さようならサンズ’24

◎3Pキング

シーズンの3P成功率でトップに立ったグレイソン・アレンでしたが、その成功率はビックリの47%。アレンがこんなに高確率で決めるなんてね。でも、そこにはちゃんと理由もあります。

アレンはワイドオープン3Pで4番目のアテンプト数でしたが、アレンより多いのはヤング、ハリバートン、ラメロのディープ3Pを打つハンドラー陣となっており、スポットシューターとしては極めて多いワイドオープンだったといえます。

加えてワイドオープン以外のアテンプト数は1.1本しかなく、4.7/5.8と実に8割以上のアテンプトがワイドオープンだったわけです。そりゃあしっかりと決めないといけないよね。

サンズはリーグ5位の3P成功率でしたが、それはアレンが引き上げたともいえるし、チームオフェンスとしてワイドオープンを作れたことでアレンの数字が引き上げられたとも言えます。いずれにしてもオフェンスシステムとしてロールプレイヤーにワイドオープン3Pを打たせることに成功しました。

シーズン序盤からスペーシングをしっかりと行い、エース中心のアタックからエクストラパスを繋いでのボールムーブもあり、しっかりとシステム化されていたといえます。なお、プレーオフでもワイドオープン3Pはしっかりと放てており、印象ほど悪かったわけではありません。

アレン、ゴードン、オニールの3人が合格点だったのに対して、オコギー、渡邊、リトル以下のロールプレイヤーは落第点でした。ここはサンズの選手起用を大きくブラしてしまった要因です。ハードワークするウイングを多めに起用すべきだったものの、彼らがワイドオープンを外してしまうので起用しにくかったわけだ。

また、地味にデュラントの名前がないのも気になります。0.9本しか打たなかったデュラントは「コーナー待機」していたといえるのかどうか。

そしてここで前述の疑問も浮かんできます。サンズはシステムとしてはエース中心のアタックからワイドオープン3Pへと繋いでおり、そこに高確率で決める選手を優先的に配置していきました。勝つためには必要な采配だったといえますが

目の前の勝利のためにはシュート力だけど、本当に強いチームになりたかったらディフェンスとハードワークをベースにした戦い方で、改善しやすいシュート能力、それもワイドオープンのシュート能力向上に賭けるという手段もあったはずです。まぁオコギーは改善しないだろうけどさ。

ある意味で完璧主義的なシステムを求めたようなヴォーゲルであり
ある意味でチームの理想形を求めるよりも現実として勝ちに行ったヴォーゲルでもある

サンズがライジングした中には献身的な働きでハードワークを引き受けていたエイトンは欠かすことが出来ず、ミカルやキャム・ジョンソン、クラウダーもハッスルして助けてくれました。ついでにいえばヴォーゲルで優勝したレイカーズだってKCPやダニー・グリーン、カルーソにクズマまでハッスルしていたじゃん。

サンズに足りなかったのはダニー・グリーンとKCPですが、彼らのような選手になれるのはアレンでもゴードンでもなかっただろう。この2人レベルの選手を連れてくるにはサラリーキャップ的に厳しいのだから、次にこの2人レベルになれる選手を育成すべきだったね。

ところで、サンズはシーズン後半になるとディフェンスの良いチームへと変貌しました。あのメンバー構成でディフェンスの良いチームになれるというのはヴォーゲルマジックとしかいいようがありません。個々のディフェンス意識が高まり大きな改善をしています。

ディフェンスに定評のあるヴォーゲルなので、ひょっとしたら
ディフェンスは改善することが出来る
シューティングは改善することは出来ない

という意識だったのかもしれません。

4試合のレーティングなんて意味はないけど、お得意のディフェンスも上手くいかなかったことが示されています。アレン不在が響いたのか、それとも酷使のエース陣が疲れたのかはわかりませんが、マクダニエルズ、NAW、アンツと次々に登場するウルブズのディフェンダーに大いに困らされたことを考えると、サンズ側の個人ディフェンス能力は明らかに足りませんでした。

特にゲーム4の終盤はアンツがビールをボコっているのが印象的で、それは本来のマッチアップ相手であるオコギーを剥がしての1on1でした。エースキラー1枚がいたとしても剥がされるリスクが高く、チームディフェンスの工夫をするか、エースキラーを複数枚用意してスイッチを繰り返すことが必要になります。その準備は出来ていなかったし、そもそもビッグ3にして負担シェアするならば、ディフェンスのできるビッグ3じゃないと意味がないのでした。

さようならサンズ’24” への4件のフィードバック

  1. グリズリーズなんて、ガードが誰も安定して運べないから、JJJがフロントコートに運んでたのに。ロディは、全部を解決するようなすごい選手じゃないけど、少なくともディフェンスでは便利な使い方できるのに、試してもくれないのか。と思いながら観てました。
    来シーズンはまずHCどうなるのかなー。最善がなにかもわからない!!

    1. 各選手の良さを使い切るのがヴォーゲルだという認識だったのに、使わない選手が増えたのも奇妙でした。
      グリズリーズもノーPGな側面もあるので、真似すればいいのになーって思いますね

    1. 来年もこんな感じだったらワガママ族が発動しますよ。

      上手くいくなら2年といわず5年っていいだすけど

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