20180205 セルティックス vs ブレイザーズ

 

アーヴィングがいなくてもロジアーがトリプルダブルしてしまったセルティックス。苦しくても勝機を見出せる試合にするのだからディフェンスが良いって大切です。

 

そんなディフェンスの改善から、オフェンスとのバランスを見つけていき1月はコーチオブザマンスに輝いたブレイザーズ。



◉モンローが必要なセルティックス

ジェイレン・ブラウンの相手はCJマカナム。デュラントやトンプソンすら止めてしまうブラウンですが、マカナムには苦労します。シューターとして、ハンドラーとして両面で優秀なマカナムをオフボールで追いかけますが、ヌルキッチのスクリーンにも阻まれ捕まえきれずフリーでフローターを決められます。

これにより更に密着されることになったマカナム。あまりの密着ぶりに試合から消えることに。それはブレイザーズにスペースが与えられる事になります。実質4対4みたいな。

 

そこでピック&ロールから、ポストアップから、イージーに得点して行くヌルキッチ。高さの足りないセルティックスを嘲笑うかのように決めまくるヌルキッチによりブレイザーズがリードします。



セルティックスはテイタムのミドル、ブラウンの3Pから始まり好調なスタートを切ります。身体がキレていそうなテイタム。疲労から調子が悪いと評してから西海岸の遠征で戻ってきたのか。ナイトクラブの入店を断られて良かったのかも。

しかし、ブレイザーズのインサイドディフェンスに苦労します。得点がアウトサイドに偏ってしまい迫力に欠けます。そんな時にも高確率で決めるアーヴィングもいなければ、フィジカルの強さで強引に突っ込むスマートもいません。

攻守にブレイザーズのインサイドに困らされ、悪い意味でモンロー獲得の正しさを示すようなセルティックスの1Qになりました。

 

オフェンスがブラウンとテイタム中心ってよく考えるとルーキーと2年目のコンビだから凄いな。19点中14点をとったコンビでした。

ヌルキッチの活躍と3Pも決まり、26点をとったブレイザーズリードです。



◉困った相性の両チーム

MIPで書いたネイピアーが欠場のブレイザーズはハンドラー1人の時間は苦しくなります。役割を果たす選手はしっかりいますが、オフェンスを作る選手不足です。マカナム頼みになるブレイザーズ。

フリーのエド・デイビスにノールックパスするけど味方も騙されるっていう。マカナム頼みのオフェンスに。

しかし、その代わりにシーズン当初のような強力なディフェンスを発揮するメンバーになります。スキルは乏しいけど動けるPFが3人出ているのは強みのブレイザーズ

こちらは全員がベンチメンバーのセルティックスは、ブレイザーズ関係なく3P頼みです。それしか攻め手がないようなしょうがないメンバー。

 

全く攻められないセルティックスですが、インサイドを固めるブレイザーズのメンバー構成に助けられ3Pが打てて助かります。

物凄く嫌らしいお互いのメンバー構成です。ブレイザーズのディフェンスが良くなったら、どうせ外から打つしかないセルティックスが成功するってやるせない。

それにしてもセルティックスのシューティングコーチは優秀だな。



マカナムを休ませる以外は両方のスターターが戻ります。

スターターは全く違うセルティックス。ホーフォードが豪快なダンクを決め、ブラウンもインサイドを攻めていきます。

しかし、ブレイザーズはハークレスのかなり珍しい3本目の3Pが決まるとアミヌも続いて点差を縮めさせません。

 

今度はしっかりと守るセルティックスにより普段とは違うアウトサイドシュートを打たされたけど、しっかりと決めたブレイザーズという構図。

難しい相性の両チームです。



◉セルティックスの計算外

何を血迷ったのか4連続3Pを決めたハークレス。なんと14分のプレータイムでキャリアハイを記録。正直、ハークレスにアウトサイドシュートがあれば怖いものなしのブレイザーズ

 

