20180228 ヒート vs シクサーズ

前回の対戦では前半23点の大量リードしたヒートが、好調だったドラギッチとジェームス・ジョンソンではなくウェイドを重用した後半に自滅して大逆転負けしました。完全な采配ミスですが、それは一体なんだったのか?

しかもエンビート不在の試合だったため、今回もシクサーズ有利の匂いがします。とはいえ、ドラギッチとジェームス・ジョンソンを止められないシクサーズでもあります。

 

なお、ゲームレポートの書き方を変えてみます。試合内容の細かい部分は逐一書かずダイジェストのリンクをつけます。ダイジェストには現れないお互いの狙いや問題、マッチアップの関係性を中心にしてみます。このブログもそろそろプレーオフ対策です。

 



前半です。

◉ヒートの問題点

ウィンズローの記事が出てましたがヒートの問題点としてPFまでガードみたいな選手を使っている点があります。ケガで離脱期間が長かったとはいえジェームス・ジョンソンとオリニクがいるので、問題点というかオフェンス戦術の工夫でしかありません。

だからディフェンスをどうするかが課題で、シクサーズは逆にサリッチやホルムズを使いインサイドの高さで勝負してきます。ここで高さ負けしたヒートなのですが、ファールで止めたり、シクサーズが落としまくってくれて助かりました。

 

その意味ではむしろ問題があったのはオフェンス面でガードを並べているのにパス回しにスムーズさがない事です。タイラー・ジョンソンのミスが目立ちます。特にシクサーズのTJマッカナムが出てくると次々にパスをスティールされました。ただそれを追いかけて止めるシーンもあるのはさすがです。

デメリットを何とか隠すけど、メリットを活かせません。これで1Q8分過ぎから7分の間FGがなくなりシクサーズリードの1Qとなりました。



◉HC問題のシクサーズ

前回の対戦ではシクサーズの悪い点と良い点が対照的でした。

悪い点
ベリネリが戦術理解しておらず、チームのジャマだったけどHCはベリネリ大好き

良い点
プレーメイク出来ないシューターを並べて困ったけれど3P乱れ打ちにしたら、ブッカーがオフェンスリバウンドを拾いまくってくれた

 

大切なのはどう考えてもブッカーなのですが、そんなブッカーをリリースしてイリャソバを獲得する話もあります。これ以上増やしてどうするんだ?

そんな理由でまたもベリネリでリズムを乱していくシクサーズ。ブッカーはベンチに座ったまま。2Q中盤からヒートが15-0のランで逆転します。

ポイントは0の所です。ヒートが良かったのは仕方ない。というか相変わらずドラギッチをどうにも出来ない。



◉守りあった前半

 

最後にシモンズとエンビートでラッシュしたシクサーズが48-45と逆転して前半が終わります。

◯FG
シクサーズ 18/46 39%
ヒート 17/43 40%

◯3P
シクサーズ 2/13
ヒート 3/14

どちらもシュートを決められなかったというよりも、ハードなディフェンスに負けました。しかし、その割には得点が入っています。

ディフェンスの良い両チームですが、試合のペースはシクサーズのほうが早くなります。お互いに守れている割に得点が伸びている=ペースが早い。だからシクサーズ有利な展開です。



◯前半のFG
エンビート 5/9
ホワイトサイド 5/9

お互いにオフェンス有利でした。もっとエンビートが勝つかと思ったらドラギッチとの合わせで互角に持ち込んだホワイトサイド

序盤はリングから遠い位置でもらっていて何も出来なかったホワイトサイド。それがカムバックしたのがヒートが追いつけた大きな理由でした。

ちなみにアデバヨはエンビートを抑え込みました。アウトサイドで優位性を持てなかったエンビートは苦しくなり強引に打ったゴール下をブロックされるシーンも。



後半です。

◉ドライブ出来ないヒート

 

後半の出だしに好調だったヒートですが、またも5分近くFGがなくなりシクサーズが7点リードします。

その理由はドライブ出来ないこと。ドライブ出来ないのはシクサーズがインサイドにうじゃうじゃいるからです。後半開始は外から決めたのですが、その思い切りが悪くなり、中途半端なドライブが続きます。

