カリーの凄いところは何なのか?
A.超絶シュート能力
結果的にはこれしかない。なんせ、カリーはステップの足が逆になっても、一回転するような形でボールを貰っても、大きく身体が流れながらでも、ありとあらゆる形でシュートを決めてしまう。
時にそれを持って「歴代最高のPG」なんて言い出す人もいるけど、それはない。なんせそのシュートセレクトは独特すぎるし、プレーをクリエイトする能力はないし、ミスも多いし、周囲を有効に活用できるわけでもない。
そこでスティーブ・カーがもたらしたのは「プレーメイクを他の選手に任せる」こと。だからドレイモンド・グリーンは輝くし、イグダラはオールスター時代とは違う仕事をハイレベルでこなし、FAで多くのチームから人気者になった。
それは同時にカリーには、PGであってPGではない仕事を求めることにも繋がる。早めにパスを捌き、他の選手にプレーメイクを任せ、自分はフィニッシュのための動きをする。
そう「フィニッシュのための動きをする」のだ。
普通のエースは自分でボールを持って、フィニッシュのためにリングへ向かっていく。ディフェンスが寄ってきたらロールプレイヤー達にアシストをする。普通のロールプレイヤー達はそのパスを待ったり、ディフェンスの逆を突く動きをする。それ以外ではシューター役の選手がスクリーンを使いながら、フリーになるように動きまわる。
当然カリーに求められるのも、シューター達の動き。だからカリーは汗をかく。華麗なスキルに目が行くけれど、カリーは誰よりも汗をかく。
〇オフェンス平均移動速度
17-18 5.24
16-17 5.13
15-16 5.07
14-15 5.08
13-14 4.79
スティーブ・カーが就任した14-15シーズンからカリーの平均移動速度は5マイルを超えるようになる。ひとつにはウォーリアーズ自体が走るようになったからだが、13-14シーズンはカリーよりも走る選手は多くいた。しかし、14-15シーズン以降で30分以上プレーする選手では4年連続でカリーがもっとも動いている。
なお、スパーズみたいにプレータイムを分散させているチームだとカリーよりも走る選手はいる。また昨シーズンは5マイルを超える選手は一気に増えているので、カリーの専売特許ではなくなってきている。
ステフ・カリーのシュート力は素晴らしい
しかし、それは少し違うんだ。「誰よりも走っているのに、シュート精度が落ちない」ことに注目すべきなんだ。
ステフ・カリーは汗をかく。
汗をかきながら超絶シュート力を発揮する。
だから素晴らしい。
ちなみにアシストは毎年減っている。
しかし、その強さはカリーの強さでもある。
〇ウォーリアーズの3Qの得失点差 +4.5(1位)
〇3Qのカリー
得失点差 +6.7
得点 10.0
3P 51.4%
全くもってふざけたスタッツである。3QだけでMVPを決めるなら有無を言わさずカリーになる。チームの+4.5だけでも凄いのに、個人で+6.7なのだからカリーがベンチに戻ると△2.2ということだ。3Pを50%決められたら手のつけようがない。
ウォーリアーズはチームとして3Qに走ろうとするのでカリーが独力で生み出しているわけではなく、「走ってフリーになる機会が多い」というのが、このスタッツの理由なのだが、違う想像も膨らんでくる。
カリー本人は3Qにピークを迎えるようなコンディション調整をしているのではないか
要するに試合開始から全開ではプレーしていない。アップで強度を上げすぎないということだ。誰よりも走り回るカリーが試合開始から絶好調であるならば、当然終盤になると疲労が回ってくる可能性が高い。実際に4Qのカリーは3P36.4%まで確率が落ちてしまう。(その代わりデュラントが3P48%に上がる)
前半は37.3%と普通のシューターレベルのカリーは、アップをするかのように走り回り、3Qでコンディションはピークを迎え一気に確率を上げる。そして疲労もある4Qは再び普通のシューターくらいの確率に下がる。
ステフ・カリーは汗をかく。だからこそ1試合通して高確率で決めるのは難しく、3Qがピークになるように汗をかく。
ひょっとしたらNBAの歴史上3QのMVPは誰かといえばカリーかもしれない。一方でもしも3Qがポッカリ抜けたならば、「プレーメイク力が低く3P36~37%くらいで早打ちするディフェンスに難のある困ったPG」と評価されたはずだ。
1試合通して汗をかき、3Qにラッシュする。それがカリースタイル。
プレーオフ前のウォーリアーズの課題の1つはスクリーンが減ったこと。まともにやるのはルーニーくらいしかいなくなってしまった。それはシューターのチームには大きな不安材料だったはず。そしてプレーオフでカリーが復帰すると、何のことはないカリーがスクリーナーとして奮闘していった。
フィジカルの弱いカリーだが、そのスクリーンは自分がフリーになるためのスクリーンでもあるから、ディフェンスに混乱を招くためには非常に有効だ。なんせ守っている方は「スクリナーのカリーをより警戒する」必要がある。なんだそれ。
ウォーリアーズ相手にはスイッチディフェンスするしかない。でも、その時にスクリナーにもベッタリと張り付く必要があるんだ。間違ってカリーを2人が追いかけてゴール下フリーというシーンを何度みたことか。
カリーだけでなく何人かのシューターはこのプレーが得意だ。古くはレジー・ミラー、今だとマグダーモットなんかもよく使う。自分がスクリナーだったはずが、気がつくとシューターになっている。スクリーンを使うのが上手いからこそ、スクリナーとしても上手い。
いや、ひょっとするとスピードやフィジカルで振り切れないからこそ生み出されたスキルなのかもしれない。
ステフ・カリーは汗をかく。
足りないフィジカルを埋めるために汗をかく。
その姿は決して華麗ではない、だけど3Pを決めるよりもかっこよく、
そのシュート力を更に輝かせている。
カリーは来年31歳です、いつまでこのスタイルとクオリティーを維持できるでしょうね。
カリーの衰え=GSWの衰えになりそうです。
もうそんな年齢なのか!?
