さようならレイカーズ’24

◎レブロンとAD

強いチームには勝てず、弱いチームには勝てる。それがレイカーズの成績だったとすれば、ナゲッツとのシリーズは内容としてのわかりやすさもありました。大量リードしては追い上げられて逆転されるという繰り返しは、しっかりと戦える能力はありつつも、勝ち切るだけの能力はなかったというものでした。

特に20点差を逆転されたゲーム2は典型的な内容でした。この試合はADの爆発から始まり、後半開始早々に20点をリードすると、そこからADを封じ込まれてしまいます。

ナゲッツは戦略変更して明確にAD優先で止めに来ました。そこでADが止められると以降のレイカーズは34点しか取れませんでした。なお、そのうち16点がレブロンです。

ナゲッツからすると極めてシンプルな対抗策ですが、ナゲッツは試合開始からはやらないという変わったチームでもあるので、ヤバくなった時に、ヤバくなったポイントを抑えることで逆転勝利を生み出しています。きっかりとブザービーターマレーで逆転しているのは計算通りとしては出来過ぎ。

総じて後半にまともにプレーできているのはレブロンとリーブス、そして何故かプリンスの3人くらいでした。自分たちが良い時間には良いプレーが出来るけど、悪い時間には止まってしまうのがレイカーズの特徴であり、それがトップチームとの差でもあります。

なんでレイカーズは苦しくなるとレブロンの個人技ばかりになるのですか?

この手の質問はいっぱい来ていましたが、なんともいえない。

レブロンがボールを持ちすぎる傾向は昔からなので、レブロンに問題があるのは間違いありません。しかし、今のレイカーズはレブロンアタック以外で何を組み立てることが出来るのか。メインウェポンになるのはディアンジェロとADのツーメンゲームですが、ナゲッツはADを消しに来たのでディアンジェロが決めまくるのを期待するしかありません。

リーブスは個人技アタックで点を取ってくるので一定のメリットがあるけれども、これも個人技アタックなので展開力に欠けてしまいます。八村は単に抑え込まれていた。ってことで、結局はレブロンアタックに戻ってくることになります。

レイカーズが強豪に勝てないというよりは、ADへの連携を消せるチームが相手になると急激に苦しくなるというのが本質にも見えてきます。サンダーはインサイドへのパスを消せない事情もあるので、ここが大きな違いかもね。まぁキングスみたいにAD頼みのディフェンスを壊せるっていうケースもあるけどさ。

優勝時のレイカーズで言えば、ロンドが起点役になって、クズマがシュータームーブなんかを混ぜ、カルーソ・KCP・グリーンがランニングとコーナーでの合わせで連携を生み出すことをしていましたが、今のレイカーズは起点役はいるけど、そのほかが足りていません。正直、レブロン・ディアンジェロ・リーブスと並べちゃうのも起点を重視しすぎていて、オフボール担当不足にみえるもんね。

シーズン中はレブロンとリーブスのツーメンゲームを連発していることもありましたが、あれはあれでよかったのに消してしまったプレーオフ。いずれにしても

「ボールを持ちすぎるレブロンが悪い」が事実だったとしても、その前に「他のオフェンスパターンがない」方が問題。それはディフェンス面でもADへと引き込む形しかディフェンス戦術がなく、その戦術は強力だけどポイントセンター系が相手になると相性が悪すぎるという問題も引き起こしていました。

要するにバックスと似たような感じだ。いわゆる「ストロングスタイル」なんだけど、レブロンとADが万能系なので目立たないだけ。レイカーズは強い。強いけど脆い。

さようならレイカーズ’24” への5件のフィードバック

  1. 優勝した後ヴォーゲル好みのチーム構成から年々遠ざかっていったのを振り返るとフロントが一番問題だと思います。
    記事中で仰っているようにレブロン&ADで優勝する為の最適解はわかっているはずなのに年々チーム内での二人の負担が大きくなっていってるのをどう見ているのか。

    1. ADが相当頑張った珍しいシーズンだっただけに、逆に周囲がサボったようにもみえるんですよね。
      強いのかっていえばレブロン&ADは強いんだけど・・・みたいな

  2. LALの脇役陣に対して、
    レブロンから何か仕事を減らすくらいはして欲しいと思いました。
    全盛期ボッシュやウェイドすら一歩引いた仕事を懸命にやっていました。
    せめてリバウンドなり、ディナイやディフレクションなりもう少し気を効かせて常に全力でやって欲しいと。
    チャルマーズみたく時にはレブロンに食ってかかるくらいメンタルが欲しいと、今年のLALのロールプレイヤー達を見てて思いました。
    MINやDEN、DALの試合を見ると尚更です。

    1. コーナーでパス待っているだけってのがね。それ以外に仕事を定義できていないHCの問題でもありますが、定義したらできたのかっていうと・・・

      レブロン帝国すぎますね。

  3. そりゃあレブロンとADがいればある程度は強いですよね、、、
    それでも、西の3強と比べたら劣るわけで(サンダーは相性云々ありますが)、順当な敗退だとは思いますが、それにしてもナゲッツに粉砕された去年があるのに、ナゲッツに勝つためにどうしたらいいかを考えてないようなシーズンでした。チャレンジャーの精神が不足している風にも見えた中で、クリスティなんかは明らかに能力は不足してる中で自分が何ができるかを必死に体現していて見てて面白かったのに試合に出てもこなくなって、、、

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