新人の王 パオロ・バンケロ

◎スキルフル

ジャンプシュート中心の得点パターンは不安が残る一方で、バンケロのハンドリングスキルの良さはエースキャラとして突き進めるだけの期待に満ちています。「ビッグマンではなくウイング」として考えれば、しっかりとしたハンドリングスキルでドライブアタックし、ウイング離れしたフィジカルと高さで押し切り、ファールを稼ぐスタイルはPGする前のレブロンのような圧力があります。

〇アシスト 3.7
〇ターンオーバー 2.8

ターンオーバーはやや多いですが、プレーそのものはミスを生み出しにくいもので、ハンドリングと身体の動きが一体化しており、ストップモーションも多用します。ドリブル中に身体の振りでフェイクになるのは、ビッグマンタイプでは少ない特徴だし、小さいフェイクでのアジリティアタックからすり抜けるようなステップワークも持っています。上手いよね。

アシストも及第点。最近はプレーメイカーなビッグマンが多くてぼやけるけど、3つくらいアシストしてくれれば十分にパスを回せているタイプだよね。ハンドリングに余裕があるから仕掛けながらでも周囲をみることもできています。特徴としてはフィジカル面が大きいけれど、プレーを支えているのはスキルの高さ。

◎ポジション

バンケロの場合、ドラフト前の懸念としては
「センターでプレーするのが最も特徴を生かせるが、センターの役目は出来ない」
「ウイングでプレーするにはアウトサイドでのプレーパターンが足りない」

こんな感じでした。相手がセンターならばスピード差とスキルで無双するでしょうが、前述のとおりスクリーンやインサイド合わせ、何よりディフェンス面の不安が大きく、ウイングとしてはシュート力とドライブ力が足りない。

しかし、実際にはウイングとしてプレーし、シュート力には懸念が残るものの、アウトサイドからのドライブにおける1on1でも非凡なアタック力を示しました。これが個人突破パターンが多かったのもポイントで、戦術に混ざるというよりはオプション的なプレーが多く、パッシングするよりも強引にでも点を取りに行く役割が合っています。

〇2NDチャンス 2.0点

ポジション的な面で物足りなくなるのはセカンドチャンスの少なさ。マジックのセンターはWCJやワグナー兄なのでストレッチしていることも多く、バンケロがゴール下に詰める回数を増やせばチャンスが増えそうです。そういうロールプレイヤー的なハッスルよりも、エースとしてボールを呼び込んでいるイメージもあるけどね。

いずれにしてもスモールのセンターへと進むようにも見えたドラフト前から一変し、ハンドリングスキルを活かしたウイングとして形になっており、ガード側に近づいてきそうな雰囲気です。ガードっていうか、ウイングエースのハンドラーだな。

ハンドラーとしての適性は示していないし、そもそも最近はエースハンドラーのアタックそのものが苦しい風潮もあるので、バンケロにとって何が最適かは未だわかりません。ここでいう「最適」は勝つために最適ってことなので、マジックが試されていない要素でもある。ディフェンスのチームになっているので、オフェンスはバンケロのハンドラーアタックに任せる可能性も十分にあるしね。

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