頑張れ!トレンドン・ワトフォード

◎ストロングポイント

ワトフォード最大の特徴はフィニッシュワークにあります。サイズはなくともインサイドでの得点が多いのは、ユーロステップ・ステップイン・スピンムーブと各種ステップワークを使いこなし、ディフェンダーをうまくかわしています。このステップワークはスーパースターのような使い方になっており、5スターって感じです。

①華麗なるステップワーク

これにくわえてフック系のシュートの上手さがあるので、さらにディフェンスをかわすことができます。またユーロステップからのフローター系の上手さも特筆すべきものがあります。かなり難しいプレーに見えますが、ユーロで進行方向と逆に入り込み、コンタクトプレーを発生させながらフィニッシュできるのは強みです。

②動きながらのシュートスキル

これらの能力を持ちながらNBAのスターレベルから離れているのは、アタックからジャンプシュート系統がないことで、ゴール下へガンガンアタックしてくるタイプなので、ディフェンスを抜き切れていません。フェイダウェイ系の選択肢がないから、ディフェンスも抜かれることは少ないよね。前後左右の駆け引きはできるけど、上下の駆け引きがないようなイメージ。

ただし、ハンドリングスキルを持っています。こちらは特筆すべきというレベルではありませんが、大きなストライドで腰を落としながら、細かいハンドリングを使えています。NBAではあまり見ていなかったプレーですが、大学時代を見ると頻繁にやっているね。

③ハンドリングスキル

動きながらのプレーが得意なのと、ハンドリグンスキルがあるので、ハンドオフやピック&ロール系統での動きもスムーズです。NBAにおいてはロールプレイヤーなので、スムーズだからと言って大きな武器にはならないのですが、次のプレーに滑らかに進めるのは「チームの流れを邪魔しない」という点で役立っています。八村とか止めまくるもんな。

④プレーとプレーの切れ間がスムーズ

4つのストロングポイントを並べてみると、2シーズン目にして「ユーティリティ」だったことと「SG役をこなした」理由も見えてきます。スキルベースとしてはPFではなくガード寄りであり、ただNBAレベルでハンドラーするほどのスキルではありません。④がとても大事でハンドラーの横に置いたときに次のプレーへと繋げてくれる強みがあります。エースキャラだとそうはいかない。

昨シーズンはリラードと並んだサイモンズも、ドリブルからのアタック以外のプレーを増やしましたが、リラードがいる以上は「メインハンドラーの横にいる人」の仕事は大事です。実はチーム事情にハマったという点もあるよね。ウイングにはシャープがいたしさ。

〇3P 39.1%
〇アシスト 2.1

アシストについてはドラフトスカウティングでも評価されていましたが、問題だった3P成功率が高かったことは大きな意味を持ちます。まぁスモールサンプルなので参考程度だけどね。弱点とされていた3Pが決まるならば「スキルの高いPF」から「ユーティリティプレイヤー」へと進化できるもんね。

ネッツでは3Pがさらに重要になりそうなので、ワトフォードがNBAで生き残るには3P成功率が勝負です。これさえ決まればドライブからのフィニッシュ力・アシスト力をもっており、ポジションの便利さが生きてきます。

もう一つの課題だったディフェンス面では、むしろハッスルプレイヤーとして粘り強いディフェンスが持ち味になっています。やはりポジションを問わないディフェンスが可能で、ボールに食らいつく能力の高さを発揮しています。弱点というだけでなく、サイズのないビッグとして使いにくさも想定されていたはずが、便利屋な印象になったわけだ。

〇ディフレクション 67
〇チャージドロー   7

ディフレクションは普通。チャージドローはチーム3位と奮闘しており、カバーリングでも一定の結果を残しています。これでリバウンドも粘り強く飛べるのだから、2年目の22歳が残した結果としては十分です。

ただ、そもそもブレイザーズ自体が守れないので、細かいチームディフェンスを全うしたわけではありません。ポジション問わずハッスルディフェンスしましたが、ハッスルしただけともいえるわけだ。もともとの弱点と評価されていたのもマンマークではなく、チームディフェンスの部分なので、本格的な戦術になると困る可能性はあります。

ブレイザーズがウェイブした理由を正当化するならば、試合では見れていない部分、つまりトレーニングにおける3P成功率の低さや、戦術理解度の低さなどが改善されていない可能性もあります。それ以前にブレイザーズには戦術に多様性が足りなかったのですが、なんやいわんや。

しかし、試合で見れている部分だけでいえば、インサイド役としても、ガードの控えとしても十分なプレーを披露したワトフォード。生き残るために必死でプレーした結果、スキルの良さと弱点の改善で見事にユーティリティプレイヤーへと進化しました。

オニールやフィニースミスのいるネッツなので、このタイプを欲する理由もわかります。同時に彼らと比較されることになれば「貴重な」ユーティリティではなくなるので、更に武器を磨く必要があります。個人的にはブルースの後釜としてナゲッツで見たかったぜ。

頑張れ!トレンドン・ワトフォード” への6件のフィードバック

  1. 文中の前半でケンリッチやブルースブラウンを思い起こす選手だなと思い読み進めましたが、まさしくそうだったのですね。
    ナゲッツとも思いましたが、サンズなんかにも必要そうな人材かと思いました。

    1. そういう選手というか、そうなってきた選手なのが面白いです。
      ケンリッチやブルースははじめからでしたが、ワトフォードはこれから便利屋になれそう!

  2. ナゲッツ行ってほしかったですね〜。戦術理解度の不透明さはありますが、安く取れる分メリットの方が十分大きいですからね。。

    ワトフォードの話ではありませんが、個人的にはキングスにユーティリティプレイヤーが1人欲しいなと常々思いまする。。(ディフェンスの貢献度も高ければなお嬉しい、、)

    1. キングスはユーティリティ枠にダビオンやモンク置いてるので、どうしてもね。かといって、モンクを削るのはまだ早いし、チーム作りは難しい。
      今回の補強もドゥアルテとベゼンコフでしたが、ユーティリティ欲しかったですね

  3. ブレイザーズファンとしては涙ちょちょ切れてます。成長し続けてリーグに定着してほしいですね。
    ここ2年のワトフォード見てるとまだ緩いというか、体が出来上がってない印象を受けます。
    身体能力系ではないとはいえ、もう少し体ができれば、フェイダウェイやプルアップ、ディフェンス等に良い影響を与えると思いました。
    何はともあれ頑張れワトフォード!

    1. ディフェンスがもっとよくなれば使いやすいですよね。
      ちゃんと伸びるかどうか、頑張れワトフォード

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