ティロン・ルーとミドル

◎3Pで効率アップ

「ゴール下か、3Pか」という効率論における前者が致命的に欠けているチームに、ティロン・ルーは後者の色を強く設定してきました。これは非常にわかりやすい解決策でしたが、ここら辺の調整は得意技です。

〇3P成功率
22-23シーズン 38.1%(3位)
21-22シーズン 37.4%(3位)
20-21シーズン 41.1%(1位)

常に確率良く決めてきた3P。本当は確率以上に本数を打たせたかったでしょうが、エースがボールを持つ時間が長くなってプルアップ3P連打になったら元も子もない。っていうか、そこまでルールを作るよりも選手の自主性に任せたいHCだしさ。

ケナードは2、3歩のオフボールでディフェンスを剥がして3Pを打つのが上手かったよね。バトゥームはポジショニングが良かった。そういや決まらないけど打ちまくって機能するレジー・ジャクソンってのもあったし。

ウイングの多いロスターにはキャッチ&3Pを打ち切る選手を増やしたい事情がありました。もちろん、決めてくれないと意味はないけど、シューターキャラはケナードくらいしかいなかったけど、常にキャッチ&3Pを狙っていく気概があったよ。

ミドルってのは「ゴール下と3Pを守る」チームが増えてきた中で効果的になっていましたが、ティロン・ルーは「ミドルを打つエースだから周囲は3P担当にしないと」みたいな采配にみえました。印象だけだけどね。

そして同時にゴール下を何とかするためにも、3Pを打たせるための展開役としてもセンターが大事になってきました。年を追うごとにズバッツの重要性が高まっていったな。あとブレッドソーやウィンスローに偽センターやらせてたな。

エースへのスクリナーとしての役割
ハイポストからボールを散らす役割
ゴール下で押し込む役割

ズバッツはスペシャルなセンターではないものの、どれも及第点でこなせるので便利な存在でした。元ヨキッチ代役のプラムリーにも同じことを期待していたと思います。

そして今、ツーメンゲームを得意とし、センターに合わせるパスが上手いハーデンが来たことでズバッツの役割は更に重要になりました・・・なったんだけど、ハーデンのプレーにズバッツが慣れないように見える。

〇ハーデンからズバッツ
パス数 24
FG 2/7

ウエストブルック、ポール・ジョージ、レナードのパスからはしっかりと押し込むズバッツなのに、ハーデンとの合わせに四苦八苦。っていうか決まらない以前にシュートまでいけなかったりね。

ハーデンがチームに溶け込むためかパスを優先しすぎていて、ズバッツにとっては難しい状況でパスが出てしまうこともあるし、ただ単にニックスやグリズリーズ、ナゲッツとインサイドに強い相手との対戦が多かった事情もあり、何よりそのうち良くなる部分でもありますが、ズバッツが機能しないとミドル乱発になってしまう可能性が。

〇ハーデンのパスから3P 28%

そしてチームの生命線であるはずの3Pもハーデンのパスと相性が悪いのか、あまりにも決まらない状況です。ウエストブルックは置いといても、レナードとポール・ジョージも20%台だしさ。

ナゲッツ戦ではレナードとポール・ジョージがコーナー3Pを決め、ウエストブルックがエンドラインカッティングで合わせてダンクを決めと、少しずつ嚙み合ってきたのも間違いなく、ある程度は時間が解決してくれるでしょう。

しかし、「チームの生命線」と考えた時、ハーデンに慣れれば長所に変化して、勝てるようになるのかは怪しいです。少なくとも、もう1人センターがいないと成立しない気が。

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