チーム・アントマン

◎安定するのか

身体能力の高さを生かした荒さばかりのオフェンシブプレイヤーとしてドラフト1位になったアントマンですが、いまやその特徴はディフェンス力にあるといえるほどの成長を見せました。素晴らしいオフェンス力とハードワーカーなのに改善しないディフェンス力だったタウンズとは随分と違いますね。

アントマン、マクダニエルズ、カイル・アンダーソン、プリンス、ゴベアとディフェンス力のあるウイング&ビッグを揃えたウルブズは、NAWの加入もあってディフェンシブなロスター構成になりました。

ちなみに「ロスター構成」であって、「チーム戦術」ではないのがポイントで、別に守り勝てるわけではないっていうね。

それでもアントマン化してからのウルブズは、従来よりも安定してきました。いや、別に守れているわけではないよ。ただ、安定した。それはアントマンのオン/オフにも出ている気がします。

〇トレード後
オフェンス  114.1/108.7
ディフェンス 113.6/113.9

良くも悪くもアントマンがいなければオフェンス力は落ちますが、ディフェンスはいてもいなくても同じです。いいかえればチーム全体で安定したディフェンス力があり、そこにアントマンの攻撃力が乗っかれば勝てるっていう図式です。

この数字は数字がどうこうではなくて、試合を見ている印象として、アップダウンが少なくなるので、接戦の中で個人技で決めきるエースの良さがわかりやすくなります。つまり

アントマンが試合を決めてくれた!

という感想を抱きやすいっていうこと。タウンズが勝負弱かったこともあるけど、タウンズとは関係ない所で点差が大きく動いてしまっていたのに比べて、アントマンがコートにいてもベンチにいても同じような試合展開の中で、アントマンが出てくると違いを作ってくれるように見えるわけです。

「俺達にはアントマンがいる。アントマンがベンチに下がっている間は大けがをしないように繋ぐのが大事だ」
「5点ビハインドだけど、ここからアントマンが試合を決めてくれるから大丈夫だ」

みたいなチームメイトからの信頼が・・・ウルブズに存在するのかどうかは知りませんが、もう1人のエースであったディアンジェロがいなくなったこともあって、よりアップダウンが少ない試合になった気がします。

実際、コンリー合流初戦のグリズリーズ戦を除けば、二けた点差の試合はなく、アントマンの活躍次第で試合が決まっているような印象です。

今シーズンはフォックスが「4Qの帝王」として、異次元の活躍でチームを勝たせていますが、アントマンに求めるのもまさにそんなお仕事。ちょうど本日の試合ではキングス相手にクラッチを決めて勝ったアントマンでしたが、マジでタウンズがやってくれなかった仕事になっています。

ただし「アントマン次第」「アントマン化」といいながら、本人の得点が大きく伸びたわけではなく、キングス戦も19点に留まっています。アントマン化したけれど、必ずしもスタッツの良さを求められているわけではないんだよね。

〇タッチ数
ディアンジェロ 83.5
コンリー    64.3

〇アントマンのタッチ数
トレード前 73.1
トレード後 68.9

しかも面白いことにディアンジェロとコンリーのタッチ数が20近く違うのに、アントマンのタッチ数は減りました。チーム全体のタッチ数は変わっていないので、より多くの選手がボールに触るようになったわけです。

実はウルブズのタッチ数419回はリーグ8位と元々ボールシェアするチームです。それがディアンジェロとアントマンで156回だったのが、コンリーとアントマンで132回と計24回減り、その代わりほかの選手が持つようになった形です。

なんだかありそうな書き方をしてきましたが、この辺の数字にはあまり意味がないと思っています。というのも、相手からすると「アントマンをマークしていればよい」状況になってきたので、シンプルにアントマンへのパスが減りました。それがタッチ数の減少につながったし、本人もシュートを打っている割に点が取れていないだけです。

自分への警戒が強くなった中で、何をすればいいのかが試されている

アントマン目線でいえばこんな感じです。トレードの後でアントマンはフリースローを得られない試合が増えています。グリズリーズ戦とキングス戦で0本、ウォリアーズ戦で1本。相手からすると早めにアントマンを潰しておきたく、そこからパスを出させて他の選手にやらせたいって感じです。

ある意味でディアンジェロがゲームメイクとして済ませていたことをアントマンがジャッジする必要性が出てきました。コンリーの方がテンポよく回してくれるのは事実ですが、その分だけボールを貰った選手が考えるべき事項が増えたよ。特にアントマンはいろいろと考える必要が出てきたよ。

アントマンの判断が試合の行方を左右することが増えたわけです。幸いなことに周囲には有能なウイングがいるので、しっかりと引き付けてパスすれば決めてくれます。2番手エースとしてのマクダニエルズ次第な気もしてくるけどね。

プレーオフへ進めるのか ⇒

チーム・アントマン” への2件のフィードバック

  1. ディフェンスも頑張るし試合休まないですし、エドワーズは本当に気持ちいい選手ですね
    コービが生きていたらどんなに可愛がられたことか、、

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA