ブルズさん、補強はいいの?

◎弱点

まずはエースコンビのスタッツを確認です。

〇デローザン
24.5点
5.1アシスト
2.1ターンオーバー
TS59.2%

〇ラビーン
24.8点
4.2アシスト
2.5ターンオーバー
TS60.7%

ともにスコアラータイプですが、得点だけでなくアシスト仕事もこなしています。デローザンはアシスト/ターンオーバーもよく、ラビーンはこのタイプにしては少しターンオーバーが多いかな。少しだけね。

TSは60%前後とエースキャラとしては及第点。デローザンはミドルの王者として神確率の選手なので、もう少し欲しかったところですが、キャリア全体を見てもここが限界点にも思えます。得点効率の高い選手じゃない代わりに、FG成功率が高いからカウンターのリスクを抑えている・・・ということにしておこう。

〇ブルズ
得点 113.1(22位)
TS 58.7%(12位)
オフェンスレーティング 112.8(24位)

チーム全体でみるとTSはリーグ中位ながら、レーティングも得点も不足しています。TSそのものをエース2人が引き上げており、周囲が続かなかったという見方もできるし、「シュート効率は良いけれどミスが多い」という見方も出来ます。

ただし、ターンオーバー数・率はいずれもリーグ8位と少なく、数字の上ではミスは抑えられています。つまりブルズは

エース2人のTSは悪くないし、チーム全体でもリーグの真ん中より上で、ターンオーバーも少ないが、オフェンス力はない

というなかなか理解しにくい状況になります。ただし、その理由もはっきりしており、オフェンスリバウンドの弱さにあります。

〇オフェンスリバウンド率 23.6%(28位)
〇セカンドチャンスポイント 10.6(30位)

10年前のリーグ平均得点は98.1点でしたが、それが今や114.7点まで増えており、激動のオフェンス時代になったわけですが、当初は3P増によるEFG(TS)アップに各チームが取り組んでいた中、ここ3年くらいのトレンドは「オフェンスリバウンド増」にありました。これ以上3P成功率を上げるのが難しいならば、セカンドチャンスに活路を見出したわけです。

その流れに完全に出遅れているブルズ。ただし、ここには1年前にドラモンドの補強という形でテコ入れをしました。その成果が出ていないってことでもあります。

〇ドラモンド
12.7分
2.1オフェンスリバウンド
4.6ディフェンスリバウンド

しかし、ドラモンドはドラモンドでした。13分足らずのプレータイムでリーグ55位のリバウンド数でした。JJJやブルック、アーロン・ゴードンと同じくらいの数字です。30分のプレータイムを与えればリバウンド王がとれそうです。

ブーチェビッチはオフェンスリバウンドに強いタイプではありませんが、リバウンドそのものは11.0本を奪っており、ここに責任を求めるのは難しいものがあります。ただ、ドラモンドの活用をはじめとしたセカンドチャンス増を戦略に組み込まないとオフェンス力アップは難しいものがあります。

その点でサンズで1.8オフェンスリバウンドを記録したクレイグの加入はポジティブです。クレイグ1人で劇的に増えるってことはありませんが、シュートミスの回収率を上げないとオフェンス力の向上は見えてきません。

〇2ndチャンス下位とレーティング
ブルズ 10.6点 112.8
マブス 10.9点 115.9
ネッツ 11.0点 114.6
シクサーズ 11.3点 117.0

一方でセカンドチャンスが少ないチームが必ずしもオフェンス力が低いかといえば、決してそんなことはありません。むしろ「シュートが決まるからセカンドチャンスが少ない」傾向もあり、ブルズは浮いている存在です。

〇TS%
シクサーズ 60.8%(2位)
マブス   59.9%(6位)
ネッツ   59.8%(7位)
ブルズ   58.7%(12位)

ブルズはセカンドチャンスが最下位なので明確な弱点になっていますが、他のチームを見てみるとオフェンスリバウンドにエナジーを注がない代わりにTSを向上させる手法もあり、ブルズはその路線から外れています。だってハードワーカー集めているんだもん。

ハードワーカーを集めている割にセカンドチャンスが弱すぎる
TS%を引き上げるシューターが必要だ

どちらでもいいのですが、どちらでもないのがブルズってことになります。そもそもハードワーカーを集めているはずが、リバウンドに対して弱いってのは設計不良にも見えるし、ガードを集め過ぎっていうことでもあります。かといってガードが多いのに3Pは少ないし。

デローザン・ラビーン・ブーチェの3人を主役にする中で、それぞれが60%前後のTSを誇っていますが、周囲を固めるロールプレイヤーたちはエースよりも成功率が低く、シューター的な選手が不在です。

「このままでいいのか」「補強といえるのか」と感じるのは、こういう部分でしょう。マジでクレイグがセカンドチャンスを増やしまくってくれないと弱点を弱点のまま放置していることになります。せめて3Pの仕事人でも連れてきていれば『補強』にはなっていたのですが。

ブルズさん、補強はいいの?” への7件のフィードバック

  1. パトリックウィリアムス、カルーソ、ホワイト辺りはずっとオフェンスでの役割に迷っていたような昨シーズンという印象でしたが、やはり数字にも出ているのですね。

    特にラビーン始動時の周りのボールウォッチャーっぷりの印象はかなり悪かったです。

    今年はデローザン最終年ということもあり、快進撃でもしない限りシーズン途中の解体が濃厚かとは思いますが、その時にはデローザンのパス能力が生かされるチームに出して欲しいと感じます。

    1. ロンゾは試合に出てくれればプレーは良いのですが今季も20Mのサラリーで全休なんですよね、、これも仕掛けるタイミングを難しくしてますよね。誰が入ってもチームが変わってない。一瞬ドスンムにPG仕込んでる雰囲気とかもありましたがロンゾの帰ってくる席をちゃんと開けてるという感じ。これならトレードで来年のキャップ開けてデローザンのFA年に動いて欲しいけどDPE使ってるんだよなあ。
      監督もユーティリティ的な選手をユーティリティに使わないというか。だからべバリーみたいなタイプがありがたいのかと。

      1. ホワイトとパトリックの使い方も中途半端ですし、ロンゾ待ちの匂いが強いです。
        しかも、これならマルカネンでよかったんじゃないかってのもあるし、チームは難しい。

        セオリー通りではあるんですけど、セオリーじゃ勝ちきれないし。

    2. デローザンはどこに行くのがいいんでしょうね。
      サンズがビールじゃなくてデローザン取った方が面白そうでしたが、途中から加えるには特殊なんですよね。
      ブルズとしても指名権を求めるのか、ラビーン中心に見直すのか、割と難しそうです。

  2. ハードワーカーは良い事だけどそれだけじゃ駄目だよという典型になってしまったチームですね。HCのストロングスタイルとチーム作りの根幹が合致してるのかテコ入れも難しいという……西ブル然りナビみたくハード+αを持ってる選手を連れてくる気配も無く緩やかに落ちていくのが見ていて辛いです

    1. 意外と主力がケガすると変化したりしますから、ネガティブだけど、そんなことを待つのかも。
      ラビーンやデローザンが怪我したら、攻撃力欲しくてホワイトPGでいろいろ変わるかもしれないし
      ブーチェがケガならドラモンドがゴール下担当になって、変化するかもしれません。
      奇跡を待っている感じですが。

  3. ブーチェ含め主役たちの連動性の低さも気になります

    すべてロンゾの怪我のせいにするつもりなんですかねぇ

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