グリズリーズの今季を振り返る

グリズリーズの今季を振り返る。
シーズン前のレビューは公式サイトから。
http://www.nba.co.jp/nba/2016-17-team-analysis-grizzlies/cr3u1t94456w1h3vuyc3w5fy0
昨季42勝→今季43勝
新人HCが最大のヒット
公式サイトと同じ見解だったグリズリーズ。チームを長く支えているコンリーへの大型契約過ぎる契約はともかく、チャンドラー・パーソンズなんてケガするのが仕事の選手に大金を費やすのは中期的にチームのクオリティを下げる事と等しい。そして今季も34試合にしか出場せず平均6点だ。試合に出る日数よりモデルやってる日数の方が多そうだ。
そんな大金を投じたパーソンズが働かないとすると、このチームには69試合出場のコンリーと74試合出場のガソルしか選手がいないとすら思えるメンバー構成。
しかし、チームはシーズン通して安定してプレイオフ圏内で戦い抜き、スパーズから2つの勝利を手に入れた。
こんなケガ人とお年寄り、無名の若者だけのチームを安定して勝たせたフィッツデイルHCの手腕は賞賛に値する。コンリーいない試合でも5割の成績なんて普通は残せない。



年寄りと若手の融合
プレイオフから触れるとビンス・カーターやザック・ランドルフをスターターにするオールド&ビックラインナップで戦った。
中心のコンリーとガソルは30歳前後と脂が乗っている時期だが、まるで時が止まったようなラインナップだった。それでもスパーズ相手にチームを機能させて戦えたのだから素晴らしい。
しかし、シーズン中は意外にも若手を積極的に使ってきた。グリーン、エニスIII、セルデン、ハリソン、ダニエルズが17分以上のプレータイムを得た。3年目までの選手達が多くの時間出場時間している。ここまで若手にチャンスを与えたチームも珍しい。
表に出てくる名前は10年前からリーグにいたような選手ばかりだが、実は若手の、それも決してスター候補ではない選手に投資したシーズンでもあった。そしてしっかりと勝ち星も稼いでいる。目立った個人成績は残せなくても、勝利に貢献できるプレーをしていく事が重要なのはスパーズが証明している。



ディフェンス、ディフェンス、ディフェンス
チームに好成績をもたらせたのは、チームに根付くディフェンス。
得点 29位 100.5点
失点 3位 100.0点
オフェンスレーティング 19位 104.7点
ディフェンスレーティング 7位 104.5点
相手のFG%を落とす事に長けているグリズリーズ。お年寄りが多い事もあり、ペースもゆっくりでしっかり組み立てるチームになっている。
オフェンス力がないというより、コンリーも含めアーリーオフェンスを得意としていない。若手の台頭次第では来年は変わってくるかも。
ドライブは少なくボールを回すが、アシストは多くない。伝統のインサイドゴリゴリはあるがじっくりと組み立ててのジャンプシュートが多くなる。
実に52%がドリブルしないでのシュートだがキャッチ&シュートは32%なのでポストを利用したオフェンスが多い。
つまりチームの形をしっかり持っている事になる。その点ではガソル&ランドルフに頼る部分は多く、チームとしてはディフェンスの方が大切になりそうだ。



来季に向けて
年寄りへの不安はあるかもしれないが、若手も経験を積めており、誰かが不調でもカバー出来る体制になっている。
しかし、継続路線ならポスト要員を補充したい。1番はサンダーで微妙な立場になったキャンターだろう。珍しくなったローポストアタックの出来る選手だし、ガソルが3P打つなら併用も可能だ。ガソルとキャンターのツインタワーは相手への脅威になりそうだ。
しかし、それ以外ではやはりパターンを増やす補強になる。問題はチャンドラー・パーソンズ。キャンターとトレード出来れば最高だが、高級ガラスすぎて貰ってくれるチームがあるとは思えない。
ではそのポジションを補強するのか、高い金を払っただけにパーソンズに活躍して欲しいので、補強するのも勇気がいる。若手はドラフトで指名すれば良いかな程度に考えてそう。
というわけで、パーソンズ継続でFA市場を考えればシューターとゴリゴリ系のビックマンをベンチに確保したい。でも高いサラリーは払えない。あっでもシューターとるとビンスカーターとの再契約いらなくなるな。再契約しそうなので、ビックマンだけにしよう。
・・・いないな。高ければいるけど。チーム出そうな選手がいない。フィジカル系以外でも妥協しよう。
イリャソバ
勝てないチームの代表格のような選手だがガラスのパーソンズよりは良い。グリズリーズにはハマりそう。
スペイツ
クリッパーズは若手に切り替えそう。
ギブソン
サンダーはグリフィン狙いに行くので、先に手を出せば取れるかも。ランドルフより良い。
デビット・リー
今のサラリーが安いので。タイプは違うけどポストアタックするので。
基本は若手の成長に期待しているはずなので、名前で選手はとらないし、来てもらうのも難しいチームだ。
それでも来年以降も同じ様な成績を残してくれそう。

