◎クリバリ
ウィザーズがドラフトで手に入れたクリバリは「伸ばしたい若手」の最右翼であり、この１年で急激に評価を伸ばした選手として「チームの中核」へと育てたい未知の素材型です。ヤニスになって欲しいって感じ。
サマーリーグでのクリバリは、しなやかで伸びやかなジャンプ力で豪快なヘルプブロックを連発し、ウイングからのドライブも身体能力の高さをうかがわせる滑らかなムーブ、そして思っていたよりもずっと良かったシューティングで可能性を感じさせました。アシストもしていたし。
攻守にオープンコートで力を発揮しそうなタイプですが、思いっきりクズマと被りそうでもあります。特にディフェンスでポジション被りを多発しそう。
ウィークポイントにみえたのはフィニッシュパターンの少なさとハンドリング。１ｏｎ１では意外とシュートとスピードの組み合わせで解決していましたが、シーズンでは１枚抜いたくらいでは打ち切れないし、キャッチから仕掛けにスムーズさが足りておらず、オープンコート以外では消えてしまうかもしれない。
最近は「役割を限定させ、プレーのクオリティを向上させる」ことから始める育て方が流行していますが、エースコンビのためにストレッチ役をしたところでクリバリのプレーが向上するイメージがわきません。それ以前にちゃんと正しいプレーチョイスでパスが来る前提の話なのに、そのイメージがわかないエースコンビ。
だからといって「オンボールのプレー機会を増やす」育て方をしたくても、出来そうにないわけだし。クリバリの課題はハンドリングやフィニッシュスキルなので、プレータイムは２０分くらいでもいいから積極的にあオンボールアタックさせてみたいのですが難しそうだよね。
エースコンビなんて関係ないほど、ハードワークの部分で輝き、自分がプレーするためのトランジションを生み出せればよいのですが、１年後のクリバリがどうなっているのか。そもそも未知数なので何とも言えないけど、最も期待したい素材です。
◎ジョニー・デイビス
ドラフトスカウティングでは「乱れ打ち系エース」にみえたジョニー・デイビス。しかし、意外とメンタルが弱いのか、周囲にプレーを譲ることが多く、大学時代の輝きは消え失せていました。失敗することよりも、失敗する前にアタックしていなかったぞ。
ディフェンスに力を注ぎ、しっかりと判断してのオフボールを志したのかもしれませんが、それなら別にジョニー・デイビスである必要ないもんな。
ジョニー・デイビスの課題はメンタル。自分がエースだと思って果敢にアタックしていくこと。それで失敗ならサヨウナラなんだけど、このままだと消極的にプレーしてサヨウナラだからさ。
現状、ひどいＦＧ成功率なのでチャレンジしてスキルアップするしかないのですが、真正面からダブルエースと被っています。タフショットもいとわない姿勢でアタックする選手だらけだと、どうにもならないよなー。しかもプールとはポジションまでかぶっており、如何ともしがたい。
本来ならばクリバリとジョニー・デイビス中心に再建ロードを歩み、ダメならダメで放出してドラフトへと進むだけなのですが、ダメかどうかを判断することも先延ばしになりそうです。プレー機会を得ることが出来るのかどうか。他の仕事も出来そうなクリバリに対して、パサーでもディフェンダーでもないジョニー・デイビスは苦しみそうだな。