さようならクリッパーズ

クリス・ポールの乱から始まった今シーズン。チームの輪を乱すレジェンドによって負けまくった前半戦、解雇してから一気に復活して勝率5割に到達するという曲芸みたいなシーズンでした。クリス・ポールの乱が教えてくれたことは、チームなんてコート上よりもロッカールームで起きている問題の方がパフォーマンスに影響するってことでした。
ハーデンみたいにクリス・ポールと共にプレーしていた中心選手がいて、ティロン・ルーみたいにクリス・ポールと仲が悪いことが事前にわかっていたHCがいて、クリッパーズはクリス・ポールを雇うべきじゃなかった・・・というのは簡単ですが、レジェンドだけにラストシーズンを過ごさせようという思いは誰も否定できません。

だから、この問題は省略したいのですが、1つだけ触れておくべき事項があります。それはクリス・ポールとコーチ陣における問題が発生したという事例です。

CP3「クレイ・トンプソンをチェイス出来ていないからスイッチに切り替えるべきだ」
JVG「オレ達にそんなカバレッジは出来ない。黙ってろ」

こんな感じのやり取りがあったそうですが、戦術ズバッツになった昨シーズンから気になっていた要素であり、最後の最後にプレーインで負ける要因にもなった要素でした。クリッパーズにおける最大の疑問点は相手を想定してチームを構築していたのかってことであり、優勝から逆算していたのかっていう点です。

◎プレーインの4Q

最大13点リードまでもっていった4Qでしたが、そこからホーフォードの3P4連発を食らい、ギィ・サントスにドライブで切り裂かれ、そしてカリーへの寄せが甘くなり決定打の3Pで沈められました。この4Qのウォリアーズですが
2P7/9
3P8/11

なんとFG75%で43点も取っています。そして終盤のポゼッション全てでブルック・ロペスから失点しています。そもそもがカバーリング重視のシステムなのでホーフォードを追いかけるまで至らず(ブルックとしては十分にコンテスとしているシュートもあった)、かといって外に誘き出されたのでドライブに間に合わず、そしてカリーのツーメンゲームに対しては不十分なディフェンスでした。

だからといって「ズバッツがいれば」とはなりません。ブルックは年齢が信じられないくらいの動きをしており、カバーリング優先のディフェンスシステムにおいては完璧に近いレベルで役割をこなしており、ズバッツならばアウトサイドに間に合うなんてことはないわけです。
つまり、本気で止めに行くならばディフェンスシステムそのものを変更しなければいけなかった。ドロップで守っていては(本調子ではない)カリーを止めるのは難しかった。ついでにいうとスモールが基本のウォリアーズは逆にレナードに対してブリッツで潰しに行っているのだから対照的な守り方でした。

開幕前の補強で良かったことはジョン・コリンズを獲得したことでした。ズバッツの控えにブルックを加えたことでビッグの層が厚くなり、さらにコリンズがいればスモールへの変化も可能です。レナードというウイングを活かすためにも戦術変化はポジティブだし、デカいハーデンはインサイドも守れるし、そしてプレーオフで勝ったシーズンはクリッパーズ自身がウイングチームだったし。

しかし、スモール戦術に移行すべき試合でもズバッツを信じ続けました。シーズン序盤に負けまくっている時でも相手の良さを消しに行かなかったことは忘れてはいけません。
その後、ズバッツが離脱してウイングが増えて勝てるようになりもしたけど、ズバッツをトレードで放出しながら、ニーデンフォルザーが良いプレーをしてくれたので、センターを1枚使うことはデフォルトになっていきました。スモールはゼロではなかったけど、切り札としての使われ方はしませんでした。

ウォリアーズとのプレーイン1試合については、スモールをしたところで肝心のレナードがインサイドのスペースを使うプレーが出来ていなかったし、そのレナードにパスをいれる工程を組み立てるにはガーランドとマサリンは厳しかったし、アウトサイドまで追いかけられるようにしたところで、そもそも1on1が守れたのか怪しいし・・・
ってことで、あの1試合だけでいえばスモールにしなかったことが間違いってわけではありません。ブルックの高さで押し込むことも出来るわけだしね。ただブルックを37分も起用したように、戦術的変化そのものが準備されていたとは言い難い。

本来ウイングチームの良さは、特定の戦術において強烈なパンチを打てることではなく、サイズと万能性を使って相手に応じたパンチを放てることです。しかし、強烈なパンチを打つ前提でチームを作ってきたし、デッドラインで作り直しになったのだから今回のプレーオフで勝つのは難しかった。

負けたことは仕方がない。ただ、そもそもチームとしては多様な戦い方を出来なければいけなかった。強いチームになるためには重要ではないのだけど、優勝するためには重要なことだよね。サンダー、ロケッツ、ナゲッツ、ウルブズ、スパーズ、レイカーズと全部戦い方が異なるチームだしさ。
少なくともスモールが出来ないとサンダー、ウォリアーズ、サンズ、セルツあたりには苦労するわけです。まぁシーズンではウォリアーズに勝ち越しているんだけどさ。

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