川島悠翔が躓いているのはどこか

◎ポジション適正

4年前に川島の将来についての質問があると「どこのポジションをやれるのか、全くわからない」と答えていた気がしますが、これに関しては誰が見ても明確な課題事項でした。それでも、川島の場合はスキル面での強みなんかもあったのですが、そういう点は後述します。

アジア最高のプロスペクトと評価されていたのは、あくまでも「センター」としてであり、200センチというサイズは上のカテゴリーではポジションを変更せざるを得なかったわけです。ただし、これが海外へ行かず、国内で過ごしていれば立派にセンターとしてプレーしていたはずだし、「PFも出来るセンター」になっていたはずです。

川島の目標が「NBA」であった以上、PFどころかSFになりたいと話していた記憶があるので、そこはもう最終到達点から逆算した結果でしかありません。ある意味では、川島はBリーグに早めに戻ってきて、センターとしてプレーした方がいいのかもしれないのです。まぁそうなるとBプレミアでは難しいという変な構図に生まれるけどね。

さて、センターであることと、PFであること。これが川島にもたらす影響は非常に大きいものがあります。ポイントは大きく3つ。

①スクリーンからのロールマンプレーにならない
②スピードを使ったプレーにならない
③得意技のトランジションが減少する

川島は日本人としては珍しく、しっかりとスクリナーになり、ショートロールをこなせます。この能力に関してはホーキンソンに次ぐ2番手といっても過言ではありません。パスを受けてから自分でドライブすることも、パスを散らすことも・・・出来ると思う。殆ど見ないから断言はできないな。
それはいいかえれば、ツーメンゲームで自分のマークマンを外してからの状況が上手いってことです。マークされている状況での1on1は得意ではありません。

そこに②が加わるので非常に苦しくなります。アンダー世代ではマルチネスがHCだったこともあり、センターにもバックドア系のプレーが多数仕込まれており、川島は自分がストレッチ役になることで、空いたゴール下へとカッティングしてのフィニッシュも沢山ありました。
オンボール、オフボールともに駆け引きを混ぜて、いろんな形を作れるのが川島の武器だったわけです。これがウイングでは上手くできないわけですが、そこにはセンターの仕事が違うことも関係してきます。川島がチームの主役だったU17ワールドカップのプレーを見てみましょう。

川島自身が3Pでディフェンスを広げ、そして空いたゴール下に上手くダイブしています。今回のB代表ではカークがセンターだったので、川島がプレーメイクに絡むことが少ないだけでなく、ディフェンスを広げるようなプレーをする余地がありませんでした。
「PFでも3Pで広げられるじゃないか」といいたくなるかもしれませんが、まさにそのために川島じゃなくて3P能力の高いウイングを使ったわけです。

1年前のアジアカップでは「ホーキンソンの控えに川島がいい」と思っていました。渡邊もいるので、多少のサイズのデメリットは気にしなくていいし、川島をセンターにした方が展開力も加わるしスピードのあるオフェンスが出来そうだからです。でも、ホーバスのチョイスは川真田と狩野でした。
今回のアジア大会だと川島のサイズ不足を補ってくれるウイングはいません。なので、センターでは使いたくない気持ちはわかります。言い換えれば周囲に左右されるのだから、本職センターにはなりたくないだろう。

さて、センターをやると③の良さも加わります。自らリバウンドを取ってからボールプッシュしたり、コートの真ん中を走っていくから相手センターを置き去りにできたり。アンダー世代のアジアだと、走るだけで無双していた感すらあったし。

「ポジションが違ったら同じことは出来ないのか」と言われそうですが、出来ないんです。
いまやセンターはプレーメイクに絡める能力が大事だし、それは多彩さが求められてきます。一方でウイングだとプレー精度が大事になってきて、多彩であることよりも、フィジカルの強さで押し切ってしまうとか、身体能力の高さで蹂躙するとか、タフショット関係なく決めるシュート力で乱打するとか。
なんだったら、センターはウイングよりもガードに近いかもしれない。

アンダー世代の戦いにおいても、川島は高さで勝っていたわけではなく、運動量と多彩さで上回るプレーをしていました。だからこそ自分で作ったスペースを自分で活用できたし、コートの真ん中だからこそ選択肢が多いのも、川島のプレーを助けてくれていました。

ポジションがセンターからウイングになることは、プレースタイル的に長所を生かせなくなることでもありました。とはいえ、アジア最高のプロスペクトが、アメリカで研鑽を重ねれば、個人能力で押し切れそうなものです。そこに大きな計算違いというか、外から見れば残念な成長状況になっています。

“川島悠翔が躓いているのはどこか” への3件のフィードバック

  1. とにかく自身がエースじゃないプレイが苦手なんでしょうね。
    プレイ判断の遅さは、U18やU19でもすでに片鱗は現れてました。
    なのでアメリカとの違いもあるかもしれませんが、どちらかと言えば本人の資質なんじゃないかと思います。(あくまで個人の感想)

    ボールのグラブ能力の低さはホント致命的ですね。
    せっかくスピードでズレを作っても、押し込んでスペースができてもファンブルして全てオジャン。
    コーチが即座に交代させたくなる気持ちはわかります。
    難しいハンドリングなんて覚えなくて良いので、ドライブ時にボールを抱える等してロストしないだけでかなり無双できると思うんですよね。
    少なくともアジアでは。

    今は厳しい川島ですけど、イブや金近には無い素材は持ってると思います。
    特にバネとフィジカルが。

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