上手くキックアウトしてもフリーの3Pを外します。

 

しかし、3Q残り1分から再び外から思い切りよく打って75-73の2点差に追いつくヒートでした。



◉一味違うヒートディフェンス

 

一旦は離されたヒートが追いついた理由にエンビート不在があります。なんと3Qだけで3つのオフェンスファールをしてしまったエンビート。

ジョシュ・リチャードソンのテイクチャージに、ポストアップに対して距離を詰めエンビートを肘を顔にくらったオリニク。わざとね。

リバウンド争いでもファールを貰いました。

 

さらに4Qになっても続き、強気に使ってきたシクサーズでしたが1分で5回目のファールをします。流れはジェームス・ジョンソンがエンビートのポストアップに距離を詰め、ターン時に肘は当たらないものの、逆に手を引いたのでボールを叩き落とします。

そこからのアーリーでオリニクの3Pに対して遅れてきたエンビートがファールです。

 

ディフェンス力でエンビートを追い込んだヒートでした。



◉エンビート対策の弊害

 

ところが得点差は逆に開いてしまいます。苦しくなってマッカナム&シモンズでパッシングになるから、躊躇なく3Pを打っていき、これが連続で決まります。もはや良いのか悪いのかわからなくなるベリネリの存在感。

4Q開始3分でシクサーズ10点リードになります。

 

しかし、今度はヒートの番とばかりにドラギッチとマクグルーダーが決めます。ていうか誰?

ジョシュ・リチャードソンのスティールから速攻が生まれ今度はヒートがラッシュします。最後はウェイドがリバースレイアップ。

次の4分で同点となります。シクサーズはその間無得点。なんだこの試合。



◉ウェイドの悪夢かリベンジか

 

信じられない事に勝負どころとなってヒートはまたもウェイドで推していきます。トップのウェイドに渡して任せる形に。それで大逆転負けした事を忘れたかのよう。

もっと忘れられているのはドラギッチというオールスター選手。コーナーに立ってウェイドを眺めるのがオフェンスの役割。残り1分でやっとドラギッチになりますが、ウェイドはコーナーに立ってはくれません。

 

それでもこの試合のウェイドは高確率で決めてチームを助けます。だから間違っていたとは言えない選択でした。まぁ普通ならこんな形で負けたら話にならないから選択しないのだけど。

◯ドゥエイン・ウェイド
27点 FG10/16

◯ゴラン・ドラギッチ
21点 FG8/17

しかし、問題はディフェンス。それまでは高い反応力でルーズボールを制していたのに球際で負け始めます。だからシクサーズのオフェンスも成功していきます。
それはウェイドの責任といったら可哀想ですが、一方でジョシュ・リチャードソンと言い合っていたので、多分納得できない部分があったはず。



残り27秒で3本のフリースローをウェイドが決めて同点になります。シクサーズボールになってヒートが選んだのはシモンズへのファールゲーム。1本決めてヒートのラストオフェンスです。

いったりきたりして、ひたすらシュートチャンスを探すウェイド。最後にシモンズのチェックがある中でタフなミドルを打ちますが、これが決まります。

前回の対戦ではウェイドにより逆転されただけでなく、逆転の可能性があったブザービーターを外しているので、見事なリベンジでした。

 

残り5.9秒のシクサーズのラストオフェンスはデザインプレーが出来ないものの、シモンズがドライブからフリーのサリッチへ出し、さらにエクストラパスでレディックのドフリー3Pとなります。しかし、これが決まらずヒートの勝利となりました。



そんなわけでウェイドで勝ったヒート。それをヒートファンはどう捉えるのでしょうか?
人によって答えは違うでしょうが、ヒート復帰からここまでのウェイドの成績はこんな感じです。

◯ウェイドの6試合
得点 11.7
FG41%
3P30%
アシスト 2.7
ターンオーバー 2.8

勝負強さに賭けてラストショットを託すくらいは構わないけど、ヒートはウェイド時代に戻る心づもりという事なのでしょうか?