まぁフィジカルを必要としない走りなので、簡単に衰えはしないと思います。プレータイム減らせば良いし。
それよりもリーグ全体が走るのでトランジションディフェンスは強化され、カリー自身もディフェンスで走らされて、どう変化するかが気になります。
いいキーワードですね、カリーは汗をかく。カリーの本当の良さが端的にわかりますね。3QのラッシュはDFで、という固定観念がありますが(山王のゾーンプレスなど)、OFでスイッチを入れる方法論も研究されそうですね。
相棒のクレイトンプソンにも、ぜひキャッチコピーを。
揺るがない男
かな。シュートフォームがブレないとか、表情か変わらないとか、どんな時も打ちまくるとか。
データで示すのは難しそうですね。
他のスター選手の各クォーターでのスタッツってどうなってるんだろう。常に安定しているのか、それとも偏りがあるのか気になる。
基本的には前半・1Qが多い。
あと有名なのはリラードで後半に強くて昨シーズンは後半の得点王
まぁプレータイムの違いがあって1Qだと必ず出場するけど、点差がつくとプレーしなかったり、周囲にやらせるケースがあります。
まったくもって同感です。
だからこそロケッツはWCFでそういう戦い方をするべきだったと思います。
3Qまでなんとか持ちこたえようとするウォーリアーズに対して試合開始から全力で突き放そうとして、3Qのピークに崩れてしまっていたような印象でした。
ロケッツも3Q型なので一概には言えないのですが、全体的に2Qの過ごし方は悪かったですね。
クリス・ポールがいれば・・・というのは個人能力よりも単純に人数的に足りなかった感じです。
実際に4Qのカリーは3P36.4%まで確率が落ちてしまう。(その代わりデュラントが3P48%に上がる)
↑の部分ウォリアーズ強すぎて吹き出しましたw
確かウォーリアーズは4Qはそんなに強くなくて、接戦が得意なわけでもなかった気がします。
ただそこにデュラントがいるので、どうにかしてしまう。
カリーとKDのP&Rは意識的に使わないらしいですが、止められるイメージがわかないんですよね。
止められそうなチームありますかね。
ロバーソンとジョージなら何とかするかな。
2人とも外から打ってしまうから、トータルで効率的ではないのかも。止められないけどウォーリアーズ的には違うプレーをした方が良さそうな。
多分、ロバーソンとジョージが相手ならスイッチさせる意味がないからやらないでしょうね。
デュラントを守れない小さなガードがカリーのマークをしている時に使うイメージです。
カリーが3Qで全て出し切ったとしても4Qにはデュラントがいる
改めてズルいなぁと思いますね(笑)
どこでもいいからウォリアーズを倒してほしい。
3Qはギャンブル的なラッシュで一気に勝負を決めに行き、ダメでもデュラントがいる。ある意味デュラントの出し惜しみなんですけどね。ズルイ。
カリーが好きでNBAを見始めて、改めてバスケが好きになったので、カリーは特別な存在です!
こうやってわかりやすく選手の特徴を記事にしてくれるので毎回楽しく読ませていただいています!
ありがとうございます!
