アンサーはイージー。だけど、理由を探ることで重要な要素を見比べたい。
〇レーティング
オフェンス 105.9(28位)
ディフェンス 112.8(25位)
レーティング差 △7.0(27位)
ホーネッツのレーティングは攻守に悪く、自分たちよりも順位の低いチームにすら負けています。最大の要因はオフェンスが悪いことですが「やっていることは悪くないがフィニッシュ能力が低い」ことがハッキリしているので、まずはフィニッシュを改善していかなければいけません。
さて、チーム戦術が良くても個人技が低いことは、オフェンスにおいては「フィニッシュが弱い」という言葉で片付くのですが、ディフェンスで同じことが言えるのでしょうか? つまり
「やっていることは悪くない」のであれば、さすがにレーティング25位はおかしい
なんてことを考えたいわけです。しかもホーネッツの選手たちはみんな真面目でハードにプレーする気持ちが強い選手です。明らかにサボるような選手もいないし、最後まで追いかける気持ちもある。だから試合を観ているとディフェンス力は数字ほどには酷いイメージはなく、全員がサボらずハッスルプレーをしています。チーム戦術がしっかりしているなら、守れてもおかしくないはず。だから
ホーネッツに最も足りない要素は何か?
こんなことを視点に下位に沈む理由を考えてみましょう。そして、今回は各論、後日に総論が出来たらよいなーと思っています。
◎ロジアーとグラハム
ホーネッツが守れない理由は、至極単純で、6-1(約185センチ)しかない2人を同時にコートに立たせているからです。これが一体どれくらいレーティングに関わっているかというと
〇ロジアー
オンコート 113.4
オフコート 106.7
〇グラハム
オンコート 111.8
オフコート 108.8
物凄くハッキリした数字が出ています。共にコートにいないときの方がチームは明確に守れており、特にロジアーはいろんな言い訳が出来ないくらいの差が出来てしまいました。107なら優秀なチームになれるので、ロジアー不要説が流れてもおかしくありません。
グラハムの方は、うーん、まぁギリギリ許容できるかな。というのもロジアーがいなくてもオフェンス力は落ちないのですが、グラハムがいなくなるとオフェンスレーティングが9くらい落ちます。攻守トータルでグラハムは欲しい。そして2人同時にコートに立っていると
〇ロジアー&グラハム
オンコート 112.2
うーん、悪いことは悪いけど、不思議なことに悪い意味の相乗効果は低く、大否定するほどの差にはなっていません。「ロジアーとグラハムを並べるな」と結論づけるほどじゃないわけです。徹底的にロジアーの責任に見えるね。
とはいえ2人ともハーデン、カイリー、マレーみたいに「守る気があんのか!?」と言いたくなるディフェンスではなく、ちゃんと守るけど守れないっていう悲劇。
ロジアー&グラハムは厳しい。特にロジアーが欠点
調べなくてもわかるような結果なのですが、ここからがホーネッツらしい課題に繋がります。これが何故かスターターユニットだと話が変わってきます。
※スターターはロジアー、グラハム、ブリッジス、ワシントンの固定4人にゼラーorビヨンボです。
〇レーティング
ゼラーパターン 107.4
ビヨンボパターン 108.1
あらら。厳しいと思われていたコンビでしたが、スターター陣は守れています。オフェンス力がないのはそのままですが、ディフェンスだけ見ればホーネッツはなかなかのものを持っています。じゃあ何でトータルが悪いかというとユニットのプレータイムが短いんです。
〇プレータイム
ゼラーパターン 42試合284分
ビヨンボパターン 26試合263分
65試合3120分以上のトータルプレータイムなのに、最も長いユニットでもこんなに短くなっています。1試合あたり1Q分も一緒にプレーしていないことが、守れそうなのに守れないチームを形成してしまいました。なお、この2つのユニットの次が93分なので、スターター・ベンチ問わず
コートに出る5人がバラバラで連携が深まらなかった
こんな事が言えるみたいです。割と健康だったホーネッツですが、何故かユニットを安定させることが出来なかったのでした。その点で来シーズンも残っているメンバーを考えると
【ハンドラー】
グラハム
ロジアー
モンク
【ウイング】
ブリッジス
ワシントン
マーティン
マーティン
バトゥーム
【ビッグ】
ゼラー
軸となる選手はほぼ残るので、ユニットとしての連携アップによるディフェンス力の向上が期待できるのでした。あとは足りないセンターの補強で済むのでしょうか。
◎ゼラーとビヨンボ
とはいえ、ディフェンスの連携って何ですかね?もちろん、いろいろありますが、ホーネッツはメインの4人が30分以上プレーしているので、そこまで大きく連携が崩れるはずもないのです。5人のうち1人が合わなかったらダメとかあるかい?