ペイサーズの今季を振り返る

負けたチームの今季を振り返ってみよう。
まずはキャブスにスイープされたペイサーズ
シーズン前のレビューは公式サイトの意見を信じる。
http://www.nba.co.jp/nba/2016-17-team-analysis-pacers/nxnem8aznn861f4azty5dxvza
結果 45勝 → 42勝
期待外れのシーズンだった。
またも補強の的確さで評価の高かったラリー・バードだが、ネイト・マクミランは失敗だった。ボーゲルを継続していれば、少なくともシーズン終盤に苦労する事なくプレイオフに行けたはず。
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ポール・ジョージの停滞
大ケガから戻ってきた昨季、驚くようなカムバックを見せたため、今季は更に成長する事が期待された。それはリーグMVPクラスの活躍だ。
それがオールNBAチームに入る事すら怪しい。シーズン終盤のあの活躍が出来るなら、早くからチームを引っ張って欲しかった。
プレイオフでは28点、8.8リバウンド、7.3アシストを記録しながらレブロンを守っていた。誰も文句のつけられない数字だ。
シーズンではFG%が4%改善し46%を超えた。これは素晴らしいのに平均得点は下がった。理由はフリースローが減ったから。そしてアシストも減っている。本当にセレクションが良くなったのか、チームのためになったのか、考え直す必要がある。
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ジェフ・ティーグ、マイルズ・ターナーによるオフェンスの改善
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半端なプレーヤーに映るヒルに代えてティーグを獲得したことはポジティブに捉えられていたし、実際にアトランタ時代と変わらぬ成績を残した。
インサイドはターナーの成長にかけたわけだが、+4点、+2リバウンドと最低限の結果は残した。プレータイムを考慮すれば、もう少し上積みが欲しかったが。
いずれにしても最後にランス・スティーブンソンを加えた事により、キャブスとオフェンス合戦を繰り広げられるまでになった。
シーズンの平均得点は2点上がり、105点台で昨季ならリーグ6位に相当する。しかしリーグ全体が上がったので今季は15位だった。(昨季は17位)
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ディフェンス
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とにかく今季はヒルブラザーズが抜けたディフェンスが問題だった。平均で5点も多く取られている。
1番の問題はティーグとモンタ・エリスのコンビだろう。不安要素の大きいエリスを使うならオフェンス面での不満はあってもヒルの方が好ましかった。
いや、正しくはティーグの相方になれる3Dタイプのガードを獲得すべきだった。
結果としてオフェンスの改善を帳消しにするディフェンスの悪化で、プレイオフをみてもディフェンスが出来なければ勝てない事は明らかだった。
ポール・ジョージがレブロンを抑えてるのに、マークが入れ替わって簡単に得点されるのだからチームディフェンスに問題があった。
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期待株
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そんな中でグレン・ロビンソン3世がスターターになるとチームが安定し始めた。アウトサイドでやられている傾向のあるチームなので運動能力に高さを活かしてチェイス出来ればチームディフェンスの向上に繋がるだろう。
元ドラ1の息子ではなくダンクチャンピオンになった今、スターターとして相応しい活躍を期待したい。
またランス・スティーブンソンがあのレベルの活躍を今後もしてくれるなら安い契約だった。とても所属チームがなかった選手とは思えないし、プレイオフ後ならもっと高くついただろう。
次年度へ向けて
☆ポール・ジョージとの再契約
これが出来なきゃ話にならない。トレード期限までに答えを出したい。
幸いにして補強出来れば残ってくれそうな発言もあった。本人がキャブスと戦えた、と捉えたか、キャブスに惨敗した、と捉えたか?
☆補強と放出
とりあえずサラリー制限するならモンタ・エリスは放出したい。貰い手がいるとは思えないが。
アル・ジェファーソンも高いけどインサイドだから必要。
若手ばかりなのでサラリーも高くないし、割と期待出来る。なので、キャップスペースもあるし、大物を取りたい所。
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クリス・ポール
本人がインディアナ志向はないだろうが、クリッパーズよりは使ってみたいプレーヤーは多いのでは。
ボールハンドラーとして、ディフェンダーとして、何よりチームリーダーとしてチームが必要とする要素と合致する。
シュートの上手いポール・ジョージとの相性も抜群だと思うし、ターナーの成長を助けてくれる。
イーストなら即優勝争いに入れるのも魅力なので、ポールにとっても悪くない話だと思う。
その場合、FAのティーグはいらないし、エリスも出番はない。
ポールがきたらカーメロも取れるよ。最強の両ウィングを操るポール。
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ゴードン・ヘイワード
ポール・ジョージの希望するヘイワード。
確かにお互いを尊重でき、シュートの上手いチームプレーヤー同士なので衝突しない。
SGで出ても良いし、スモールラインナップにも出来る。
これほどマッチする選手もいないだろう。
問題はどんな見返りがあってもジャズは出さないし、セミファイナルまで進んだら本人もFAにならないだろう。
さらにティーグとの再契約も必要なのでポールよりお金がかかる。
ヘイワードとクリス・ポールの負けた方を狙おう!!
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その他のFA
あまりマッチしそうな選手がいない。グリフィンも違う。ミルサップならアリという程度。
コールドウェルポーフやウェイターズは良いが若手の成長の方がバード好みだ。
現実的なラインだとオリニクやミロティッチなら効果的かもしれないが、ディフェンスどうするか。