セルティックスからすると、

当然ツーガードを止めに行き、
その結果ヌルキッチの高さにやられるから、インサイドの収縮を早くして、
仕方なくフリーにしたアウトサイドから打つハークレスに完璧に決められました。

ここまでディフェンスの方向性に苦労させられるセルティックスは珍しい。

ブレイザーズが54-38とリードして前半が終わります。



◯前半のFG
ブレイザーズ 47%
セルティックス 31%

ブレイザーズが何でも上手くいったような書き方ですが、そういうわけではなくしっかりとセルティックスディフェンスに苦労させられています。しかし、苦労したからこそ優先順位の低い次の選択肢を選ばざるを得ず、でもそれがいつもよりも決まった形です。

47%はかなり困らされたけど、高水準の確率になったという形です。

 

それに対して3P38%決めたのに、FG31%のセルティックスは文面通り3P以外は止められまくった形です。それでもスターターはホーフォードとテイタムがキレのある動きでディフェンスを困らせますが、ベンチメンバーは3P以外の成功はサイスのミドル1本のみ。

ディフェンスのブレイザーズがディフェンスのセルティックスを上回った前半でした。



◯ダミアン・リラード
4点 7アシスト
FG1/8

寝ているようなリラード。アシストは多いですが、ハークレスが決めてくれた変な事情も関係しています。
それはまだ自分の出番が来ていないということでもあります。ちなみにシューターのカニントンも0/2なので、ハークレスに頼れなくなったら2人の出番です。

 

◯CJマカナム
11点 FG5/8

うーん、マカナムは問答無用っぷりを継続して発揮しています。それは良い。その多くはセカンドユニットの時間に稼ぎましたが、ブラウン相手でも2本のフローターをしっかり決めています。決めてはいますが、打つチャンスは減らされています。

ここの勝負は後半にどう響くのか?
セカンドユニットにブラウン混ざれば止めてしまう気もします。



◉反省が点差に響きすぎるセルティックス

ヌルキッチがテイタムをブロックしインサイドの存在感をみせますが、おそらく気合を入れて来たベインズもヌルキッチに好き勝手させないディフェンスをみせます。ベインズはオフェンスでもリバウンドダンクにミドルで対抗します。

リラードとヌルキッチがイージーシュートを外し、前半の逆でセルティックスがインサイドで有利に立つ後半のスタートです。

 

アミヌが3Pを決めますが、ブラウンとホーフォードが3Pを入れ返し、一気に点差を縮めていくセルティックス。前半の反省を点数に落とし込めてしまうのはさすがです。

結局のところ、1番初めのリラードが決まらない状態で得点が伸びないブレイザーズを横目にベインズ、ロジアーが次々に沈めて行き1点差まで詰め寄ります。



マカナムと交代でハークレスとカニントンのシューターを戻すブレイザーズ。面白いのはその前にベンチに戻っていたテイタムがこれに合わせてブラウンと交代で再び出て来たところ。

マカナムを止めるために徹底してブラウンを当てようとしているであろうブラッド・スティーブンス。

 

少しずつ調子を取り戻して来たリラード。ダンクに行ったところでサイスがボールではなく完全に顔を叩きに行きますが、何故か普通のファールに。それでもフリースローを決め、シューターハークレスの5本目の3Pも決まり簡単には追いつかせないブレイザーズ

今度はダンクのためにかなり遠くから踏み切ったネイダーがザック・コリンズの顔面に肘を食らわせますがノーコール。

 

そんなプレーが混ざりながら守りきったブレイザーズが何とか4点リードを守って3Qが終わります。
「ポイントは後半はベンチで休んでいたマカナムとブラウンです。」そう言わんばかりの展開でした。



◉マカナムvsホーフォード

早速マカナムがフローターを決めます。意外とブラウンはベンチ。セルティックスは徹底してホーフォード勝負にいき成功します。あまり見ないハーフラインからホーフォードのアイソレーション。

