています。ただし、スティールは合計13のうちゲーム1が6なので、全体的にはシーズンほどの良さは発揮できませんでした。
「お触り」が足りなかったヴァンブリード
もともとが触りすぎなわけですが、スピードが足りない選手でもあるので、ハンドチェックがないと効果的なディフェンスが出来ません。ゲーム6でケンバに密着するボックスワンを採用した理由は、ここにあったのかもしれません。
〇ターンオーバー
ラプターズ 13.7
セルティックス 15.7
セルティックスの方がミスが多くなったものの、より速攻を出したいラプターズには足りなかったとも取れます。ある意味、ケンバに持たせないことはカウンターのチャンスを減らすことにも繋がるわけですが、そうでもしないと守り切れなかった。
ということで、シリーズ前の予想に上げていたのが「ヴァンブリードがケンバを上回らないといけない」でしたが、判定負けを食らった感じがあります。唯一、勝てそうなマッチアップだったけど、正面から戦うことを避けざるえなかったぜ。
〇ヴァンブリード
18.7点
2P39.0%
3P31.6%
6.4アシスト
2.4ターンオーバー
オフェンスは輪をかけて評価しにくいスタッツでした。少なくとも「良くはない」わけですが、アシスト/ターンオーバーで考えればミスが先行することはなかったし、シュートだってセルティックスのディフェンスを考えれば「酷くはない」くらいです。もともとFG41.3%しかないので。。。
そのため結論的には、あくまでも管理人の予想ベースの話からとった
「ヴァンブリードがケンバを上回らなければいけない」を達成できなかった
となります。でもケンバも3P27%だし、大したスタッツ残していないぜ。なので非常に評価が難しいヴァンブリード。勝利を引き付けて欲しかったけど、それは出来なかったことだけは確かだ。
この点で言えばラウリーに次ぐリーダーとしては不満な部分は明確にありました。「勝利」をもたらすためのポイントガードとしての仕事っぷり。まずは3Pアテンプトが増え、オフェンスを構築できていなかったこと。
〇アテンプトの変化
2P7.4 → 8.4
3P6.9 → 10.9
シーズン中と比べて2Pは1本しか増えていないのに3Pは4本増えました。そしてその打ちまくっていた3Pは4Qになると決まらなくなっています。
〇4Q
得点4.6 → 3.4
FG40.0% → 26.7%
3P39.3% → 26.3%
アシスト1.7 → 1.3
またプルアップの確率は致命的に悪くなりました。
〇3P
キャッチ&シート 40.9%
プルアップ 18.8%
こう見ていくと「そこそこ」だったヴァンブリードのスタッツながら、物足りなかった理由も見えてきました。苦しい場面でシュートを決めて勝利をもたらしてくれていたヴァンブリードが、シアカムが苦しむ中で、代わりに打開するようなプルアップ3Pも、試合を決めに行く4Qの得点も不足していたわけです。
特に昨シーズンは目を疑うかのような大活躍で優勝をもたらしてくれていただけに、レナードがいない中でプレーレベルが下がってしまうとラプターズの勝利は大きく遠のいていったと言えます。
シアカムとヴァンブリード。勝利をもたらす活躍を期待していた2人が、思った以上に躍動できなかったラプターズでした。
◎ラウリーはスペシャル
オフェンスの主役となるべき2人が能力を発揮しきれなかった中でも3つの勝利を手に入れた理由はラウリーがスペシャルだったから。このシリーズは34歳のPGが特別な選手であることを示すシリーズでした。
〇ラウリー
得点 20.7
FG 43.6%
3P 30.6%
アシスト 6.4
リバウンド 6.3
ところがヴァンブリードの逆でスタッツ見ると大したことありません。ディフェンスでの貢献の高さもありますが、ラウリーはエースとして得点を量産するスーパースターではなく、試合を決定づけるプレーをするタイプの中心選手というイメージです。
その意味では他にエースがいた方が良く、レナードが恋しくなるのも事実ですが、あそこまでの選手でなくとも得点力に優れている選手がいれば十分なのかもしれません・・・って、デローザンなんだけどね。なんだかんだでラウリー&デローザンで好成績をあげ続けていたのは、補いあうコンビだったからでしょう。
〇ゲーム3 31点 FG57%
〇ゲーム6 33点 FG60%
ラウリーがチーム救っていたイメージが強いのは、追い込まれた試合での大活躍にあります。特にゲーム3の勝利がなければスイープすらありえた中で、苦しむチームを引っ張り、最後に「アヌノビーを見つけた」ことがシリーズを面白くしてくれました。
3年前にFAとなったラウリーと再契約し、昨年にもう1シーズン延長しましたが、トロントという土地柄(カナダは税金が高い)などもあって、ローカルチームが功労者を残すために頑張った高額契約に見えましたが、優勝という結果だけでなく、リーダーとしての重要性を示してくれました。
