ロケッツvsキャブス

2021/3/1

オラディポと契約延長したかったロケッツ。適正価格だと思いますが、オラディポからすると安いというか短いというか。これでデッドラインまでに放出される可能性は高まりましたが、一方で本人が価値を上げれていないので難しい案件になりそうだ。

同じくデッドラインまでの放出に向けてドラモンドを試合に出していないキャブス。2月に入ってから10連敗もありまして、順調に勝率を下げています。ホークスに勝って連敗を止めたら、ロケッツ、シクサーズにも勝って3連勝中。

ドラモンドがいることで成立していた部分が大きかったので、いなくなったことで苦しくなるのはよくわかる。そんな現象が起きているのかを見てみましょう。

でもって、ロケッツは11連敗中。こちらはウッドの離脱が大きかったわけですがカズンズも放出決定となり、ジャスティン・パットンがスターターになるという奇妙な世界です。あの時、「アレンも欲しい」と言っていればこんなことにはならなかったわけですが、それを言うのは難しかったね。

弱体化しているであろう両チームの試合は、予想以上に面白みがなくて、新しく噛み始めたはずなのに味のしないガムみたいでした。

◎問題の多いロケッツ

負けていることは仕方がないさ。シーズン中に大エースがいなくなり、全く違うチームに変えなければいけなかったうえでキーとなるウッドも離脱してしまったのだから。でも、こうして新しいチームになったのだから、チーム作りはちゃんとしようぜ。

ところが、結果以上に内容が悪いのがロケッツ。良かったころの全員のハードワークやオフボールでのカッティングは消え失せて、ぼけっとボールを見ていることが増えてきました。まぁその時はオラディポもいなかったりと苦しかったので、戻ってきて再確認したかったのです。

そして案の定、酷いぜサイラス。マスク姿と鋭い眼光で悪役キャラっぽい風貌ですが、ほほがこけてきた気がするし、目の下にクマが出来ているようにも見えて、どんどん危ない風貌になってきたな。

ウォールはパサーとしてフロアを広く保って、周囲の動きを見ることからオフェンスを始めるタイプのPGです。ここでディープ3Pを打てばリラードになりますが、そんな武器を持たない代わりにスピードでぶっちぎれるのが特徴。でも、そこはディフェンスが前に出てきたときに使う技です。

しかし、周囲はオフボールでの動き出しが殆どないよ。3P打ちたいマクレモアがスクリーンをもらうくらいで、他には特に何もなく、ウォールが個人技突破のパターンが増えていきます。

ならば、もっとスクリーンに来いよパットン。少なくともウッドの役割はそれだったわけで同じことは出来なくても同じプレーコールは出来るはず。でも、明らかにスクリーンに来る回数が少ないパットン。お前はNBAに残る気があるのか?

まぁスクリーンにきてもスクリーンが下手で全然マークを引き離してくれません。それでウォールに全振りされても困っちゃうぜ。ということで「スクリーンが下手」は個人の問題で「スクリーンの回数が少ない」は戦術の問題です。ロケッツで起きているのは、前者だけでなく後者もあるから厄介。

それでもウォールはまだ良い。1on1をスピードでぶち抜くシーンがあるので。オラディポは抜けないんだよね。これは割と昔からの話なので、ちゃんとコンビプレーしないとダメだよ。

ハンドラー以外が止まっていることが多いのが、最近の印象でしたが、この試合もやっぱり同じでした。ウッドがいないといっても、試合中にいなくなったわけじゃないのだから、いない前提のプレーを用意しておかないとダメでしょ。やる気がありそうなのはマクレモアくらいで、他の選手はフロアに広がっているだけ。マジでなんなの。

ウォールとオラディポはもちろん攻める気持ちはあるよ。でも、こんなに個人技オンリーで点を取りまくるってのは現実的じゃないぜ。逆にウィザーズみたいに個人に任せるなら周囲は合わせまくって欲しいよね。プレーメイクも助けないし、合わせもしないし。

1Qは17点を奪ったウォールによって29点まで辿り着きました。60点とってもらうつもりかな?

