オーナーが選手だった大学時代のACをGMに据えるという究極の身内びいきな人事から始まったオフ。デュラントをトレードで放出したことは理解できるとしても、その対価となる指名権が1つしかなく、それでいてビールはウェイブ&ストレッチでの負の資産を残すことにしてきました。それは再建の時間を作らずに限られたリソースの中で勝つことを目指す「中途半端な」決断にしかみえませんでした。
そしてドラフトでは指名権アップを繰り返してムルアチとフレミングというセンターを2人指名。それだけならともかくマーク・ウィリアムスをトレードで獲得しており、何をどうしたらそんなにビッグマンばかり揃えるのか意味が分からない動きでした。
正直、このロスター構築は酷い。これならば1年後・・・つまり今オフにブッカーをトレード放出するのは不可避にすらみえていました。ロスターバランスの悪さと未来への負の資産を抱えているのだから、ディベロップメントチームですらないよね。
しかもシーズンが終わったところで、これらが予想外に上手く機能していたという感想であればよかったのですが、ポストシーズンでメインのセンターはイグダロだし、ここから何をグレードアップするべきかは、あまりわからないのは変化していないしさ。
ただ1つ。HCは大当たりでした。
コーチ・オブ・ザ・イヤーの候補にならなかったのが信じられないほどに、新HCオットが行ったチーム作りは見事だし、プレーオフの戦い方もケチのつけようがありません。もちろん、選択肢として他の戦い方はあっただろうけど、それは「他にも選択肢を作れていた」というポジティブな悩みでしかありません。
過去2年は優勝HCがやってきて戦術整備をしたけれど、それが性に合わないスーパースターによって潰された感があるのに対し、新たにやってきた新人HCは戦術整備というよりも戦う集団に変化させ、ハードワークとゲームプランで戦うチームになっていきました。
スーパースターと優勝HCで上手くいかず、ロールプレイヤーたちと新人HCで戦うチームになっていくってNBAって面白いよね。ひょっとしたらHC選びを間違えていたら、史上稀に見る大失敗なシーズンになった可能性すらあるのに、むしろ大成功なシーズンになったのだから。
ロスターはブッカー、アレン、ギレスピ、オニール、イグダロ、ダン、そして2年前にいたグッドウィンと従来の戦力と大差なく、そこに前述のセンター陣とディロン・ブルックスとシーズン大半を欠場したジェイレン・グリーンが加わったくらいなのに、プレーインにすら出場できなかったチームが大きく勝ち星を伸ばすなんて想像もつかなかったよ。
選手の元々の得意技を伸ばすっていうのは、今シーズンの若手のプレーで特に強く感じますね。
指名権の都合上この先安定してルーキーを確保できるかは怪しく、かといってサラリーはビールの分割払いでカツカツ、となると今いる若手を安上がりなルーキー契約の間に戦力化することが狙いだと思ってます。
新しいことを仕込むとなると時間が掛かりがちですし、それなら2、3年ぐらい安くて若いロールプレイヤーとして働いてくれる方が良いという判断なのかなぁと。
ルーキーがどっちもビッグマンなのも、イゴダロと合わせてハンドオフ型、ストレッチ型、リムプロテクト型で特化させて使い分けるためかと。
逆にベテランには1on1ハンドラーをさせてたわけですが、成功したから良いようなものの、ブルックスやアレンにそれをやらせるのは結構な賭けだったように思えます。