面白いのは、ラウリーはいまだに熱くなりすぎる一面があり、意地になってシュートを打っては外すし、狙いすぎたパスでミスも重ねています。ターンオーバーはヴァンブリードよりも多く、ファールは平均4.3もありました。
5ファールになってもニック・ナースは関係なく起用するし、ラウリーも構わずハンドチェックもすればチャージドローもしています。ゲーム7は最後にリバウンド争いで退場することになりましたが、ああいう形でなければ6つ目をしないところもあります。
「冷静で判断力に優れたPG」というのがステレオタイプですが、ここからは外れるのがラウリー。しかし、トランジションを仕掛けるべきなら、多少強引でもペースアップしていくし、ディフェンス強度をあげたければ誰よりもハッスルするし、ハーフコートでコントロールしたければパサーになればシューターにもなれます。変幻自在にゲームに変化をもたらせるのがラウリーの良いところ。
同じようなタイプに育ってきたヴァンブリードとのコンビは良かったものの、終わってみれば「もう少し安定したスコアリングSGと組ませたい」気もしてきました。より得点力がある選手と組めば一歩引いたラウリーの良さが出てきそうです。
〇ラウリーのパスから3P
ヴァンブリード 28%
イバカ 50%
ガソル 17%
パウエル 40%
アヌノビー 56%
ラウリーのパスから3P31.7%しか決まらなかったラプターズ。その理由はヴァンブリードとガソルが低調だったこと。逆にイバカでかなり上がりましたが、総じてパスアウト3Pを確実に決めてくれる選手がいると大きかった。
これはヴァンブリードにも言えることで、ヴァンブリードのパスからは36.7%と良い確率で決まっているものの、ホットラインであったシアカムの低確率が響いてもいました。
〇ヴァンブリードのパスから3P
シアカム 23%
イバカ 50%
ラウリー 25%
パウエル 53%
アヌノビー 67%
ところで、これはアテンプト順なのですが、面白いことに
ラウリー → シアカム
ヴァンブリード → ガソル
というパターンはアテンプトが急激に少なくなります。後者はプレータイムの関係もあるのですが、ヴァンブリードのパスから最も多く打っているのがシアカムなのに、ラウリーのパスからは殆ど打っていませんでした。
ちなみにシーズン中はラウリーのパスから3Pを打つのが最も多かったのがシアカムです。パスの本数は変わっていないので、シアカムが打ち切れなかったとみるのが自然。ホットラインに出来なかったことは大きく響きました。
ラウリーはスペシャルでした。しかし、スコアリングエースとしては不安定だし、ヴァンブリードとの関係は似た者同士の良いコンビだけど、もう少し個人で得点してくれる相棒が欲しくなるのも事実でした。あるいはシーズン中のようにシアカムが決めてくれていれば気にならないコンビだったのだと思います。
来シーズンで契約が切れるラウリー
オフにFAとなるヴァンブリード
MAX契約がスタートするシアカム
スペシャルなラウリーでしたが、だからこそ来シーズンの構成はちょっと迷う気もしました。いずれにしても第3ガードはシューターが良かった。だからニック・ナースはマット・トーマスを起用してきたのだと思います。
34歳にして充実のプレーを示したラウリー。得点力は落ちていくでしょうが、それでもリーダーとしてチームを引っ張れる選手であることを示したシリーズでした。そして未来に迷うよね。
◎アヌノビーとディフェンス
ラプターズがこれだけの戦いを出来た理由はラウリーの存在に加えてディフェンスの奮闘があったこと。忘れられがちなディフェンスだけど、明らかにレベルの違うディフェンス力があったラプターズです。そして実はシアカムの存在は極めて大きく、ちょっと雑だけど広い範囲をカバーし、PGだろうがセンターだろうが守れてしまうオールラウンダーは、たとえオフェンスの調子が悪くても替えることは出来ませんでした。
〇サージ・イバカ
12.3点
3P48%
6.3リバウンド
1.4ブロック
「イバカをもっと起用すべきだった」という意見は、間違ってはいないけど正しいとも言い難い。ラプターズのテレパシーディフェンスは数字には残らないコミュニケーション能力とアグレッシブな仕掛けが重要であり、ここの判断基準は見ている方からはわからないことも多いです。
得点をとれなかったからイバカの3Pに頼ったとしても、それで守れなければ何の意味もありません。まぁシアカムのプレータイムを考えれば、もう少しイバカを使うべきだったとは思います。ナースがガソルとイバカの使い分けに拘り過ぎた印象です。
そんなディフェンスで誰よりも輝き、これといったスタッツにはならなかったのがOGアヌノビー。テイタムをほぼ完ぺきに抑えきったエースキラーでありながら、タイスのマークマンとしてヘルプ要員になるし、ゾーンの真ん中でアウトサイドからリムプロテクトまで全てを担当する異常なディフェンスを展開しました。
このシリーズのMVPはシアカムを完璧にシャットアウトしたジェイレン・ブラウンだと思いますが、ブラウンもアヌノビーもオールディフェンスチームに入っていなんだぜ!