ブレイザーズの今季を振り返る

ブレイザーズの今季を振り返ってみよう。
シーズン前のレビューは公式サイトより。
http://www.nba.co.jp/nba/2016-17-team-analysis-blazers/1j73th4mdjlkp1pk3q2l4z64u2

結果 44勝 → 41勝



今季の目標は何だったのか。
レビューの通り、昨季のブレイザーズは素晴らしかった。
それを受けての今季はターナーとエジーリを加えただけの布陣だった。そしてエジーリは試合に出ずにシーズン後に解雇された。
ターナーも高額契約したクラブもほぼ例年通りのスタッツを残した。

何れにしても具体的な変化のビジョンはなく、新しいリラードとCJマカラムを中心としたユニットでの成長がカギとなった。
その点では共に得点を伸ばし(特にマカラムのFG%は素晴らしい)結果を残したといえるが、アシストが減っている。

伝統的にオフェンスのブレイザーズは今季もオフェンスは良く得点は8位だった。しかし、アシスト数は23位でアシスト率は25位だった。個人での突破に頼りがちなオフェンスである事が数字に表れている。なお、共に最下位は同じツーガードエースのラプターズなので、何を目指すかは大切だ。

多くのスタッツがリーグで平均的なので、オフェンスで相手を上回りたいならアシストを増やすべきだし、2人の勝負強さで勝ちたいなら凡庸なディフェンスを強化すべき。
チームとしてはそこのラインがハッキリしていないので、割と良いチームに留まっている。
プレイオフに出れた事が成功なのか、勝ち星を減らした事が失敗なのかを判断できるほどの変化はなかった。


ヌルキッチの獲得
2人への比重が高まり過ぎて、ボール循環に課題があったチームはインサイドの中心プラムリーをトレードに出して、ナゲッツで出番を失っていたヌルキッチを獲得した。
15点10リバウンド3アシストに加えブロックも期待できる選手が入った事で3人の軸が明確になって、ロールプレーヤー達の役割がハッキリしてきた事で勝ち始めプレイオフに滑り込んだ。

トレードは大成功だったが、ヌルキッチのケガもあり、プレイオフは惨敗だった。それでもプレイオフまで行けた事が1つの証明なので、少なくとも悪いシーズンではなかった。

来季に向けて
軸の3人が明確で連携を深めるのが第1なので大きな変化は求めないだろう。何よりこのチームはサラリーが高すぎるのだ。やるならダボつく高額サラリー選手達をトレードする事になる。
もちろんグリフィンやヘイワード、ガリナリあたりが獲得出来るに越したことはないけど。
ペイント内の得点が少ないので、ディフェンスとリバウンドに優れたロールプレーヤーが必要。オフェンスリバウンドが異様に強いエド・デイビスはケガ?
将来の事を考えるとベンチを若返らせたい。2.3年後に主力となる選手を集めてエースの全盛期に備えたい。

ウォーリアーズの今季を振り返る

ウォーリアーズのシーズンを振り返ります。言うまでもなく優勝のみを目標としたチームでした。全てが優勝するためのステップでありファイナルでも圧倒的な強さをみせたため、その過程も肯定する事となります。
つまり基本的に褒めます。
チームの再整備
デュラントを獲得したため、サラリーキャップを考慮し再整備が必要となりました。バーンズ(残すためにマックス契約が必要)は要りませんが、ボーガットとエジーリ、スペイツのインサイド陣、バルボーサが出て行きました。
獲得したウエストはスペイツの働きが期待出来ましたが、パチュリアとマギーという他チームが見向きもしないインサイドとルーキーくらいの補強は怪しさ満点でした。



