マジックvsバックス

2021/1/11

フルツがシーズン絶望となったマジック。アイザックに続いて若手有望株が出れないのは何を見据えて戦うのかを難しくしそうです。とはいえ、代役もルーキーのコール・アンソニー。ベンチから登場して素晴らしいプレーを披露していますが、主力になっても同じことが出来るのか。

バックスはホリデーの意味がない開幕直後でしたが、ヤニスとミドルトンのアイソを極端に減らしてきました。ビックリするほどオフェンスを変えてきたので、さらに変化があるのかどうか。

◎ゴードンとヤニス

もしもアーロン・ゴードンがヤニスレベルの選手だったら、マジックって強そうだよね。言い換えれば、この試合だけでもゴードンが上回ればマジックは勝てそうだ。そしてゴードンはヤニスのアタックに対して個人で対抗できるキャラです。ドライブしてきたヤニスに対してノーヘルプで対応する序盤。

ユーロステップでねじ込まれるシーンもありましたが、フィジカル負けせず、最後までついていくゴードンによってヤニスは苦しそう。でも、ゴードンの問題はヤニスを止めることは出来ても、自分はもっと止められてしまうこと。オフェンスで消えてしまうんだ。

やっぱりゴードンのアタックはヤニスを前にして決めきれない。しかし、ここにブセビッチが上手く合わせてゴール下。さらにパスアウトすればベーコンが決めたので、マジックが優勢で1Qが進んでいきます。

そしてヤニスだけでなくミドルトンもオフェンスで苦戦。ベーコンのフィジカルに対して得意の押し込むプレーが出来ず、フェイダウェイも外れます。ドライブもエンドラインを踏んでしまう。どちらも個人技では突破できないので、得点が伸びません。

1回休んだゴードンが戻ってくるとヤニスはコートにおらず、ビッグマンがポーティスとヤニス兄になったので、ゴードンは強気にアタックしていきます。「ヤニスに止められていたんだな」というのがよくわかる強気なアタックで、ゴール下を外しても自分でプットバック。個人技で決めることが出来たのはゴードンでした。

ところが、今度はインサイドに深く侵入してしまって、2人に囲まれるとパスミス。チームメイトの得点が止まってしまった。それに対してバックスの方が、ドライブからポーティスに合わせるプレーを連発します。

ゴードンの個人技が決まるようになってチームの連携が上手くいかなったマジック。個人技突破する選手がベンチに下がって逆転したバックス。あっちをとれば、こっちがとれず。25-23とロースコアでした。

2Qになってもゴードンがボールを持つシーンが長くなります。MCWもいない中で、どうやら控えPG役がゴードンっぽい。さらにバンバが登場しますが、普段なら「バーチの方が良い」となるのですが、ハンドラー不足ならばバンバの方が良いのかも。クラークのバックドアに合わせたアシストを決めたのでした。

◎ノーPG

バックスはトップにいるゴードンに対してヤニスが離して守り
マジックはトップにいるヤニスに対してゴードンが離して守り

どっちもゾーンみたいになります。インサイドに飛び込んだヤニスはヘルプに来たバンバからファールドローして得点を奪いますが、ディフェンスではポーティスがポジショニングミスでバンバにダンクを食らいます。どっちも「もう1人のビッグマン」が苦しい。

このインサイド突破が出来るようになると、今度はフォーブスが3Pを連続で決めてバックスがリードします。こんな感じでパスゲームでディフェンスを動かしていき、得意の3P作戦と、ヤニスやホリデーのドライブが混ざれば強そうなバックス。

・・・なんだけど、どうしてもヤニスが持ちすぎてミスが混ざります。そんなに自分でやらなくていいのに、ゴリゴリ押し込んでパスミスするから、点差は開きそうで開かない。

ホリデーはゴードンのポストアップをブロックすれば、自分はアンソニー相手のポストアップでファールドロー。シンプルなコンビプレーを混ぜながら、自分でも攻め込んでいくので効果的に決まっていきます。ホリデーで安定してはきているバックス。

そんな展開が続くと、マジックはPG不在が響いてきます。アンソニーはレフリーコールにクレームしてテクニカルなので、ずっとゴードンがやっていると、どうもしっくりこないよね。「オフボールのスクリーンから抜け出したロスのジャンプシュート」が出てこないのは、パサーの問題なのだと思います。