テイタムを抑えきったアヌノビーですが仕事が多く、常にマッチアップしていたわけではないから、あまり目立たないってのもアヌノビーらしさ。結局のところラプターズの強さはこうして「目立たない要素」が強くて正当に評価されず、だけど結果が出まくっているから評価されている感じです。
ゲーム3のブザービーターがなければ、アヌノビーのディフェンスにすら注目が集まらなかったかもね。とにかくアヌノビーがいなければセルティックスは楽にオフェンスを展開して勝利を得たはずです。
〇OGアヌノビー
11.3点
3P46.4%
7.7リバウンド
3&Dとして最高のプレーをしたアヌノビー。プレーオフここまででは最高の3&Dの選手でした。次点はクラウダー。
しかし、それは「3&D」という役割を定義した場合。それでよいのかアヌノビー。それじゃあダメなのが5人がプレーメイカーのラプターズ流。
〇ジェイレン・ブラウン
20.7点
FG43%
8.7リバウンド
アヌノビーよりも3&Dとしては下だったブラウン。3P28%と決まりませんでしたが、20点オーバーになっているように、ディフェンスで奮闘しながらテイタムに次ぐ得点をオールラウンドにとっていきました。ブラウンの得点の仕方はテイタムのようなタフショットではないので、しっかりと崩していることが多く、主役として機能しています。
MVPはブラウンだった。だけど、もしもアヌノビーがブラウンくらいのオフェンス力を発揮していたら・・・勝利もMVPもアヌノビーが手にしていたはずです。レナードの穴を埋めたディフェンス力と、コーナー担当に留まったオフェンス力と。
万能な点の取り方をする必要はありませんが、もう少しドライブを決めて欲しいし、ゴール下ポロポロ落とすのをやめてくれ。
ラプターズはアヌノビーで素晴らしい戦いを繰り広げることが出来た。
ラプターズはアヌノビーで勝ち切ることが出来なかった。
確かにシアカムは止められたさ。だけどテイタムだって止められたじゃないか。ブラウンはシアカムを止めたうえで20点とった。アヌノビーは・・・。
◎ガソルとパウエル
ただアヌノビーがブラウンと違うのは、ラプターズの方はプレーメイカーが多いのでアヌノビーまでアタックしまくると成立しないこと。そしてオフェンスの問題で言えばガソルが決まらないことの方が遥かに重かったこと。
〇マルク・ガソル
5.9点
FG40%
3P13%
4.3リバウンド
2.1アシスト
ガソルはパスの中継役になり、早めのヘルプでピンチを潰し、こちらもスタッツほど悪いわけではありません。ただ、それを許容できないくらいにスタッツが悪かった。全然シュート決まらないんだもん。
もっと悪いことはセルティックスは「あいつはシュート決まらない」というディフェンスをしていた事。データ的には14本打った3Pは全部オープンショットで、12本はワイドオープンでした。でも2本しか決まらなかった。このレベルで拮抗したディフェンスをしている両チームが明確な弱点を抱えていると守りやすいに決まっています。
それでも起用し続けた理由はディフェンス・・・と言いたいところですが、これに関してはスピード問題だけでなく、ブラッド・スティーブンスの「ロバート・ウィリアムスの起用」によって弱点に変えられてしまいました。
〇ロバート・ウィリアムス
14.3分
5.4点
FG90%
4.9リバウンド
ロバートの優れていたことは
・ロブパスが通る
・スピードがガソルより上
・ゴール下に強い
まぁこの程度です。重要なのは「スピード」になっていて、ゴール下にスペースがあるときにロブパス出しておけば、受け取るのはロバートになりがちでした。ガソルに限らずローテしまくるラプターズディフェンスを「ゴール下にくぎ付け」にしたいという変わった理由と、リバウンドに弱いラプターズの弱点を利用しました。
なので、イバカとガソルを適度に使い分ける必要があったナースですが、最終的にはパウエルに落ち着きました。「もっと早くパウエルにしておけば」とのコメントももらいましたが、高さと強さを利用してきたブラッド様だったので、そう簡単ではなかったと思います。