不調?のチーム
スパーズに大敗して始まったシーズンは73勝した昨季と比較されイマイチだとも言われました。デュラントが入った事でチームのバランスが崩れトンプソンが不調になった、などが取り上げられました。しかしスターターが2人も変われば時間が必要なのは当然でしょう。
シーズンを通してみれば問題があったのは別の部分でした。
試合が連戦または中1日の成績
昨季 56勝7敗 勝率888
今季 51勝13敗 勝率797
薄くなったベンチの層は連戦では重くのしかかりました。シーズン当初はリビングストンとイグダラしか計算できるベンチメンバーがいなかった事は昨季とは大きく異なります。
しかし、プレイオフをみてもわかるように最後には強力なメンバーと言われるまでに成熟しました。お笑い要員からハイライト要員に変わったマギー、FG49%をマークしたクラーク(2年前は34%!)、そしてシーズン終盤には新たな可能性のマコーが台頭しました。
長い時間プレーするスターターと違い10分から15分のプレータイムで、毎試合違う組み合わせで戦うため、個人のレベルアップも戦術の徹底も簡単ではなかったはずです。この辺りがHCの手腕になるのでしょう。
しかし、ファイナルでカリーのいない時間に得点力が落ちると公式サイトのコラムがありましたが、バルボーサの穴埋めだけは出来ませんでした。控えのPGが純正ではないリビングストンのみであり、ボールをプッシュする事が出来ていませんでした。 昨季まではこの2人で速攻を繰り出していました。
シーズン中にカルデロンの獲得がありましたが、デュラントのケガで契約から2時間で解雇し、カルデロンは面談だけで二千万ゲットしたニュースがありましたが、ファイナルの大勝がなければカルデロンと契約すべきだった、と言われたかもしれません。マット・バーンズよりマコーが使えた事は嬉しい誤算でした。



パチュリアとデュラント
ボーガットは独力で得点出来る選手ではありませんが、スクリーンやパッシングなどを駆使して味方と合わせる巧みさがありました。カリーとトンプソンの不調はボーガットの移籍によりフリーになる機会が減った事が大きかったと思います。特にカリーは3Pの確率を落としました。
3P確率 45%→ 41% (キャリア最低)
プルアップ3P 43% → 36.5%
3ドリブル以上からの3P 43% → 32%
オープン3P数 7.9本 → 7.5本
デュラントが入ってシュート機会が減りリズムを乱した、というよりも自らドリブルで崩してからの3Pの確率が悪くなったと考える方が自然な数字です。ボーガット不在の影響と言えるでしょう。
ボーガットの平均パス本数 30.4本
パチュリアの平均パス本数 23.1本
ボーガットからカリーへのパス 43% 13本
パチュリアからカリーへのパス 33% 7.6本
ボーガットとの関係性から得点していたカリーだが、パチュリアではそのパターンが減ってしまった。ただこれはパチュリアが悪いのではなくバーンズよりデュラントのパスが増えた点も関係している。
バーンズのパス本数 30.2本
デュラントのパス本数 38.4本
2人のパス本数を足せばほぼ同じなので、デュラントがその役割を担う面も出来ていた。



PGと偽PG
ウォーリアーズの最大の特徴はPGのカリーにある。上記のボーガットとの関係性は主にPGとしての振舞い。しかし、時に偽PGとなり、その役割をグリーンとイグダラが担う。2人はプレッシャーが少ない中でボールを保持し、その間にスクリーンを掛け合ってフリーになった選手へパスを出すのが役割。
この偽PGシステムには1つだけ欠点がある。誰がフリーになるかわからない事だ。
カリーとトンプソンをアウトサイドでフリーにしたいし、それ以外の選手は空いたらリングへアタックするのが基本。ファイナルでもあったように外す確率の高そうな選手をフリーにして、遅れても良いからヘルプでダンクだけはさせない選択をするチームもありました。
そこに新しくデュラントが加わりました。当然デュラントはフリーには出来ない。しかもデュラントは中でも外でも、どんな体勢でもシュートに繋げる事が出来る。
さらにそもそも偽PGでデュラントにボールを持たせる。グリーンやイグダラならばドライブを警戒する必要はないが、デュラントならば常にヘルプが必要。
そんなわけで、カリーを楽にしてくれるボーガットはいなくなったが、デュラントによりハーフコートシステムの効率性が大きく上がりました。
ポイントは偽PGでデュラントがボールを持つ、これは普通のチームならアイソレーションの状況だという事。デュラントが選択肢を間違えない限りはディフェンスには悪夢でしかありません。