そんなわけで、ブセビッチこそ個人で決めてくれるわ、前半だけで5つのオフェンスリバウンドを奪うわで、何とかチームを助けてくれたものの、チームで11ターンオーバーとマジックにしては多かったのでした。なお、ゴードンは7アシスト。

63-54とバックスが9点リードの前半でした。ホリデー、ミドルトン、ブルックの3人で3P1/11と決まりませんでしたが、チームで回していると最後にインサイドで合わせるポーティスがFG5/6の11点で機能した感じ。個人でガツガツいかない方が良さげなのでした。

◎タイムアウト

3Qになってもマジックはアンソニーが苦しい。パスアウトすればブセビッチが3Pを決めて助けてくれるけど、ホリデーとディヴィチェンゾのマークを引きはがすことが出来ず、苦しくなってのプレーでマジック全体としてボールが回らない。

バックスはヤニスのながーいストライドのレイアップ。ミドルトンのパスからゴール下。そして離されたところでプルアップ3Pを決めて、流れを掴みます。

が、タイムアウトからミドルトンがタフミドルを打って外し、逆にアンソニーは思い切って飛び込んだドライブからワン。さらにドライブでミドルトンのファールを引き出し、フリースローで加点。ゴードンもポストアップから強引なねじ込み&ワン。

一気に流れが変わったタイムアウトでした。内容的には個人の踏ん張り。思い切りよくプレーさせたのが成功した感じです。でも、それで成功したマジックと、それをするほどに失敗するバックスという対比もあるから面白い。

結局これで一進一退に。そしてヤニスがベンチに下がる時間になると、ミドルトンのアイソが増えて失敗。ホリデーと交代しても、そのホリデーがシュートミス。以前はもっと適当な3Pを打っていたのに、あまり打たないからインサイドを固められています。

マジックは再びゴードンPGになると、ブセビッチのポストアップからパスアウトしてゴードンの3P。さらにゴードンの怪しげなドライブパスアウトから、もっと怪しげなバーチのジャンプシュートが決まる運もあって2点差まで縮めます。

マジックが逆転しそうな流れでしたが、またもポーティスのインサイド合わせで86-82とリードして3Qを終わらせたバックスでした。ここまでベンチは35-15とバックスが圧倒しているのですが、言い換えれば強力なはずのスターターが機能していないバックス。

◎次のオフェンス

お互いにシュートが決まらない開始2分。ここでゴードンがドライブからヤニス越しのダンクで強烈に流れを持ってきそうになりますが、次のオフェンスで3Pを返したヤニスが渡さない。その次のオフェンスでターンシュートを外したゴードンに対して、ヤニスのパスアウトからポーティスが3P。ゴードンがヤニスに負けそうだ・・・ってことで即座にタイムアウトのクリフォード。

そして今度は、まさかのバンバ。コーナーでボールをもらうとワンフェイクでブルックをかわしてドライブ、カナートんのブロックをダブルクラッチで避けながらの&ワン。ところが次のオフェンスでブルックがバンバのファールをもらいながらの&ワン。これで交代のバンバ。

さらにカナートンとミドルトンの3Pも決まって15点差に広がります。再びタイムアウトのクリフォード。どっちに転がっても、おかしくなかったのに、決められた直後に決め返し続けたバックス。半沢直樹。

さすがに、これはダメージが大きく、タイムアウト以降もバックスの流れは変わらず、20点差に広がってしまったのでした。おしまい。

◎違うパターンを

大勝となったものの、それはフォーニエ、フルツがいなくてオフェンス力不足だったマジックの事情が大きかった試合でした。オフェンス力っていうかオプション不足。アイザックとアミヌがいない上にガードコンビまでいないのだから、さすがにHCは可哀そう。

クレバーなプレーをしていたコール・アンソニーでしたが、スターター同士の中に混じると、やっぱり未熟さが出てしまった。ホリデーにマークされると特にね。能力不足というよりは「コントロールしながらも、強気なドライブを決めないといけない」このバランス感覚が足りないのでしょう。個人の怖さが足りないからプレッシャーをかけられてしまった。

