「ファイナルが見えている」とインタビューで語ってしまった選手達。それは良いことだけど、目の前の試合はどうなのか。エキシビションマッチでも強さを発揮する国内と違って、海外は本番になると強いぞ。男子は。
ベルギーとは対戦しまくっているホーバス・ジャパン。それはこのスタイルを作るのに大事な相手であり、恩人みたいなものですが、それだけあいても 日本の事を知っているわけだ。「知られている相手に通じるのか」なんてことも試されます。
◎走れないスタート
いつも序盤は3P連打出来るのが日本ですが、今日は出来ないぜ。バレバレ。だからオフェンスはイマイチで、とっても辛そうにしている日本。唯一、センターの高田だけが空くけど、そこはもうベルギーも追い切れないってことじゃん。バカみたいに決めていた林はタフな1本しか打てない。
ってことで、オフェンスツラすぎ。そこで頑張ったのは赤穂ひまわりのドライブだったので、前回誉めといてよかった。まともに攻略できるのって赤穂くらい。ただ、ベルギーのセンターがスピードについてこれないので早々に2ファールでベンチへ。
ベルギーのオフェンスは高さというか、インサイドで攻めたそうにしていますが、そこにはカバーが早い。だからパスアウト3Pやミドルが決まるのですが、どうもベルギーもそんなにキックアウト出来ないみたいで、お互いに得点が伸びない1Qでした。
動いたホーバスは高田以外を交代させます。
獲れらていたリバウンドを東藤がカバーし、本橋がプルアップ3Pを打っていくと、ちょっと流れが変わるというか、やっぱり町田と本橋の方が違いがハッキリしてベルギーが守りにくそうにします。
まぁ守りにくそうなだけで、そんなに決められるわけじゃないし、ちょっと連携の悪いメンバーになってしまった。スターターを長岡と宮澤で入れ替えた事でベンチメンバーの3Pが足りない。だからさらに高田→オコエ。すげーな1Qで10人が出て来るぜ。
1Qは19-16。ちょっとばかり交代メンバーで差をつけたことで得たリードでした。3P打ちまくれない戦いに持ち込まれているので、やっぱり対策すればそこそこなんとかなるわな。だから他の攻撃手段が必要にみえるのでした。
◎コーナー空くよね
日本はスターターを戻したことですぐに林の3Pになります。交代が効いたホーバス。でもトランジションでカウンターされてしまったから、ベルギーも成功。日本はプレッシャーかけるし走るけど、だからこそベルギーにもカウンターのチャンスもあるよね。
ベルギーはハーフコートが厳しい。日本はピックに対してダブルチームに行くんだけど、そこからパスが出るのが遅いベルギー。だから止めきれています。
んー、でもやっぱり日本のオフェンスは苦しい。要は「町田ってこういるPGでしょ」がバレているから、パスを出すタイミングが抑えられている感じ。苦しそうだな―と思っていたらオフェンスリバウンドから良いパスを出して宮澤の3P。こんどはディフェンスリバウンドからのトランジションで宮澤が連続3P。これで12点リードになります。
うん、苦しかったんだけど、アンストラクチャーなら負けない感じの町田。だから日本は走り続けて後半にベルギーに疲れてもらわないといけない。でも日本は疲れてはダメだから、交代も大事。
先に疲れてきたのは日本。というか負けているベルギーがより頑張った感じかな。エースのミースマンがミドルに速攻。トラップに出た日本よりも速くパスが出たことで次々に決まっていきます。
ベルギーのシュートが決まるとトランジションに行けない日本。するとピック&ロールのパスをカットされる町田。読まれているぜ。だから試合が止まり始めるとベルギーペースとなり、さらに3Pも決まって2点差に。
「3Pに頼っている」というよりは単にマークされている。マークされたら打てない。ただそれだけの日本。ってことで再び本橋にスイッチし、さっそくドライブです。さらに東藤が3Pをブロックすると、トランジションから本橋が3P。うーん、マジで前回誉めといてよかった。