PGとしてのカリーの成長
ウォーリアーズの基本的な戦略はそんなカリーを中心に走って走って、相手が疲弊する事や、カリー&トンプソンが爆発するタイミングを待つ事。48分の試合時間の中で、必ず1度は爆発するはず、そこでリードを奪えるから走っていれば大丈夫。そんな強気な発想で試合をしている。
しかしファイナルで度々見られたように、特に第5戦の後半でハッキリしたように、時に走るのを止める事が出来るようになりました。
メンバー的にも戦術的にも練られているため、走らないメリットはあまりありません。むしろ走らない事でリズムが乱れるデメリットの方が大きい。ある意味ウォーリアーズはシーズンを通してデメリットを消す訓練を積んだと言えます。
データ的にみれば昨季のファイナルではオフェンスの停滞が原因で負けました。その理由はいくつかあるでしょうが、ペースダウンせざる得ないケースを想定し、走らなくてもリズムを失わないチームへと成長させたシーズンでした。
理由を言えばリーグで最高のオフェンスプレーヤーであるデュラントが加入したのだから当然ではあります。しかしウォーリアーズはシューターのチームである上に、チームオフェンスの中で誰もがシュートする可能性があります。
これらの点を踏まえて走らない戦術にも磨きをかけてきたのでしょう。
その中心にはカリーがいました。第5戦でのカリーはオールドスクールのPGのようでした。決して急がず、各オフェンスでどのシステムを使うのか指示を出し、キャブスの穴をついていました。
さらに得点差をみながら常に冷静に、そして確実にリードを保っていきました。
ウォーリアーズから走る事をとったらリズムを失うように、カリーから積極性をとればリズムを失うと考えていましたが、良い意味で普通のプレーを積み重ねているカリーの姿は成長を感じさせると共に驚異的でした。
ファイナルではクラッチシュートを決めていくシーンはみれなかったが、だからこそコントロールするカリーというこれまでにない姿を見る事が出来ました。



来季への課題を考える。
歴代最高とも噂されるチームであったが、来季への課題は明確に存在する。まずはFA問題が最大の重要課題となる。
カリー
デュラント
この2人は間違いなく残留するだろう。問題はサラリー。デュラントは既に減額OKと発言しているがカリーがスーパーマックスならば、そう簡単ではない。両者が減額しなければ誰かは放出されるだろう。
イグダラ
ファイナルでその価値を再度示し、グリーンと並んで戦術的にも重要な役割を担う。再契約は確実なようだが、こちらも金額は重要。
リビングストン
こちらは重要性は高くないが希少性は高い選手であり、それなりのサラリーが必要(年600万ドル以上)。
ウォーリアーズはスモールラインナップが代名詞だが、ビッグマンがいないだけで小さいのはカリーとクラークしかいない。その分誰でも守れてどこでも出来る選手が多い。
リビングストンのようなガードは希少なので手放したくない。
パチュリア
クラーク
バーンズ
サラリーキャップの関係で安い選手が必要で見つけてきた選手達。バーンズ以外はウォーリアーズにいるからこそ活躍し、注目されたわけだが、他のチームから2、3倍のサラリーを提示される可能性がある。プレータイムも考えて移籍する可能性は割と高い。
ウエスト
マギー
こちらも安い選手。優勝したくて加入したウエストは引退しない限りはミニマムで契約してくれるだろう。他のチームに行けばお笑い担当に戻ってしまうマギーもほどほどで契約するはず。
そんなわけでなんと9人もFA選手がいる。カリー・デュラント・イグダラのサラリーが決まらないと先に進めないのも厳しいところなので、逆に外から獲得する選手も限られてしまう。今季はマギーを当てたけど、ルーキースケール契約が少ないことも不安材料になっている。



