イングラムを消したキャブス

プレーオフ ゲーム1&2

シーズンがラプターズのスイープだった4位と5位の対戦ですが、無事にホームのキャブスが連勝スタートになりました。本当に「無事に」といいたくなるほど、シーズン終盤に難しさも見せていたし、相性的には厳しいものがあるカードと言えます。そんな中でアトキンソンが選んだゲームプランは

でした。そもそもラプターズのハーフコートなんて「お任せイングラム」なところがあるので正解は正解なのですが、別にそこまで明確に「消し」に行かなくても、「止める」ことは出来る気もします。
実際「消し」にいったことで、ラヤコビッチのアジャストでラプターズのオフェンスが上手くいく面もありました。特にゲーム2はイングラムのシュートミスが多発している割には接戦だったしね。

ラプターズがトロントに戻って何をするのか、あるいはキャブスが対策を続けるのかっていう興味もあるので、2試合の対応について触れていきましょう。

◎「消し」に行く

ゲーム1ではウェイドがイングラムに密着デートする形で後半はFG1本しか打たせませんでした。「ボールも持たせない」というディフェンスです。まるでシューターを止めるような守り方になっており、裏のスペースへ走られるリスクもありました。もっと簡単な形としてはモーブリーをマッチアップさせてジャンプシュートを楽に打たせない選択肢もあったはずです。

ただ、次の理由でスターター同士の時は、この形の方が守りやすいという面があります。
・スコッティ・バーンズにウェイドではフィジカルに負けそう
・パートルがコートにいるならアレンがインサイドカバーできる

特に後者はこのディフェンスをやりやすい理由にもなっています。もしもラプターズがノービッグをチョイスしてきたらキャブスにも迷いが生じるでしょう。ただ、その場合はそもそもアレンが誰を守るのかっていう問題点が先に出てきます。

主題とは違うけど、キャブスの弱点はウイングが極端に薄いことで、ラプターズはここを咎めるために試合の大半をスモールにするのも一手です。少なくともパートルは起用しないという手段もあるのだよ。
ただ、今シーズンはディフェンスで勝ってきたので自分たちが「アレンを守れない」状態になる方が嫌でしょう。実際、ゲーム2でも試合開始からアレンに連発されているぜ。2連敗したことで振り切ってスモール中心にしたら面白そうなゲーム3でもあります。ギャンブルすぎるのはラヤコビッチの好みにはみえん。

完全にフェイスガードの守り方により、イングラムを起点にするオフェンスが構築できなかったゲーム1。もちろん、この守り方に対してのアジャストは実行されており
①オフボールスクリーンでウェイドを剥がす
②イングラムがスクリナーになることでオープンショットを作る
③イングラムがハーフライン待機して広いスペースで4on4をする

この順番の回数でプレーが構築されていた気がします。実はフェイスガードされたときに最も効果的なのは③だし、ラプターズのタレントであれば③が一番向いている気がします。でも、それをするのに多くのエースはボールを触らないどころか、プレーに参加しないのは耐えられないし、ビハインドの状況ならなおさらです。

ハードマークされるなんてエースからしたら当然のことだし、①は日常的にやっていることです。しかし、イングラムとラプターズは実行できませんでした。あまりにもウェイドが張り付いている上に、普通のマークと違いボールとイングラムの間にいるので、スクリーンをかけてもボールの方へ動くことが出来ず、かといって裏のスペースにはアレンが待っているので、タイミングの良いパスが出せませんでした。

その一方で②は効果的でした。イングラムがスクリナーになると、ウェイドはスイッチなりカバーなりをするべきか、それともイングラムに張り付くべきかで悩みます。悩む時間は一瞬しかありません。しかも、ウェイドがボール側を守っているため、普通のショーディフェンスのアクションが出来ず、色々と困っていきました。

ってことで、これを続けることが出来ればラプターズは点が取れたのですが、そんなプレーは日常的にやっていないぜ。クイックリーがいれば、ドライブアタックがしやすくて楽だったかもしれないけど、シェッドのドライブだとリムプロに止められるし、バーンズはツーメンゲームって感じじゃないし。

いずれにしても、イングラムがボールを持つことが多いハーフコートオフェンスだし、イングラムがスクリナーになってのプレー構築は少なかったし、単にキャブスが「イングラムを消した」だけでなく、それ以上にラプターズはやりたいプレーが出来ず、オフェンスに流れが生まれなかったゲーム1でした。

ここまで徹底した対策をされると、5人で構築するオフェンスは難しいよね。相手に応じたアジャストをするっていうのはプレーオフならではだし、そういう準備をしていないと急に何かが出来るわけじゃないよね。ヒートがプレーオフに強かった理由であり、今年のヒートの問題点に見えた部分だ。

イングラムを消したキャブス” への2件のフィードバック

  1. イングラム本人がスクリーナーをやらされまくったことに不満を述べていたのが気がかりでした。
    管理人さんのおっしゃる通り、イングラムをスクリーナーとして使うのはかなりハマっていた印象ですが、ラヤコビッチとイングラムとの間に適切に信頼関係が構築されているかは大きな懸念点だと感じます。

  2. オフェンスでうまくいかないイングラムをハーデン、ドノバン、モブリーまでもがイングラムを呼び出してディフェンスでもいじめてましたね、
    イングラムて飄々としてマイペースな印象だったのでメンタル面はわりかし強いのかと思ってましたが、このシリーズでかなり印象が変わってしまいました。(マカラム、ザイオンがいたペリカンズとは違ってオフェンスはほぼイングラムアタックのラプターズだからこそでしょうが)

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