JBAテクニカルレポート オフェンス編

7 ) 3 ポイントシュート

今大会では 、3 pt 成功率は 29%から、大会第 7 位の34.5% にまで飛躍的に向上
また試投数に関しても、平均 19本 から 28.3 本まで上昇し、3 pt の価値を重視した現代的なバスケットボールのスタンダードに確実に近づいた

改善した3Pですが、スポットシュートとムービングシュートの確率が非常に悪く、逆に何で改善したのかよくわかりません。富樫がアルゼンチン戦で好調だったのと、八村&渡邊ってだけにもみえます。

速攻も、フリースローも、ペイント内も、3Pも。八村&渡邊なので、もはやチームコンセプトなのか謎です。

これは後ほど(次回だったかな)出てくるのですが、3試合目になるとイージーなキャッチ&3Pも決まらなくなりました。疲労なんですけどね。

2Pも合わせたキャッチ&シュートの比較表です。日本は本数が少ないイメージですが、意外と普通でした。確かに確率の悪さが目立ちますが、それよりも問題なのは他国に比べてEFGとFGの差が小さい・・・つまり、3Pの割合が少ないって事です。にもかかわらず成功率低いのかい。

基本的にキャッチ&シュートなんて8割以上が3Pでいいはず。うまくキックアウト出来ていない印象そのまんまでした。3P42.7%でいいのに、EFGが42.7%だからね。この点はアジアカップの終盤から急激に改善し始めています。

5位スペインのEFG55%とも10%以上の差があるので、得点力における極めて大きな課題です。で、これを「シュート力」と結論付けているのですが、それは間違いないけど、そもそも3Pを打っていないことを嘆かないとさ。

いや、嘆いてはいるんだけどさ。ここの改善ってシュート力とは関係ないよね。これの反省をどう生かすのかは「プレーメイク」であり、「インサイドのプレーメイカー」や「キックアウト」なんだけどさ。それは触れられていない。

“ ロング 2 ” が必ずしも非効率ということではなく、プレーヤーの特性を見極めながら戦術的にアジャストする必要もあるだろう。実際、 “ ロング2 ”を 64.7% の高確率で決めたスペインは、期待値で 3 pt を上回っている。大半は日本戦でも大活躍したスペインのリッキー・ルビオが決めたものであるが、彼は大会ベスト 5 に選ばれている。
これは選手の特性を見事に活かした好例である。

爆笑。ルビオの特性はロング2Pらしいですぜ。

9 ) ターンオーバー

平均 10.7 回と 2019W杯から大きく向上し、大会参加国中で 3 番目に少ない数字となった。またオフェンスポゼッションにおける TO% においても、11.6% で同じく 3 位、2019W杯の 15.8% から大幅にTO を減らすことに成功した

これはシンプルに素晴らしいよね。ミスが劇的に減った。だから多少のショート力不足はカバーできた。ただ単に不足部分が大きすぎただけだ。

で、そのターンオーバーは1/3が速攻からでした。うーん、苦しいな。やっぱりスローダウンしてハーフコートでも攻められる改善を目指す方が即効性もある気がしてしまう。

以上のことから、今大会においては「ボールを運ぶ段階や、エントリーでのプレッシャーに対する TO はなかったが、効率のよいシュートをクリエイトし、確率よくシュートを沈めることができなかった」と考えることができる。

意外とプレッシャーディフェンスに負けなかったのは素晴らしいぜ。ラマスになって取り組んできたことが、少なくとも実を結んだスタッツでした。まぁ逆に必殺アルバルクアタックもなくなり、ボールムーブしないからミスしないだけだったかもね。

サイズのある田中がPGになったことで、プレッシャーを受けにくくなったことも触れられており、総じて狙い通りの結果だった気がします。ビッグPGは大事。

10 ) エクスキューション力とアジャスト力

ラマス HC のオフェンスコンセプトの一つは、アドバンススタッツを参考にしながら、「プレーヤーの特性を活かしたオフェンス」を取り入れることであった。

練習ではアーリーオフェンスのシステム練習に長い時間をかけたが、ハーフコートオフェンスにおいてもクイックプレーなどを入れて、15個のセットオフェンスを用意した。

それぞれのセットオフェンスの目的は明確化され
“ PNR (ポップ)”
“ 八村用のプレー ”
“ 渡邊用のプレー ”
“ シュータープレー (主に金丸用) ”
と分類されていた。その他にも、オフェンスリバウンド後などにガードがそのまま PNR をするシリーズがあった。

「主に金丸用」だと!