補強と改善点
◯イグダラの代役
そろそろイグダラの代役を作れないと戦術的に厳しい。イグダラが衰えた訳ではなくて、ディフェンスであらゆる選手にマッチアップすれば、オフェンスでもPGからPF役までこなし3Pからトマホークダンクまで何でも決めるオールマイティさはグリーン・デュラント・リビングストンと共にローテーションの優位性を生み出している。簡単に言えば相手の事を考えず、自分達の都合でローテーション出来る。
ファイナルでは一瞬だけマコーにPG役を任せていた。線の細いマコーだけど適性はありそうなので鍛えたい。鍛えたいけどプレータイムをどうやって増やすかが課題となる。結果としてグリーンやデュラントのスタッツが下がるかもしれない。
◯控えPG
今季唯一悩ましかったポジションは何かしらの補強を考えるだろう。PGを連れてくるのは簡単なのだが、純正PGはウォーリアーズに合わない可能性がある。長身コンボガードかカリー弟が理想かも。クラークもいなくなりそうだからSGでも我慢できる。
リビングストンの残留は前提としてブヤチッチやカルデロンを連れてきたり、セフォローシャでディフェンスの多様性を優先する方法もある。まかり間違ってラウリーやジョージ・ヒルが激安サラリーで契約してくれれば最高ではあるけど。
リビングストンもいなくなるなら逆に純正PGとSFだけどサラリー出せないから厳しい。
◯センター
パチュリアはサラリー考えたら悲観するような選手ではない。しかしプレーのみでみたら変化を加えるポイントではある。
では誰をとるのか。それはボーガット。現在FAでケガ中。
ボーガットを欲しがるチームはそれなりにありそうだが、主力にしてくれそうな筆頭は実はウォーリアーズ。次点がセルティックス。
ディフェンス面の貢献は期待出来るので、控えで層を厚くするのにはうってつけの選手だけど、インサイドの得点に優れた訳ではなく、ストレッチ5でもない。ディフェンス・スクリーン・トレイルに特化してスターターになれるのはレアチームです。
これまでのようなサラリーは期待出来なそうなボーガットなので、どうせ安いならウォーリアーズでスターターで優勝する、そんな考えになっても不思議ではない。移籍させられた経緯も含めてボーガットの気持ち次第。
クリッパーズから離れるスペイツという手もあります。



strength in numbers
昨季はデビット・リーが抜けた穴を補完出来なかったウォーリアーズ。ファイナルでグリーンのファールトラブルに困らなかったように今季はデュラントがバーンズ&リーの役割を出来たため埋めることが出来ました。しかし、今季はバルボーサの穴は埋まりませんでした。
前回触れましたがウォーリアーズの強さは数の強さでもあります。バーンズとデュラントの交換以外は少しずつ弱体化しています。まぁデュラントだけでお釣りがくるのですが。
スーパーチームになったウォーリアーズはサラリーキャップがあるため、有力な若手・中堅の獲得は難しく、優勝したいベテランと無名選手から探してくるのが前提です。そこそこサラリーの選手に失敗出来ない面もあります。
よりGMの力が試される事になるでしょう。

サンダー(ウエストブルック)の今季を振り返るトリプルダブル編

サンダーの今季を振り返ってみる。なお、管理人はサンダーファンのためチーム構成のトリプルダブル編と反省展望編に分けた二部構成です。
シーズン前のレビューは公式サイトから。
http://www.nba.co.jp/nba/2016-17-team-analysis-thunder/34xr15bmk0jq16uj7hvcg2lpc

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サンダーの今季を振り返る反省展望編

サンダーの今季を振り返る。前回はウエストブルックのトリプルダブルはチーム戦術だった所まで触れた。その戦術の代償となったものがある。
ウエストブルックの代償
・ターンオーバーが多い。
・FG%が低い。
チームの代償
・ボールが回らない。
・得点が低い。
ボール循環とFG%
サンダーは1試合に260回パスを出す。これはNBAで最も少なく、1位のシクサーズより100回近く少ない。なお、サンダーの上はウィザーズ、ロケッツ、ラプターズ、キャブスなので順位との相関性は低い。
次にキャッチ&シュートでの得点が23点で下から3番目で、FG%は最下位だ。これは順位との相関性は高く、例外でほとんど3Pのロケッツが25位にいるくらい。
オープンな状況で21.5本の3Pを打っているが、33%しか入らない。例えばスパーズは19.8本しか打っていないが、40%を決めている。



サンダーはボールが回らない事も問題だが、意外にもパスからフリーで打てる回数は十分にあり、単に成功率が悪いといえる。特にスターターのロバーソン24%とサボニス32%は問題だ。
またフリースロー成功率も26位。プレイオフのロバーソンの悲劇(14%)も記憶に新しいが、アダムスやグラントといったリングに飛び込む選手が60%台でガードのオラディポも75%と物足りない。全員が改善する必要がある。



