現代NBA入門:TSという評価指標

このブログが始まったころ、『TS』という指標は使われていたけれど、広く一般的なファンにとって【主要スタッツ】ではなかった気がします。今では【主要スタッツ】となり、『FG』の方が必要性の低いスタッツになっています。大きな逆転だ。
しかし、最近は『TS』の価値が落ちているように感じます。感じるっていうか、自分自身が

と思うようになったわけです。それこそ昔の記事では「TSこそ至高の指標」として扱っていたはずですが、最近は本当にどうでもいいや(・・・は言い過ぎだが)と思うようになっています。今回はその理由について考えていきたいのですが、まずは前編として10年間の変化をTSの視点で語っていきましょう。それは現代NBA入門みたいなもんだ。

◎そもそも、なぜ重要だったのか

TSが重要になった背景ですが、わかりやすく10年前の15-16シーズンから考えていきましょう。当時がどうだったかは知りませんが、このあたりと現代のバスケの違いだと思えばいいです。要するに3Pアテンプトの差です。

10年前は3Pアテンプトが増えていった時期です。ウォリアーズの優勝もあって3Pとスペーシングの組み合わせは戦術構築において欠かせない要素になりました。15-16シーズン自体が3年前より4本もアテンプトが多かったのですが、それから3年で+8本です。ここの6年間でほぼ倍になったわけです。
それからも3Pアテンプトは増加傾向でしたが、増加率は鈍化しました。25-26シーズンは前年より減っているくらいです。3Pは常識となり、トレンドではなくなっています。

TSが重要だった理由は、3P増にありました。いわゆる「2P60%を決めるのと、3P40%決めるのは同じ価値」だったので、統一的な指標が欲しくなったわけです。それは
・シューターはシューターの指標、センターはセンターの指標、という分類の意味が薄れた
・スモールラインナップも使うし、統一したシュート効率の指標が必要

という事情です。実際にアナリスティクスをするのであれば、ちゃんと分類しろって話ですが、一般的なファンが考えるにはTSって都合がいいよね。

もう少し正しく言えばコレですね。シューターとかセンターとか関係なく3Pを求められていったので、なんか分類するのも面倒じゃん。なお、逆にブログだと距離別のFGとアテンプトで分けて考えるようになっていきました。TSは一目でわかる指標であって、選手の価値では「どんなシュートを打っているか」も大事になったしさ。

ただし、ここまでだと必要なのはEFGでした。それよりTSが欲しくなるのは「ファールドローが上手いことも重要だ」となっていったからです。なんかホーバスっぽいですね。いや、ホーバスがいうアナリスティクス・バスケが10年前に主流になっていった形だからね。
その後、いくつかのルール改正があって、あからさまなファールを貰いに行くのは咎められるようになってきましたが、3Pよりも効率的に点を取れる手法としてフリースローは大事でした。ってことで、TSは大事な指標になっていったし、この点では現代でも重要ではあります。でも、当時ほどは重要じゃなくなっています。

現代NBA入門:TSという評価指標” への2件のフィードバック

  1. 全員が走れるスモールラインナップが現代バスケの完成形かな、と当時は思ったものですが、今はいいセンターの取り合い…。戦術もトレンドも指標の解釈も進歩するんですね。
    次回、続きが楽しみです。

    1. ちょうどアダムスが「みんな3P打ちたがるから、スクリーンやリバウンドのスキルが低くて助かる」って言ってますが、まさに特定の方向へスキルが進むと、希少価値が逆になるんですよね。

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