そんな中で交代が多いゼラーとビヨンボを比較してみましょう。なお、今回は個人スタッツは載せず、全て「その選手がコートにいるときのチームの数字」になっています。
〇レーティング
ゼラー 113.6
ビヨンボ 110.8
再び、どっちも悪くなってしまいました。スターターユニットではよかったのにトータルで崩壊しているから、もうよくわかりません。個人能力としてはリバウンド力やブロック力においてビヨンボの方が上で、そこは数字にも表れています。
〇被FG
ゼラー 49.4%
ビヨンボ 46.5%
ゼラーとビヨンボのレーティングは3違うわけですが、それは即ちリムプロテクト能力の差になっているっぽいです。ここが弱いのはホーネッツの大きな弱点です。ドラフトはセンター予想ですが、特にディフェンシブなセンターを求める理由でもあります。
ホーネッツはリムプロテクターが弱い
少なくともビヨンボくらいにリムプロテクトしてくれる選手がいれば、レーティングで3くらいは向上します。ただ、どっちにしても110を超えており、意外とチームとして守れていない決定的な要因ではなさそうです。その理由はマーティン・ツインズが示してくれます。
◎マーティン・ツインズ
ガードコンビがサイズとフィジカルに欠け、リムプロテクトも強くないホーネッツ。ディフェンスが悪い理由は、とてもわかりやすいわけですが、それでは説明つかないことが
スターターユニットのレーティングは良い
コディ・マーティンのレーティングが優れている
この2つになります。特に前者は不思議なわけです。ベンチメンバーなら偶然の要素も強いのですが、スターターだと相手が強いから、こんなことになるとは思えない。
加えて48試合に出場したコディ・マーティンが何故か1人だけ優れたディフェンスレーティングを示しています。もちろん本人のディフェンス力が高いからですが、数字を比較して「何がホーネッツを向上させているのか」を考えましょう。
なお、18試合のケイレブ・マーティンも段違いのレーティングを残しているので2人を並べます。
〇レーティング
チーム 112.8
コディ 107.7
ケイレブ 102.4
ケイレブはプレータイムが短く出来すぎな数字ですが、それでもチームがこれだけ守れない中では、ちょっと中身を知りたくなります。
個人能力としてディフェンス力が高い2人なわけですが、特徴的には前述の①ロジアー&グラハム、②リムプロテクトというホーネッツの弱点をカバーするような存在ではありません。にもかかわらず、劇的に改善するのは何故か。
繰り返しますが、今回は「個人の活躍度」ではなく「チームとして何が違うのか」ってことを調べますので、並べるのは全てチームの数字。でもプレータイムが違って分かりにくい数字もあるので、ここでは全て48分換算した数字にして比較します。
〇被FG%
チーム 47.6%
コディ 47.7%
ケイレブ 43.8%
〇被FGアテンプト
チーム 86.7
コディ 83.5
ケイレブ 84.4
まず共通するのが「相手のアテンプト数を減らしている」ということです。そこにFG%も落とさせれば言うことなしですが、コディの数字はそんなに良くないので、アテンプトを減らせることの方が大切です。
アテンプト減にはリムプロテクト力やリバウンド力が関わっていそうですが、実際にはそんなでもありません。
〇ブロック数
チーム 4.1
コディ 3.9
ケイレブ 4.4
〇ディフェンスリバウンド
チーム 31.5
コディ 30.1
ケイレブ 32.9
コディの時間は意外にもブロックやリバウンドは少ない傾向です。もちろん、打たれている本数が少ないから、、、ってのはありますが、そこまで決定的な差ではありません。「リムプロテクト<アテンプト減」という重要性になります。
ホーネッツの弱点だけに、優れたセンターを加入させることでディフェンス力は向上しますが、そこは個人能力によるディティール改善であり、根本的なチームディフェンスとは異なります。チームとしてはアテンプトを減らせるディフェンスを構築しましょう。
強力なリムプロテクターは必要だが、ディフェンス組織の視点で問題は別のところにある
では相手のアテンプト数を減らしてくれるコディとケイレブの時間は、どんな特徴があるのでしょうか。
〇被アシスト数
チーム 26.4
コディ 25.2
ケイレブ 23.3
〇ターンオーバー数
チーム 14.2
コディ 16.7
ケイレブ 15.2
わかりやすく見れば、「相手にアシストをさせない」であり、結果的には「ターンオーバーを増やす」ことです。ロジアー&グラハムを起用するチームなのだから、もっと平面でのチェイスを強めて、パスを出させず、ミスを誘発することはとても大切。
アシストパスを阻害しろ!
一般的にアシストを阻害するには
①ボールマンを自由にしない
②パスが出る先を読む
このどちらかが大切になるわけですが、まさにマーティンツインズの得意技です。そしてブリッジスとワシントンには足りない要素の気もしてきます。どちらもちゃんと守れる選手ですが、対人を頑張っているに留まっているかも。
また「アシストパス」を減らした結果として、ペイント内失点が減ります。つまりはアウトサイドをチェイスしているというよりも、インサイドの決定機を減らしているみたいです。
〇ペイント内失点
チーム 50.0
コディ 45.7
ケイレブ 42.1
単純に「ペイント内失点を減らす」であればリムプロテクターの役割になってくる気がしますが、マーティンツインズの特徴とアシスト減なんかと合わせ技でみれば
ブロックよりもインサイドへのパスコースを塞ぐ(パスを出させない)ディフェンスが重要
こんな気がしてくるわけです。はい、今回言いたかったことはコレです。ペイント内失点を減らすことは超重要ですが、そこにあるのは単にビッグマンの存在ではなさそうって事です。
◎再びロジアーとグラハム
ロジアーとグラハムを並べることに否定的な管理人ですが、高さやフィジカルではなく、インサイドへのアシストを減らすだけなら、むしろフットワークの良い2人なら実行できそうな気がします。
そしてよく考えると同じようなガードコンビでディフェンスが良いチームがラプターズのラウリー&ヴァンブリードです。一体何が違うのかといえば、ハッスルスタッツに差が出ています。
〇ディフレクション
ラウリー&ヴァンブリード 7.1
ロジアー&グラハム 3.5
〇チャージングドロー
ラウリー&ヴァンブリード 0.60
ロジアー&グラハム 0.21
パスに触るディフレクションとコースを読んでのチャージドローは、共にマーティンツインズが稼いでくれるスタッツですが、ガードコンビでみるとグラハムはそこそこなのだけどロジアーが悪く、ラプターズコンビとは大きな差があります。
ロジアーはスティールもリバウンドも頑張れる選手ですが、意外とここが弱かったことになり、チームディフェンスを強化するためには読みの鋭い相棒が求められそうです。そう、それって丸っきりマーカス・スマートなわけよ。セルティックスが守れている理由も見えてきそうです。
「サイズとフィジカル」はわかりやすい弱点ですが、実はそこではなく、先読みかパスを出させないディフェンス力が足りないことで、チームディフェンスが成立していないのかもしれません。
ドラフトではリムプロテクトするセンターだけでなく、SGを指名することも選択肢に入れたいのですが、そこで必要になるのはこんなディフェンス能力なのでした。
◎ディティールとトータル
ホーネッツのディフェンスはディティール(個人能力)の部分で足りないことは多くあります。そこは若い選手が成長することと、不足しているポジションを補強していくことが求められます。サイズ・フィジカル・リムプロテクターを補強。
しかし、そんな個人の未熟さを無視すると、ボレゴの下で戦術整理がされているだけに、トータルで見れば守れているような、守れていないような微妙な感じです。みんなしっかりと守るけど、キーになる要素が不足しています。
「先読み」「ローテ」で、的確にパスコースを塞いでいくチームディフェンス
ドライブへのカバーも含めてチームディフェンスの上手い選手はマーティンツインズくらいですし、いわゆるボレゴ的な問題である「選手の成長」という視点でもカバーが伸びた印象はありません。
オフの補強では、地味にディフレクションやチャージドローをしている選手を求めたくもなります。ここでは主軸ではなく「地味に助けてくれそうで獲得可能そうな選手」をピックアップします。ちなみにブルズにはクリス・ダンだけでなく、その手の選手が結構います。ていうか、ダンを獲得すればいいじゃないか!?
