◎キング瀬川
チームのベストプレイヤーは渡邊レオンでしたが、個人技で打開するタイプではなかっただけに、起点として重要なのはPG瀬川でした。高校生の情報に疎い管理人は知らなかったのですが、小中高とすべてで優勝しているというこの世代のキングは、キングらしさを発揮し、それがポジティブでもネガティブでもありました。
まず、突破力において日本では群を抜いており、見事なドライブ突破はアジアレベルではトップクラスでした。オーストラリアを除けば瀬川レベルに突破できるガードはいなかったもんね。懐の深いボールの持ち方はミスをしにくそうだし、逆サイドへのパスも出来ていました。基本的なパススピードもあったぜ。
総じて瀬川が国内最高の選手であることは疑いようのない事実でした。そんな『キング』であるからこそ、キングらしい問題も多発しました。
日本の対戦相手は渡邊への対処に困っていたので、基本的にはピック&ロールで渡邊をロールマンとしてリングにダイブさせれば、ロブパスフィニッシュか、少なくともディフェンスを2枚引き寄せることが可能で、渡邊へのパスフェイクからコーナーへのキックアウトパスを混ぜればイージーにオフェンスを組み立てることが出来そうでした。フィリピン戦では成功していたじゃん。
しかし、韓国戦ではやっぱりドライブをしてしまう瀬川というシーンが目立ち、渡邊の怖さを使わないオフェンスが多すぎました。10点リードしながら難しいドライブばかり選択していた中国戦といい、なんでそんなに難しいチョイスを優先するのか、理解しがたかったのですが、国内で試合をしている限り瀬川にとってはドライブというチョイスが正しいからなのでしょう。
また、瀬川は突破力があるのでドライブしてゴール下まで行くのですが、ここでストップしてフェイク⇒ゴール下というシーンが多くみられました。でも、ちゃんとディフェンダーに囲まれて潰されています。似たような形として、ドライブからディフェンダーの隙間を突破してレイアップに行きたがるのですが、このレイアップの成功率も低かったです。
そんなわけで瀬川は平均13点を奪っていますが、FGは40%を下回っています。183センチとサイズもあるし、体幹もこの世代ではしっかりしているので、国内の試合では正しいチョイスというか、これで得点が奪えるのかもしれません。しかし、リムプロテクト力のあるチームが相手となれば、183センチのガードがゴール下で止まってジャンプシュートというのは無謀だし、密集地帯を抜け出してのレイアップはブロックされる可能性が高いです。
てなわけで、オーストラリア戦はプレータイムが短くなったこともあるけど、2点0アシストでした。韓国戦も抑え込まれていました。ただ、最後に追い上げるための3P連打を決めまくって24点を奪うなど、緊迫した場面でも強気に行けて結果も伴っています。ある意味で瀬川のメンタリティは高く評価してあげたいし、その強気な姿勢はオフェンスの構築においてイマイチでもありました。
前回の記事でコメントを貰いましたが、瀬川が世代NO.1であるからこそ、同世代の中でプレーしていても大した意味はなく、上の世代に混じって同じプレーが通じるのかどうかを日々チャレンジした方がいいのでしょう。このままキングなプレーを続けて成功させる選手になるのか、それとも格上相手でも通用するプレーをチョイスする判断力を身に着けていくのか。いずれにしても高校バスケではないだろうね。
瀬川の悪かった部分は国際試合ではよくあるケースなので、気にすることはありません。ただ、この経験をプラスに変えてくれるのかどうかが大事。少なくとも、もっと渡邊を使うプレーをしていれば、瀬川自身が楽にプレーし、効果的なドライブを決めていたのは間違いないと思う。
前回大会はタレントが揃ってましたから、前回と比較するのは可哀想なのかもしれませんね。
ただそれでもある程度仕上げてくるマルティネスマジックよ。
瀬川は国内ではスペシャルですが、まだPGというよりスコアラーですね。
将来性は高いとは思いますが。
話は変わりますがYouTubeのBリーグ公式でユースの試合観れます。
今回の中国代表とも対戦してますので、よろしければ。
ペイントタッチが徹底されてちょっとでも空けばスリーを打つあたり、こっちの方はホーバスっぽいバスケをしてます。