悪すぎたガソルという事情がなければ、ナース様の判断を否定することは出来ず、でも「悪すぎたよね」というのも事実なのでした。うーん、苦しいぜ。そんなにRHJがご不満だったのか・・・。
〇ノーマン・パウエル
11.0点
FG41%
3P40%
しかし、パウエルのスタッツも微妙です。3P40%は良かったけど、ドライブは効果的ではなかった。イバカが3P決めていたこともあって、敢えてのパウエルに踏み切るには時間がかかったと言えます。しょうがないんじゃないかな。
ゲーム6を決めたのはパウエルでした。まさかオーバータイムの最後をパウエルに託すとはビックリしましたが、そこで失敗してもダブルオーバータイムで大活躍するのだから、ナース様の戦略は成功しました。ただ、なんで成功したかというと
元気な方が強い
というだけだった気がします。ドライブが通じていなかったようにパウエル自身はセルティックスディフェンスを前にすると、そこまでではなかった。でも、多くの選手が40分もプレーしてゲーム5までいけば、パウエルのスピードは効果的だよね。活躍し始めたのはゲーム5から。
そしてパウエルと言えば、ゲーム7の最後に速攻をスマートにブロックされました。スマートを褒めるにしても、あれだけハードにプレーしてきた選手に止められてしまったことは、やっぱり通常時では勝ち切れなかった気がします。
あのブロックがね・・・いや、あの速攻が決まらないことがね・・・
プレビューで触れたようにラプターズが戦力的に上回れる部分が「選手層」でした。ベンチは間違いなくラプターズの方が強力。しかし、パウエルとイバカ以外は使いきれませんでした。ちょこちょこ起用はしましたが、確かに「次も使いたい」と思えるのはマット・トーマスくらい。固いセルティックスディフェンスを相手にするとミスに繋がってしまい、踏切るのが難しかったです。
ナースの選択は批判できるのだけど、強く批判できるポイントはなかったのでした。薄い紙の上で揺れ動いていた両チームの力関係は、戦力で劣るラプターズ側から賭けに出るというのは難しかったなー。
◎時代を変えるのか
明らかに戦力では劣るラプターズでしたが、強力なディフェンスと試合巧者ぶりで見事なシリーズを戦い抜きました。相手がディティールを利用してくるブラッド・スティーブンスでなければ、ベンチ陣も使えただろうし、シアカムやヴァンブリードはここまでネガティブなイメージをもつこともなかったでしょう。
あるいはホームコートアドバンテージがあれば、ひっくり返った程度の差だった気もします。
時にプレーオフで負けたことで全てを否定する人がいますが、このラプターズの戦いぶりは何も否定できません。確かにシアカムは活躍できなかったけど、ディフェンスを含めたトータルでは機能しているので、いなかったら大敗していただけでした。
そしてレナードがいれば間違いなく勝っていたともいえます。その戦力が足りなかった。足りなくても勝ってしまうナース様が観たかった。それが時代を変えるということ。
そしてオフになったことで違う意味でラプターズの時代は変わることになります。
〇FA
ヴァンブリード
イバカ
ガソル
RHJ
ブシェイ
重要なヴァンブリードとインサイド全員がいなくなります。ブシェイに賭けるには危険すぎるし、イバカとガソルに高いサラリーは払えない。そしてヴァンブリードをキープすると他に有力選手は獲得しにくい。
ポジティブな面はリーグ収入が落ちるので、このタイミングで余裕があるのは中堅FAは獲得しやすいことかな。そこまでシアカムに賭けることが出来るのかどうか。結構悩むよね。1人エースはありえないからダメだよね。
ヴァンブリードとサイン&トレードでデローザンを手に入れたら、それはそれで面白そうですし、ラウリーも含めて来シーズンまでの契約なので次の1年を戦うための戦力としても悪くありません。
個人的にはクリスチャン・ウッドのようなシアカム系統を手に入れることでスモールにするのがベストだと思いますが、誰がいるんだよって話だし。
