<b。疲労>
日本の目指す激しいボールプレッシャーや、ディナイディフェンスは、毎回のポゼッション で大きくエネルギーを消耗するため、プレータイム (以下、PT) のコントロールが必要不可欠 なディフェンスシステムである。
レポートでは明言こそ避けているものの、ほぼ「疲労」を原因としています。それは間違いない話であり、八村と渡邊はフルタイムに近いプレータイムでした。スロベニア戦に頑張る必要なかったのにね。
そしてこれは「2Q後半に失速」の理由としても納得できます。結局のところ、攻守に八村と渡邊に頼り切っていただけで、他の要素は小さかったんだじゃないかな。
またドンチッチがディフェンスは楽しているのに、渡邊はドンチッチ対応するので攻守に大変だったとも触れられています。ただ、ここについては次回で違う話も出てきます。なお八村も「PnR対応でディフェンスも忙しい」とされていますが、それはどこのビッグマンも同じでしょ。
<c。習慣化>
チームとしてスタートして以来、29日間の練習を行い、合計で 7 時間26分のディフェンスの練習に取り組んだ。
しかしながら、チームへの合流が遅れた八村、馬場は 8回の練習に参加し、ディフェンス練習はわずか 30 分だけであった。
いや、30分って・・・。ってことで、疲労もあるけど、そもそも戦術熟成は出来ていなかっただけな感じです。だからやっぱり八村と渡邊頼みだし、「スペイン戦がたまたま」なほうがしっくりきます。しきりにスペインを止めたことを評価しているレポートなのですが、元気だからプレッシャーが強められたという方が近く、チームじゃなくて個人の成果な匂いです。馬場なんだけどね。
レポートの意義そのものを覆す練習時間だった
これは別にテクニカルスタッフの責任ではありません。ただ、八村と馬場がどれだけディフェンスを間違えたかは示す必要があった気がします。そんな個人を責めることを書けないので仕方がないとも思います。
10 ) ゾーンディフェンス
ラマス HC 就任以降、日本は継続的にゾーンディフェンス (以下、ゾーン) に取り組んでいる。ベーシックな 2-3 ゾーンで、細かいマッチアップの仕方などのルールは存在するが、マッチアップゾーンではなく、一般的なエリアを守るタイプのゾーンであると考えてよい。
2019W杯では全体のディフェンスポゼッションの 18.9 %のポゼッションでゾーンを選択したが、今大会の使用率は 7.2 %となった。
最後にゾーンですが、殆ど使いませんでした。WCではファジーカスがいたので仕方ない面もあったね。使わないのはいいのですが、強化試合でゾーンしまくっていたので、こちらも違和感たっぷりです。
なんだか、ここでも練習時間30分問題が見え隠れしますね。それでも八村を下げることは出来なかったわけでして、ラマスも「パリでも同じだろうから、次の仕事を探させてくれ」だったのかなー。
◎ディフェンスまとめ
最後の「練習時間30分」が全ての伏線回収というか、それまでの論理を台無しにした感もありますが、総合的に感じたこと書きましょう。
八村と渡邊がフルタイム近く出場しており、平均身長ほどの高さの不利はなかった
チームの平均身長で見るとヤバいけど、203と206のNBAウイングがコートに立っていたのだから、そこの不利は小さいよね。7フッターはいなかったし、トビーあたりには苦労したけど、総じて弱みと考えるのは違うかな。
アグレッシブなプレッシャーを目指したが、ターンオーバーの誘発は出来ず、3Pも打たれまくっていた。
アウトサイドのディフェンスには大いに疑問が残る
レポート通りならばスペイン相手には守れたけど、それはガソルがパサーだかららしく、ビッグマンのパスを阻害するのが成功要因でした。いや、ガードのボールムーブを阻害しろよ。
もしも本当に速攻を増やしまくることを目指すならば、ガード陣のスティール能力は「世界レベルで通用する」まで伸ばさなければいけません。それって現実的なのかな?
ガラパゴスなオフェンスが、ディフェンス力が育たない要因
ピック&ロールの件にしろ、フリーのキャッチ&3Pにしろ、日本のオフェンスが出来ない部分が、思いっきりディフェンスの弱点にもなっていました。
代表HCであるラマスやホーバスの問題ではなく、日常的なBリーグの問題に見えます。スピード重視で小さいガードが戦っているのも似たような問題かもね。
そう考えると後任にホーバスを選び、当たり前すぎて笑ってしまうようなプレゼンをしているのも必要な改革なのかもしれません。代表チームが、あの説明レベルの練習をしているはずもなく、日本バスケ全体が変わるためにホーバスが嚙み砕いているのかもね。そうだと信じたい。
ガラパゴス解消のためのホーバス
大学生に分数を教えなければいけない日本の教育界。代表HCが「ゴール下か3Pか」なんて伝えなければいけないJBA。
ラマス HC は、「すべての試合で対等に Compete (コンピート) する」ことを目標として強調した。
1勝が極めて難しいことを実感していたラマスは、どこかに勝つよりも全試合でファイトして、日本のレベルが上がった証拠を見せつけることにしました。それは正しい選択だったと思います。
しかし、八村と渡邊のプレータイムが長すぎ、3試合目のアルゼンチン戦でコンディショニングが落ちたとされる問題は、大きな危険性をはらんでいます。
コンディショニングのピークを間違えた
スペイン戦で全てを使い果たした印象は否めず、あとはトーンダウンしていくだけでした。最も勝てる可能性の高いアルゼンチン戦に照準を合わせたコンディショニングをすべきだったのは、結果論ではありません。
どうみてもアルゼンチンが一番弱かったし、それ以上に八村と馬場の練習時間を考えると、それこそ「大会中に整えていく」必要性もありました。変な話、スペインがもっと突き放してくれればよかった説もある。ルビオのバカ!
前回の冒頭で触れたとおり、トレーナーも「沖縄合宿が10人で厳しかった」「フィリピン、仙台、沖縄、埼玉と移動もかなり多かったため、精神的なストレスはかなり大きかったように見えた。」とコメントしており、JBAとしてのスケジューリングも失敗です。その上で大赤字。
次は来年のWCがありますが、WCの特徴は予選リーグの後に順位決定トーナメントがあることです。
極端な話、予選で1勝して残り全て負けると最下位
予選で全敗して、トーナメント初戦で勝てば16位(24位?)以上です。※何位かは調べてません。
順位だけを求めるならば、大事なのは4試合目か5試合目に勝つことだったりします。(故にWCの順位には大した価値はない)
大会前の準備期間にトレーニングマッチを十分に組むよりも、予選の2試合も含めてチームを完成させる方がメリットがあるんです。不思議だねー。事前のトレーニングマッチも含めて全てを沖縄でやるくらいした方が良さそうです。
問題の本質は違うと思いますが「オフェンスの遂行力を上げる事がディフェンス力の向上にもなる」という下りで何となくディアンジェロの事を思い浮かべました。
シンプルにリバウンドにも行きやすいですしね。
気合と根性で3人オフェンスリバウンドにいけーーーって見えちゃいます。