◎なんともいえないキャブス

キャブスはアレンのインサイド押し込みでリードを得ましたが、アレンの役割はノーチャージエリア内での合わせとセカンドチャンスの押し込みって感じです。これはドラモンドとは違うのよね。

そんなアレンも、そこまで献身的にスクリーンに来てくれません。これについてはネッツ時代はスクリナーしまくっていたのでキャブスの戦術的な事情ということになります。これはアレンからマギーに交代すると更に強くなり、ハイポストでの中継役はするけど、基本的にはパスが出てくるところにポジショニングするのがお仕事です。

ということはキャブスも個人技での突破が必要になるのですが、これが何とも言えない。セクストンはウォール相手だとちょっと苦しく、オラディポだとそこそこ抜ける。ただ抜いた後でオラディポがクリーンブロックするとファールコールになったりして、結構な頻度でファールを稼げます。

それ以上にインサイドのヘルプに対してツッコんでファールを貰うのが上手くなっています。上手いのか、ロケッツが下手なのかってのもありますが。アレンやマギーがポジション争いをしているので、ヘルプが遅くなるのに仕方がない事情もあります。

要はキャブスも1on1なんだけど、ボールのないところでも1on1しているから、そう簡単にヘルプには来れない形です。また、パスを貰った瞬間に仕掛けることが多く、ここも同じようにディフェンスを分断することに繋がっています。

見事なフェイダウェイ?を決めたマギーで8点リードになるとロケッツがタイムアウト。ディフェンスがゾーンになるとウェイドもインサイドの中継役に加わり、パスゲームで崩し始めます。

そしてここでアクシデント。アレンのスクリーンで足をひっかけたハウスがひざを痛めて下がります。アレンが出てくるとハンドラーにスクリーンをかけに来るんだよね。突然のスクリーンにバランスを崩した感じ。

それくらいパスを好んでいるキャブスなのですが、ドラモンドがいた頃は、このパスが必ずインサイドに入ってきました。ドラモンドがタメてくれることもあって、ブロックの外でボールを回すのではなく、中・外とディフェンスの見えないところに動かせていました。でも今はセンターはノーチャージエリア内なので、1本のパスにおける効果は下がっている感じ。

パスは回しているぜ。でも、何とも言えない。

そしてウォールとオラディポにパスカットから速攻を決められ、逆転されてしまいます。パスを回していく気持ちは良いのだけど、回すだけになってしまったね。否定することはないプレーでしたが、肯定もしかねる。そして逆転されてからはセクストンがスクリーンを使ってのドライブで取り返したのですが。前半は51-50でキャブスが1点リードです。

なお、ラストプレーでケガをしたオラディポ。後半も普通に戻ってきました。ロケッツのベンチは選手が3人しか座っていないのでギリギリです。

◎味がしない

ガーランド、セクストン、アレンが揃うとガーランドにコントロールさせておき、アレンがオフボールスクリーンでセクストンをフリーにするプレーコールが使われます。前半から使っていて、キャブスで最も効果的なプレーなのですが、全く決まらない。決まらないから効果的ではないか。

代わりにディフェンスの警戒が薄くなっている逆サイドでガーランドが柔らかなフローターを決めていきます。加えて「ロケッツがウォールの3P→トランジションディフェンスに誰もいない」を繰り返してくれるので速攻が出るよ。1本はウォールにお得意のチェイスダウンブロックを食らいましたが。

どうもロケッツはアウトサイド頼みになってしまいます。ドライブ警戒モードなのでミドルが打てるウォールですが確率が悪く、誰もインサイドで合わせないからキックアウトしかないよ。ブラウンとタッカーが3P決めてくれたので接戦に持ち込めてはいます。

しかし、同じようにドライブしていくガーランドには、ゴール下で動き回ってくれるアレンがいるからヘルプが間に合わず、より簡単にプレーできています。いろいろあるのは事実でしょうが、選手の頭数としてカズンズと別れる必要はなかったよね。トレード待ちでキープしておけばよかったのに。