いずれにしてもラプターズは素晴らしい1年を過ごし、次の1年は変化のシーズンになります。レナードがいなくても勝てるチームを作れるニック・ナースの有能性とGリーグで育成してくるサイクルが出来上がっており、足りないのは主力を加えること。どんなプランを立ててくるのか、さらに強いチームを作れるのか、来シーズンを楽しみにしましょう。
いつも楽しく拝見しております。
2年前にラプターズがキャブスにスウィープされた時と比べて、戦力的には今のほうが劣るように見えるのに、ここまでセルティックス相手に善戦できたのは、本当に嬉しかったです。(もっともそれに関しては管理人様が2年前に指摘されていた、ケイシーの迷走も関係するとは思いますが…)
最後に指摘されていたトレードについて、ニック・ナースがデローザンに今のラプターズ・ディフェンスを叩き込めるのかが気になります。叩き込めるなら、とても楽しみなトレードになりそうです(もっともスパーズが今以上にガードを欲するかは謎ですが…)
2年前は最強セカンドユニットがね。ナースは必ずスターターとベンチを混ぜて使うので、あの頃の反省が明らかに。
デローザンはスパーズで仕込まれてきたので、そこそこできると思います。もちろん、そこそこです。今では登録PFですからね。
お疲れ様です。
ツイッターで呟かれてましたが、レナードvsラプターズのファイナルはストーリーとしても最高で、自分も是非見たかったです。
ゲーム3の記事にベンチを使ってほしいみたいなコメントを残しましたが、とても使える雰囲気ではなかったですね。
最終盤に比較的元気だったであろうパウエルが、ほぼ出ずっぱりだったスマートにブロックされたところを見て色々考えてしまいました。
そうなんですよね。あのブロックねー。見た目にはスマート素晴らしい!なのですが、7試合出ずっぱりのPGを振り切れず、ダンクにも行けず、というのが。。。
パウエルは一直線に行くしかなく、あそこで背中でスマートを抑えるとか、リバースに行くとか、そういう小技があれば、もう少し使えるんですけどね
レナード抜けて再建のシーズンになると思っていたので今期はかなり楽しませてもらいました。
シアカムはステップアップするしかないですが、アヌノビーも物足りないです。クラッチで3P決めるところも見せてくれましたしまだやれるだろって思います。
ジャマールマレーがカナダ出身なのでラプターズにいてくれたらなーと妄想することはあります。得点クラッチタイム大活躍しそう。
まぁセンター問題のほうが深刻ですね…ガソルはもう厳しいのでブシェイに経験積ませたい。
ブシェイはやっぱりセカンドユニットの選手だと思うので、スターターになれるセンター欲しいです。とりあえず、でよければベインズとか。プラムリーなんかも良いな。
ただ必ずスモール用のメインユニットが欲しいので、やっぱりウッドをなんとか出来ないかな。
ジャマール・マレーはマックス契約ですけど大丈夫ですか?
ひたすら強引だったヴァンブリートにいくら払えば良いのかですよね
シアカムは、この経験を活かしてくれると思います。
ヴァンブリートをスターターガードだと思えば15Mでも良いですが、理想はシックスマンなので10Mに抑えたい。ムリだろうなー。
シアカムは大丈夫だと思ってます。そもそも現状でも伸びまくってるし。左手フローターとかやらないかな。
まぁ基本的に昨年と比べるわけですから昨年との違いって何かって言えば普通にカワイなんですよね。
POの戦いの中でカワイというまぁ言ってしまえばグラビティがいる時といない時では違ってくるのかなと。
RSはカワイ以前からこれくらいやれていましたからね。
昨年のPOと比べて頼りなかったシアカムとヴァンブリートのその原因はそこじゃないかと完全に憶測ですけど思ってます。
まぁそういうことですね。レナードいたらブラウンとのマッチアップは減ったでしょうし、リバウンド任せて走れるし、何よりスモールラインナップが簡単に組めた。
レナードというスペシャリティもそうですが、ウイングがもう一枚欲しかったです。パウエルではディフェンスなんかで物足りない。
アトキンソン・ネッツのファンとして欲望を言うなら、まったく、RHJ出して欲しかったということに尽きます。ヴォーゲルも聞いてるかー?
