プレーオフ②ヒートvsシクサーズ

ゲーム5

エンビードがいるとか、いないとかじゃなくて「3Pがはいるか、はいらないか」というシクサーズ事情がデカかったゲーム3までの戦いを経て、今度はヒートの方が「3Pが決まらない」問題になるっていうね。なんでだよ。

昨日のセルツはマシューズに困っていたテイタムだったけど、ヤニス(ブルック)がペイント内を固めているから、スクリーンで剥がせばショーディフェンスもなく、3P打っていきました。でもって外した。

ヒートも同じ状況であり、ヤニスと違ってスピードの脅威がないエンビードなので打ち放題。でも決まらない。決まらないと益々決まらないのか。この試合も3P打っては外していきます。ラウリーからヴィンセントになってマシかと思ったら、ここも決まらない。

初めて決めたのはスクリーンをかけられたハーデンに追う気がゼロで、もちろんエンビードはスイッチする気がゼロなので、楽に打てたバトラー。そこからバトラーがドライブで点を取って先手です。

ヒートがやっていることは何も変わらないのでシクサーズについて触れていこう。

◎ゲームメイク

ダニー・グリーンのドライブからトバイアスのコーナー3Pという珍しいプレーがでたシクサーズですが、相変わらずエンビードがいるとマキシーもトバイアスもドライブすることが出来ません。外に3人シューターが待っているだけのハーフコートオフェンス。エンビード問題。

でも、ここで気になるのはエンビードよりもハーデンです。だって、エンビードがいない時はあんなに見事にゲームメイクしていたのに、なんでそれが出来ないんだい。ハーデンにとってもエンビードがジャマなのかもしれませんが、だったら、もっとエンビードとのツーメンゲームしなよ。そこからのキックアウトなりなんなりがあるじゃん。

言い訳はいくらでもあります。トップからハイポスト近辺にエンビードが滞留しているから、ポジションチェンジが起きず、シューター対応になってしまう事。さらに元々シクサーズはオフボールでアクションしないから、ハーデンも自分で仕掛けないとボールシェアにならないし、仕掛ける所にエンビードがジャマしている。

ん-ー、でもさ。そういうのを含めて「ハーデンならエンビードよりも強い影響力を出せる」と思っていたじゃん。っていうか、ハーデン来てから明らかにエンビードが改善していたんだよね。ここにきて滞留しないでよ。

はい。そんなこと思っていたら、ハーデンがドライブで追い上げます。変な話だけど、エンビードがいない時は「マキシーとトバイアスにやらせるゲームメイク」になって、エンビードがいると「エンビードにやらせるか、自分でアタックするゲームメイク」なんです。誰かハーデン先生に、各プレーのお気持ちを聞いてきてよ。

ストゥースの3Pが決まったこともあって、ゾーンにしたシクサーズ。ずっとゾーンでもいいくらいなんだけど、そうさせないのはヒートの3Pが外れているからだ。

このゾーンからシクサーズはトランジションが増えます。エンビードが動く範囲が狭くなり、リバウンドを取るとともに、周囲もゴール下カバーにいかないので走り出しやすい。そしてトバイアスが3連続でシュートを打ちます。ゾーンにしたらトバイアスが目立ち始めた。ドライブダンクに3Pで追い上げます。

ところが、そんな感じの運動量の少ないゾーンだからアウトサイドまで追いかけられるはずもなく、タッカーのコーナー3P、ストゥースの3Pが決まります。でも、この方が可能性ありそうだし、続ければいいんだけど、決められたからマンツーに戻していました。31-19でヒートがリードする1Qです。31点が多いのか、19点が少ないのか、その評価によってマンツーかゾーンか判断が変わりそうです。

◎ディフェンス変更

何度も言うけど、エンビードがいない時こそハーデンのゲームメイクが必要なのに、マキシーPGにしてしまうリバース。意図のない個人技アタックの組み合わせになってしまいます。それをケイレブとオラディポのカバーディフェンスが次々とドライブを消し、そしてアデバヨのバレーボールアタックで止めていくヒート。

