破壊と創造とヒート

◎ビンセント

ちょろっとファイナルを見直す中で、抜けた2人がヒートの戦術において、どの点で重要だったかを考えてみましょう。プレーオフの成績です。

〇ビンセント
30.5分
12.7点
FG40%
3P38%
3.5アシスト
1.4ターンオーバー

〇ラウリー
26.1分
9.2点
FG43%
3P38%
4.4アシスト
1.7ターンオーバー

まずビンセントとラウリーを比較すると大した違いはありません。勝負所で強気に決めてくれたビンセントと、最近はアップダウンも大きくなってきたラウリーでは、印象として異なるというか、ビンセントの方が試合を決める印象もありますが、3Pをみても大きな違いはありません。

ただ、プレータイムが重要で2人合わせて57分あるので、同時起用がかなりありました。ガードを多く起用して広い範囲を守りたいヒートディフェンスの都合だったりします。ビンセントが必須というよりは、戦術実行できるガードの枚数が必要に見えます。

ディフェンスをみるとラウリーの方が様々なところに顔を出し、ローテディフェンスでも気を利かせてくれます。しかし、年齢的な衰えもあって、シンプルなマンマークではビンセントの方がフィジカルの強さを出しており、加えてゴール下まで広くカバーしてチャージドローするラウリーに比べて、自分の周辺へのドライブに対してヘルプでコースを塞ぐのはビンセントの方が優れていました。

総じてラウリーは飛び道具みたいなディフェンスがお得意で、ラプターズ時代もバンブリードやダニー・グリーンがマンマーク担当しているのが大事な面もありました。ヒートでもビンセントとの同時起用ってのは、そういう面もあるのでしょうね。一般的なガード相手のディフェンスであればビンセントは必須だった。オラディポもいなくなったしね。

ただし、ここにジョシュ・リチャードソンを加えています。プレーメイク能力が不足気味のビンセントなので、ディフェンスを中心にした地味仕事の面ではJリッチの方が優れています。3Pの安定感とか不安だけどさ。

今回のテーマは「破壊と創造」ですが、ビンセントがいなくなる破壊に対して、プレータイムを与えられるほかの選手で創造が生まれることを期待したいわけです。単純にビンセントとJリッチの交換と考えれば、そこまで大きな穴には見えない一方で、これまでの弱点を補ってくれる期待もあります。

〇速攻 11.5(28位)
〇スティール 8.0(6位)

ヒートはスティールは多いのに速攻が少ないチームでした。速攻はほぼスティールからしか生まれないともいえるし、決定力不足な面もあります。何よりハンドラータイプを多く並べる中で前を走るランナーが少ない事情もありました。Jリッチの加入はガードのフリーランニング増への期待にもなります。

個人で得点を奪う面ではビンセントに分があるものの、チーム全体で考えればサイズアップと異なる役割を引き受けるガードが加わったことは新たな創造にも繋がります。もともとバトラーとアデバヨがボールを持つためにPGはわき役タイプでよかったヒートの事情。さらにヒーローにもボールを持たせるからアンバランスになっていきましたが、Jリッチならばボールを持たないPG役もしてきたので、それなりにどうにでもなる気がするのでした。

破壊と創造とヒート” への3件のフィードバック

  1. カンファレンス覇者ではあるけど一発勝負とはいえホークスに負けてますから評価は難しいですよね

  2. ヒートファンとしては周りが言うよりゲイブとマックスが抜けた事よりケイレブ、ヨビッチ、ハイスミスあたりのプレータイム増が嬉しいです。
    ハイメ君の中途半端さにピンときてないですが、自分の注目はドリュー・ピーターソンというパスがうまそうなシューターです。

  3. リラード獲得できず破壊も徹底出来なかったヒートですが、ハケスは期待していいんじゃないかなと思います。よく言えばマルチポジション。ディフェンスで穴になりそうにはない。トマブラ、ハンプトン、ラブの獲得をポジティブに見つつ、シャンパーニュとヨビッチの成長を生温かく見守るシーズンですね。

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