さようならピストンズ’22

というかカニングハム!

ドラフト前に水面下で争奪戦が繰り広げられていたというカニングハム。大注目のドラフト1位を手に入れたピストンズが再建の道を突き進んだシーズンとなりました。しかし、それは結果論であり「終わりよければ全てよし」としか言いようのないシーズンでもありました。ポジティブな意味でね!

◎出遅れたカニングハム

ケガで開幕4試合を欠場したカニングハム。チームも4連敗でスタートするも、デビュー戦となったマジック戦でチームをシーズン初勝利に導きますが、そのスタッツは2点、7リバウンド、2アシストと地味なものでした。モブリーやギディが華々しい活躍をする一方で、低迷していたカニングハムです。

チームとしてもサディック・ベイとジェレミ・グラントの個人技アタック中心に構成されており、ただただ退屈な1on1を見せられてしまいました。しかも2人とも大して決まらないので、将来に繋がることもなければ、目の前の試合で効果的でもありませんでした。何してんのかよくわからんピストンズ。

この影響をモロに受け続けているのがキリアン・ヘイズで、パスセンスを魅せている一方で「自分で突破しないとチャンスメイク出来ないよ」というピストンズオフェンスでは、得点力不足であることを今シーズンも示していました。何をして良いのか迷子になり、ウイングにボールを供給するだけのPGになっていたりしてさ。

「バスケIQの高さが最大の魅力」といわれていたカニングハムも得点力の低さで困ってしまいました。FG成功率は40%を大きく下回り、かといってコンビプレーのあるオフェンスじゃないからアシストも稼げず、ターンオーバーだけが増えていく。ハンドラーとしての能力不足が目立っていました。カニングハムが活きる戦術じゃないし、パスばかりしているので

カニングハムって大したことないじゃん

バーンズ、ワグナー、ドゥアルテと活躍する豊作のシーズンにおいて、そんな呟きも増えてきたのですが、一方で「そんなことを言っているヤツはピストンズの試合を見ていないだろ」とファンの意見が出ていた頃でもありました。

◎ハイIQオールラウンダー

明らかにハンドラーとしてはオフェンスにフィットしておらず、スタッツを稼げないカニングハムでしたが、その一方で評判通りのハイIQプレイヤーであることを示していきました。コンビプレーに乏しく、個人技アタックしているだけのオフェンスなのに、違いを作れてしまうカニングハムの恐ろしさは、むしろこの時期の方が目立っていたかもしれません。

https://basket-count.com/article/detail/94124

ウイングにパスを供給すると、そのままスクリナーになり、振り返ってカットプレー、ゴール下からコーナーに移動してスポットシューターへ。PGかと思ったら、センターのようにハードワークし、シューターのように動き、ウイングのように飛び込んでいく。流れるように動くカニングハムにより、空けられたスペースをチームメイトが使う事も促すというオフボールのプレーメイカーっぷりも発揮していました。

次々にプレーを繋ぎ合わせていくカニングハムの多彩さ、先読みの力、イマジネーション。どの役割でもこなせてしまう万能性はルーキーとは思えない異常なレベルでした。ある意味でベン・シモンズ以来の

主役じゃなくてもスーパースターになれる逸材

そんなことを強く感じさせるシーズン序盤だったのです。これだけボールを持たずにプレーに絡める20歳は噂にたがわぬ異次元のIQをもっていたといえます。しかも、ディフェンスでは更に強みを発揮しており、大胆なポジション取りでチームの弱点を塞いでいくのは、ラウリーのようなベテランの味も発揮しています。

スタッツでは他のルーキーに負け
ハイライトプレーにも乏しい
ハンドラーとしては散々で輝くポイントがなく
わき役としてのプレーをしている

こんな状況でも「スゴイ」と思わせるカニングハムの偉大さが発揮されまくっていたのです。シュート力は改善しやすいスキルだから、3年もすれば得点力も上がってくるだろうし、戦術面はHC交代すれば変化が出てくる。カニングハムはどんな戦術でも貢献するIQがあるから「将来性を含めれば間違いなくドラフト1位」だと感じていたのでした。

しかし、この捉え方は大きな間違いだったことを思い知らされるのでした。

決まりだした3P

さようならピストンズ’22” への7件のフィードバック

  1. 素晴らしいブログをありがとうございます!

    ピストンズファン以上にピストンズのことを分かってくださっているように感じました!

    おっしゃる通りもはやピストンズはカニングハムのチームです!

    これからのピストンズに栄光あれ!

    1. とても良いですし、駆け引き系統なので、ディフェンスもカニングハムナイズされてます。
      一生懸命守るだけだった昨シーズンとは、アクションの数が違う!

  2. 個人的に今シーズン見てて1番面白いルーキーであり
    フィジカルでもスキルでもないのに
    見ている側に強烈にインパクトをあたえるプレーは圧巻でした
    まさにドラフト1位といった
    特別なルーキーだと思います

    1. 間違いなく「上手い」と感じさせるのに、ワンプレーそのものは普通なんですよね。

  3. クインスナイダーがジャズから去るんじゃないかという噂がありますが、ピストンズでカニングハムとケミストったりすると面白いなと。

    1. ゴベアを有効活用しているスナイダーですが、それがネックなのでスチュワートやバグリーの方がいいかもしれませんね。

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