これで一気に行きたかったけど、トラップディフェンスがやりすぎの日本。ベルギーがパスを回して3P連発で再び1点差に。これで止まらず、明らかに置いて行かれた高田で逆転されます。3P打ちたい日本が打たれまくっているっていうね。トラップやりすぎた。
「やりすぎた」のか「ベルギーが慣れているのか」
後者なきがする。きれいにボール回しているもんな。日本はボールマンをちゃんと止めないとかなり苦しい。コーナーが空くことがわかりきっているようなベルギー。
戻ってきた林がタフ3Pをヒット。これで逆転するんだけど、やっぱりボール回されて逆サイドのコーナーから飛び込んだ選手にゴール下ねじ込まれ。バレバレちゃん。
前半は41-42でベルギーが1点リード。
〇3P
日本 7/15
ベルギー7/14
ここで勝てないと苦しいけど、ディフェンスでは「打たせたくない」がハッキリしていて、オフェンスでは「コーナーが空く」がハッキリしているベルギー。ってことでホーバスは戦術変更したいけど、変更するなんて選択肢はないぜ。
◎策が決まらんぜ
赤穂が片手プットバックで得点を奪うも、インサイドに侵入した町田はブロックされ、宮沢も後ろからブロック。逆にベルギーはカウンターから得点し、それもワンパスで町田の頭の上を通すパスで8点差に。
「高さに負けている」ようで「読まれている」ような雰囲気です。頭の上を通すパスは普通は出せないけど「町田だから出せる」と確信しているな。
ノッテきたベルギーは個人技でも加点し、日本は3P打つくらいしかやりようがない。オフェンスパターンが足りないな。さぁどうするホーバス。アーリータイムアウトです。
本橋と東藤を投入。今日は困ったら全部これだな。メフタスを東藤で止め、本橋のプルアップで勝負したい感じ。これで東藤は止めるんだけど、他のところから失点しまくり。ウイングたちが走れなくなっている。13点差。本橋が3Pとドライブで反撃。他は死んでいる。
ホーバスは東藤を下げて町田を投入し、ダブルPGにするけど、面白いように町田を読んでいるベルギー。トラップ仕掛けて町田から出たパスの先で止めきり、そこからカウンターです。幸いシュートミスが増えてきたベルギーで互角なんだけど、ホーバスの打った手が機能していない。
それでも効いていた本橋を下げた後で、町田のアシストから宮澤の3P。読まれていたプレーだけど、ベルギーがマークミスしたのは逃さなかったな。それにしても簡単にツーメンゲームで3P打てるな。ビビるわ。
トラップを辞めた日本はミースマンに個人で決めまくられ、それを高田と町田で取り返し始めます。5点差前後で推移。ここに3Pが絡めばいいんだろうけど、このゲームメイクだとベルギーがミスらない限りはムリっぽい。
ラスト1分。ボーナススローを与え、ドライブで抜け切られた日本。対してゴール下で頑張った赤穂は4人に囲まれ苦しい。最後も町田が打ち切れない感じのドライブになったけど、ベルギーがファールしてくれて、なんとか7点差で3Qが終わります。
とにかくトラップ系統が通用していないので、リスクを避けた守り方しかできない日本。その守り方はミースマンというエースの差で徐々に押されてしまう。あと1Qと違ってベンチメンバーを使うのを躊躇ってしまったホーバス。
◎なんで決まるんだろ
4Qもスターターにしているホーバス。それだとベルギーはやりやすいぜ。もう日本がそれぞれどんな選手かバレバレなんだよね。マンツーで守り切れると踏まれている。そして「ミースマンは勝てる」とも踏んでいるから、どうにもならん日本。
そこで再びトラップ色を強める日本。ベルギーが1人ケガしたので、ちょっと流れが変わります。そのマークチェンジで宮澤へのマークが緩くなって3P連発。ラッキーだな。一気のラッシュで3点差に。