さらにヒーローからアデバヨのアリウープ、アデバヨのコーストtoコーストからのファールドロー。ドライブレイアップで一気にリードを広げます。エンビードに対してデッドモンでガマンしていた1Qのヒートの勝ちだね。そもそもデッドモンの方がエンビード向きってのもあるけど。

なお、1Qラストプレーで出てきただけと思いきや、2Qもダンカン・ロビンソンが出ているぞ。ダンカンもエンビード相手のムービング3Pが向いているのになぁ。特に何もしなかったダンカン。

タイムアウトのリバースは「ボールムーブメント」を指示しますが、あけたらケイレブとオラディポが前を守るゾーンになっていて、殆どボールが回りません。でもミルトンがドライブを決めた。リードもゴール下で頑張ってアデバヨからファールドロー。逆にドライブ&パスで鮮やかにボールが動くヒート。でも、シュートが決まらん。

タイムアウトで一息入れると、オラディポがあっさりとヒット。さらにダンカンも狙いますが決まらず。そしてベンチへ下がるよ。

リバウンドを取ったエンビード。そこにデッドモンが絡むと手が目に入ったので倒れるエンビード。しかし、ノーコールなのでルーズボールを拾ったオラディポがゴール下。当然クレームするリバースがインバウンド中にコートに侵入してテクニカル。気持ちはわかるんだけど、タイムアウトとれや。あと、リプレーを見るとデッドモンはボールを押しているんだよね。

バトラーがエンドラインのスローインを走りこんできたオラディポにいれると、ワンツーの形でバトラーに戻ってきて&ワン。クレームするダニーですが、そもそもオラディポもバトラーも両方空いているというシクサーズのミスです。今度は逆にバトラーからオラディポへの合わせで17点差に広がります。

どうしたことかスイッチが増えるシクサーズ。そんな指示出ているようには見えなかったので、ディフェンスオプションとして用意していたのかな。それがマークミスを生み出しています。ただ、選手が交差する間際にマキシーのスティールが出たりと、悪いことばかりじゃないぜ。

ただ、明確にバトラーvsエンビードが増えます。それを攻めないバトラーなんだけど、ゴール下にエンビードがいなくなるので、オラディポやアデバヨのインサイドが目立ち始めます。これってヒートの作戦にも見えるけど、守り方が変更されている結果論にも見えるね。

そしてアデバヨとバトラーのところでスイッチさせておいて、vsエンビードにして・・・なぜか逆サイドのコーナーで空いているタッカーの3Pです。マークしていなかったのはハーデン。カバーポジションといえばそれまでですが、スイッチしてフリーを作らないことにしたのに、思いっきり空いているじゃん。

そのハーデンがチームメイトをどけて1on2なのに、個人技で仕掛けてステップバック3Pを決めます。おぉ珍しくロケッツっぽい。同じようにした2本目はミス。外した時にリバウンド取ってくれるならロケッツだけど。あぁタッカーが欲しい。

前半は56-44と12点差で終わります。ヒートがよかったというよりもFG38%のシクサーズが点を取れなかった前半でした。やっぱりゾーンからカウンター狙った方が良かったんじゃないの。

◎アデバヨとデッドモン

エンビードのミドルで始まる後半。そういえばエンビードって「ケガ明け」のイメージだけど運動量には関係ないよね。視界がアレでシュート決めにくいとか、集中力が・・・はないか、脳震盪はプロトコルクリアしているはずだもんね。

そう考えると、プレーに顔を出す機会が少なくて、実はかなりの部分をアデバヨに止められている気もしてきます。ゲーム3まではタッカーがエンビードのフロントを守って、周囲がカバーする形が多く、裏パスの精度とポジショニングの戦いでしたが、このゲーム5はシンプルにアデバヨが1on1で守っています。ミドルは打たれているけど、ファールも少なく、抑え込んでいる。

今シーズンのエンビードは体が絞られており、1つひとつの動作が早くなってきました。1つの動きから次の動きまでのダラダラ感がなくなってきた。とはいえ、そもそも運動量と体のキレならアデバヨの方が上だよね。みんなその前提で見ている。そして気が付いたら、アデバヨの方がかなり体が分厚いじゃん。ってことで、全くパワー負けしないアデバヨ。高さ以外はなんてことはない感じに守っています。

