ゴベアのトレードを振り返ろう

◎どうなるエドワーズ

あまりコンビプレーの印象がないエドワーズとタウンズですが、ストレッチビッグであるタウンズの存在は、エドワーズのドライブフィニッシュを楽にしてくれていました。ショートレンジのフィニッシュ力には課題があるだけに、ドライブでゴール下まで飛び込めるのは非常に大事です。

〇エドワーズのFG成功率
ゴール下 62.7%
ペイント内 31.8%
ミドル 35.2%
3P 35.7%

さて、問題はゴベアがゴール下を埋めることで、エドワーズがリングまでアタックする機会が減ってしまう事です。上手くゴベアにアリウープパスを出せればよいですが、別にエドワーズが自分で打っても同じなんだよね。

3P成功率が上がっているので、得点が減るのは考えにくいものの、どうしても外から打つのが中心になってしまいそうなのは、エドワーズ個人で考えた時にはマイナスに働きます。ゴベアの加入はエドワーズにとってネガティブです。

また、2ビッグになることで、これまでコーナー担当だったウイングが1枚減ることも意味します。3Pは打たないバンダービルドだけど、コーナー担当としてカットプレーやリバウンドへの飛び込みをしていました。

さすがにゴベアがコーナーにはならないでしょうから、スペースはぽっかりと空くことに。エドワーズは従来以上にエンドライン側のプレーが必要になってきます。でも、あまり上手なイメージがないよね。力強いアタックはライン際では生きてこないかも。

というか、ベバリーがトレードに含まれた中で、そもそもエドワーズはウイングというよりも、ガードになってきそうです。ウイングの人材が揃っているのに対して、ガードはいないもんな。

◎ディフェンスの課題

今回のゴベア獲得はディフェンスの強化が第一の目的です。実際、ペリメーターのチームディフェンスが下手なウルブズなので、タウンズを引き出されると困ってしまいましたが、ツービッグの体勢になれば、チームがどうこうではなく、プレッシャーをかけてゴール下は、引き出されなかった方のセンターが対応すればよくなります。

〇ディフェンスレーティング
タウンズ オンコート 111.6
     オフコート 107.4

チームに欠かせないタウンズですが、タウンズがコートにいる方が守れないのも事実なので、そこをゴベアで埋めに行くのは悪くない判断です。

〇ディフェンスリバウンド率 70.6%(28位)

また、課題であるディフェンスリバウンドを強化する目的でもあります。これはタウンズがいない時間に苦戦しているので、わかりやすく向上するスタッツになるでしょう。

ブロック数はリーグ3位なのにリバウンドがとれないのだから、高さではない問題の気がしますが、そこはもうノーインテリジェンスなウルブズなので、わかりやすいカバーです。

総じてディフェンス力は向上するでしょう。向上というか「安定」するでしょう。インサイドのイージーシュートを減らし、しっかりとリバウンドを抑える。非常にわかりやすい補強です。

一方で今回のトレードでベバリーを失っています。サラリー調整上、致し方なかったとはいえ、あれだけ拘っていたベバリーがいなくなるのはディフェンス面では大きなマイナスに見えます。

ゴベアで安定感を手に入れ、ベバリーで戦略を失った

なんだか、こんな匂いがします。数字は向上するでしょうが、エースキラーのコマを失いました。

〇スティール
エドワーズ 1.5
バンダービルド 1.3
ベバリー 1.2
ディアンジェロ 1.0

リーグ3位だったスティールは、チームの上位3人のうち2人を失ったことで下がることが想定されます。ある程度はマクダニエルズが補ってくれるでしょうが、ディフェンスは中を固める傾向が高まりそうです。

〇被3Pアテンプト 37.3本(26位)

しかし、元々3Pは打たれていたので、そこを気にしても仕方がないのかもしれません。べバリーは自己判断で違うチョイスをして穴を作ってしまうのも事実なので、思ったほどの変化はないかもね。

ただしベバリーが担当していたPGディフェンスは他の選手に引き継ぎ必要があります。モラントの突破を止め、カリーを追い回し、リラードのディープ3Pを打たせない役割は誰が引き継ぐことになるのか。

ヴェンデル・ムーアなんかも候補ではありますが、ロスター構成を見る限り、メインはエドワーズになりそうです。というか、ディアンジェロに任せない限りは、マクダニエルズかエドワーズになるのでした。

共にディフェンス力を上げた2年目なので期待していいのですが、こうなってくるとゴベアが良いのか、ベバリーが良いのか、悩んでしまいます。つまり、マクダニエルズとエドワーズの伸びしろを

①リバウンドやヘルプなど、インサイドディフェンス
②エースキラーとなるマンマーク

どちらに求めるかというチョイスです。特にエドワーズはフィジカルも強いので①の方が面白そうだったのですが、ウルブズは②をチョイスしました。オフェンスの仕事量を落としてあげないと可哀そうですね。

そもそも中を固めればイージーシュートは減るのだから、後はオフェンス力で打ち負かす戦略なのかもしれません。その方がフィンチっぽいしさ。

ディフェンスは弱点を補ったけど、欠点も強くなった印象です。この正当性はプレーオフをみないとジャッジ出来ない気がします。少なくともシーズンではプラスに出そうですが、ウルブズ攻略法も編み出されそうです。

全てはエドワーズとマクダニエルズの成長次第。あるいはディアンジェロのトレード次第なのかも。

ゴベアのトレードを振り返ろう” への2件のフィードバック

  1. タウンズを使った攻め幅は広がりそうなんですよね。ゴベアと4/5のP&Rしたり、オフスクリーンしたり。そうすればゴベアのところでミスマッチが出来るし、センターが広くコート内を動けばゴール下も空くし。

    まぁ、やっちまったもんは仕方ないとして、ADとカズンズで本当にやりたかったことが観れるとすれば、ある程度、納得できるというか。

    1. 単純にゴベアが加わった事は割とポジティブなんですよね。
      タウンズの故障が減るだけでも価値がありそう。

      対価が大きいのと、ゴベアのサラリーが高すぎるというジャズと同じ課題があるだけで。

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