◎組み立てる
インターハイを見学にもいきましたが、とにかくスクリーンを使うのが下手というか、殆ど使えていないのが目立ちました。それはU18でも同じ現象が起きているのですが、特に目立ったのは
スクリナーが来ているのに使わなかったり、スクリーンがヒットする前にハンドラーが仕掛けてしまう
という事でした。インターハイでは2つの理由があって「スイッチしたくないディフェンス」と「スイッチさせても、その後の展開力がない」なんてことだと思ってみていました。前者は留学生対策がデカいのですが、代表の国際試合になるとスイッチが増えるので消えます。っていうか、日本だってマルチネスだとオフボールスイッチやローテすら普通にやるからね。そして後者は国際試合でもガッツリ出てくるわけですが、それって
スクリーン1発で得点を生み出したい
という願望にも見えてきます。NBAというかプロレベルと育成年代を比べちゃダメなんだけど、NBAばかりみている人からするとスクリーン1つで点を取るなんて欲望が深すぎるよね。まずはスクリーンでディフェンス力のない選手を呼びだし、そこでアイソを作ることでダブルチームを促し、ワイドに展開し・・・などなど、
まずはスクリーンでディフェンス体形を崩す
なんていう部分もあるわけです。ディフェンスがやりたいことをやらせないって大事。こういう手順を踏んだオフェンスの構築は日本が不得意な分野です。それはシステマティックなプレーを構築しているマルチネスの代表ですら、冒頭のように崩れてしまうのだからさ。
僕らはNBAを見過ぎているから勘違いしている面は大きいけれど、1つずつ相手を崩していくような工夫が欲しいよね。なお、そういうことをやらないで1on1ごり押しでどうにかしてしまうのが世界最高のドリームチームでもあるから、これまたニャンとも言えないわけだ。
こうしてスクリーンを使わない/使えないハンドラーにイライラしてしまうのがNBAファンの罪なのですが、さらに謎なのがスクリナーを呼んでいるのに使わないシーンが多いことです。それはシンプルにスクリーンにヒットさせる誘導が下手すぎる問題と、スクリーンを呼んだのにスクリーンの逆へドライブする「リジェクト」というチョイスが多いことでもあります。
前述の瀬川は正にそんな感じ。ハードマークされているんだからスクリナー使ってマークマンを剥がし、余裕を作ってからアタックすればいいのに、リジェクトからのドライブをしてゴール下でブロックを食らっていましたとさ。
日本バスケ(バスケだけに限りません)がストロングスタイルしかできないのは、育成年代で上の世代と対戦する機会が少ないってのが大きいのではないかと思っています。
ヨーロッパのクラブだと優れたタレントは10台前半のころから上世代のチームに混じってプレイするのは普通ですからね。
ルビオやドンチッチクラスになると15前後でトップチーム昇格して20代30代の選手と戦っています。
若い頃から単純なフィジカルとスピードで圧倒できない上の世代相手に戦っていれば自然とそれ以外の方法で攻略する術が身についてきます。
アメリカもストリートの文化が残っている地域なら年齢関係無くプレイするのは普通ですし。