カリーなんかは特徴を絞った方が面白いだろうなーという記事でした。
3Qの爆発力は1,2Qの相手のディフェンスに対してのチームとしての修正力の強さだと思ってました。それもカリーを活かす前提だとは思いますが…
個人的にカリーの一番好きなところは穴になってると言われてるけど決してサボらないディフェンスです笑
目一杯手を伸ばしてチェックに行った相手のシュートの決定率がやたら高く感じます…
絵になるからか…2016ファイナル第7戦アーヴィングに決められたスリーなんか今だに悪夢です
カリーはフィジカル弱すぎて守れないだけで、技術的に守れないわけじゃないですからね。逆なアーヴィングは・・・
ウォーリアーズはチームで狙ってやっていると思いますが、「目一杯チェックに行く」のは打たれる事を許容した守り方で、その代わり必ずチェックに行く形かなと。だけど全員が2mを超えるので40%決められることはない、そんな狙いだと思うのです。唯一サイズのないカリーが決められるシーンが多いのは、チームコンセプトかもしれません。
データがあるなら、これで書きたいくらい。
73-9のシーズンだと思うのですが、カリーのマッチアップ相手が平均よりも少ない得点を記録してる、みたいなデータをホーム放送局がTO中に出してたことがあった記憶があります。
スイッチして守ってることも関係しているだろうし贔屓している人がカリーのディフェンス悪くねーからな!って言うための無理矢理感もあるかと思いますが…
話変わりますが
カリー イグドラ デュラント グリーン カズンズ というラインナップはアリだと思いますか?
ウォーリアーズが相手だと大抵は平均よりも少なくなりますけどね。
言うほど悪くないのは確かですが、メインはトンプソンの受け持ちですし。
カズンズにはイグダラとグリーンの仕事を半分受け持つのが適切だと思うので、そのユニットはあまり機能しない気がします。
ウォーリアーズでいえば、あまり機能しないだけで普通に強いですが。
ちなみに管理人さんはカーが別チーム、例えばペリカンズみたいなビックマンでMVP級がいるチームを任されたらどういう結果になるとおもいますか?
スティーブ・カーが他のチームを率いるのは是非、みてみたいです。
ウォーリアーズの戦術を賞賛しまくる人がいますが、変態シューター3人がいなければどうなってしまうのか。
少なくともカリー1人ならば、どうにもならないチームだと思います。
そしてカーの神髄はアンソニー・デイビスを活かしきることにあるとも思います。まぁいまのペリカンズも活かしていますけどね。
「イージーシュートを生み出す」ことを目的としているようなオフェンスなので、それを堅実に決めていくアンソニー・デイビスは理想的ですが、ルーニーで済んでいる仕事をスーパースターにやらせる意味があるのかどうか。
実は思ったよりもチームとしては機能しない気がします。高いサラリー払うならスプラッシュブラザーズの方がスティーブ・カー向き。
確かに4Q結構外すなーと思っていたのですが、ここまで数字に差があるとは思っていませんでした笑
カリーとは関係ないですが、リーグにはディフェンスがいい選手がいますが、ディフレクション数が多い選手やスティールが多い選手やスティールが少ないけどペリメーターを守りきる選手、ヘルプが上手い選手などディフェンスが良いといっても様々なタイプがいると思うのですが、ディフェンス特集とかの記事も見たいです。
オラディポでなんかかこうかなーとは思いましたが、ヘルプとかだとかなり印象が絡んできますね。
チームとしての上手さが先に立つ要素なのがまた難しいところです。
ゴベアーとカペラの比較なんか、ジャズとロケッツのチームの違いでしかなさそう。
面白い記事でした!
スクリーンかけあうプレーは凄く有効だと思うんですが、スクリーナーの理解力も実際はかなり問われますよね。
最近このサイトで、レジー・ミラーの名前がちょこちょこ出るのがうれしかったりしてますw
デイルデイビスとのスクリーンプレーは、今の時代でも通用するんじゃないかなーと思います。
前に書いたペイサーズvsレイカーズの印象そのままです。
デイル・デイビスはあまりにも優秀で、現代のワンセンターならばもっと高い評価を受けたでしょう。
ただ、当時はリック・スミスがいて邪魔なので、そこまで強力に機能するのは難しかったかなー。
管理人さんがハードワークするプレーヤーが好きなのが垣間見えた記事だと思いました
〜GSWを真剣に語ってみる〜とかいう記事が是非みたいです。
ハードワークもそうですが、オフボールで何をしているかという点に加えて、周囲の選手に良い影響を与えているかを重要視しています。
正しいポジショニングでパスを引き出す選手や、ディフェンスの裏を取れる選手を書いていくブログでもあります。
前者はサボニスやコリンズ、後者はムーアになるわけです。
ボール持って凄いのはハイライトみてくれれば良いわけで。敢えて言葉にする意味もないかなーと。
GSWについては、スティーブ・カーとダントーニがひとつのまとめです。
長くなりすぎてめんどくさいのもあるので、ショートスタイルで重ねていく現在です。
なぜかわからんがサッカーのベッカムを想像してしまいました。
カリー、トンプソン、レジーミラー、レイアレン、コーバーの歴代最高のシューターの違い特集をしてくれたらうれしいです。