ジェイレン・ブラウンがお気に入りの理由

セルティックスで一番のお気に入りはマーカス・スマート。次がジェイレン・ブラウン。

セルティックスで納得いかないことが、ジェイレン・ブラウンの扱いが悪いこと。

アーヴィングがミドルを打ってもお咎めなしだけど、ブラウンが打つとベンチに下げられる。しかもなかなか出てこない。

時にアーヴィング、スマート、ロジアーのスリーガードにすることがある。それをするなら1人はブラウンで良いはずなのにハンドラーを増やして、何がしたいのか良く分からないときがある。

ファンは何故かテイタム贔屓ばっかりだ。あいつJRスミスに止められたんだぜ。あとジャブステップからミドル打ち過ぎ。

 

これでヘイワードが戻ってきたらベンチに追いやられそうでイヤなのさ。

 

◉エリートディフェンダー

 

何もブラウンがテイタムやアーヴィングよりも優れた選手だと言い切るつもりはないのですが、明確に違うのはディフェンス能力の高さ。セルティックスのオフェンスはリーグ18位と大したことはなく、リーグ1位のディフェンス力で勝ってきました。

「アーヴィングが凄い」といっても「リーグ18位のチームでエース」に過ぎないんだ。まぁケガしなかったら18位じゃなかっただろうけど。でもブラウンは「リーグ1位のチームでエースキラー」なんだ。

 

〇セルティックスのディフェンス

レーティング 101.5(1)

被FG 44.0%(2)

被3P 33.9%(1)

Dリバウンド率 78.4%(8)

 

セルティックスの特徴は「シュートを落とさせるディフェンス」であること。スティール(23)、ブロック(18)と「ボールを奪う」のが得意なわけではない。しっかりとガマン出来るのが良いところなわけですが、その中心にいるのがブラウン。

 

〇ブラウンのDIFF

3P △5.0%

2P △4.9%

基本的に相手エースをマークする役割で、そのFG%を平均よりも5%落としてしまうのがブラウンの偉大さ。なお、苦手としているのはリングから6フィート以内なので、力強くゴリゴリしてくる選手は苦手。要するにレブロンは苦手なタイプ。でも「オレに倒される前にウエストに行くんじゃねー」と言ったとか。

 

つまりディフェンス面では

セルティックスの特徴 = ブラウンの特徴

ということなのでした。ディフェンスのチームにおけるエースキラーの特徴がそのままチームの特徴でもある。ヘイワードが戻ってきたからといって、チームの特徴を最大級に表現しているブラウンをベンチに座らせるなんて意味がない。

 

 

◉成長したオフェンス

 

ドラフト3位指名ながらルーキーシーズンは満足いくプレータイムを得られなかったブラウンは、オフの努力を経て高いシュート力を身につけて戻ってきました。3Pは34.1%→39.5%と飛躍。しかし、テイタムが3P43.4%なんてルーキーらしからぬ数字を残したために、なんとなくシュートが上手いイメージは残せなかったよ。テイタムが悪いんだ。

しかし、この2人の関係性は気になる部分が多くあります。それは2人を比較するという意味ではなく、一般論としてどちらが優位性のある数字を残しているのかと言うこと。シュートの上手さはテイタムが上回ることに何の異論はありませんが、テイタムもブラウンもシューターではありません。だから、その価値は少し変化してくるのです。

 

〇ブラウンのシュートアテンプト/確率

ゴール下 4.7/57.4%

ペイント 1.2/35.4%

ミドル 1.2/39.5%

3P 4.4/39.5%

被アシスト率 67.6%

 

〇テイタムのシュートアテンプト/確率

ゴール下 3.8/58.9%

ペイント 1.0/27.8%

ミドル 2.7/43.7%

3P 3.0/43.4%

被アシスト率 66.0%

 

ご覧の通り似通っていながらも、全般的に少しずつテイタムの方が確率で上回っています。3P同様にミドルでも確率が良いのがテイタム。しかしながら、EFG%になると確率が逆転します。

〇EFG%

ブラウン 54.0% - テイタム 53.8%

逆転するというか、2人はほぼ同じ効率性でプレーしているのです。全般的にシュートの上手さがあるのがテイタムながら、ブラウンの方がミドルの選択肢が少なく、よりゴール下までドライブしています。加えて3Pは思い切りよく打っていくのでテイタムよりも1.4本アテンプトが多い。