そして次第に両チームの対比が明確になっていきます。ウォールにオコロをつけるキャブスはピック&ロールになっても基本的にスイッチせず、2人でウォールを追いかけてスクリナーをフリーにします。そこにパスが出てくるのだけど、思い切りも悪ければキャッチミスするから、歯切れが悪いロケッツ。

一方でオフボールスクリーンを使ってきたキャブスに対して、インサイドをカバーしたいロケッツは次々とアウトサイドを空けてしまい、セクストンとオスマンが3Pを決めてリードを広げていきます。

3Qラストプレーでロケッツはウォールが1on1の形からマクレモアにパスアウトすると、エクストラパスでコーナーのジョーンズへ。ジョーンズはドライブして&ワンをゲットします。これがこの試合初めて起きたエクストラパスからの連携の良いプレーだった気がします。それくらいワンパスしか待っていなかったようなロケッツ。

74-70と何とか4点差に留まった感じ。プレーの選択肢が少なすぎるロケッツ。あと単純にウォールを働かせすぎて疲れてきちゃったね。キャブスはバランスアタックになっているのだけど、良いプレーが上手くいかないことが多く、困ってしまった。でも、前半よりはずっと良かった3Qでした。

◎繋がりだした連携

この試合初めてテイトとパットンでコンビプレーが決まりますが、パットンのシュートはリングにも当たらないんだぜ。ちょっとパットンでは厳しすぎるでしょ。それでもボールに触れてすらいないマギーがファールコールされてフリースローゲットするし、マクレモアが3Pで追撃してくれて追いつきます。

あと、なんかわからないけどウォールがベンチに下がったらテイトがヤル気出しまくって自分で攻めていきます。ずっと大人しかったのに、急に強引にアタックし始めたテイト。マクレモアがドライブからパットンにパスを出すとターンオーバーになりました。まぁでも、こういうミスはわかる。戦力不足のロケッツだから起きているだけ。でも、ここまでアタックすらなかったからね。

この間にセクストンがミドルと3Pで加点するとマギーへのアリウープも決まって9点リードに戻ります。まぁでも、これはロケッツとしては仕方がないさ。カズンズが残っていてもどうにかしてはくれませんが、今は選手の人数が少なすぎて、どうにもならない。

戻ってきたウォールがセクストンを止めるも、流れるようにパスアウトしてオスマンが3P。ウォールもドライブからキックアウトすると、エクストラパスが繋がってオラディポが3P。スイッチしてガーラランドのドライブを止めたウォールですが同じようにスムーズにパスアウトが出てセクストンの3P。

ここでウォールのドライブをオコロがブロック。この試合やられ続けていたけど、遂に止めたオコロ。しかし、次のオフェンスはジャンプすらさせてもらえずウォールがレイアップ。さらにウォールはウェイドを吹っ飛ばしながらレイアップ。連発。これで残り3分6点差になります。

タイムアウトのキャブスはセクストンがタッカー相手にドライブジャンプシュートを決めると、オラディポからスティールしたウェイドが&ワン。この時のロケッツはウォールのキックアウトがコーナーのタッカーに出るもキャッチミス→パスミスという流れでした。うーん。なんでこういうのが多いのかな。

取り返したいロケッツですがドライブしたオラディポがゴール下で決めきれず。ウォールはフリースローをミスしてしまい、アレンのルーズなドリブルをスティールしたブラウンはレイアップをミスし、追い上げられなかったのでした。おしまい。

〇コリン・セクストン
39点 FG12/20
FT11/15
8アシスト

いつ39点もとったのか記憶にないのですが、12点がターンオーバー後の得点ってことで、確かにロケッツがミスから失点するの多かったし、そういうところに走っているのがセクストンでした。そしてファール貰ってフリースローが多い多い。

8アシストもあるし、思ったよりも悪くなかったです。とはいえ、セクストンが、ではなくチームとしてドラモンドがいないことでインサイドにボールが入らず、外だけで回すことも増えてしまいました。後半になるとオフボールスクリーンを活用し始めたのですが、出来ればそれはドットソンがやるべきなんじゃないかな。

