生でギディとサイブルをみてみたよ

オーストラリアｖｓフランスの話

前回の続きです。普段は画面越しに俯瞰とアップでみているけれど、フロアレベルでみたら、どういう風に印象が変わるのか。前回に書いたことをまとめると

・プレーの連続する「早さ」と判断の「早さ」
・フィジカルの強さが際立つ

こんなことを書きましたが、生で見た時にオーストラリアではギディとサイブルの動きが目立ちました。目立ったっていうか、ＮＢＡで見ているからこそ、そのプレーの凄味を再確認できたっていう方が近いね。

◎ディフェンダー・サイブル

フォーニエ無双の試合でしたが、実はサイブルがマークにつくとフォーニエはおとなしくなっていました。シュートが決まらないのではなく、シュートまでいくことが出来なかった。サイブルのディフェンスのえげつなさが、フランスのヒーローボールを封じたのですが、そもそもフォーニエがファールトラブルでプレータイムが短くなったことと、試合終盤にエクサムをフォーニエ担当にしているなど、サイブルの信用度が低めでした。

さて、前回書いた通り、フォーニエ中心にオフボールでもオンボールでも次々にスクリナーが絡み、それもフィジカルな戦いがワンプレーの中に何度も発生していました。サイブルはサイズがある選手なので、スクリーンをすべてかわすのは難しく、時に剥がされることもあります。

ただ、連続プレーの中ででもサイブルはスクリナーを交わし、剝がされてワイドに膨れながらもチェイスしていくムーブが秀逸でした。そのため一瞬は剥がされてもシュートを打つ段階ではマークが間に合っています。

加えてフォーニエのドライブを後ろからブロックするなど、剝がされた後にブロックするスキルも秀逸。マジでうまい。フェイクに引っ掛かることも多いけど、サイブルのブロックの恐怖は、マークを引き剥がしてもクイックリリースしきれなかったフォーニエの動きが物語っていました。

「剥がしたから打ち切りたいけど、サイブルを振り切れているのか不安」みたいな。１回は完全に振り切ったのに３Ｐ打ち切っていなかったもん。その前に決まっていたサイブルのブロックが効いていた。

そんなわけでフロアレベルで見ると、とにかくプレーの連続の早さとフィジカルコンタクトの多さを感じたのに、１人だけ関係ないようなディフェンスチョイスをしていたサイブル。次のスクリナーがどこで待っているか把握していないはずなのに、時にはスクリーンにかかっているのに、それでもチェイスを決めてしまうんだもん。

加えてパスカット能力も素晴らしかった。フラットなポジショニングをしているので、パスに対する反応が段違いに早かったです。１９分で４スティールと５分に１回ペース。オーストラリアがチームとして１４スティールもしたし、ちょっと別次元のプレーだった。

チェイスとパスカットによりフォーニエにシュートすら打たせなかったサイブル。ディフェンス能力の高さを再確認できましたとさ。

しかし、ディフェンスで動き回るのに対して、オフェンスは思ってた以上に置物でした。びっくりするほど動かないサイブル。相手のアクションに対処するのは出来るけど、自分からアクションするのは嫌なのか。３Ｐ打ち切らないってのはあるけど、それ以上に打つための動きもしていないし、スペーシングのジャマもしていた。

印象としてはサイブルが最もギディと合ってない。あってないというか、ギディ待ちになっている。ＮＢＡってそんな感じだしね。ニック・ケイみたいにカットプレーを混ぜればいいのにさ。

かといってミルズのスペースを作ってあげることも出来てなかったしなー。シュート力問題はあっても、ここまで置物のイメージはなかったので、ちょっとショックだったぜ。ディフェンスが１人だけ別次元だったから、なおさら目立ったな。