さようならマジック’25

◎スーパーだったフランツ

バンケロが微妙だった一方で、そのバンケロがいなくなってからのフランツ・バグナーのプレーは圧巻でした。ケガさえなければオールNBA2NDには入れたってくらいの圧巻。ただし、それは「バンケロがいなければ」という前置きもつくので、エースの座を奪い取ったわけでもありません。

またフランツのTSもシーズン通すと55.8%にとどまっています。こちらの課題は3Pとハッキリしているので改善の余地はデカいですが、両エースの効率の悪さはマジックの可能性であり課題です。

この個人スタッツだけだとフランツもアレだけど、オン/オフのレーティングを見るといかにフランツが重要だったか。そして、それでもマジックのオフェンスには問題があることがわかります。

ちなみに2人ともコートにいるときはオフェンス 110.4  ディフェンス 106.7 となっており、フランツしかいない時の方がレーティングがよくなっています。個人レベルでの活躍度に差はないのですが、それをチームオフェンスに落とし込んだ時に効果的に機能しているフランツと、流れを阻害しているようなバンケロという構図。

共に6-10というサイズがあり、シューティングはいまいち。プレーメイクも出来るスコアリングタイプなわけですが、状況判断とスペースの作り方においてフランツの方が優れています。ディフェンスからすると嫌なスペースを使われていくので、カバーに奔走することになり、より展開できるのがフランツのアタックなわけです。

また、フランツの良さは万能性にもあり、そもそも6-10がガードオフェンスしてくるのは相手からすると厄介だし、その上でマジックからするとマッチアップの万能性で守りやすくなります。明らかにディフェンスで弱点になっているだけでなく、PFしか守れないバンケロの使い勝手の悪さってのもね。

これらの話は悪いようでいて「進化」という点でポジティブです。少なくとも昨シーズンまでは「バンケロ中心の戦術を構築していく」ことが課題であり、どうしてもバンケロの使い勝手の悪さやプレー精度に悩まされる未来がみえていました。

しかし、フランツもスーパースターへの道を歩み始めたし、チーム戦術を構築する中ではフランツの判断力を有効活用しつつ、バンケロの1on1を組み合わせていく形も見えてきます。いろいろと課題はあるし、上手く融合できるかは簡単ではないけれど、ストロングスタイルの戦術にはならない気がしてくるじゃん。

今シーズンが飛躍への準備として捉えるならば、フランツがスーパーになってきたことは大きな変化でした。

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