ペイトン・ワトソンと成長

◎主役ムーブ

ディフェンスで始まった2年目、3P精度が上がった3年目。そして4年目のシーズンはヨキッチが離脱すると主役ムーブもするようになり、平均得点14.6点まで上がります。大学時代に3.3点だったのにだぞ。

ここにはヨキッチ不在ならではの事情もありました。コートの真ん中からパスを振りまくるヨキッチですが、いなくなったことでハイポスト近辺にスペースがあり、そこにドライブアタックを仕掛けていくワトソン。
これをみて他のチームからの「オフに欲しい」というウワサだらけになっていったわけです。実際にはFA解禁直後に大きなオファーを出すチームはなかったわけでして、最終的にキャブスの1巡目1つだったことからも、2つ以上使ってサイン&トレードを狙うチームもなかった気がします。難しいものだ。

実際、2月に離脱して3月に戻ってくるもプレーオフは欠場。代理人が「出るな」と言ったらしいのですが、出なかったことで評価を落とした可能性も十分にあります。オールスター以降が5試合しか出ていないし、プレーオフで証明も出来なかったので、未知数な要素がたくさんあるのは間違いありません。

また、ヨキッチ不在時に点を取りまくったのですが、35点とったのがウィザーズ戦、32点と31点がペリカンズ戦でした。トップ3の相手がボトムチームだったわけです。
その次はセルツ、サンダーと競合が並びますが、いずれも好調な3Pで稼いでいます。それ自体が悪い評価にはなりませんが、そこまで高評価にも繋がらなかった感じです。プレーオフで積極的なドライブアタックが通用するかどうかは掴めないってことだね。

3Pが更に成長し、40%を超えてきましたが、TSは60%に届かず。身体能力の高さを考えると、もう少しドライブの得点力を証明しなければいけませんでした。

3Pはワイドオープンで46%も決めており、プルアップは殆ど打たないこともあって、キャッチ&3P専門です。ヨキッチ&マレーだけでなく、ピケットのパスからも確率は高く、パサーを選んでいるわけではありませんが、しっかりとプレーメイクしてもらってのフィニッシュになります。アシストが付かなかった3Pはシーズンで7本だけだったし。

ペイント内得点は多いし、フリースローでも稼げます。ただ、印象的なアタックの割にはドライブからの得点率は低く、それもペイントにスペースがあるナゲッツで低くなります。

ただし、フィニッシュ力は大きく改善しました。特にミドルは殆ど打たなかったところから、1年後には立派な確率に。エースっぽい素養も見せているってことです。こんなわかりやすく改善していいものなのかね。

さて、問題はこれらのことを、どこまで信用できるかです。
ワトソンが超人的なスピードで成長していることは疑いようがありません。まじでウエストブルックじゃん。しかし、ここはサンダーではなくナゲッツです。
ハーダウェイはキャリアで初めて3P40%、TS60%を超えました。
ナゲッツでの2年間3P40%超えていたKCPは、次の2年が34%と32%で、TSは60%から53%まで下がりました。
リーグ最高のTS61.6%なのに、ターンオーバーも12.8%しかないチームです。良い形で動けばパスが出てくるし、オープンで待っていればパスが出てきます。それもディフェンスが反応できないようなノールックで。

「ナゲッツにいればイージーショットが増える」というだけでなく、「オフボールで積極的に動いてよい」という状況は、選手が成長しやすい環境でもあります。誰でも活躍しやすいから、多少オフェンスに問題があってもプレータイムを与えてくれる環境でもありました。

大学時代に3.3点だった選手が、4年で14.6点を奪う選手にまで成長したのは驚くべきことです。それは段階的にレベルアップしていくには適した環境を与えられていた4年間でもありました。
異なる環境と接することになる5年目。さらに成長するのか。それとも違いに苦しむのか。別にナゲッツに限らず、異なる環境に行くと活躍できないパターンはよくあるからね。

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