とはいえ自分が2Kプレイしていても、RHJなりダドリーなり、緊張する場面でコートに出すのは勇気がいりますけど。
RHJがビックリするくらいミスになっていたので、致し方ないのでしょうが、あそこまでガソルが決まらないならスモール使っても良かったですよね。
ダドリーに関してはゲームでは絶対使えないでしよ!
チームから多くが抜けていく中で、アヌノビーのオフェンスの責任が増えると良いな。
レナードが加入する前はエース化が期待されていたと思いますし、シアカムと攻守で両輪になって欲しい。
負担調整でその分、広くカバーリングできるPFを足してスモール、みたいな。
多分に再建にはなりますが、チームも含めどうなるか楽しみです。
2年前を考えるとオフェンスは伸び悩んでますね。レナードもあるのですが、ヴァンブリートの成長がボールもらえない要因にもなっているので、悩ましい。
万能だからこそSFをメインにして育てて欲しいです。ガードだって出来るような気が。
ことしのオフはヴァンブリードと再契約&ドラフトに期待して終わりだと思います。イバカがあと2年くらい残ってくれたら嬉しいですが、ことしの市場だと人気物件になりそうです。シアカム・ヴァンブリードを柱にする一方で、来年にはアヌノビーとテレンスデイビスがFAになります。ロールプレイヤーをどう確保するのか、若手をどう育成するのか方針を固めるためのオフ、それと来シーズンになりそうです。
アヌノビーは早々に延長すると思いますが、テレンス・デイビスとか微妙ですね。ラプターズが主力にすれば残れるし、しなければサラリー求めて移籍するでしょうし。そんな事も考えるとヴァンブリート再契約で第3ハンドラーにテレンス残すのかな。
シアカムとアヌノビーがまだ独り立ちってわけでもないので、移行期が難しそうです。
ヴァンブリートとは多少値が張っても再契約、イバカとガソルは金額次第だと思いますね。
ラヴリーも34歳ですから後釜としてカルチャーが染み込んでてそのままスタメンに据えても問題ない選手を放出するのは勿体無いかと。
ガソルはスピードがネックですし、そこまで引く手数多にならなさそうだから残留してくれないかな。
イバカは人気物件になりそうだから放出も致し方なし、TORが今すぐ優勝を狙える状況じゃないこともその要因になります。
そしてTORのこれからについてですが、シアカム次第というのが難しいですね。
エースとして独り立ちしてくれるのであれば第2のスターを探したいし、セカンドエースから脱皮しきれないのならば思い切ってリビルドまで選択肢に入ってしまいます。
ですが、これも来年再来年まで見ないと判断つきようがないのが非常に厄介なところ。
同じ課題を突きつけられたにしても、ヤニスほどフィジカルに優れていない分スキル志向が高いであろうシアカムにはあまり不安を抱きませんが、どこまで登れるかはまだ分かりません。
シアカムが大エースになってくれるならCHIからラヴィーンを引っ張ってきてセカンドエースに据えるのは面白いかなと思っていますが、DF重視のTORは手を出さないかなあ。
個人で守れなくても(致命的なDF不足は論外として)チームDFとして機能出来れば問題ないと思うので、それを仕込めるなら有りかなあと思うんですけどね。
まあそれもシアカム次第なわけですが。TORの明日はどっちだ。
連投すみません。
もう1つ気になったのが、レナード残留のための条件となっていたPG獲得のためにシアカムを放出しなかった判断についてです。
やばりレナードがいれば、と泣きを見る結果になってしまい、優れた組織力を見せた一方で、圧倒的な個は上回れないという解を同時に出してしまったかのようなTORです。
シアカムが封じられてしまったことを考えると、昨オフの判断について見直す機会にもなるのかなと思いました。
レナード残留でシアカム放出だけなら動いた気もしますが、サンダーは指名権大量要求だったのがネックなんだと思います。
育成路線のチームなので、そのための指名権がなくなるのは苦しい。そんな事情でクリッパーズも3年で結果残さないと苦しいんですよ。まぁLAだから何とかなるだろ!みたいな。