◎戦術MPJ
フェルナンデスが初めに取り組んだのは、チームで最も完成された選手であり、リーグの中でも特殊で止めにくい得意技を持つMPJを活かす事でした。開幕時はキャム・トーマスもいたので、戦術MPJをキャム・トーマスにもやらせることで複線化された感もありましたが、変に複線化すると上手くいかないことも示してしまったけどね。
MPJの持つオフボールムーブは簡単なようでいて非常に難しく、マネできるようでいて異次元のシュート力がなければ実行できません。そんなプレーコールはMPJ以外には適用できない。
MPJはボディフェイクで進行方向を騙すのも上手ければ、スクリナーになる動き、スクリーンを使う動き、シューターになる動き、カッティングの動きなどを混ぜてオフボールしてきます。その上で長い距離のオフボールムーブからワンステップで3Pを打てる(決める)シュート力があり、ドライブやカッティングでゴール下にはいって決めきるサイズアドバンテージもあります。
しかし、この能力を生かすためにはMPJに対して複数枚のスクリナーを用意し、適切なタイミングでパスを出す起点役も必要です。その上で全員がタイミングよく動き出す必要もあれば、MPJの動きに合わせてスペースを活用する動きも実行しなければいけません。要するに
MPJのために周囲も適切なプレーをチョイスしなければならない
ということで、MPJの特殊能力はいいとしても、周囲はそんなことできないだろうっていう点があります。実際、テレンス・マンをスターターにしておくことで、ガードながら優秀なスクリナーになってくれるのは非常に大きいよね。ルーキーたちがいきなり実行できるようなロール役ではないのでした。
何より起点役となるパサーをどうするのかは極めて疑問があったわけです。フェルナンデスはこれをクラクストンにすることでハンドオフをチョイスし(オフボールムーブへパスを出すのであれば、別にハンドオフである必要はない)パスそのものは簡単にしてきました。でも、クラクストンだぜ。それが上手くいくなんて思わなかったじゃん。
しかし、形ばかりのハンドオフ&オフボールにみえた開幕当初に比べて、5試合も経過すると雰囲気が変わり始めます。MPJは30点を奪い、クラクストンは5アシスト以上を記録するようになっていきました。
そして開幕1か月が過ぎた11月21日のセルティックス戦では遂にクラクストンが12アシストを記録。MPJも31点となんだか完全に馴染んできました。そもそも簡単ではないオフボールムーブを中心としたプレー構築が見事に成功したということです。
大事なことは数字として出ているのがMPJとクラクストンなだけで、周囲もしっかりとロール役をこなせるようになっていることです。テレンス・マンだけでなく、デミンもスクリナーをしており、それもスクリナー⇒シューター(カッティング)と次にプレーへの流れもスムーズです。
クラウニーはハンドオフが行われている位置から遠くにいますが、スペーシングしながらシューターポジションへと移っています。実際、クラウニーはこの試合で3Pを11本打っており、3日後のニックス戦も13本とチーム全体に戦術MPJが馴染むとともに、3Pアテンプトを増やしています。
あんまり関係ないけど、ネッツ6勝とか聞くと、ピストンズの28連敗ってとんでもないことだったんですね。
なるほど、やはり高度というか専門的なオフェンスをやってるのですね!
12月29日現在、さらにチームオフェンスの有機的な繋がりが増してきたような…。後半になれば各チーム、強度も上がってくるのでしょうが。
ヘッドコーチがフェルナンデスに変わった時に「お、スターより戦術で戦うタイプだな」と記事を見て思ったものですが、こんな短時間にドラフトの不安を解消してかかるとは思いませんでした。MPJの「価値」が「当時のKDクラスだ」と感じています。
ネッツのこともそうですが、また各チームのディフェンスなんかについてもいつか解説願います!(チームディフェンス構築は、すごく時間がかかると聞くので)