タイムアウトのベルギーに対してトラップの日本。タイムアウトを台無しにさせるのは大事だ。これが成功すると高田がタフ3P決めて同点。すげーな。そういう流れじゃなかったけど、1人けがしたら、突如としてトラップが効き始めたのはなんなんだろ。そして3Pが決まりまくるな。ベルギーも決まるな。
うーん、これが女子の試合なのか。よくわかんないな。なんでシュートは決まるんだろ。オフェンスは苦しくても3Pだけは関係ない。
ベルギーはPGを交代させるのですが、この選手が町田にスピードでぶち抜かれ続けます。しかもトラップにも引っかかってくれる。ミースマンでリードを得たベルギーですが、町田をファールで止めたのがアンスポになってフリースロー2本。そして赤穂がドライブで同点。
残り1分半。ベルギーはトラップに来る日本にたいしてゴール下にカットしてリード。日本は町田のドライブに高田がエンドラインカットして同点。
ベルギーのドライブが外れるもオフェンスリバウンドがミースマン。ファールで止めた日本。残り40秒。スローインからスロワーがギブ&ゴーでフリーになる本日2回目のプレー。マジで守り方がバレバレなんだよな。ファールして2点差。
ノータイムアウトのホーバス。林を動かすけど元論打てはしない。ところがワンフェイクに見事に引っかかったベルギー。試合終盤で焦ったな。これを林は落ち着いて決めて残り15秒で1点リードに。すげーな。
タイムアウトのベルギー。バックコートを選択し、スピードでぶっちぎりたそうな雰囲気だったけど、普通にハーフコートになってしまったベルギー。これで組み立てる時間が足りなくて、なんかよくわからんシュートを打って外れたのでした。
◎んー、難しい
これ、なんで勝てたんだろ?
普通にベルギーが4Qを10点リードくらいで突き進みそうだったのに、突然、日本の3Pが決まって追いついた。まぁそれは「日本が頑張った」でいいんだよね。
ただ、ベルギーはそれまで楽に突破していたトラップに引っかかり始めました。これがよくわかんないし、その先にあったミースマンに打たせるパターンも何故か消えた。ポジティブに言えば「チェンジングディフェンスが効いた」なんだけど、うん、まぁそれでいいか。
日本は交代しなくなったけど、最後まで持って、ベルギーはわざわざPGを交代させてスピード負けした。いかん、わからん。「頑張った」でいいか。まぁ最後はそんなもんか。「自信」ってことで。
強いて言うなら最後の林の3Pに対して「ブロックに飛んでしまった」ベルギーの焦りと、「ワンフェイクから決めきった」林のメンタリティの差だね。これについては確実に差があった。ベルギーは勝っていたし、そこまで林の3Pはチェックしていれば外れていたし。わざわざとび意味はなかったんだけど、何故か飛んでしまった。
そんなわけで苦しい試合を勝ち切った日本が準決勝です。最後の勝ち方的には純粋に「個人能力の差」なんだよね。だから、それは男子には出来ないってのは同じだ。ガード同士のマッチアップをスピードで制し、タフ3Pを決めきった。
〇3P
日本 42%
ベルギー 48%
シューティングが異常なハイレベルでしたが、最後はフェイクに飛んでしまったことが勝負を分けたのでした。
いつも楽しく拝見してます。
これでベルギー負けるのかって感じでしたね。
ベルギーの選手も最後の最後でバタバタして一気に負けにして
まさかって顔してたし。
あと結構不思議なつぶし合いで結局ベスト4はアメリカ、セルビア、フランス、日本で予選のグループ分けはなんだったんだっていう。
ナイジェリアは不運でしたねぇ。。
こんばんは楽しく拝見してます^_^
昨夜はベルギーの手のひらからこぼれ落ちたような勝利。女子頑張りましたね。
赤穂や東藤、本橋の良さはまさにご指摘の通り。特に赤穂はこのチームにおいて変えが効かないオールラウンダー。
男子だと中々無い展開もやはり女子特有。相手ガードを打ち抜くスピードも異常系シューターも男子にはないですよね。だから4強。武器ですね。
女子バスケの奮闘この後め応援します!分析楽しみにしてますね!