〇リバウンド
キャブス 48
ロケッツ 30

なぜか知りませんが大きく差が付きました。キャブスのオフェンスリバウンドは6なので、ロケッツが取られまくったわけでもないのにね。ウォールはウエストブルックやハーデンみたいにディフェンスリバウンドを取りまくるタイプじゃないので、リバウンド役が必要です。でも、ロケッツはウイングも含めてリバウンドが弱い。

単に弱いだけなら良いのですが、そこからのトランジションに持っていけなかったのが、この試合でキャブスと大きな差がつきました。キャブスの速攻が多かったわけじゃありませんが、ロースコアな展開の中でキャブスの方が早い攻めで得点を稼いだよ。

これで12連敗ですが、NBA何だし、時には勝てる事もあるさ。でも、そんなマグレみたいなものを引き起こそうにも、トランジションで得点爆発なんてシーンを作れないなら難しいよね。

〇ジャレット・アレン
10点
15リバウンド

逆にキャブスはアレンがとってくれるから、ガード陣が走りやすってのもありました。まぁガード陣はアレンへのパスが下手なので、それは困りものですが、とりあえずリバウンドについてはドラモンドがいなくても関係ないです。

〇ジョン・ウォール
32点
5アシスト

〇ビクター・オラディポ
20点
3アシスト
3スティール

いやー、まいったね。負担デカすぎ。ムリありすぎ。
ウォールが元気な姿を見せてくれていることは嬉しいですが、そんなにムリさせないでくれ。ロケッツファンはハーデンに見慣れていて物足りないかもしれませんが、これってかなり良いレベルの活躍ですよ。何もない所からチャンスを生み出しまくってくれていたウォール。

オラディポは復帰後はずっとこんな感じですね。もうちょっと期待したくなるけど、どうもうまくいっていないので、ディフェンスでの貢献を高めてもらうしかないかな。

ウッドがいなくなったことで崩壊しているロケッツですが、そもそも代役ゼロってのに問題あるでしょ。カズンズを放出したから引き起こされた事態だし、それ以前にPFくらい獲得しておきなよ。

タッカーが売れるなら、今のうちに売っておいて、他の有望株を2人ほど捕まえようぜ。タッカーで得られる対価なんてしれているので贅沢言わないで、現実的な問題を解決しておくべきかと。理想はブレイザーズからジャイルズとリトルをもらうことだな。贅沢言いすぎか。

選手にヤル気が感じられない問題もあるのですが、それ以前にロスターが薄すぎて何もできない。サイラスについて触れるのが次回の予定なので、この試合を選びましたが、サイラスが悪いのか、GMが悪いのか、オーナーが悪いのか。少なくともウォールは悪くないよ。

ロケッツvsキャブス” への3件のフィードバック

  1. 12連敗中に、ハーデン&ダントーニマジックは凄かったんだなということをひたすら痛感させられました。

    私を含めて、ロケッツファンのほとんどはハーデンがいるロケッツを好きになって、そのロケッツを追いかけてきたので、今は見ていても心ここに在らずって感じです。

    懐かしさなのか、夢の続きなのか、わからないですが、ダントーニとハーデンのいるネッツを見てしまいます。
    ボールハグと言われ、ファウルをもらうスタイルで悪役になりながらもロケッツを勝たせようとしていたのだなって感じますね。

    先程ハーデンの13番が永久欠番になるとロケッツから発表があったみたいですが、今のロケッツを見ていると移籍志願した経緯への怒りよりも、ハーデンありがとうという気持ちの方が強くなっているロケファンが多いような気がします。

    13連敗がかかった試合で「13番」がヒューストンに帰還するのも何かの縁ですかね笑
    試合内容はさておき、ハーデンとPJ、ゴードンあたりが楽しそうに話すのを見れれば私は満足です、

    1. ハーデンが残ってくれる未来はなかったのかと悩んでしまいますね。
      ハーデンに引き寄せられてくるFAがいなかった一方で、後からハーデンが加わったチームの方が成功しそうなのは悲しい。

      永久欠番発表はやすぎないですか。

  2. ロケッツ、ハーデン(13番)の永久欠番発表、びっくりしました

    ご本人(ハーデン)のインタビュー聞きたい

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