ドンチッチ ~スロベニアとマブスとヤング~

〇個人技アタック

ドンチッチはファールドローが多く、フリースローアテンプトはリーグ4位。ヤングも6位と多いものの、少し差があります。なお、フリースロー成功率はヤングが14%も高いので、成功数が同じっていうね。

〇フリースロー
アテンプト 8.8/10.5
成功率 88.6%/74.2%

ドンチッチはシュートの上手い選手ですが、特にオフバランスのシュートが上手く、慎重に打てるフリースローはイマイチっていうね。なんでだろうね。

〇2P 47.6%/58.8%
〇3P 33.5%/34.2%
〇TS 57.3%/60.9%

3Pは大した差はありませんが、2Pで両者の差は大きく、トータルのTSでは3.6%の差が生まれました。ドンチッチは5年目にして初めて60%を超えており、個人としての得点効率を大きく改善しています。ただし、ヤングは4年目に60%を超えており、3Pの悪さが響いただけ、といえば「だけ」です。

そしてドンチッチの側面からみると、2Pの成功率が高くてファールドローからのフリースローも多いのだから、どう考えても

3P成功率の悪さが足を引っ張っている

こんな事情も垣間見えます。既に素晴らしいTSではあるものの、3Pを減らしてドライブアタックを増やした方が効率は上がりそうです。しかし、マブスには前述のとおりトビーが足りていないので、ドンチッチがドライブアタックを増やして自分で決めきるならよいものの、そもそも3Pで引き付けずにドライブばかりするのは難しいし、ドライブしてヘルプがきたらキックアウトパスばかりになり、プレーを読まれてしまいそうです。

〇ステップバック3P
アテンプト 124本/283本
     (1.7本/4.3本)
成功率   32.3%/36.7%
被ブロック 2本/0本

しかもドンチッチのステップバック3Pは本数も異常に多ければブロックも食らわず、確率も良い変態系です。ヤングが決まらないように見えるけど、普通はこんなもんだろ。

ステップバック3Pとインサイドアタックの組み合わせは効率的

ドンチッチの特徴として、こんなことが言えます。あのステップバックは止めようがないし、守ろうとすると前のめりのディフェンスになるからファールドローも増えれば、カウンタードライブも怖い。この2つの組み合わせは誰にも止められませんが、それは同時に

ステップバック以外の3Pは非効率

という裏事実もあります。これを調べてみましょう。ヤングは関係ないから無視。

〇ドンチッチの3P
キャッチ&3P 71本 35.2%
ステップバック3P 283本 36.7%
 〃 以外のプルアップ3P 176本 30.7%

変態系ドンチッチはステップバックじゃなければプルアップの確率が落ちます。なんでだよ。バックコートショットなんかも含まれるので、試合中でいえば気になるレベルの差異ではありませんが、シーズントータルで見ると酷いくらいに普通のプルアップが決まらない。

本数的にもステップバックの方が多いので、基本的な1on1からの3Pは問題ないのでしょうね。あと、キャッチ&3Pが異様に少ないのですが、これは後述するかも。

簡単に言えば「1on1のプルアップ3Pは決まるが、スクリーン利用からのプルアップは確率が悪い」ことになります。頻繁にサーカスショットするので、そんな簡単な話ではないでしょうが、100本くらい3Pみてみたけど、その印象はあるぞ。

またステップバック3Pの確率が良い理由には「センターを引き出しての1on1」というのもあります。下がり目で対処したがるディフェンダー用のプレーであり、距離を詰めて守ってくるスピード系を苦手としている要素でもあります。ステップバックがOKというよりも、ビッグマン相手の駆け引きステップバックがOKなのであって、全体的には

サイズのメリットを生かしたパワープレーと、スピードのメリットを生かしたステップバックの使い分けを明確にしよう。っていうか、ミスマッチ利用のパワープレーを増やそう。

こんな風にも見えてきます。3Pそのものが悪いというよりも、サイズとフィジカルのアドバンテージを生かしたプレーを増やした方がよさそう。ということで、これはスロベニア代表での「コーナーでサボってたり、ローポストアタックで作ったり」という傾向にも繋がってきます。マブスよりもスロベニアでのプレーの方がよいチョイスにみえるのは、ここかもしれない。

日本との試合でも渡邊雄太相手にポストアップしていたよね。NBAだと違うプレーから入るのに、スロベニアだとポストアップから始める印象があります。もっとポストアップしようぜドンチッチ。

〇ポストアップ
回数 3.6
得点 4.0
FG 54.7%

しかし、実はドンチッチのポストアップはリーグで5番目に多い。つまりNBAが少なすぎるとも言えます。NBAにアジャストしているドンチッチですが、ここではアジャストしない方がいいかも。ただし、FG成功率も落ちており、これはこれで悩ましい部分はあります。

ドンチッチ ~スロベニアとマブスとヤング~” への1件のフィードバック

  1. ドンチッチとカイリーの関係性はどうお考えですか?
    ドンチッチがサボっててもカイリーにやらせておけばそれなりに繋いでくれるとは思うのですが。
    ディフェンスで耐えるみたいなのは期待できないでしょうけど。

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