 

これらの数字を観ていくと一般的にテイタムの方が評価されながら、管理人的にはブラウンの方がお気に入りな理由がみえてきます。総合的なオフェンス能力はテイタムの方が上回っており、試合を観た印象の中では「テイタムは高確率で決める」という認識が広まるのでしょう。ファンが歓声を上げる回数が多くなるのはテイタム。

 

その一方で「現代戦術的に効率性の高いプレーをチョイスをする」のはブラウンの方なのです。それぞれの確率で劣るのに、総合的に観るとEFGが同じなのは、より確率の高いプレーをチョイスしている結果です。まぁ確率が高いというか、迷わず3Pを狙うか、ドライブでインサイドまで侵入するケースが多い。思い切りの良さが特徴。

 

この2人は被アシスト率も変わらず、アシスト数も同じとチーム戦術の中で結果を残しています。だからこそ最後の僅かな選択肢の部分で、

より正確で確率の高いシュートをするテイタム

思い切りの良いプレーチョイスをするブラウン

そんな違いが生み出されています。奇しくもコービーが指摘したのは大雑把に言うと

「ボールを貰ってから次のプレーへの移行が遅いテイタム」

「周囲の状況を判断出来ていないブラウン」

特徴と課題は紙一重なのかもしれません。どちらが上とはあまり考えないし、それぞれの良さがあるけどブラウンの方がお気に入りというのが現状になっています。ちなみにブラッド・スティーブンスはこの思い切りの良さを試合の序盤は積極的にやらせ、後半になってくると自重するように促しています。アーヴィングがケガをした後は、自重させる余裕はなくなりましたが。

 

なお、明らかな問題としてブラウンはフリースローが下手。そしてテイタムよりもターンオーバーが多いのでした。

 

◉テイタムとカーメロ

 

「ダントーニはカーメロを改造できるのか」を書いているときに「テイタムはカーメロっぽいのかな」と感じました。

細かなジャブステップから1つ2つのドリブルでディフェンスをずらしてシュートを決めていく

そんな印象が強いのがテイタムだったのです。実際に数字を比べるとカーメロはアテンプトの半分近くをミドルが占めており、そのミドルを45%前後も決めるシーズンが多くあるので、似ているとは言い難いのですが、時代の違いによる戦術的都合かな。

 

しかし、当然ながらFG45%の2Pシュートを打っていればロケッツのオフェンス力は落ちます。なんせ、ロケッツのEFGは55%です。カーメロはキャリア最高でも51%であり、殆どのシーズンで50%を割っています。

いまやチームで50%を割るのはブルズとサンズだけという時代です。カーメロのセレクションはロールプレイヤーとしては致命的に悪いのです。ミドルの確率45%はかなり高いのだけど、そんなシュート力ではなくセレクション問題なのがミソ。

 

むしろ「カーメロはテイタムくらいのバランスを目指すべき」というのが、古いタイプのカーメロを現代戦術に適合させるポイントになるのかもしれないのでした。「若手の方が戦術的に優れている」というのは最近の傾向です。

 

ロケッツファンはテイタムの数字をひとつの基準として考えると良いでしょう。

〇カーメロのシュートアテンプト/確率

ゴール下 1.9/56.4%

ペイント 1.4/45.2%

ミドル 6.1/39.3%

3P 6.1/35.7%

これをEFG55%に変えるのってかなり苦しいけどね。

 

ブラウンを好きな理由の記事が「ロケッツファンよ!考えろ」になった不思議。ディフェンスと戦術的側面のプレーチョイス、そんなブラウンの良さはカーメロの欠点でもあったのでした。

ジェイレン・ブラウンがお気に入りの理由” への15件のフィードバック

  1. ブラウンの話をしてたハズなのに最後結局テイタムの話題になっちゃってるところが、現状のブラウン感が一番よく分かります(笑)

    1. テイタムじゃなくてカーメロの話だけどね。テイタムで記事を1つ書く自信がないからオマケで書き込んでみた。

  2. ジェイレンとテイタムで、セルツのウイングが向こう10年安泰なのが恐ろしいですね。この2人なら、同時にMAXでも納得できる。そうなると、PGはパス捌けてDFできればいいので、未来はスマートのような選手で良いと思うのですが。それよりも、ホーフォードの後釜がMAXでもいいから欲しい。あれ?ザックコリンズは?

