U17ワールドカップ 雑感①

◎スーパー白谷

イタリアとの初戦から予定通りにスーパー白谷アタックで開幕します。U18でもやっていたように、白谷がボールを運び、白谷がドライブし、白谷がフィニッシュし、ときには白谷のパスアウトから3Pを打っていきます。
間違えてはいけないのは白谷の個人技を起点とし、コーナーにシューターを置いている点です。これを戦術と呼ぶのは無理がありますが、少なくとも白谷がアタックすることでディフェンスを収縮させたい意向はハッキリとしています。

ただし、周囲は白谷のためにスペーシングをするのが第一なので、足を止めて待っています。スクリーンをするわけでもないのでパス待ちとなっていきます。それでもイタリア戦の序盤は白谷が好きにドライブできるので日本はアドバンテージを取っていきました。
しかし、当然のようにイタリアも対応します。タイムアウトからマッチアップを変更し、平面のディフェンスが強いタイプになると白谷は「好き勝手には」ドライブできず、その分だけプレッシャーが緩いから3Pを放っていきますが決まりません。スーパー白谷アタックが出なくなると日本のオフェンスは終わってしまいました。

ちなみに、白谷のドライブが効いている時間帯は櫻井もドライブをしていました。イタリアがカバーリング担当のセンターを変更し、しっかりとペイントのヘルプを用意したことでドライブできなくなっていく流れです。日本の個人技アタックは1on1シチュエーションで通用しなかったわけではなく、チームディフェンスを相手にすると何もできなくなっていったのでした。

アメリカ戦。今度は普通に白谷が止められていきます。特にブムチェ・ブムチェが7ブロックとリムプロテクトで違いを見せており、イタリア戦同様の止められ方でした。その上で誰が出てきても守れるアメリカなので、白谷はFG4/21の10点に対して11のターンオーバーと散々な出来でした。
正対してのドライブアタック中心のオフェンスなので、マークを剥がしていないし、抜ききれないところでパスを出そうにも周りの足は止まっているし。1on1で勝てなかった事よりも、その後のパスを奪われることが問題になっていったアメリカ戦でした。

そして3戦目のフランス戦。白谷は3Pを決めまくるのですが、その理由としてフランスの14番がエグいディフェンスをしているというか、白谷のフェイクに微動だにせず、ドライブしてきても遅れて反応してコースを切ってしまうし、ペイントに入ってもフィジカルの圧力で何もさせてくれませんでした。フランスのエースでドラフト候補なので格の違いを見せつけられ、アメリカ戦以上に何もできなくなっていきます。

ところが、あまりにも1on1が出来ないからか、日本は白谷をオフボールムーブさせ、複数のスクリナーを用意してシューターとしてフリーにさせていきました。この形はイタリア戦でもまれに出ていましたが、止められすぎるので作戦変更した形です。なお、作戦変更した頃には14番はベンチに下がっています。
この形に連動してPGは宮里がメインになりました。アメリカ戦で個人技から点を取っていた佐藤久遠ではなく、パスを出せる宮里でなければ成立しないと読んだのか、単に佐藤が止められていたからかはわかりませんが、シューター白谷を活かす形へのシフトです。

白谷の個人技から始まるオフェンス ⇒ 白谷のフィニッシュを使うオフェンス
こんな変化ではありますが、少なくとも戦術的に振舞わないというわけじゃないし、かといってオフェンスにバランスは求めず、ただひたすらに白谷に点を取らせるためのオフェンスをしています。白谷にNCAAのオファーを貰うためだけの戦いにも見えてきます。

フランス戦の白谷は3P7本決めての33点でした。他の選手で24点。シューター陣が外しまくっているので個人能力の差は大きかったものの、ワンマンチームというか「ワンマンチームになるような設計」でした。これがマルチネスがやってきたチームオフェンスを捨ててまでやりたかったこと。

スカウトたちはバカじゃないので白谷が得点王になったとかは何も関係ないでしょうが、少なくともドライブ力は見せつけたし、フランス戦では3Pが決まる姿もみせました。同時にプレーメイク力がなく、フィニッシュパターンにも乏しいことも見せています。『シュート力のあるガード』としてオファーを待てる状況にはなったよね。

U17ワールドカップ 雑感①” への4件のフィードバック

  1. ベッカム君と17歳時のドンチッチだとフレームの差が大きいですが、どんな違いがありますか?

    1. ドンチッチは意外とアスレチックなプレーをしていたんですよね。スピードにキレもあったし。
      ベッカムはもっと達観している感じで、常に周りを見ることを大事にしているので、スピードを上げすぎないし、オンボールのフェイクも少ないかな。

      とはいえ総合的にはフロアビジョンに優れている点なんかはドンチッチっぽいです。ドンチッチもアメリカにいたら、もっとプレーメイクよりだったかもしれないし。

  2. 個人的には白谷がNCAAに行くためのショーケースなのかなと思うくらいの試合構成で、ガーベッジみたいな時間でしか使われない選手もおり、U17なんだけどなーとも思う試合ばかりで。
    「部活」な感じが全面に出ちゃうのは佐古と同じですね。

    1. 確かに「部活」ですね。すごく「部活」です。
      優秀な選手が沢山いて、そのなかで競争が行われている感じもなかったりして。
      ハイレベルな環境で化ける選手がでてもおかしくないのに、可能性を閉じているようでした。

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