良いのか悪いのか、さっぱり分かりません。

 

◯ディフェンスレーティング
チーム 94.3
ウェイド 114.1

ただウェイドが出ていると守れなかった事は付け加えておきます。オフェンスも88と悪かったのですが、最後に決めまくっていてウェイドの責任とは言い難かったです。しかし守れなかった責任はかなりありました。



◉シモンズとマッカナムとリチャードソン

 

存在感のなかったシモンズ。そんな感想は今季2試合目です。シクサーズは基本的にシモンズ、エンビート、マッカナムしかプレーメイク出来ません。

エンビートだけでなくシモンズからもテイクチャージしたジョシュ・リチャードソンですが、時にはマッカナムに激しいプレッシャーディフェンスをしています。

1人でキーマンを潰していったジョシュ・リチャードソン

 

ウェイド大活躍ですが、シクサーズも基本はディフェンスのチームです。しかし、インサイドは抑えるけどペリメーター守れるのはマッカナムとシモンズだけです。特にシモンズが効果的なディフェンスを出来ませんでした。それが響いた形に。

 

攻守に重要なシモンズですが、その真価を発揮させてもらえない試合となりました。

◯ベン・シモンズ
11点 6アシスト 6リバウンド

シーズン終盤になり、こんな数字では批判される水準になっているルーキーです。それはシモンズとドノバン・ミッチェルだけの特別対応です。



書きやすいようで書きにくくなったゲームレポートでした。何となく試合展開を言葉で表すよりも、お互いの対策や流れを変えるプレー中心の内容にした方が読む方にも理解しやすいかなーと思っています。

それは連日同じ相手と戦うプレーオフではより重要になる気がしています。それまでに書き方を工夫したいです。

 

〜追記〜

ウェイドについては「素晴らしい活躍だけど、ヒートとしてそれで良いのか」というのが素直な感想でした。しかし、いつの日か見返した時にこの試合が特別なものだったという事がわかったので追記しておきます。

アメリカの高校でまたも銃乱射により被害者がでました。その被害者にはウェイドの大ファンがいたそうです。

ウェイドは彼のために戦う試合として臨み、見事に全盛期のような活躍でチームを勝利に導きました。そして試合後に全てを彼に捧げました。

強く人の心を動かしたウェイド、そしてファンのために素晴らしいプレーをしたウェイド。その全てにパワーを与えていたファン。

それを讃えるのが相応しい特別な試合でした。

 

試合を観た感想は初めに書いた内容そのものですが、試合の外にある影響を受けた内容でもあったという事で、追記しておくとともに一部頂いたコメント等も非表示にしています。

20180228 ヒート vs シクサーズ” への6件のフィードバック

  1. ウェイドの最後のミドルの前の3Pファール今年は取らないと思ってましたが取ったのは意外でしたね。
    あと序盤のウェイドのバンクショットがボードに当たってなおかつリングの下からエンビートがブロックしたのにテンディングじゃないとかさすがにひどすぎると思いましたね。
    あの女の審判はっきり言ってレベル低すぎますよ。

    1. あれは飛んでいたのでファールコールするならフリースローでしょうね。あの辺が「選手をみてコールしている」と言われる部分ですね。おそらくルーキーのシモンズがやったらノーコールですよ。

      試合中にレフリーが1人いなくなってからは地獄でした。本当にあの女性レフリーはやめて欲しいです。

  2. ちなみに最後ウェイドがフリースロー3本決めて同点になってからシモンズにハックしたのは管理人さんから見てどういう意図があったと思いますか?
    終盤の同点の場面でハックして1本でもフリースロー入れられたらリードされるわけでかなりリスクがあったと思うんですが。

    1. あれは噂によるとウェイドが間違えたという話ですよ。

      ラストショットの権利を持てるから、外しそうなシモンズにファールゲームの選択肢はなくはない。くらいですかね。

      それでも残りが20秒あったので、もう少し守って突破されそうになったらファールゲームぐらいが普通の感覚ですね。

  3. 今日もウェイドがスコアリーダーになってましたがいいんですかね…
    もう全盛期はとうの昔な訳で中心にして勝てるとは思えないんですがどう思いますか?

    1. 試合を観てないので何とも言えませんが、個人でFG60%オーバーで25点取っているのに、チームは△18点というのはかなり苦しい内容と想像されます。

      ヒートが守れなくなっているのは何故なんでしょうか?
      そこにウェイドが関係するならば苦しいですね。

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