結果である。なんと渡邊用が2回しか使用されず、金丸は5回あったけど、結果の数値がよくわからん。スコラおじさんを振り切れずにシュートに行けなかったのは、よく覚えている。

“ Thumb Up ” (明確にコールされずに同じアライメントからランダムにプレーされたものを含む) は27回プレー

ということで、エクスキューション力(遂行力)の低さが伺えます。準備してきたはずのプレーに偏りが大きく、やりやすい方向に逃げてしまった感じです。ゲームメイクのないWindow3の印象が思い出されます。

ここから八村用のプレーに対する各国の対処が書かれています。一部抜粋なので、正しい表記にはなりません。なので、本気で知りたい人は、そのうちアップされるかもしれない動画をみましょう。

<スペイン> ディフェンスの名手、ビクトル・クラベールがスクリーンに対してファイトし、タフな 1 on 1 に持ち込む。八村にはしっかりコンタクトし、スクリーンはスライドスルーで対応してきた。 → キャッチ&シュートは打てず、1 on 1、パスを出してのランダムでのピック&ポップに追い 込まれた。

クラベルってディフェンスの名手なんだ。へー。

<スロベニア> 試合開始後、初めての当該プレーでは対策していたディフェ ンスができず、八村はキャッチ&シュートで 3 pt を決めた。
→ 結果的にプランどおり (意図した形) でのショットは 1 回だ けだったが、八村が難しいロング 2 と、1 on 1 からのフェ イドアウェーを決めたことで、6 ポゼッションで 3 回のス コアに成功した。

失敗したけど八村が決めたって感じね。

<アルゼンチン> アルゼンチンに対しては、そもそもプレー機会が 1 回しかなかったが、それ以前に、アルゼ ンチンはエントリー段階で激しいディナイを行い、4 回のパスを防ぐなどして、日本のプレー を組み立てさせないようにした。 → 結果的にダウンスクリーンまで行けなかったが、渡邊の 1 on 1 でスコアした。

まぁこんな感じで複数のプレーについて解説されているのですが、多くのケースにおいて「上手く守られた」って感じが多いです。対策負けしており、プレーチョイスの失敗なのかもしれません。

ただし、ターンオーバーはしなかったということで、誉めていいのかもしれません。ムズカシイネ。

11 ) アウトオブバウンズについての考察

「酷い」以外の感想がありません。完全な作戦ミスです。これは120%ラマスが悪い。

スロベニアのサイドラインからのPPP1.3ってヤバくないか!?

次はピック&ロールについて

JBAテクニカルレポート オフェンス編” への5件のフィードバック

  1. 戦術を変えてもラマスの時と問題点がたいして変わってないような…
    オーストラリア戦のゾーンオフェンス、ドライブからターンアラウンドパスミスだけは見たく無かったです。

    1. 問題点は戦術ではない部分ってことでしょうけど、それは短期間では改善しないのも事実です。

      むしろ減っていたターンオーバーが復活し、それに見合う対価を得ているのかどうかですね。今のところ、得ていないと思ってます。

  2. 渡邊のコールプレーが2回…まじか笑
    W杯の時と比べて渡邊のハンドラーアタック(ラマス「ユータ、ドライブドライブ」)が極端に減ったのは残念だったなぁ(その代わりDFに力割けたとは言える)

    1. ビックリですよね。事前のトレーニングマッチは渡邊ばかりだったのに。
      次回に出てきますが、これがオリンピック時の最大の問題でした。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA