エバン・モブリー進化論

◎ポイント・モブリー

キャブスのオフェンスは基本的にハンドラーアタックですが、その割にはパス数が多くなっています。ボールを動かすことに大きな意味はないようにみえて、仕掛ける前にもワイドに展開しておくことでディフェンスの配置を動かすことが出来ます。仕掛けた後にキックアウトやインサイドへのパスを出していくのはデフォルトなので、そこからモブリーがフィニッシュするわけだ。

〇パス数
ガーランド 52.3
モブリー  43.1
ミッチェル 39.7

モブリーのパス数はガーランドに次いで多く、オフェンスを展開する上で重要な中継点になっています。ミッチェルのパスが少ないですが、アシストはミッチェル4.4に対してモブリー2.7と逆になっており、モブリーはハンドラーが仕掛ける前のパス役を担うことが多くなっています。

〇フロントコートタッチ数
ガーランド 29.3
モブリー  31.2
ミッチェル 31.8

フロントコートタッチ数、ものすごく適当に言えばフロントコートでパスを受けた回数ですが、ここで3人の数字は逆転します。ガーランドは起点としてパスを出し、リターンが少なく、中継役のモブリーはビッグマンとしてはかなりタッチ数が多く、ミッチェルはフィニッシュ役になっている構図です。

キャブスのオフェンスはモブリーがいないとダムダム感が強くなり、スペースのない所へとドライブしていくか、3Pを打っていく形が増えてしまいます。アレンを使ったツーメンゲームはあるけれど、ラブを使わなくなったこともあってビッグマンがサイドを変えるようなプレーが挟まれなくなると窮屈。

ドノバン・ミッチェルが加わったことでハンドラーオフェンスが強まったように見えて、その前もルビオやロンドなどPGタイプを並べたがっていたので、モブリーのパスは目立っていませんでしたが、ポイントセンタータイプでパスを散らしまくってくれています。シェングンみたいな感じだな。

モブリーが最も生きるのはオフボールムーブのシューターがいるパターンにみえ、ワンビッグでマルカネンとガーランドが並んでいる時に、戦術の中心として機能していました。アデバヨのダンカン・ロビンソン、サボニスのハーターのように、モブリーにもマグダーモッドとか連れてきたら面白そう。ストゥルースは来たけどさ。

キャブスのオフェンスはモブリーが中継役として機能することで、スペースを保っているように見え、そしてハンドラーの仕掛けに対して合わせるのが上手いモブリーでフィニッシュしています。中継役でありつつ、フィニッシャーでもあるモブリーは、

ハンドラーオフェンスを単なる個人技アタックからチームオフェンスへと変化させるキーマン

として機能させてくれています。マジでモブリーがいなかったら恐ろしい。同時に

もっとモブリー中心のチーム戦術にしたら、どうなるんだろうか

そんな疑問も出てきます。ニックスとのプレーオフではガッチガチに固まりまくった展開を、ゴリゴリの個人技で打開する戦いになってしまっており、『柔軟性』こそがキャブスの課題ということを突き付けられました。ハイポストやエルボーでモブリーが展開していく流れを作りたいところです。

ストゥルースやニヤングを獲得し、わかりやすくシューターを欲したキャブスですが、それってプレーオフでの敗戦理由と全く違うじゃん。ただ、モブリーのことを考えるとPF2枚起用になるし、コンビプレーのために必要なシューターでもあります。もっとモブリーを中心に置いたオフェンスにシフトできるのか、それともただ単に3P担当でしかないのかで、補強の意味は大きく変わってきます。

エバン・モブリー進化論” への1件のフィードバック

  1. ドラフト時にはバスト評価も多かった選手でしたね。
    偶発的なところもあるんでしょうがキャブズの「センターとして厳しいんだったらセンターとして起用しなければ良いじゃん?」みたいな起用方を最初に見た時は笑ってしまったしちゃんとそれに対応できるモブリーも面白いなと。

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