データに見合わない勝率
サンダーはレーティングではオフェンス17位、ディフェンス10位だが、その差がマイナスになり、12も勝ち越しているチームとは思えない。ウエストブルック様様である。
メンバー構成
今季はオラディポをセカンドオプションとして加えたが平均16点と微妙だった。オールスター明けから一時調子をあげたが、結局数字を下げミスが増えた。
PGの控えにクリストン。コントロールは悪くないがシュート力不足。SGにアブリーナス。こちらはシューターだが運動能力に欠ける。
SFにはオフェンス面を差し引いてもロバーソンをスターターにしているのはディフェンス面を考えての事で、4.1%もマークマンのFG%を下げている。デュラントの逆サイドならば良いチョイスだがオラディポではパンチ力に欠ける。
控えにグラント。走力がありドライブも良いがシュートが。シーズン途中にマグダーモッドを獲得した。こちらはシュートは良いがディフェンスが。
PFのサボニスはサンダーらしい良いルーキーを連れてきた。3Pが安定して入ればギブソンにポジションを譲る事もなかっただろう。そのギブソンはFAでブルズに戻ると宣言したが、今ではサンダーに残りたい発言。ウエストブルックに合うのはデリック・ローズの系譜だからか。
センターはアダムス。体を張れるし、レンジは狭いがシュートもうまい。控えにキャンター。リーグでも20位に入る得点力。



来季への展望
ロケッツとのプレイオフは期待を裏切るものだったが、実はこのチームは非常に若い。ギブソン(31)ウエストブルック(28)以外は25歳以下の選手達だ。アダムスなんかアレで23歳なのだから。
それが経験の差となって出たのも事実だが、未来があるのも事実。それをどうするかが来季へのプランとして重要だ。
まずは現状維持が大前提だが、FAでギブソンとロバーソンがいる。そしてこのポジションこそがサンダーの考え所になっている。
SFは得点力とシュート力不足。もちろん欲しいのはデュラントだが1年じゃねぇ。次のターゲットはヘイワード。まぁこないだろう。
可能性があるのはルディ・ゲイ。ディフェンダーとしての役割もセカンドオプションにもなれるので、ケガさえなければ積極的に狙いたかった。
ロバーソンと高額契約するくらいなら、グラントとマグダーモッドの成長にかけたほうが良い。来季はウエストブルックにディフェンス頑張らせれば問題ない。
次にギブソン。マッチしてるから残したいけど、グリフィンを取りたいのだ。グリフィンを取れれば、サラリーの関係からキャンターを出してしまおう。
それでも来季からはオラディポとアダムスのサラリーが大きな負担なのでギブソンを残せるか微妙。



なんだかよく分からなくなったが、若いチームなので来季への課題は個人のレベルアップに期待する部分が大きい。このままのチームで臨む可能性もあるくらいだ。
そして課題もシュート力に絞られててわかりやすい。あとはオラディポがスターになれるか、新たにセカンドオプションを獲得するかのどちらかだ。

ホークスの今季を振り返る

ホークスの今季を振り返る。シーズン前のレビューは公式サイトから。
http://www.nba.co.jp/nba/2016-17-team-analysis-hawks/zi4xfn0su61i1rge8gy2us030
昨季48勝→今季43勝
ホークスが旋風を巻き起こしたのは僅か2年前の話。60勝を超えてイーストで圧倒的な1位だった。優勝に辿り着けるチーム出ないことは明白だったが、それでも素晴らしいチームバスケをしていた。
今季はシーズン中にコーバーが抜け、その時のスターターがミルサップ1人になった。信じられない変化である。それでもチームを勝たせたブーデンホルザーは今のNBAで最高のコーチだと思う。
ハワードを加え、シュルーダーに掛けたチームは簡単にいえば不安定だった。
平均得点は103点、失点は102点だが、勝った試合はFG48%で110点、負けた試合は42%で96点と落差が激しい。
開幕ダッシュしたら急に失速し、1月に11勝4敗した後は負け越した。



不安定な中心選手
シュルーダーはアテンプトは変わらないが勝ち試合と負け試合で7%もFG%が落ちる。ミルサップも6%落ちて3Pは3割を切ってしまう。ハワードも落ちるけど、元々アテンプトが少ないので許容範囲。
中心となるエースとガードの成績が分かりやすいのは課題だ。負け試合なのだから当たり前と思うかもしれないが、プレイオフで対戦したウォールは負け試合の方が得点が多い。それがエースの仕事ともいえる。
なお、平均得点は昨季とほぼ同じでイーストでは4位から5位になっただけだが、リーグ全体では12位から22位になった。ウエストの9チームに抜かれた計算。