そしてテイタムのドライブで追いつくセルティックスですが、すぐにマカナムが3Pでリードを取り戻します。なんでブラウン戻さないのだろうか。

1人で崩していくマカナム。3人くらい寄ってくるけど、しっかりとファールを引き出したところで残り7分でブラウンやロジアーが戻ります。



ロジアーがショートレンジを決めますが、リラードのパスからハークレスがゴール下を押し込みます。ブラウンもダブルクラッチでねじ込みます。ヌルキッチもねじ込みます。

これまでになくインサイドのねじ込み合い。同時にミドルレンジが外れています。決まらなくなって来たマカナム。

 

お互いが守り合い簡単には打たせない中でセルティックスは最後にボールが出て来たコーナーからオジェレイ、テイタムと3Pを決めて残り3分半で遂に追いつきます。



◉リラードの時間

 

ホーフォードの3Pでリードするセルティックス。さらにテイタムのミドルとアウトサイドから決めていきます。

ブレイザーズはヌルキッチが連続オフェンスファールを取られたので交代します。アミヌ、ハークレス、デイビスと普段ならオフェンスに不安のあるメンバーになります。
しかし、ディフェンスは一級品。ドライブでの進入を許しません。

 

それはセルティックスも同様でリラードに仕事をさせませんが、苦しい中でマカナムがプルアップ3Pをブラウン越しに決めます。しかし、ブラウンもマカナム越しに3Pをヒットします。

お互いにアウトサイドから如何に決めるかの勝負になりそう。



残り1分でやっとリラードが3Pを決めてセルティックス2点リードに。

ブラウンとテイタムのドライブを守りきるアミヌとデイビス。リラードがフローターを決めて残り35秒で追いつきます。

 

セルティックスは苦しい中でボールを受けたロジアーがアミヌの高いブロックをうけながらロング2Pを決めます。残り18秒2点リード。アミヌのディフェンスは素晴らしかったのに。

ブレイザーズはリラードが早めに仕掛けると3人を抜いていき、最後はオジェレイのファールを受けながらシュートを決め、フリースローも沈めて3点プレー。残り7秒でリードします。

セルティックスのラストプレー。ホーフォードが苦しいターンシュートをフェイダウェイで放つとブザーと同時にリングに入りました。



ちょっと信じられない結末

最後のホーフォードだけならともかく、その前のロジアーまで、いやその前のテイタムとオジェレイまで何なのか?

勝負強すぎるセルティックス

この時間はリラードの専売特許みたいな時間で、実際にリラードが完全に仕事をしました。ブレイザーズの勝ちゲームにしか思えなかったのに。

「カイリー・アーヴィングのクラッチタイムが凄い」

それは間違っていないけど、アーヴィングいなくてもセルティックスのクラッチタイムは凄いです。

1つ間違い無いのはブレイザーズのディフェンスは素晴らしく良かった。そしてセルティックスのシュートはどれもかなり難しかった。完璧に突破したリラードと違いタフショットを決めて行ったセルティックスは何なのか?

ブラッド・スティーブンスが凄いでは納得しないよ。



しかし、またもセルティックスのセカンドユニットは酷かった。まぁロジアーは良いので全てが悪いわけではないですが。そしてラフプレーも多かった。スターターはそんな事ないのに。

セルティックスの感想はそれくらい。



いつもなら酷いはずのブレイザーズのセカンドユニットはハークレスにより良い印象に。今季は平均5点しかとれていないですが、この試合は19点。突然活躍したハークレスを31分起用したストッツHCも偉い。

そこまで行かなくてもシュートに安定感があるならば、ディフェンス力を活かしたユニットにし易くなります。かなり肝になるハークレスです。

そして勝ちパターンでもあったので、ブレイザーズも何とも言えません。でも今の順位では勝つと負けるとでは印象は全く違うので残念としか言いようのない試合でした。



ターンオーバーは8と11しかないのに、お互いに100点に届かない白熱したディフェンス勝負でした。深夜なのに思わず最後まで観てしまいました。

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