ということで、インサイドが封じ込まれ気味のシクサーズ。ハーデンがステップバック3P決めているけど、インサイドはエンビードが全くポジションを取れず、追い上げムードになりません。どっちかというとシクサーズの方が「アデバヨを引き出せ」になってきました。そのままエンビード対応されるとどうにもならない。

でも、そんな頭を使ったプレー構築が出来るわけじゃないシクサーズ。しかもハーデンがドリブルを自分の足に当てるわ、フリースロー外すわ。気が付いたら20点差に広がっています。開始9分で9点しか取れていないんだもん。ヒートがディフェンスでリードを広げていただけの3Q。

アデバヨが下がるとビビっているデッドモンが、無謀な飛び出しでファールしたり、ディフェンス3秒したり、普通に抜かれて&ワンになったり。嫌がらせはされるけど、急激に楽になったエンビードが取り返します。

それをヒーローが突き放しに行きます。長めのフローターを決めれば、&ワンも成立させ・・・で、またデッドモンがディフェンス3秒ですけどね。エンビードにオフェンスリバウンドをねじ込まれるし、1Qと違って耐えられないデッドモン。

それでもヴィンセントが3Pを決め、マキシーがディープ3Pを返して終わります。81点まで伸ばしたヒートが15点リードして3Qが終わります。エンビードは10点は取ったんだけど、そんなことよりもアデバヨがいなくなった途端に点を取り始めた事と、そうなったらそうなったでエンビードしかとっていないことが気になったシクサーズでした。

◎4分間

あらエンビードさげないよ。アデバヨがスクリーンでサイブルを止めると、ドフリーのストゥースが3P。マジで追いかける気ゼロなエンビード。「なんでスクリーンに引っかかってんだよ」とサイブルを怒らんばかりの雰囲気。

さらにトランジションで走り切ったアデバヨが&ワン。このタイミングで何故かエンビードを下げたよ。バトラーはマキシー相手のポストアップでターンシュートをヒット。オラディポはストップジャンプシュートを決め、ヒーローはドライブレイアップ。

シクサーズはリードがゴール下で頑張り、リバウンドを取ったヒーローから奪い返しと奮闘するも、チームとしては走れておらず、そしてオラディポの速攻が決まると29点差です。開始4分で18-4でした。

ちなみにシクサーズはタイムアウトが2つしか残っておらず、使わずに我慢したら試合が終わってしまったのでした。リバースが悪い部分もあるけれど、良かったら勝っていたかというと、それも違うよね。なんでエンビードをコートに出したんだろ。

今日はアデバヨでした。ヒートの3Pは40%に届いていないし、実はそこまでオフェンスが良かったわけじゃない。ただ、ディフェンスが強かったし、エンビードを個人対応だったので周囲は楽になりました。結果的にシクサーズのFGを37%に抑えたよ。

なんだかヤル気がないというか、エネルギーを発揮できなかったシクサーズでもありました。無気力試合はファーストラウンドでもあったね。そこから盛り返しているので、ゲーム6にどうなるのかはわかりません。ただ、まぁ、ほぼ完ぺきに抑えられた。

完璧に抑え込まれるならハーデンが悪い。素晴らしいゲームメイクをしたかと思ったら、ただただエンビードが止められる展開にしてしまったのだから、ハーデンが悪い。そこだけは誰よりも輝かないとさ。

ゲーム6もアデバヨのディフェンスに押されるかもしれません。でも、アデバヨを惹きつけといてくれるなら、普通のチームなら「よくやった」っていわれるよ。その先がシューターへのパスアウトしかないオフェンスパターンの方が問題だ。それこそマキシーがドライブしてくれればね。

こういう負け方は修正点しかないので、何を考えてくるのかリバース。リバースについては、こうなるとグダグダしそうなイメージだ。ヒートはマッチアップ変更してきたことと、ダンカン使ってシューター増やす作戦をしてきました。後者は生きたのかどうかすらわからずに終わったゲーム5なのでした。

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