マレー&MPJを思い出そう

◎カリー型PG

ドライブからのキックアウトパスをはじめとした展開力には課題のあるジャマール・マレーは「現代型PG」ではない一方で、高いシュート力とギブ&ゴーを活用したオフボールなど、割と「カリーっぽいPG」です。今はカリーのほうがハンドラープレーを増やしたので、向こうから近づいてきてくれた感もあります。

ヨキッチという相棒がいなければ「展開力に欠けたPG」と評価されていたでしょうが、ヨキッチがいることによって、個人でダムダムすることなくチームオフェンスを誘導するPGとして機能しています。ポイントセンターの良さを引き出せるPGであり、チームとしての強さを発揮しやすいタイプなわけです。

ジャマール・マレーは「勝てるPG」なのか? – NBAのデータ見ながら語ります! (nba-data.work)

タフショットメーカー

しかし、オフボールムーブに優れているといってもMPJと違いハンドラーなので、イージーシュートを生み出すには、よりスピードやフィジカルで勝たないといけないのに、マレーの場合はかなりの変態系フィニッシャーとしてサーカスショットも決めていきます。

こういうハイライトなサーカスショットだけでなく、なかなかにタフなミドルも平然と決めていきます。

〇タイト&ベリータイト 2P
アテンプト 4.7本
成功率   57%

ちょっと普通じゃない高確率です。この確率がガードながら2P52%を達成しているわけです。わかりやすくシュート能力に秀でたマレーですが、オープンでの高確率よりも、タフな状況になっても決めてくれるのが、ショットクロックを使うナゲッツの武器になっており、ディフェンスに阻まれてワイドに展開できなくても、マレーのミドルやヨキッチのソンボルシャッフルで点が取れるという強みを持っています。

ミドルレンジ

マレーがいなかった昨シーズンのナゲッツは、わかりやすくミドルが減りました。ヨキッチの得意ゾーンでありながら減ったわけで、もう1人のエース不在は大きかったです。

〇ミドル
10.3本 → 12.8本
42.4% → 43.2%

チーム最多の2.6アテンプトあったモンテ・モリスが47%決めたので、確率のほうはそんなに下がっていないですけどね。そのモリスを放出したので、マレーがしっかり働かないとミドルレンジの攻略法が減ってしまいます。なお、前年のマレーは4.5本、42%でした。確率はヨキッチ頼みだったな。

ツーメンゲーム

偉大なMVPがいながら、ナゲッツのツーメンゲームはマレー不在により苦しくなりました。「困ったらマレー&ヨキッチでツーメンゲームしておけば鉄板」だったのに、最大の武器がなくなったわけです。なくなっても勝ってしまうからヨキッチは偉大なのか。

〇ピック&ロールハンドラー
14.3回 → 12.5回

ちなみに減ったは減ったのですが、そもそもの14回もリーグ最低の数字です。必殺プレーだけど、大事な場面でしか使わないのが、ナゲッツの良さ。「いろいろやる」チームなので、単純にマレーがパターンを増やしてくれるだけでありがたい。

〇ピック&ロール ロールマン
7.8回 → 8.7回

打って変わってロールマンプレーはリーグ最多です。当たり前か。ハンドラープレーがメインになっている時代において、ハンドラーに引き付ける回数が少なかった昨シーズンです。その結果、ロールマンプレーのEFGは4%ほど下がりました。

ただ、いずれにしてもヨキッチがいるので、試合終盤の重要なシーンはヨキッチが何とかしていました。マレーが復帰しても、マレーが決めきれないと、「ヨキッチ任せでよかったじゃん」となり、ナゲッツの勝率は下がってしまうでしょう。

プレーオフで勝つためにはヨキッチだけじゃダメなので、マレーでも勝負するわけですが、どこまで決めきれるかね。

プルアップ3P

プレーオフでの唯一の勝利はボーンズがプルアップ3Pを決めまくって生み出されましたが、緊迫してくるほど個人技の重要性は高まります。ハンドラーが決めきるプルアップ3Pはマレー不在によりナゲッツが困った部分でした。

〇ナゲッツのプルアップ3P
アテンプト  8.7本 → 8.5本
成功率   33.4% → 31.8%

見た目としては成功率が下がった程度ですが、20-21シーズンはチームのアテンプトの半分くらいがマレーだったので、中核を失った形です。ボーンズとハワードが助けてくれた部分がありますが、新シーズンはバートンがいなくなるので、やっぱりマレーが大事です。

〇マレーのプルアップ3P
アテンプト 4.0本
成功率  39.1%

わかりやすいスタッツです。チームハイのアテンプトなのに、チームハイの成功率だったマレーなので、ナゲッツが1年間失っていた武器が戻ってくることになります。総じて「ヨキッチを囮にしてのシュート」が足りていなかった昨シーズンでしたが、マレーにはここを補ってもらう必要があります。

マレーとMPJの役割 → → →

マレー&MPJを思い出そう” への2件のフィードバック

  1. 記事ありがとうございます。

    もともとヨキッチの居るところにマレー、MPJの高確率コンビが帰ってくるのは非常に期待しております。

    またブルブラとヨキッチとの化学反応も期待しているのですが、管理人さんとしてはこの2人はどのようにプレーするのがベストでしょうか?

    1. ブルースとヨキッチは別に使うのが良いのかなと思っています。
      便利なブルースですが、それはヨキッチと同じなので、フル活用するならヨキッチの控えで。

      それとは別にエースキラー役を任せる時間もありますが、KCPもいますしね

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