若手の台頭
ハワードはロケッツ時代と同等の成績を残したが、それはつまり復活したとは言い切れない数字だ。ただ、FGが63%と高確率で決めており、インサイドフィニッシャーとしては機能している。
その分、ミルサップが数字を落としたので良かったとは言い難い。
シーズン後半になり伸びてきたベイズモアだが、ベンチからの出場になり、さらに効率性が改善された。変わってプリンスがスターターになったが、インサイド好きなSFでディフェンスに特徴がある。
コーバーを放出したのは驚いたが試合をみれば納得できた。まぁもっと良いトレード相手いたと思うけど。
ハーダウェイjrは消えていく選手だと思っていたが化けた。ホークスでは珍しく逆境に強い選手だ。負け試合の方がスタッツが良い。スターターになってからは平均17.5点。3Pに改善の余地はあるが二世選手から脱皮した気がする。
ベンチにはベテランが並び、カルデロン、イリャソバ、ダンビーリーとプレイオフに向けて強化出来た布陣だった。



問題なのは、このメンバーが何を目的としているかだ。2年前のホークスは素晴らしいチームだった。しかし優勝出来るとは誰も考えなかった。
そこからチームは変わった。変わったけど、優勝からは遠かったし、不安定なメンバーになった。シュルーダー、ベイズモア、ハーダウェイjrには成長要素はあるが、かなりの我慢が必要だ。
とはいえ、来季に向けてまた変化させてやり直すのもバカらしい。FAでスターを獲得して優勝を狙うと宣言する以外に道がなさそうなチームである。
では、どこのポジションが欲しいか、それもまた悩んでしまうし、シュルーダーとプレーしたい選手がリーグにどれだけいるのかも不安要素だ。
スターでなくとも多能なSFが欲しいところ。スモールラインナップに対応出来て、アウトサイドシュートの上手い選手。
ガリナリやイグダラ、タイプ違うけどジェームズジョンソンあたりを連れてこれれば地味に強化出来そう。そして地味なシーズンを送りそう。

ブルズの今季を振り返る。

ブルズの今季を振り返る。でもプレイオフ以外観た記憶がないので超適当です。
シーズン前のレビューは公式サイトから
http://www.nba.co.jp/nba/2016-17-team-analysis-bulls/1x43fnpi3uvnv1btj29k5gnic8
42勝→41勝
ブルズの評価は人によって違うだろう。個人的にはベテラン2人連れてきてエセビック3作ったわりにプレイオフに出れたのだから成功だと思う。シーズン中にも揉めたけど、もっと崩壊すると思ってた。よく勝ったな、という印象。



チームをどうしたいのか。
ローズを諦めた事も、ガソル、ノア、ダンビーリーらを放出した事も理解できる選択だった。バトラー中心に若手に切り替えて再出発するのだ。
そう思ったらロンドにウェイドを加えて、今年も諦めないらしい。とはいえ、シーズン途中にギブソンも放出し、マイケルカーターウイリアムスやペインを手に入れた。どれも微妙なコマだけど、ベンチにそれなりに若手を揃え始めたね。グラント、ポーティスと合わせて誰か1人でもウェイド&ロンドの契約が切れる来年までに使えるようになれば、あとはサラリーキャップも空いてエース級のFA狙うのかな。
所詮、そんなシーズンであり、そんなシーズンでも負ける事は良しとしない、みたいなフロントか。



中学生のバスケか。
得点、FG共に25位だけどリバウンド3位でディフェンスのチームだった。でも1番多くてもロペスの6本台なので、全員攻撃全員守備みたいなチーム。この流れはある意味バスケ全体の流れなので、思い切ってポジションレスの戦術にしても面白かったのに、戦術には乏しいHCだった。奇妙なHC選出に定評のあるブルズ。今回も得意分野がハッキリしている人だった。



来季に向けて
特にいう事もないので来季に向けて。リーグ全体の流れとしてルーキーには期待出来ない。ならばFAだけど、ポジション的に取るべき要素も見つからない。
なので、地味でもそこそこ期待出来そうな若手を狙うべきかな。放出してくれそうなチーム事情。
デリック・ウイリアムス キャブスより高いサラリー提示すればとれる。
セフォローシャ ホークスで出番失った。
イアン・クラーク ウォーリアーズでの経験を武器にプレイタイム増を狙ってそう。
ジェームス・ジョンソン、 マイアミから奪い取れるか
コビントン 若手いっぱいのシクサーズなら手放すかも。
ジェレミー・グラント サラリーの関係でサンダーから貰えるかもよ。グラント揃え。



考えても仕方のないレベルの話だな。若手に縛ると制限付きでよくわからないし。
まかり間違ってグリフィンでも取れない限りは来年も同じようなシーズンを過ごすのだろう。