【ホーネッツが補強してみたい選手】
〇ディフレクションが多い
ナーレンズ・ノエル
モー・ハークレス
ホリス・ジェファーソン
シャキール・ハリソン
〇チャージドローが多い
モリズ・ワグナー
デイビッド・ヌワバ
デリック・ホワイト
ライアン・アーチディアカノ
契約残っている選手もいますが、ムリではないでしょ。ノエル、ハークレス、RHJあたりを集めたら、そこそこ戦えそうに見えます。オフェンスはダメだけど。
オフェンスも含めると、何とかホワイトをトレードで手に入れたいところ。賢い系統の便利屋ガードなので、チームに様々な変化をもたらしてくれそうです。
ということで、今回の話は若手の成長を目指したチームが、コアメンバー以外をどんな感じで集めるべきかを考える回でもありました。点を取るのは1人だけ、守るのは全員で。個人戦術としてのディフェンス要素を埋めてくれる選手をみつけよう。
ホーネッツは守れない。
でも、守れないにもいろんな要素がある。
要素を埋めてみるとベンチに置きたい補強選手が浮かび上がってくる。
オフェンスの改善には若手の向上が欠かせないだけに時間がかかるでしょうが、ディフェンスについてはハードワーク出来るチームなので、的確な補強が出来れば一気に持ち直しそうな気がするホーネッツでした。
カバーのできるMKGマーヴィンバトュムが軒並み試合に出ていなかったのでチームDFは次第点くらいに思ってました。ブリッジスが割とサボりがちなんですよね
あとはマーティン兄弟が出ると流れが変わるなぁくらいにしか感じていなかった部分がしっかり言語化されていて面白かったです
スモールの時間帯も多いCHAではRHJなんかは良い補強ですよね
CHAの試合しか見ていない自分でもここまで細かく見ていないわけで、毎回発見があります。おそらく他チームのファンの中にも同じような方はいると思います
で、これを30チームやれるって管理人さんはどれだけ効率の良い観戦をしているのかいつも気になっています
近く試合が再開されますし機会があれば観戦方法なんかも記事にして頂けると嬉しいです
まあさよならシリーズが終わる頃にはプレイオフが始まっていそうですが
観戦中に発見するのは難しいです。
データで下準備して観戦
観戦した印象をデータで補完
を繰り返す感じですね。ゲームレポートには意味があるわけです。
マーティンもここまで良い結果をもたらしているとは思いませんでした。
ケイレブの方がスターターSGになっても面白そうです。
あぁ、目から鱗が落ちました。
確かに試合中、マーティンツインズ以外がターンオーバーさせてるところがあまり印象にないです。
リムプロテクターはビヨンボがいるし、センター獲得(個人能力)だけで改善できるか不安でしたが、その理由がこれだったのだと納得です。
選手個人も大事ですが、チームディフェンスを整備する基盤も構築していってほしいです。
(メンバーも絞りつつあるので、来季はディフェンスの改良されてるか期待です)
とにかくこの記事の存在をホーネッツ陣営に知らせたいです。
ボレゴはわかっているからマーティンを使っているんだと思います。
問題はやっぱりブリッジスに仕込めないことかな。
もうちょっと激しくローテしたほうが勉強になるかもしれません。
ブリッジズは期待値以上にNETが-9.0以上も離れていて、将来性に疑問を感じ始めてます。。
AS後にはサイズとシューティングで勝るマクダニエルズのPTが伸びてきたので、ちょっと悩みどころです。
仮にロジアー+ブリッジズで22M、2人+モンクで27M、2人+バトゥムで49Mのパッケージが組めるんですが、上手いことトレードできないもんですかね?
ブリッジスはドライブからのフィニッシュにおいて
・多彩なシュートスキル
・柔らかなフローター
・ステップワーク
・コンタクトからのボディバランス
のどれも、あまり感じないので将来性あるのかわかりません。伸ばすべくフィニッシュスキルなんだけど、どんな形で伸ばすのか?誰に弟子入りすべきか?
ロジアー+ブリッジスで、ダン&ハッチソンですかね。
バトゥムつけるならオット・ポーターになりますが、そこはブルズがキャップスペース空けたいか次第。