21点8アシストのゴードンは、PG役になる事で新境地を拓けるかも。こちらは単純にディフェンスのプレッシャーがないことで、アンソニーよりも楽だったのが大きいです。ポイントセンターの利点。

この状況はどうしようもないのですが、1つのチャンスとしてバンバやアンソニーに経験を積ませ、ゴードンにオプションを増やしていく機会にするしかないでしょう。

バックスはヤニスは強引さを封印した感じでしたが、アウトサイドで待ちすぎかな。ポーティスがあんなに合わせられるのだから、2年前のように、もっとインサイドで待つべきな気がします。そのためにもチームメイトが3Pを打たないといけません。

バックスに合うと思っていたDJオーガスティンがパスを出す先に迷うシーンが結構あったので、ブセビッチのポジショニングが恋しそうでした。オーガスティンからすると、スペースを見つけたのに誰も来てくれないって感じです。

ところでミドルトンの3Pが50%を超えているらしい。とてもそんな風には見えない試合だったので、たまたま調子が悪い試合を観てしまったのかな。ミドルトンで出口のないオフェンスになる事が多かったのですが、普段はそれが決まっているなら成立しているのか。

ヤニスが無理をしなくなっているので、当面のバックス対策はミドルトンを孤立させることかもしれません。そうなっても決め続けることが出来るのかどうか。あるいはパスを出してくるのか。何がベターなのかは1試合じゃ決められないかな。

マジックvsバックス” への6件のフィードバック

  1. ゴードンはヤニスに対してやる気満々でしたね笑何かあるのでしょうか?
    オーガスティンはスクリーナーがスリップする気しか無いので困ってるように見えます。彼はドライブでぶち抜けるタイプでは無いので、結局1on1になって苦しいショットが目立ちます。ヤニスもポーティスももっとしっかりスクリーンをセットしてあげて欲しいのですがバックスはこれで良いのでしょうか?私はビッグマンを1人は必ず補強しないと勝てないと思ってます。

    1. プレーオフだけを考えるなら、現状のメンバーで人数的には合っていると思います。
      今日はポーティスが上手く合わせていたので、その点でも十分かな。

      ただ、ちょっとブルックが頼りにくくなっていますね。
      そこが最大のネックで、この調子なら守れるビッグマンを1枚欲しくなります。
      ウイングにはクレイグがいるので。

      オーガスティンはスクリナーの動きにも困っていますが、スクリナー以外が動いていないから、自分が仕掛けないといけない状況にも困っていそうです。
      「もっとピック&ロールを使えばよいのに」と思うのですが、使ったと思ったら、たいして効果的じゃなかったりして、3人目4人目が絡まないとオーガスティンには難しいそうですね。

      1. この試合序盤からブーチェビッチの調子が良かったので早々にレイトスイッチ気味のDFからスイッチDFに修正していましたが、ロペスがスイッチすると相手のシュートが外れるのをお祈りするだけでした笑
        こうなると外まで着いていけるビッグマンが欲しくなりますね。誰か市場でいい選手いるでしょうか?

  2. ORLは考え時に入ってるチームだなぁと思ってます。きょうの試合でもゴードンが中心じゃやっぱり勝てないというか、何かマンネリ感がありました。
    長期契約を結んでいるアイザックとフルツが欠場した今だからこそ、先々を含めて周りの選手を考え直さなくてはいけなくて、ゴードンを信じ続けていくのか、ゴードンとバンバあたりをセットにして今のうちに売った方がいいのか判断する時期じゃないかと思います。ヒールドとか、ロジアー+PJワシントンなんかが視野に入りますけども。
    別に今のシステムやポイントフォワード適性を信じてゴードンと延長するならそれもいいですが、それで本当にタイトルコンテンダーを目指せるのかというと何か違う気がしています。

    1. うーん、アイザックとフルツがいれば、わからなくはない状況だったので、こればかりはね。
      大きく負け越せば、トレードに動いても良いでしょう。ブセビッチは残したいな。

      ゴードンは、なんだかんだとオフェンスが伸びずに来たので、1つのチャンスとしてハンドラーが出来るかどうか。
      出来なければ、10Mくらいの選手に格下げかな。

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