    アービング、ブラウン、ヘイワード、テイタム、ホーフォードのスタメンにしてはくれないのかな、スティーブンスは。

    1. FAでベテランを補強しつつも、メインに据えるのはブラウンとテイタムというのがエインジの考え方だと思いますけど、グリフィン、デローザン、レナードがトレードされるのが今のNBAですから。未来はわからない。
      ただ、来年のアーヴィングとロジアーの契約は大きな節目になりそうです。

      ホーフォードの後釜はオリニクで何とかするようなHCなので、どうにでもなる気が。ザック・コリンズよりはTJリーフの方が好みな気がします。

      とりあえず開幕のスターターは、ヘイワードかベインズのどちらを選択するかだけだと思っています。

  3. ブラウン、テイタムもさることながら、ことしユーロから取ったワナメイカーもなかなか期待できそうです。年齢はかなりいってますが。
    スティーブンスは来季のスターター候補は総勢10人と発言してるとのこと。相手に合わせてラインナップを組む意図でしょうが、チーム内の競争も活性化しそうで楽しみです。一応ファンですが、どこかの狼とは違います。

    1. ワナメイカーは知りませんが、そういう選手を連れてくるスカウト網をしっかり持っていますよね。
      安くて堅実な選手を連れてくるならユーロが良いという判断

      プレーオフになると守れるかどうかで10人が何処まで減るのか。
      もうセルティックスはシーズンはあまり問題ではなくプレーオフを考えるチームになってしまった。

      どこかのチームはその逆でシーズンの戦い方を考えないと。

  4. ブラウンとテイタムのウイングコンビは将来性も抜群だと思ってますが、契約の関係からもカイリー、ホーフォード、ヘイワードがいるロスターが見れるのも今だけですよね。若さが売りながらも戦力的に今年は勝負の年ですね。
    ただ、ブラウンには昨年のGSW戦といい、その影響力と成長に期待大です。

    1. 新シーズンがひとつの大きな山場になるでしょう。ここで優勝できるかは選手を残せるかどうかの瀬戸際です。
      アーヴィングに大きな契約を提示してしまうとブラウンとテイタム問題が発生してしまいます。

      ヘイワードとホーフォードは再契約時はサラリーダウンを受け入れそうだけど、アーヴィングはどうなるのか。

      1. スマートとロジアーでいい気がするんですけどね。
        クラッチはそれこそブラウンテイタムに任せるようにすればいい。
        カイリーはどっかでバトラーと合流して楽しくやればいいと思います。(このデュオ全く勝てる気がしないけど)

        1. アーヴィングが「バトラーと一緒にプレーしたい」という気持ちは全く理解出来なかったのですが、この1年のウルブスでちょっと理解出来てきました。
          やっぱり根本的な発想が合わないと融合するのが難しく、チームで連動したいタウンズやウィギンズとは相容れないと思います。
          そしてアーヴィングはチームでプレーするけど、ひとつひとつのプレーはあくまでも個人勝負という雰囲気の選手です。

          バトラーとアーヴィングが機能的なコンビプレーを表現する気はしませんが、お互いの根本的な発想は近しいものがあり、理解し合えるから意外と上手く行く気もしています。勝つためには他の選手は全員ハードワーカーで。

  5. 個人的にはブラウン、テイタムどちらが~って言うよりヘイワードが要らない
    生え抜きで素晴らしい選手がいるのに、外様のスーパースターでもない選手が必要なのか疑問です
    まぁ引き取ってくれるところ無さそうですけど

  6. はじめまして。最近御ブログを読みはじめた者です。
    自分のお気に入りNO.1が褒められるのは気分が良いですね。
    ブログ内で触れられていた通り、3P%を大きく改善させたブラウン。また、プレイ時間、得点、FG%、その他スタッツの殆どを向上させた彼がMIP最終候補に入れ無かったのは個人的に納得いってません。
    これが上のコメにもあるブラウン感か。笑

    1. 今シーズンはMIP候補がとても多くて、ブルズのダンなんかも弾かれています。
      それよりもディフェンスチームに入らないのが納得いかないです。

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